SSブログ

レインボーパラダイス @ 名古屋港水族館 [淡水魚]

もう3か月くらい前の話になるのだけど、名古屋港水族館に行ってきた。5年ぶり。

ところで、水族館好きな人が名古屋港水族館に行く時、何を目的に出掛けるのだろう?
やっぱりシャチ? ペンギン?

今回のオレの目的は…… そのどちらでもなくレインボーフィッシュ。
2023年はオレの中でレインボーフィッシュが大ブームで、とにかくそれが見たかった。
水族館にはあまりいないが、そういえば名古屋港に何かいたよなぁ!? と出掛けてみたのだ。
結果的に大当たり。期待以上のもの見せてもらうことができた。

南館の各水槽をサラリと眺めつつ、レインボーがいるオセアニアの水槽へ。
最初に出迎えてくれたのが、スッポンモドキの子ガメと一緒に展示されていたメラノタエニア・ゴルディエイ。
2X9A2871.JPG
ほぅ!! こんなのいるんだ!! 予期せぬレア種との遭遇にちょっとビックリ。
数もそこそこいて、色もそれらしい色を発色してる。しかもかなり大きい。
この種はウチにもいるが、まだまだ小さいので、こんな感じになるんだなぁと。その将来を楽しみにさせてくれた。
ゴルディエイが見られるとは思っていなかったから、この時点でそれなりに満足していたのだけど、その先のレインボー水槽でさらに驚かされることに。

そこにいたのは、M.トリファスキアータ、M.オーストラリス、M.スプレンディダの3種。
いずれも水族館ではほとんど見ない種類。だからオレもいるのを予測していた種類と違っていたことがまず意外だった。でも、そんなことよりもその大きさに驚いた。3種ともにとんでもなく大きくて、“こんなにデカくなるの!!”と。
大きく広い場所で飼うと大きくなるとは言われていたけれど、ここまで大型化するとは思わず、本当にビックリした。

中でもトリファの大きさによるインパクトは強烈だった。
2X9A2896.JPG
トリファはカワスイにもいて、色に関してはそちらの方が綺麗なのだけど、大きさに関しては比べ物にならない。
オレの手のひらよりも大きくて、体長もさることながら、体高もすごくて、サイズはずっと小さいけれど、その背張り(せっぱり)ぶりはカラフトマスをも彷彿させるよう。
この手のレインボーに魅力を感じるのは、カラフトマスが好きだからなのか!? みたいなことを思ったくらいだ。

オーストラリスもそうだ。
2X9A2893.JPG
熱帯魚店では“ドワーフ”なんて言われて売られているけれど、名古屋港の水槽にいたものは10㎝くらいあって、ドワーフの範疇から大きく外れている気がするものばかり。
よく見掛けるものとは種類や産地が違うのか? それとも環境によってここまで大型化するものなのか。
いずれにしても、その大きさは驚かずにはいられない。
レインボーフィッシュ、とりわけこの水槽にもいるメラノタエニア属の仲間はネガな部分が見当たらないような気がするのに、日本ではとかく人気がない。
でも、この大きさを見てしまうと、60cmくらいの水槽じゃ持て余しそうで、飼うのは止めておこうとなりそうな気もする。

ただ、いずれの種類も驚かずにはいられない大きさがあるのに、どうした訳か色はどれもパッとしない。
体色の美しさを楽しませてくれたのは、子ガメの水槽にいたゴルディエイくらい。
大きくなり過ぎると色味がぼやける、なんてことがあるんだろうか?
その点では物足りなさもあったが、レインボー好きなら一見の価値のある水槽だと思う。

名古屋港まで行ってレインボーフィッシュだけ見て帰ってきたのかって?
シャチも見ましたよ。そりゃあね(笑)
2X9A3032.JPG
nice!(0)  コメント(0) 

ケアンズ水族館の気になる魚 [淡水魚]

