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水族館におけるイルカ飼育の是非 [雑談]

水族館でイルカを飼うのが許されなくなる日がいつかは来るのだろう。
欧米のヒステリックな圧力団体の活動を見聞きする度、そんなことを思わされる。
今回の一件は、その序章なのだろうなぁ、と。
5月20日、TVや新聞、ネット等々、ニュースを賑わせたイルカ問題(JAZA、日本動物園水族館協会がWAZA、世界動物園水族館協会から倫理規定違反を理由に除名される)のことだ。
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※画像はイメージです※

動物愛護を標榜する狂信者や偽善者たちがイルカをどう思おうが、崇めようが好きにすればいい。でも、WAZAもその片棒を担いでいるという部分は残念に思う。
動物園とか水族館って、実物を通して自然科学に触れる博物館なはずで、そんな非科学的な話を論ずるような場所ではないはずなのに……
残念だけど、JAZAとしてそれを受け入れる決断をしたのだから、仕方がないよね。

今回の一件はとても残念な話である反面、イルカの展示や飼育、ひいては水族館全体の飼育や展示をあらためて見直すきっかけになるんじゃないかとも思う。
確かに、新しいイルカの確保が困難になるだろうことは間違いないけれど、ビビリ過ぎというか、少々過剰反応なようにも感じるのだ。
個人的には、別にイルカなんかいなくたって、いいじゃん!! と思うからだ。
強がりとか意地になってる訳じゃなくて、オレ自身は水族館にイルカはいて欲しい。イルカや鯨類の魅力を知り、それに興味を持つことになったのは、他でもない水族館がきっかけだったからね。
でもその反面、いつぞやのジンベエザメの話にも通じるのだけど、イルカを飼育、展示する水族館が日本中にあるという現実を見直してみると、そんなにイルカ(を展示する水族館)、必要? とも思ってしまうのだ。そもそも、今回の問題の根本的な原因は、日本に水族館があり過ぎるからなんじゃないか、とも思っていたりする。
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※画像はイメージです

水族館は、イルカ(鯨類)の魅力や凄さを伝える役割を担っているけれど、だからと言って、そのための施設が日本中になければいけないということではないだろうし、野生動物を次々と飼い殺しにする理由にもならないと思う。

言うまでもなくイルカは野生の動物で、普段は海のどこかで暮らしている。
会いたいと思っても、そう簡単に会えるものではない。しかし、それが飼われている水族館に行きさえすれば、いつでも必ず会うことができる訳で、だとしたら、それが近所になくても、少々行くのが大変でも、そのくらいの苦労はしてもいいんじゃない? というのはオレの基本的な考えだからだ。
誤解の無いように書いておくが、オレはイルカの飼育、展示はもちろん、その漁についても反対ではない。

でももし、本当に野生からのイルカの搬入を諦めて、繁殖に力を入れていくのであれば、技術力や、設備が整った施設が中心となって、それに取り組んでいくしかないのだろうから、結果的にイルカを飼育、展示する施設は限られてくる方向なのだろうと思う。
でも、それはそれで、いいことなのかも知れない、とも思う。
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※画像はイメージです

何紙か読んだ新聞記事には、“水族館はイルカがいないと立ち行かない”“イルカショーは集客の要”“イルカの展示が継続的に行われなければ、経営にも影響しかねない”みたいに書いてあった。
確かに影響する部分はあるのかも知れないけれど、思い出してみて欲しい。
かつて水族館に膨大な人を集めたラッコがいなくなっても、それが理由で廃業した水族館はないし、ラッコがいなくなった後のプールも、何かしらが入って展示は続いている。
それがイルカでも…… 多分、同じだろうと思う。
実際、イルカやそのショーがなくても人気の水族館だってあるのだから。

水族館でイルカといえば、ショーありきなのは間違いない。
イルカショーはイルカの素晴らしい能力を分かりやすい形で伝えるための展示としては最適だと思うけれど、それをしなければイルカの能力は伝えられない?
ほとんどの人が好意的な目で見るイルカを魅力的に見せる展示なんて、それほど難しいものではないだろう。
まぁ、水槽設備的にはハードルは低くなさそうではあるけれど……

展示するための動物の入手がどんどん困難になっている動物園は、新しい展示手法を採り入れることで、魅力的な展示を続けようとしている。
言葉悪く言えば、手持ちのコマでやりくりしながら、減った量を質でカバーしようとしている。
水族館もそういう時期に差し掛かりつつあるんだろうなぁ、というのが今回の一件を傍観していて思ったこと。
いずれにしても、イルカ(鯨類)の飼育、展示はこの先、どんどんやりにくいことが増えていくのだろうと思う。
オレが狂信者だと思っている連中の言い分を聞いていると、自分の好きなものを徹底的に否定されているようで、何だか悲しい気分にすらなってくるけれど、水族館やそこで見られるイルカ、そしてそのショーが、この先も楽しめることを、そして日本の水族館の未来が、これ以上悪くならないことを願うばかりだ。

オススメの水族館はどこですか? [雑談]

春休みシーズンだからか、水族館は連日、混雑しているらしい。
流石にTVなどで特集が組まれるほどではないけれど、あと1ヶ月もすればゴールデンウィークもやってくる。

水族館への注目度が増すにつれて、よく聞かれるようになるのがこの質問だ。
TVで水族館の話をさせてもらって以降は、そういう質問をされる機会も増えた。
社交辞令的な話題なのかも知れないけれど、漠然と「オススメは…!?」と聞かると、それに答えるのは意外と難しく、答えに窮してしまうことが多い。