世界最大のサンゴ礁であるグレートバリアリーフのお膝元であるケアンズだが、そこで暮らす魚たちは意外にも日本でも見られるものが多い。
海はつながっている。同じ魚が多くいるといるという現実がそれを強く実感させる。
しかし反面、日本で見られないものを期待してわざわざ海外まで水族館に来た者からすれば、日本でも見られるものでは大きな感動は得られにくい。
ということで、ケアンズ水族館で強く印象に残ったのは、ひとつ前のブログに並べたシマイサキ科など淡水魚たちだった。
中でも、淡水の大水槽はとりわけ印象深い水槽だった。
水槽の主役はバラムンディだが、水槽の底にも見逃せない存在が。
初めて見る淡水エイがそれ。
01.JPG
魚名板によればフレッシュウォーターウィップテールレイ(Urogymnus dalyensis)とある。
有名なU.polylepis(チャオプラヤ)と同属で、かつては同種と考えられていたというエイだ。
茶色の色合いが違って入るものの、知らないで見れば同じに見えるだろう。
チャオプラヤほど巨大化しないようで、体盤長1.2mほどにしかならないらしい。
ケアンズ水族館には3匹がいたが、いずれもそのくらいの大きさ。つまり、この種のフルサイズ級という訳だ。
ずいぶん前に、オーストラリアにもこんなエイがいるということを知って以来、ずっと見てみたいと思っていたが、それがようやく叶った。
ただ、かつてはチャオプラヤと同じと考えられていたものだけに、初めてなのに既視感が(笑)
ケアンズ水族館では本種以外に、ノコギリエイ、そしてGlyphis(淡水サメ)が見られるのでは!? と淡い期待を抱いていたが、それらの姿は見られなかった。

オーストラリア産の淡水エイがいる大水槽はバラムンディが主役だと先にも書いたが、それに劣らないというか、二枚看板級の存在感を放っていたのがマングローブジャックことゴマフエダイだった。
02.JPG
大きくて堂々としていて、バラムンディよりも下の方(観客の目線あたり)をゆっくり泳いでいるので、むしろ主役はこちら、なくらいな印象で、目の前を行き過ぎる度にカメラを向けてしまう、そんな感じ。
バラフエダイは日本の水族館でも見られる魚だが、淡水の水槽で、しかもほぼ主役級としての展示はないと言っていい。
バラムンディも好きだが、フエダイも大好き、さらにはエイも好きで見たことない種類がいる…… この水槽、最高だな!!

淡水エリアには他にも見たことも聞いたこともない魚もいて、そのひとつがこのブルロート。
03.JPG
淡水カサゴ、といったところだろうか。
フサカサゴ科の1属1種で、日本にはいない種類。
フサカサゴ科の分類は幅広く、3つの亜科に分かれているそうで、このブルロートが属するNotesthes属は日本にいるフサカサゴ科の系統とは違っている模様。
でも、見た目はフサカサゴ科の魚らしく見知ったオコゼなどのそれ。だから、見るからに珍しいという感じではないものの、当然、見たことはない。
また、そういう魚の例に漏れず、基本、動かない。水槽の前を通り掛った時に覗き込むと、位置や向きが変わっていることがある、みたいな感じ。
日本では見られない珍しいものを見ているはずなのに、今ひとつありがたみに浸れない、そんな印象の魚だった。

ブルロートのいる水槽の向かいにあった円柱水槽にいたイースタンレインボーはまさに地元の魚。
04.JPG
植物園の池にも泳いでいたりと、ケアンズ周辺ではごく普通の淡水の小魚といった存在のようだ。
水槽が薄暗いせいか、地元だからこその美しさ、みたいな感じでもなかったが、サイズもそこそこ大きくて、亜種の多いこの種類(Melanotaenia splendida splendida)の中ではきっと地味な方なのだと思う。
日本にもいる(観賞魚などとして)かも知れないが、もともとレインボーフィッシュはマイナーな存在だ。
見ようと思って見られる(手に入る)魚ではない。
個人的にもメラノタエニア属のレインボーは好きだし、何より、オーストラリアの淡水魚と言えば、みたいな存在だから、ここで見られたことはよかった!!