例えるなら、グルメレポートを生業としている人に「オススメの店は?」と聞くようなものだからだ。
食べ物を扱う店には、寿司にラーメン、イタリアン、中華料理等々様々なものがあって、「オススメ」と言っても、その質問者がどんな嗜好の持ち主なのか、今、何が食べたいのか、はたまた財布の中にいくら入っているのかを知らなければ答えは出ない。
水族館もそれとまったく同じで、何を求めて(何が見たくて)水族館に行くのか、そのためにどこまで行ける(いくら使える)のか。
それも知らないのに、オススメしようがないのだ。

水族館なんてどこも同じでしょ? なんて思っている人は、多分、このブログも見ていないと思うけれど、水族館もそれぞれ違っているのだ。

例えば、水族館でピラルクーが見たい!! と言われれば、なかがわ水遊園を勧めるけれど、イルカのショーが観たい、深海生物が見たい、という人には勧めない。それらがいないからね。
また、遠くなかがわまでは行けないから、もっと近くで、と言われれば、その人が住んでいる場所から最寄りのピラルクーがいる水族館を紹介するし、それがいる施設が複数あるなら、その中からベストを教えるだろう。

これもよく言われるんだけど「やっぱり美ら海水族館が最高なんでしょ?」
これも同じ理由でYesともNoとも言えない。もっとも人気の高い水族館でも、すべての人にとって最高という訳にはいかないようだ。
でも、美ら海水族館にもいる生き物を余所の水族館にいるものと比べた場合、大抵は美ら海水族館にいるものの方が素晴らしいことが多いのは事実。そういう意味ではやっぱり最高!? なのかもね。

もちろん、オレ自身の好みもある。
オレ自身は、何でも揃った大規模水族館よりも、テーマや売りがハッキリしている個性的な水族館を好む傾向があるんだけど、時々にしか水族館に行かない普通の人には、そういう施設よりも、大規模水族館の方が楽しめるのだろうと思う。
また、個人的に好きな生き物がいい状態で見られる園館は当然、印象がよくなるし、行った時の状態によっても水族館の印象が変わることだって珍しくない。
最初に行った時は「最高!!」と思った水族館が、もう1度行ってみると「そうでもなかったなぁ…」なんて思うこともよくある。もちろん、その逆もあったりするんだけどね。

水族館好きの知人や友人にオススメの水族館が聞きたければ、こう質問するといい。
「○○が見たいんだけど、どこがいい?」
○○にはイルカでもペンギンでも、イルカショーでも、サメでもピラルクーでも、自分の興味の対象をあてこめばいい。

その目的ができるだけ具体的であるほど、アドバイスもしやすくなるから、的確な答えが期待できる。
「××に行くんだけど、その辺で水族館行くなら、どこがいい?」
とか
「餌やりがしてみたい」「海獣に触ってみたい」
なんていうのもいいだろう。

ただ、「癒されたいんだけど…」というのには、ちょっと困らされたけどね。

葛西臨海水族園のマグロ事件に思うこと [雑談]

遠い昔、オレがまだ高校生だった頃のこと。
バイト先だったペットショップの水槽で、ある日を境にネオンテトラが死に始めた。
それが1匹や2匹なら別段驚くような話ではないけれど、水槽の底に死体が積もるくらいの大量死。
結局、数日で全滅してしまった。
死に始める前日までは餌も食べていたし、むしろ、状態のいい水槽だったはずなのに…

記憶の彼方にしまい込まれていたそんな記憶を思い起こすことになったのは、葛西臨海水族園で起きたマグロ類の大量死事件がきっかけだ。
もちろん、ネオンテトラとマグロ類では、原因はまるで違っているのだろうけど、マグロ類の飼育、展示を25年も続けている葛西臨海水族園でも初めて起きるという大事件だ。
連日、新聞やニュースでも盛んに報道されているから、気になっている人も多いと思う。
もちろん、オレもそのひとりだ。
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マグロが死に始めたのは、12月上旬のことらしい。
報道などで大量死が伝えられたのが、その約1ヶ月後の1月14日頃。
その時点では死因は不明としながらも、死亡個体に骨折しているものが多いとの報道もあった。
マグロ類はとりわけ神経質で、ちょっとした光や振動でパニックを起こす。
飼育下でも激突して死んでしまう個体は少なくないという。
マグロ類を飼育、展示している水族館では、そんな事故が極力起こらないよう、細心の注意を払っているはずなのだ。
それでも骨折して死ぬ個体が多いのだとしたら、その原因となるような何かがあった。そう考えるのが自然な流れだろう。

思い当たるのは、昨年の12月10日から極地の生物のコーナーのリニューアル工事。
位置的にマグロ水槽に近い、というか、まさにマグロ水槽の真横にあるみたいな水槽群だ。
工事区間の真横にいるスマやハガツオが先に死に始めていることから、きっと工事が原因なのだろう!! あくまで想像、推測ながら、個人的にはそう考えた。

しかし、マグロ類の飼育を25年も続けてきた水族館が、そんな想定しうる理由で、水族館の顔とも言えるマグロを死なせてしまうだろうか。
また、パニックによる激突死なら、同じ大量死でももっと短期間の内に収束しそうなものなのに、約1ヶ月にも渡って、毎日ポロポロと死んでいく感じは、やはりパニックだけが原因でもないのかも、とも思える。
そこで冒頭の記憶を思い出すことになるのだけど、ちょうどそんな頃、死亡個体からウイルスが検出されたというニュースが。
検出されたウイルスがどういうものなのかはまだ分かっていないようだし、それが原因とも断定はされてない。しかし、それが原因である可能性が高いのだろうと思う。
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オレが見たマグロ水槽を泳いでいたのは、クロマグロ3匹とハガツオ2匹の2種5匹。
国内の水族館で3番目に大きな水槽に、入っている魚はたったの5匹。やはり異常事態である。
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クロマグロ
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ハガツオ
寂しいことに、ここに写っているものがすべて、なのだ。

しかし、思いの外、マグロたちは綺麗で、見た目にはいつもと違っている感じはない。
泳ぎも落ち着いているように見えるし、素人目には、異常があるようには思えなかった。
水質などにも特に問題は確認されていないのだそうだ。

餌も与えられていたが、沈んできたものをぱくりとやるものの、かつてのような先を争うようながっつき感はなく、活性が低い、そんな印象を受けた。
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もっとも、それまで群れの状態で飼われていたものが、急遽少数となってしまった状況は、マグロたちからすれば、正常な状態とは言えないのかも知れないけれど…

パニックによる激突の可能性はないものかと、リニューアル工事区間の周辺を中心に、壁に耳を付けて聞いてみたりしたけれど、少なくともオレにはそれらしい音や振動を感じることはできなかった。

生き物のことだから、何が起きるかは分からない。
コイヘルペスみたいな、特定の生物種だけに猛威を振るうような病原菌もいるのかも知れない。
仮にそうだとしても、25年間起きなかったことが、今になって何故起こったのか。
現時点では原因がはっきりしていないだけに、ちょっとしたミステリー現象のようにも思えてくるけれど、分かったことがひとつ。

水族館でマグロが見られるというのは、実はとんでもなくスゴイことだった、ということ。
飼育を続けていく上で、あんなに厄介な生き物を、ちゃんと飼育、展示ができる生き物にしてしまったのだから。
これまでも多くの難問にぶち当たり、それを乗り越えてきたからこそ今がある訳で、そういう意味では、今回の難問も、今までよりハードそうだけど、何とか乗り切ってもらいたいと思う。

葛西に行けばマグロが見られる。 そんな超スペシャルな“当たり前”が取り戻されるよう、1日も早い原因の究明と、対策が講じられることを願うばかりだ。

2015年は激動の? 水族館イヤー [雑談]

2015年があけて4日目の1月4日、エプソン品川アクアスタジアムが一時休館に入った。
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エプソン品川アクアスタジアムが2005年にオープンして以降、サンシャイン水族館がリニューアルしたり、すみだ水族館ができたりと、都市型水族館を巡る争いは激化した。
サンシャインやすみだが多くのお客を集めている中で、オープンからたったの9年での大規模リニューアル。
http://www.princehotels.co.jp/shinagawa/aquastadium/
オープン10年未満なら、まだまだ古いの範疇ではないと思うのだけど、同業他社がひしめく激戦区ならでは、なんだろうなぁ。
気になるのはリニューアル後のこと。新聞報道などで伝えられる事業予算の大きさからも想像できるように、各部、かなり大きく変わるらしい。
顔見知りのスタッフさんたちに色々探りを入れてみるも、当たり前ながら、帰ってくるのはあやふやな回答ばかり。
もっとも、仮に聞けたとしても、それをここで書くことはできないだろうけど(笑)

リニューアル休館を機に、退職してしまうスタッフさんも何人かいるようで、残念な部分もあるのだけど、個人的にもっとも行きやすい水族館でもあり、半年のこととは言え、それがなくなったのはオレにとっては結構な痛手。再オープンが待ち遠しいところだ。

エプソン品川アクアスタジアム以外にも、今年、2015年はリニューアルを行う水族館がいくつかあるのだ。
まず、そのひとつが千歳サケのふるさと館。
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7月に“サケのふるさと 千歳水族館”としてリニューアルオープンの予定。
北海道で再び、爆発的な水族館ブームが巻き起こるかも知れない。
千歳水族館がどう変わるのかは、教えてもらった部分もあったりするあるのだけど、ここでは内緒(笑)
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頭の中でまだ見ぬその新水槽を思い浮かべながら、これまた夏のオープンを楽しみにしている。

夏まで待たなくてもいいのが、大分のうみたまご。
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4月18日に新施設「あそびーち」がオープンする。
http://umitamago.jp/goto/asobeach/
こちらは、動物とのふれあいが楽しめる公園的な? 施設のようだ。
八景島のふれあいラグーンの進化版、みたいな感じだろうか? それを確かめる意味でも、オープンしたら、行ってみなくちゃいけないのだろうね。

また、全面リニューアルではないが、竹島水族館、鳥羽水族館がそれぞれ部分的なリニューアルが行われ、それぞれ3月中~下旬にオープンする予定。
竹島水族館にはカピバラが、鳥羽水族館にはスナドリネコがやって来るらしい。

今年はリニューアルオープンだけでなく、新規オープンもある。
注目度が高いのは、やはり夏にオープンを予定している「仙台うみの杜水族館」だろう。
http://www.sendai-aquarium-development.co.jp/
震災の前から話だけはあった仙台水族館がようやく形になる。
震災前とは計画の内容が変わっているけれど、閉館してしまうマリンピア松島水族館の後継園館としての立ち位置は変わらない。
新水族館の運営を行う八景島シーパラダイスでは、仙台で活躍する予定のイルカたちのトレーニングが行われているとか。
周辺にはアウトレットモールなどもできるらしく、オープンする夏場は激しい混雑が予想されそうだ。

アウトレットモールと水族館という組み合わせは、大阪にもできるのだ。
エキスポランドの跡地にできる、海遊館が手掛ける新水族館、というのがそれ。
こちらは秋頃のオープン予定らしい。
http://www.kaiyukan.com/topics/2014/07/topic_001215.html
詳細はあまり伝わってこないけれど、これまでにない水族館になるのだとか。
こちらも仙台と同様、周辺にはアウトレットモールなど複合商業施設が作られる。
イメージとしては、すみだ水族館みたいな感じだろうか?