最後の1匹はテッポウウオ。
T.jaculatrixと思われる黒いスポットを持ったよく見るものと一緒に、柄がなく、体型も異なるものが数匹。
05.JPG
何だこれ?
体型や口の形にテッポウウオ感はあるものの、その体型はテッポウウオとしてはかなり違和感のあるもので、ウチの連れが「これはテッポウウオじゃないよ」と言い張るくらいには違っている。
サイズ的にはその他の種類と同じくらいか、ちょっと小さいくらいだったので、こういう種類なのだと思うのだが……
個人的にはT. lorentzi? なんて思っているのだけど、果たして……!?
こういう出会いこそ、海外水族館に来たからこそ、だよね。やっぱり。
nice!(0)  コメント(0) 

日本じゃ見られない淡水シマイサキ(科)コレクション@ケアンズ水族館 [淡水魚]

非常に古い時代に他の大陸から切り離されたが故に、オーストラリアの生物相は独特である、というのはよく知られた話。
そんな歴史の生き証人として有袋類が有名だが、現在知られているオーストラリアの淡水魚の多くは起源の古い3種を除くと、海から淡水へと進入した2次淡水魚、もしくは周縁性淡水魚がほとんどを占める。
中でも特徴的なのがシマイサキ科の数が多いこと。それらは日本の水族館で見掛ける機会もほとんどなく、観賞魚として日本に入ってくることも少ないので日本人には馴染みの薄い魚たちだ。
でも、面白いことに、そうしたオセアニアのシマイサキ科淡水魚は遠く離れた日本の西表にもいる(種類がある)ことが知られている。しっかり調べていけば、もっと広範囲に分布しているのが見つかる、なんてこともあるかもしれない。

前置きが長くなったけれど、ケアンズ水族館ではそんなシマイサキ科淡水魚をいくつも見ることができる。
それらのほとんどは日本の水族館では見られない。それどころか、名前すら聞いたことがない、みたいなもの。
知らない魚だったから、ずっと憧れていたりした訳ではなかったけれど、見たことも聞いたこともない魚が見られる。それこそ、海外の水族館に出掛けていく醍醐味だ。

最初に出迎えてくれるのが、タリーリバーグランター(Hephaestus tulliensis)。
01.JPG
その名もずばり、タリー川のイサキ。
体高のある分厚い真っ黒な体。細長く突き出したような顔つきがシマイサキ科らしい。
体色、体型ともにひと目で見たことない魚だと分かるもの。
魚名板には30㎝と書かれていて、展示されていたものも実際にそのくらいだと思うのだけど、体高と分厚さからそれ以上のボリューム感。より大きく見える。
ゴールデン(黄変)個体も多くいるのか、水槽内にはそんな変異個体も何匹か入っていた。

そしてその次の水槽にいたのがソーティグランター(Hephaestus fuliginosus)。
02.JPG
細長く突き出た顔に、体高のある黒い体、ゴールデン個体もちらほらと……
隣の水槽にいたのと一緒じゃーん!!
この2種が属するHephaestus属には14種類があるらしいのだけど、どれもよく似ているのだろうと思う。
上記のタリーリバーと比べると、ソーティの方がやや体高が低い? ような気もするが、個体サイズによる? 言われなければ別種だとは思わないほどよく似ていて、隣同士の水槽だから、画像も連続していたりする。
つまり、ここの画像も種類を間違えているかもしれない。
でも、多分、バレない(笑) だって、水族館も含め、日本にいない魚だから。見たことあるという人も多くないと思うから。

見分けがつかない初見の2種に戸惑っていた時、並びの水槽にいたジェイドパーチの姿を見た時には、海外で日本語を聞いた時のような、ちょっとホッとしたような気分になった。

こいつは知ってる!!
ジェイドパーチも日本の水族館で展示しているところはないと思うが、観賞魚として流通したこともあり、個人的にはこれまで何度か見たことがあった魚だったからだ。
03.JPG
でも、ここはケアンズだ。この魚の本来の生息エリア。本場である。
それだけに展示個体数もいっぱいいる。
本場だからと言って、何て素晴らしい!! とならないのは、もともとそういう魚だから(笑)
良くも悪くも、灰色のごく一般的な魚の体型をした魚、だから。
淡水エリアの個水槽だけでなく、大水槽にもいて、どの個体もそれなりに立派。
ジェイドがとりわけ好きだという人にとっては、きっと夢のような光景が見られるはずだ。

大水槽には個水槽にもいるシマイサキ科がひと通り入っているようだったが、個水槽にはいないものもいて、それがこれ。
04.JPG
魚名板はなかったけれど、多分、ニセシマイサキ、現地風に言うならシルバーグランターよね?
和名があることから分かるように、西表でも生息が確認されているもののひとつ。
ただし、日本の水族館で展示しているところはない。だから、生きた姿を見たのは初めて。
ひし形の体高の高い体は、チョウセンバカマとか若いツボダイを連想させる。