京都水族館のオープン以降、関西でも水族館の競争が激化しているけれど、それがさらに激しくなるのだろう。
特にこの新水族館を手掛ける海遊館は、同じ大阪で客の食い合いにならないのだろうか?
いずれにしても、混雑は間違いないだろう。いつ行くかは思案のしどころだ。

これらの新水族館とは別に、行きたい水族館、行く予定の水族館がいろいろあるというのに、今年はいろいろ大変そうだなぁ…(笑)

水族館にジンベエザメは必要なのか!? [雑談]

水族館プロデューサーの中村元氏は言う。
「水族館に魚を見に来ている人なんていない」と。

魚が好き。
そもそもそれが水族館に行く原動力となっている魚好きとしては、受け入れたくない言葉だけれど、でも、水族館で他の観客を見ていたりすると、「そうなのかもなぁ」とか「そうなんだろうなぁ」と中村説にも納得できてしまうのだ。
大抵の人は、水槽の前で長くて5分。目の前の魚を魚名板と照らし合わせると、その場から立ち去ってしまう。
このブログを始めたのも、そんな人たちに「目の前にいるその魚、凄いんだぜ!!」と言いたいがため、みたいなところもあったくらいで、水族館の魚をちゃんと見る人っていうのは、残念ながら本当に少ないのだ。

しかし、そんな人気薄の魚の中でも、ジンベエザメだけはちょっと違う。
その名前で客を呼べる、唯一と言ってもいい魚だ。
最大の魚というステータスもさることながら、目の前を巨大な魚が泳ぐのを目の当たりにすると、誰もが感動し、喜びの声を上げる。
4m少々の小ぶりな個体でもそうなのだから、水族館からすれば、それを展示したい!! と考えるのは当たり前と言ってもいいくらいの話なのだろう。

しかし、ジンベエザメならではの魅力である巨大さは、展示する上では最大の障害だ。
超巨大水槽を作れば飼育、展示は可能だが、その建造費用、そしてその後のランニングコストなど、とにかく膨大な資金が必要となる。
100以上もの水族館がある日本でも、ジンベエザメを飼育、展示しているのはたった5館(現在は4館)しかないのは、そういう事情だ。

先日、その5館の内の1館であるかごしま水族館で、飼育されていた個体が死んだ。
放流を目前に海上生け簀へと移動後、死んでしまったのだそうだ。
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※かごしま水族館のジンベエザメ水槽。今回死んだのは写真の個体ではありません※

かごしま水族館では放流を前提としたジンベエザメの飼育、展示を行っている。
現在、主流となってしまっているその方法を考案し、実行している最初の水族館でもある。そのため、一時的な飼育、展示、そして放流という展示法を「かごしま方式」と名付けていたりする。

でも、水族館が飼育している魚を放流するのってどうなの? と思う。
手持ちの水槽で飼いきれないから、一時的に飼育して、大きくなったら海に放流する。
それでは、アリゲーターガーやミドリガメなどを自然下に遺棄する無責任な飼い主と違わないじゃないか!! と思うのだ。
飼うことができる入れ物がないのなら、飼うべきではない。
これは一般飼育者だけでなく、水族館でも変わらないことのはずだ。

それもないのに飼育を始めて、死なせてしまったのが10月の下田海中水族館であり、5m超の魚を水槽から取り出して、移動するなんて、リスクもコストも高いことをしなくちゃならないのが、今回死なせたかごしま水族館や、のとじま水族館。最近では海遊館もそこに含まれるのかな?
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魚の移動、それも大きいものになればなるほど、そのリスクは高まる。
水中で暮らす魚は、陸に揚げてしまうと自分の重さで内臓に負担が掛かり、それが原因で死んでしまうことも多い。
重くて運びにくいのに、水ごと運ばなくてはいけない理由もそこにある。
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のとじま水族館のジンベエザメ水槽

また、環境の変化も、魚には少なくない影響を及ぼす。
自然の海では、何が起きるか分からない不安定さもある。台風が来たり、大荒れになることだってあるだろう。
今回、そして以前に死んだかごしま水族館の個体、そして、以前放流時に死んだのとじま水族館の個体は、このあたりが死なせてしまうことになった理由だ。

もう、こういうの、止めませんか?

勘違いして欲しくないんだけど、オレはジンベエザメの飼育、展示自体には反対じゃない。
どこかに搬入される度に見に行っているくらいで、それが見られることは嬉しいし、ありがたいと思っている。
でもね、その扱い方も、飼い方も、ある程度以上分かっていて、設備さえ用意すれば、“飼える”生き物になっているはずのジンベエザメを、人の都合のつまらない理由で死なせ続けてしまうのは、水族館がすべきことではないと思うのだ。

かごしま水族館はこうも言ってる。
“水族館としても「客寄せのためにジンベエザメでも展示しよう」といった安易な考えを持つことは許されないでしょう。”とね。

ジンベエザメを展示しようという計画があったのに、結果的にそれが飼える水槽を作らなかった。それはもう飼育自体を諦めるべき話なのだと思う。
しかも、同じような失敗を何度か繰り返しているのだから、なおさらでしょう。
ジンベエザメなんかいなくても、魅力的な水族館であることはできるはずだし、実際にそういう水族館だって沢山ある。

もちろん、それはジンベエザメに限った話ではなくて、大きくて目立つ存在だから、より強くそう思うだけで、どんな生き物だって基本は同じ。

沖縄に行かなければジンベエザメが見られなくなる?
それでもいいじゃないですか。
人の都合で狭い水槽に押し込めているのだから、それが見たければそのくらいしたっていいと思う。
それこそ海の中で見ようと思ったら、費用だけでなく、運も必要になるけれど、とりあえず沖縄に行きさえすれば、いつでもちゃんと見られるんだからね。
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水族館ファンとしては、こんなこと、書きたくはなかったんだけどなぁ…

「ミストラルの水族館ブログ」を見てくれてる人って…!? [雑談]

8月も末。そろそろ夏休みシーズンも終盤。
オレにとっては再び水族館シーズンの始まりでもあるんだけど、夏の終わりというのは、何となく寂しさがありますなぁ。

夏休みシーズン。即ち、水族館に人がひしめく季節。
ミストラルの水族館ブログも多くの人たちがやって来てくれる時期でもある。
今回は8月に検索で見に来てくれた人の検索条件の中から、気になったものをいくつか。
水族館好きの傾向を調査してみたいと思う。
ネタが切れたんだろうって? ええ、そうです。ネタ切れですよ(笑)

ウチのブログは、生き物好きの人が、自分の興味のある生き物を検索してやって来てくれることが多い。
それも、ジンベエザメ、マンタ、ノコギリエイ…e.t.c. 圧倒的に多いサメ・エイ関連に加え、シャチ、ガー、ピラルクーなんかが多いところ。
まぁ、仕方ないよね(笑)
ところで、ウチのブログでは「ジンベエザメ」と表記していて、「ジンベイザメ」とは絶対に書いてないはずなんだけど、検索して来てくれる人は「ジンベイザメ」で来る人がほとんど。
「ジンベイザメ」でも絶対的な間違いではないけれど、ディー(D)をデーって読むみたいな感じ? ちなみに、図鑑などに掲載される名称は「ジンベエザメ」
また、ガーやアロワナなど観賞魚として流通しているものでは、その飼育者と思しき人なんかも結構来てくれているようで、こんな検索でやって来た人も。

「アジアアロワナ幼魚が大きな生餌咽に詰まらす」

喉に詰まらさない大きさの餌を用意してあげてね… としか言えないのだけど…
他にも不思議な検索条件はいろいろあって、

「アクアリウム展みつけたけど、ネットが固まって、今見れない(」
「名古屋港水族館マナティの背中の模様」

ネットが固まったのに、検索はできるの?
マナティに模様、ないよ。それ以前に、名古屋港水族館にマナティ、いないけど…

いる、いないで言えば、こんな検索で来てくれる人も結構多い。

「鳥羽水族館にはノコギリエイはいる?」
「EPSON品川水族館にジンベイザメはいますか」
「能登島水族館雨だとイルカショーはない?」

検索するより、電話して聞いてみる方が早くない? なんて思ってしまうのだけど(笑)
その検索条件でウチのブログに辿り着けるのも、なんかスゴイ!!

上記の検索結果は、水族館に行こうとしてる人が検索したものなんだと思うんだけど、こういうのも多かった。

「名古屋港水族館と白浜アドベンチャーワールドのイルカショーどっちが凄いのか」
「越前松島水族館とのとじま水族館どっちがいい?」

好みにもよるので何とも言い難いけど… ブログにはどちらがいい、みたいな書き方はしてないし。
でも、イルカショーだけなら、名古屋港水族館よりアドベンチャーワールドがオススメです!!(←言っちゃった・笑)

イルカショーと言えば、最近、こんな検索条件が増えている。

「イケメンのイルカ調教師」
「エプソン品川イケメン調教師」
「EPSONトレーナーイケメン」

以前、コメントを残してくれた人もいたけれど、エプソン品川のイケメントレーナーに注目が集まっているらしい。
誰のことなのか、オレも興味津々(笑)
まぁ、でも、イルカの背に乗ってプールを縦横無尽に行き交う姿や、プールからイルカと一緒に飛び出す様は、やっぱりカッコよく見えるもの。

イルカトレーナーと言えば、こんな検索条件も

「大分うみたまごのイルカのトレーナーカッコいい人がいました」

だそうですよ。個人的には1度しか行ったことのない水族館なので、どんな人がいたのか、覚えていないのだけれど、イケメントレーナーを見てみたい人は、うみたまごに行ってみるといいかも知れない。

季節に関係なく、TVで水族館関連の番組を放送したり、海の生き物の番組があったりすると、一時的にアクセスが集中することがよくある。
今年の8月も、17日に放送された水族館の番組の放送以降、番組で紹介された水族館に関する検索条件で多くのアクセスが。
中でも多かったのが

「九十九島水族館イルカショーのキャッチボール」

初めて見ると誰でもビックリするもんね。イルカの空中キャッチボールも含め、海きららはとってもオススメな水族館です!!

他にもこんな検索でウチのブログにやって来た人も

「山の水族館山内」

TVの中の活躍ぶりからファンになったかな? ちなみに北の大地の水族館(山の水族館)に山内さんは2人いるのでお間違えのないよう。
と言うか、オレのブログで山内さん情報、何か書いたっけなぁ…?