大水槽に数匹? いたくらいで、その他の種類のように沢山はいなかった。現地でも珍しいのだろうか?
いずれにせよ、初めて見られたことが嬉しかった1匹だった。

最後の1匹も知っているもの。見た中ではもっとも馴染み深いと言っていいこれ。
05.JPG
カルボ。現地風に呼ぶなら、コールグランター。
こやつはカワスイでも展示されているから、日本でも見たことがある人も少なくないと思うが、ケアンズのあるクイーンズランド州はこの魚にとっても本場である。
2Fのジョンストンワニがいる水槽で数匹が泳いでいたが、いずれもいい個体揃い。やっぱり本場ならではだからか!?
見知った魚でも異国、それもその魚の生息地(の水族館)で見ると、ひと味もふた味も違って見える、ということかもしれないね(笑)
nice!(0)  コメント(0) 

大丈夫か!? 北海道 サケ遠征2023 [淡水魚]

地球温暖化の影響で……

TVが好きこのんでやけに使うフレーズだ。
何でもかんでも“温暖化の影響”って言えばいいと思っているのか? まるで思考停止だなぁ、と個人的には好きではないのだけど、そんなオレでも、今年の北海道は温暖化の影響? と思わずにはいられなかった。

コロナ前までは、9月になると毎年サケの遡上を見に行っていた。
昨年もどうしようか迷ってる内に9月になってしまっていたのだけど、9月の遡上数は劇的に少なく、行かなくて良かった!! と思ってしまったのが正直なところ。
しかし、10月に入ると少なかった9月を取り返すかのように標津も千歳も大ブレイク。
川を埋め尽くさんばかりのサケに、行けばよかった!! と何とも現金な後悔(笑)
すぐさま翌年のプランを練った。

そして今年。4年ぶりとなるサケ遠征。
例年、カラフトマスを主な目的としていたため、行くのは9月初めだったのだけど、昨年、10月にサケが大ブレイクしたことを考えて9月末に行くことにした、のだけれど……
驚いたのが中標津空港に降り立った時の暖かさ。9月末だというのに20℃を超えてる。
東京から着てきた半袖のままでいられるなんて信じられない!! 9月末の標津だよ!?
オレの経験では過去もっとも暖かい標津だった。

気持ちのいい陽気の中、標津川まで行くと、かなりの数のサケの姿が。
2X9A1083.jpg
久しぶりなこともあり、やはり嬉しい。
サーモン科学館魚道水槽にも何匹ものサケが泳いでいるのを見られた。
2X9A1299.jpg

今年も当たり年か!? と思いきや、どうやらそうでもないらしい。
聞けば、漁獲量は圧倒的に少ないそうで、実際、近隣の販売店などでも、この時期とは思えない寂しい品揃え。例年ならサケやその関連製品で賑わっていたはずなのに……
その原因は、沿岸域の水温が高すぎてサケの群れが近寄れないから、みたいなことが考えられているらしい。遡上個体も、川の水温が高すぎるせいで個体や採卵した卵が死んでしまう、みたいなこともあるのだとか。

反面、標津の海を賑わせているというのがブリとサバ。近年、よく獲れるらしい。
実際、地元のスーパーや飲食店でも、地元や周辺地域産のブリやサバが並んでいたし、実際、夕飯にそれを口にもした。
とても美味しかったけれど、“羅臼産ブリ”という表記に何とも違和感。
羅臼でブリ? サバ?

サーモン科学館の大水槽にも海で捕獲されたサケはいた。しかし、その存在感は例年になく薄く、サケもいるなぁ、くらいな感じ。それでもいるだけマシで、カラフトマスの姿はゼロ。
代わりに水槽を賑わせていたのが、ここでもブリとサバだ。
2X9A1362.jpg
今年だけの話なら、そういう年もあるよね、で済むかも知れない。
でも、この先、毎年今年のような暑さが続いたなら、標津はもうサケの街ではなくなってしまうのかも知れない……
現時点でも既に、カラフトマスは幻の魚になりつつあるというし。
2X9A1281.jpg
大水槽のエビスザメは健在。元気に成長中。

久しぶりに遡上サケの姿が見られたのは嬉しかったけれど、そうなって欲しくない未来を垣間見てしまったような気もして、ちょっと怖くなった気がした4年ぶりのサケ遠征だった。
2X9A2024.jpg
今年は千歳もハシゴ。千歳でもたくさんのサケの姿が見られた。結果的にはよかった。
nice!(0)  コメント(0) 

リバーワンダーの気になる魚 [淡水魚]

観賞魚として日本に輸入されてくる魚種は多く、また、それらを展示する水族館も多い。そうした魚たちを普段から目にする機会の多いオレからすると、リバーワンダーで展示されていた魚に見たことがないものはほとんどいなかった、となる。
しかし、ひとつ前のブログにも書いた通り、リバーワンダーの展示規模は日本ではありえないほどのもの。その差は当然、魚の仕上がり具合にも強く表れる。

入館間もなく驚かされることになったファハカ(テトラオドン・リネアトゥス)も、まさにそんな1匹だった。
Y5A6475.jpg
こんなに大きな個体を見たことがなかったから。40cmくらいはあっただろうか。
ファハカはアフリカ産の淡水フグとしてはメジャー種で、日本の水族館でも展示しているところはあるが、日本で見られるものはせいぜい20~30cmがいいところで、それほど大きい種類だというイメージはなかった。
しかし、リバーワンダーにいたものは大きくて、フグ料理店の店先にいそうな(笑)立派なサイズ感!!
しかも、魚食性が強く、性質も荒い種類だというのに、他の魚と混泳していることにも驚いた。混泳魚が食われるのも織り込み済みなのだろうか?

このファハカ、リバーワンダーでは最初に登場する大きな水草水槽にもいたことを後になって気付いたが、大きな水槽でなら混泳も可能なのか!? どちらの水槽でも周りの魚を噛んだり、追いかけたりはしていなかったけれど…… とは言え、見たのはひと時でしかないから、見ていない時に狂暴ぶりを発揮しているのかも知れないけれど。

リバーワンダーという川がテーマの施設だからか、湖の展示はごく控えめ。
アフリカと言えば、マラウィやタンガニイカなどの大湖の展示は避けて通れないような気がするが、ここではそれもごく小規模な展示に止まっている。
事前に知り得た情報から、それらは大したものではないと思っていたのだけど、実際に見てみると、まったくバカにしたものでもなくて、タンガニイカ湖展示は小規模ながらもなかなかのものだった。
とりわけ印象的だったのが、トロフェウス・モーリーの美しさ。
Y5A6531.jpg
サイズはそれほどではなかったが、とにかく体型、色彩が美しく、しかも、何タイプかがかなりの数でいるので、思った以上に見応えのある水槽になっていた。
同じ水槽のフロントーサなど他の魚たちも綺麗で、照明の関係なのか、それとも水や飼い方がいいのか、期待に反して? 気に入った水槽のひとつとなった。
水槽の大きさが売りのリバーワンダーで小さい水槽を気に入るのも何だけど(笑)

アジアのエリアを抜けると、水槽ひとつ分だけのオセアニアエリアがある。
そこは外光の影響で、残念ながらここでもっとも見にくい水槽のひとつとなっており、水槽を泳いでいるのもネオケラとレインボーフィッシュというよくある組み合わせ。鉄砲魚もいたけれど、レインボーフィッシュの数もまばらで、しっかり見るほどの水槽ではないかな、なんて軽く見て終わらそうと思っていたら……
凄く綺麗に発色したレインボーフィッシュがいるのを見つけた。
Y5A6574.jpg
メラノタエニア・パーキンソニィだ。
名前は知ってる。写真でも見たことある。でも、生きた個体を見たのは初めて。
レインボーフィッシュは観賞魚趣味の世界では一部の種類を除いて少数派だから、見かける機会は少ないのだけど、こんなにド派手に仕上がる魚なのか!!
飼いたい欲求が高まるくらいの綺麗さに感動したが、さほど大きくない水槽とは言え、小さい魚にとっては十分に広い。この後、この水槽の前を何度か通ったけれど、パーキンソニィの姿を見たのはこの時の1回だけ。