最後に、ちょっと変わった検索条件も。

「山形水族館へ東京から行くブログ」

恐らく、加茂水族館のことだと思うのだけど、確かにオレも東京から行ったけど…
でも、東京から山形の水族館に行くブログではないのだけれどねぇ…

それからこんなのも。

「アクアスの辺りのラブホテル」

知りません!! というかそんな検索条件で何でウチのブログが? って感じなのだけど…
水族館の近くのラブホなら、エノスイの向かいにあるよ。
残念ながら、利用したことはないのだけれど…

とまぁ、いろいろな人が、いろいろな検索でやって来てくれた、という話でした。
夏休みシーズンも終盤。そろそろ始動したいと思います!!
タグ:水族館

さいたま水族館の悲劇 [雑談]

つい先日の話だ。
さいたま水族館の外池の魚、約300匹が死ぬという事件が起きた。
池の水からは塩素が検出され、何者かが、何かしらの毒物(塩素系の薬剤)を池に流し込んだことによるものらしい。
ニュースなど報道もなされているから、知っている人も多いだろう。
悲劇の舞台となった外池は、餌やりなど魚たちとのふれあいを楽しめる、さいたま水族館の大きな魅力となっていた場所。ゴールデンウィークを控え、水族館にとっては商業的にも大きな痛手だろう。

信じられないのは、同じような事件は2月にも起きていて、その時は当時、池にいた約500匹の魚たちが全滅したという。
まったく酷い話だ。

ニュースにはなった。しかし、死んだのが魚だったからか、大騒ぎ、というほどではなかったような気がする。
でも、この犯人がしでかしたことは、テロと言ってもいいくらいのことだ。
もし、全滅したのが、どこかの水族館の屋外のプールで飼われているイルカだったらどうだろう?
殺されたのが、500匹の犬や猫だったなら…


先にも書いたように、庭の池での餌やりは、さいたま水族館の大きな魅力だった。
しかも、餌を食べに集まって来るのが、コイばかりでなく、巨大なアオウオやソウギョまでいるというのがさいたま水族館ならではのスペシャルだった。
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しかし、それがすべて失われてしまったのだ。その損失は想像以上に大きい。
何故なら、同じものを取り戻すには、長い時間がかかるし、中には取り戻せないものもいたのだから。

例えば、アオウオ。
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まず、手に入りにくい。
手に入ったとしても、かつてのサイズまで成長するには長い時間が必要だし、さらに、コイのように慣れやすい魚ではないから、以前のように人の前に寄ってくるようになるまでにも長い時間がかかるだろう。そこはソウギョも同様だ。
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また、2月に死んだ魚の中には、今や手に入らないレイクスタージョンもいた。
何匹いたのかは分からないが、20年くらい前に輸入されたものの生き残りがいくつかの水族館に残っている程度だったのに…
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それら貴重な魚たちに加え、オレのお気に入りだった奥の“無国籍池”も失われてしまったのだろうと思うと、本当に残念で、腹立たしい。

3ヶ月ほどの間に、同じような事件が2回も起きた。
再発は防止できるのだろうか?
そもそも、この事件には不思議な点がいくつもある。
池の魚を殺すということ自体が? さいたま水族館やそこで働く人への恨み? 羽生市に恨みを持つ人? なんて意見も。

また、塩素と言われている使用毒物についても、あれだけ大きな池の魚を根こそぎ殺すほどの塩素と言ったら、ちょっとやそっとの量ではない。
いくら屋外で夜中とは言え、監視カメラなども付いているのだろうし、ポリタンクをいくつも運び込むようなことは難しいんじゃないかと思うのだ。
そのため、関係者による犯行なのでは、みたいなことを言う人もいるくらい。
もっとも、個人的には、事件の全容が解明された所で、失われた魚たちが戻ってくる訳でもないので、そういうのは案外どうでもよかったりする。

しかし、犯人が早く捕まること、同じような犯罪がもう起こらないこと。
その2点については、水族館好きとしては、やはり祈らずにはいられない。
誰が何のためにこんなことをしたかは分からないが、さっさと捕まって、然るべき罪に処されることを強く望むのみ。

ミストラルの水族館ブログ 2013年シーズンの総括 [雑談]

年末ということで、今年も何回くらい水族館に行ったのか数えてみた。
65回。昨年よりも27回も少なかった。
だから、という訳でもないんだろうけど、少々ネタ切れ気味。
もうこんなに寒いっていうのに、今シーズンは深海生物ネタも昨年より弱い感じ!? で、とうとう年末。
もしかすると、11月のミツクリザメ大量搬入がピークだったり!?

それはともかく、今年の水族館の訪問回数が少なかったのは、サンシャイン、すみだ、エプソン品川に行った回数がそれぞれ減ったから。
反対に、美ら海水族館やおたる水族館は、例年より多く行ってたりするのだけど。
今年、新たに行った先では、和歌山、長崎がとりわけいい遠征となった。
5館(アドベンチャーワールド、白浜水族館、太地町くじら博物館、串本海中公園、和歌山県立自然博物館)を巡った和歌山は、どこも優劣をつけがたいくらいにそれぞれ個性的で魅力的。とんでもなく行きにくいのが大きな難点ながら、また行きたいなぁ、なんて思ってる。
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串本海中公園
もう一方の長崎でも楽しませてもらったけれど、特に佐世保の海きららは、再訪を画策している水族館のひとつになった。
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海きらら
和歌山、長崎ともにオレ以外の水族館好きにも、是非、行ってみて欲しい園館だ。

また、これからのシーズンなら、北海道の北の大地の水族館、冬の海獣公園ツアーが開催されるおたる水族館もオススメだ。
何も真冬にクソ寒い北海道に行かなくても… と思われるかも知れないが、水面を覆った氷を下から見上げた時の美しさ、雪で覆われた真っ白な海獣公園、そしてその中で生き生きとした様子を見せてくれるトドたち。まさに今の時期の北海道だからこそ見られる美しい光景だ。これも多くの人に見てみて、知って欲しいと思う。
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北の大地の水族館
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おたる水族館(海獣公園)