レインボーを探しながら、映り込みでやけに見にくい水槽を奥まで見ようと、アクリルに近づいて奥を覗き込むと、何やら深い色の大きな魚がいる模様。
何だあれは? と思っていると、近くまでやってきた。
ジェイドパーチだった。
Y5A6566.jpg
成長するとこんな色になるのね!! しかもこんな大きさ、体型に。
オーストラリアでは食用に養殖もされているらしいが、確かに食べ応えがありそうな感じ。
小さいものが観賞魚として日本にも輸入されてくるので見たことはあるが、小さいものだけ。こんな風に仕上がることは知らなかった。
飼うと悪いと聞くが、この水槽ではおとなしくしていそうで、その他の魚を追いまわしたりするようなところは見られなかった。実際のところはどうなんだろう。

最後の1匹は、マナティ水槽にいた正体不明のナマズ。
Y5A6857.jpg
水槽を眺めていた時、全身スポット模様のナマズがいることに気が付いた。
何だあれ? ジャウー? 何かのハイブリッド? もしや、スタインダックネリディオンか!? と、見たことのない種類の可能性にときめいたが、何せ見えづらく、今ひとつ弾け切れない。
性質はやや強めで、レッドテールキャットやピライーバを寄せ付けない、全身にスポット模様、比較的よく動き回る、などの行動や特徴は見られたが……
果たして、このナマズの正体は何だったんだろう? もう少し近くでじっくり見たかったのだけど……

ひとつ前のブログに書いた通り、このナマズがいるマナティ水槽は濁りが強いので、遠くにいる魚が見えにくい。
しかも、アクリル面からさらに下に深くなっているので、底の方にいる魚はさらに見えにくい。おまけにあの巨大さだから、1mあるかないか、くらいのサイズ感の魚はすぐに見失ってしまうのだ。
魚が見たい人には不満が募る水槽、という印象が残ったが、もし、このナマズがしっかり見えていれば、その印象も大きく違っていた? かも知れない。
nice!(1)  コメント(0) 

激レアモルミルス祭り@サンシャイン水族館 [淡水魚]

そういうイベントや祭りがある、という話ではないのだけれど……

サンシャイン水族館の2F、アフリカの川の水槽。コンゴテトラが群れ泳ぐ水槽と言えば分かりやすいだろうか。
あの水槽がとんでもないことになっているのだ。
モルミルスが大量に追加され、種類数、個体数ともに沢山いて、まさしく“祭り”状態。しかもそれらは、見るのは難しい超激レア種ばかり。少なくとも水族館では、サンシャイン水族館でしか見られないものだ。

もともとあの水槽には2~3種類のモルミルス類がいて、エレファントノーズと魚名板も出ているが、追加された種類に関しては何も出ていないし、この先も出るかなぁ?
でも、新たに展示が開始されたモルミルスたちを見てみようと思ったら、できる限りじっくり見てみて欲しいと思う。
というのも、同じ(ように)に見える魚が、実は違う種類、というのがモルミルスではとりわけ多いから。
よくよく見ていると、あれ、これとこれ、ちょっと違う、みたいに、わずかな差に気が付いたりする。わずかでも違いがあれば、恐らくそれは別種。

例えば、
追加されたモルミルスでもっとも大きな個体。
LY5A4136.jpg
そしてこの個体。
LY5A4227.jpg
広義で“ドルフィンモルミルス”と呼ばれるモルミルス属の1種で、下の画像の個体が少し小さいのだけど、パッと見では同じ種類のサイズ違いにしか見えない。
でも、この2匹、別種なのだ。

よく見ると、背ビレが立ち上がる位置や突き出た口の形、体型自体も違っているなど、結構な違いがあることに気付く。
大きく目立つ2匹なので、これは入門編。
ちなみに、画像上の種類がM.caballus、下の個体がM.longirostrisという。
どちらも珍しい魚だが、M.caballusはウルトラ激レア種らしい。らしい、としたのは、オレ自身もその価値がよく分かっていないから。