また、ミツクリザメや深海生物も、シーズンいっぱいはできる限り追いかけたい。
特に、先日のミツクリフィーバーに乗れなかった悔しさもあるから、なおさらにね。
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一方、06年からスタートした全国制覇に向けた水族館巡りも、丸7年も経過しているというのに、まだ終わらず。現在87館と、まだ90にも届いてない。
とりあえず100を目指しているものの、あとどこに行けば100に届くのか、いつまで経っても見えてこない終わりにイヤになりそうになったり…
また、新たに行った水族館を気に入ってしまい、行きたい水族館ばかりが増えるのも資金や時間が限られることを考えると、悩ましい問題だ。

とりあえず、来年はまだ行ったことのない、あそことここを… なんて思いつつ、海外進出もしたいなぁ… なんて、難易度の高そうなこともちょっぴり思ってみたり。
年末ジャンボが当たっているとよいのだけれど(笑)
なお、水族館の方からの「ウチに来い!!」的な挑戦? もお待ちしています(笑)

それから、今年は“水族館の専門家”としての活動もいくつかさせてもらえた。
1月発売の「水族館で珍に会う」の執筆、8月には日本テレビ「PON」で水族館をいくつか紹介させてもらった。
来年もそんな活動ができればよいのだけれど…

出版社、編集プロダクション、TV製作会社の皆さま、
水族館関係で何かやりたい、そんな風に思った際のお声掛け、お待ちしております!!

水族館関係の方からの挑戦? も含め、何かありましたら
mistralaquqrium@gmail.com

まで、ご連絡のほど。

いずれにしても、来年も水族館やそこにいる生き物の話をしていければなぁ、と思っております。
見ていただきました皆さま、どうもありがとうございました。
来年もよろしくお願いします。

それではよいお年を。
タグ:水族館

おかしなニュースの話 [雑談]

少し前、バルト海の端、デンマークとスウェーデンの間、エーレスンド海峡で1匹の風変わりな魚が捕獲されたのがニュースになった。
その魚、何でも、キン○マを食いちぎるらしい。何とも物騒な話である。

しかしまぁ、ニュースを読み進むほどに、メチャクチャな話だなぁ、と。
遠いデンマークの話なので、ウソか本当かは分からないけれど、オレに言わせれば、東スポが報じる“宇宙人襲来”くらいのレベルで信じ難い話だと思った。

と言うのも、その“キンタ○を食いちぎる”らしいパクーは、南米原産の淡水魚だ。
パクーなんて名前も、いかにも「パクッ」と食いちぎりそうだが、それとこれとはまったく無関係(笑)

まず、それが海にいること自体、何かの間違いでしょ? なのに、捕獲されたのがバルト海と、熱帯域に生息する魚がいるとは思えない場所。
○ンタマを食いちぎるかどうかの前に、その時点で信じるに値しない話だと思ったワケだ。

しかし、捕獲されたのは、どうやら本当らしい。

アマゾンで「パクー」と呼ばれる魚にはいくつかあるが、今回話題になっているのは、
Piaractus brachypomus、水族館などでは「レッドコロソマ」と呼ばれてるもののことのようだ。
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確かに、タフな魚である。
しかし、海と淡水を行き来するような生活をする魚ではなく、多少の塩分耐性はあるにせよ、海の中で生きられるとは!! まずそこが何よりの驚き。
また、低温にもそれほど強くない熱帯魚であるからして、冷たい水では長時間生きることはできないのだ。今時期のエーレスンド海峡がどのくらいの温度があるのか知らないけれど、そこもまた驚きだった。
デンマークやスウェーデンの熱帯魚店でコロソマが売られているのかは知らないけれど、そうだとしたら、飼いきれなくなって海に捨てた、そんなところなのだろう。

そして、例のキ○タマ事件が起きたのが、パプアニューギニアだというのも、最初、信じられなかった理由だった。
先にも書いたように、南米原産の魚だから、別の何かと間違えたんじゃ…
なんて思ったのだけど、食用を目的にパプアニューギニアに移入されてるらしい。
確かに、大きな淡水魚が少ない地域ではあるけれど…

ニュースなどで報じられてるように、硬い木の実を噛み砕くことのできる強い歯と顎を持っているから、その気になれば、キン○マくらい噛み潰すのは訳もないことだろう。
しかし、噛み潰せるくらいの大きさの個体、恐らく50㎝以上だと思うのだけど、泳いでる人間の大きく動く足の間をくぐって、わざわざ噛みに行くかなぁ?
大いに厚かましいところのある魚ではあるけれど、そこまで大胆とも思えないのだけど…
まぁ、噛まれた人は不運だった、としか言いようがないんだけど、タウナギをケツに突っ込むようなバカもいることだし、あるいは… とも思ったり。

同じ男としちゃあ、想像するだけでも震えがくるような話だけれど、あまりに無節操な生態系破壊の報い、ってことなのかも知れないね。

寒いバルト海にいたんだから、日本にも!? なんて思う人もいるかも知れないが、確かに川や湖なんかに投棄するヤツもいるかも知れない。
でも、真冬になれば死んでしまうし、ましてや、キンタ○目がけて襲いかかってくる、なんてことはないはずだから、もし、いたとしても心配する必要はないだろう。
そもそも、日本では公共の場所で全裸になると法に触れるから、水着も着用しているだろうしね。

変な伝説を作ってしまった魚を見てみたくなったら…
淡水魚がいる水族館なら、大抵いる。
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こんなニュースを見聞きした後だと、その姿も恐ろしく見える… かも!?
タグ:水族館

上野水族館って知ってますか? [雑談]

不忍池のほとりの上野動物園内、今、ビバリウム(両生爬虫類館)がある辺りにあった水族館のことだ。
92年に閉館し、東京都の水族館としては葛西臨海水族園がその跡を継いでいる。

閉館したのがデジカメもインターネットも普及していない時代だったせいか、かつての水族館を振り返ろうにも、それが難しく、「上野水族館」とネット検索すると、同名のバー? がヒットする。行ったことはないけれど、水槽があるお店らしい。

水族館は64年に開館しているので、オレが産まれた時には既にオープンしており、閉館するまでに何度か足を運でいる。
最後に行ったのは25~26年前のことだったと記憶している。

どうして今、上野水族館の話かというと、書店で「水族館をつくる」という本を見つけ、手に取った。
アクアマリンふくしまの館長である阿部義孝氏が書かれたものだった。
その阿部氏、アクアマリンの前は、葛西の館長だったことまでは知っていたが、そのキャリアのスタートは上野水族館からだったらしい。
その本には、上野水族館の話も比較的詳細に書かれていて、当時の記憶を振り返りながら、何とも懐かしい気分になったからだ。

比較的規模の大きな水族館だったような記憶があるけれど、今からすれば、驚くようなものではない。
動物園に併設されていたから、アザラシやアシカ、ペンギンなどは(動物園で)見ることができたけれど、イルカなどの海獣はおらず、ショーなどもなかった。
入館してすぐの所にサメが泳ぐ大水槽があったけれど、それもたったの160tしかない、今では大水槽とは呼べない程度のものだ。
何せ小さなガキンチョだった頃の記憶なので、おたる水族館のパノラマ海遊水槽くらいはあっただろうと思っていたんだけど、その1/3くらいしかなかったってことだ。
それでもできた当時は国内最大だったようで、アクリルパネルを使った最初の大水槽だったらしい。
オレは30年以上前に、この水槽で初めてシュモクザメを見た。
餌用だったのだろう。生きたイワシが水面付近で群れていたのを覚えている。
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シュモクザメとイワシの組み合わせは、30年以上前に既にあったのだ!! 写真は葛西のもの。

他には、ヤジブカやドタブカの魚名板が出ていて、それらが本当にいたのかは覚えていないものの、「何だかカッコ悪い名前だなぁ」と思ったのは今でも記憶している。

そこから階段を上がり、3Fが魚の展示フロアだった。
階段を上がった正面に、プラタパッドという名前で展示されていたアジアアロワナと、スッポンモドキが泳ぐ水槽があり、その斜向かいにタイル張りの風呂みたいなプールがあって、そこにピラルクーやコロソマなどアマゾンの大型魚が泳いでいた。
上からしか見られないピラルクープールは、正直、あまり好みではなかったけれど、アロワナの水槽、とりわけウミガメみたいなスッポンモドキは、30年も前の話なのに、今でも鮮明な記憶があるくらいの、ひたすら夢の生き物だった。
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スッポンモドキ。名古屋港水族館で撮影したもの。

その先の展示フロアはコの字型に水槽が並んでいて、さほど大きくない水槽にポリプテルスや肺魚などの古代魚類が中心的に展示されていた。
この3Fには、淡水魚フロアと同じ配列で、海水魚も展示されていたらしいのだけど、どういうワケか、そちらはまったく記憶にない。
記憶がないから、サメ以外の海水魚はいなかった… なんて思っていたくらいだ。

上野水族館と言えば、忘れられないのがマンファリ(キューバンガー)である。
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コの字型に並んだ水槽の一番奥に、少し大きな水槽があって、そこにはガーが泳いでいた。
スポッテッドガーだったと思うのだけど、その中に1匹だけ、他のガーと同じ形なのに、柄がなく、真っ黒でひと際大きな個体がいたことをよく憶えていて、今にして思えば、それがマンファリだったんだろうなぁ、と。
その水槽の魚名板は、ガーパイクと出ていたが、もうひとつ、違った名前のものが出ていたことまでは憶えている。でも、それがマンファリだったかは憶えていないんだけど。

マンファリは今でこそ熱帯魚店で買える魚になっているが、その当時、日本にいたのはキューバ政府から公式に日本へ贈られた4匹のみで、上野とよみうりランドにそれぞれ2匹ずつが飼われていた。
当時、その価値は分かっていなかったけれど、それを見たという事実は、後になって同行のガーや古代魚好きと大いに盛り上がるネタとなった。

4Fは爬虫類のフロア。
沢山の淡水カメが入った池、フロアの中央に金網で囲われたワニのプールがあったことをよく憶えている。
オレが何となく憶えているのはカメの池くらいのものだけど、古くからの爬虫類マニアにとっても上野水族館は“心の故郷”だったようだ。

オレの水族館デビューは上野ではないけれど、今ほど身近ではなかった外国の魚たちに会える場所、そしてその後、それらを自分で飼うようになったことを考えると、幼い日に上野水族館による刷り込みは、その後のオレに大きく影響を与えてるんだろうなぁ、と。

前述の本を読んでいて思ったのは、アクアマリンふくしまの展示は、古代魚類から始まる順路や、金魚の展示など、上野水族館に通じるというか、共通している部分もあり、もしかすると、上野時代のコンセプトを現代風にアレンジし、その当時できなかったことを形にしたものだったのかなぁ、なんて思ったり…
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文字を追いつつ、頭の中では昔懐かしい水族館に再訪した、夏の1日でありました。