周りを泳ぐ他の種類も同様で、マルコバンみたいな顔をした丸い頭の個体たち。
LY5A4217.jpg
個人的にはペトロケファルス属の何かだろう、くらいのレベルでしか分からなかったのだけど、これまたよく見てみると、何種類もが含まれているようで、種違いだけでなく、属から違いものもいそうな雰囲気。
LY5A4145.jpg
これらの見分けはかなり高難易度だが、まずはこの個体。背中側に黒いスポットという分かりやすい特徴がある。
もちろん個体差じゃなくて、そういう種類。Petorocephalus balayiという。
ちなみに上の画像(上から3番目の画像)の個体はPetrocephalus tenuicaudaという種類。下のP.balayiとほとんど同じ形をしてるのに種類が違うのだ。
この水槽にいるペトロケファルス属はこれら2種類以外に、あと数種類はいそうな雰囲気。
もちろん、いずれもかなり珍しい種類だ。
LY5A4245.jpg
そしてこの個体。同じような丸頭同士で緩く群れていたので、同じ種類だと思っていたんだけど、よく見ると少し体型が違っていることに気が付いた。
パッと見は同じに見えるが、こちらは別属でCyphomyrus discorhynchusという種類。

この水槽にいるモルミルスが全部で何種類いるかは分からないが、同種だと思って見ていたよく似た2匹が別種だった、というのはほとんどの個体に当てはまりそう。
もう1回、同様のブログを書けるくらいには見てきたつもりだが、それが何という種類なのか調べるのが大変なので、ここら辺りで止めておこうと思う(笑)
気になる人はサンシャイン水族館で頑張ってみて欲しい!!

モルミルスの仲間はごく一部の種類を除き、観賞魚趣味の世界でも超マニアックなグループである。
同種、近縁種を中心に混泳に難儀するものが多いうえに、飼うにもややクセがあるものが少なくない。
そのため、日本に輸入されてくる種類はごく少なく、ここに並べたような種類はどれも“よくこんなのが日本にいたなぁ!!”レベル。
とりわけ鼻(口吻突起)がない種類は、少数派で大抵の場合、超激レアだったりするのが普通。
日本国内では、先週のブログに登場したカグラザメより見る機会は少ないのではないだろうか。そういうレベルの魚たちだ。
展示されている個体たちは、それまで暮らしていた環境と異なるためか、肌荒れしれるような個体も見受けられた。すぐに死んでしまうことはないと思うが、何があるか分からないのが生きた魚である。
とてつもなく珍しい魚を見ておきたい。そう思ったなら、早めに見ておくといいかも知れない。人知れず見られなくなった個体が、実は日本に1匹だけだった、そんなこともあり得る魚たちだからね。
nice!(0)  コメント(0) 

カワスイの気になる魚 Vol.4 [淡水魚]

カワスイによく行っている。

ウチからもっとも行きやすく、行けば何かしらが変わっていたりする。
気が向いた時にふらりと出掛けるのにちょうどいいのだ。

とりわけ10Fの水槽では、新しい魚が追加されていたりなどの変化がよくある。しかも、そうした魚の多くは、他の水族館ではあまり見掛けないようなものも多いので、そういう意味でも楽しいのだ。
それらの中から、気になったものをいくつか。

最初の1匹はスネークヘッド。
カワスイでは超激レア種のゴラムを含め4種類のスネークヘッドを見ることができる。
飛び抜けて数が多い訳ではないものの、スネークヘッド界の主要スターが揃っているような印象だ。
中でもマルリオイデス(Channa marulioides)は近年、人気の? 大型種だ。
LY5A3546.jpg
カワスイでその姿を最初に見たのは2月の末頃。行った日は入れて2日めくらいのタイミングだったようで、その場にいたスタッフ氏がそのことを教えてくれた。
ちなみにそのスタッフ氏、マルリオイデスがもっとも好きだと話していたのを覚えている。
LY5A0026.jpg
2月の導入直後、地味だった体色はその後、見る度に綺麗になっていて、本来の体色を楽しませてくれている。
マルリオイデスは複数個体を飼育していたりする環境では、立場の弱い個体が本来の色を出さないとも聞くが、カワスイの個体は同居のアロワナやオセレイトスネークヘッドに対しても弱い立場にはないのだろう。
先のスタッフ氏は盛んにトラブルの心配をしていたが、むしろ先住のオセレイトよりも立場が上? のようにも見え、堂々としているように感じる。それもまた綺麗な体色に好影響を与えているのだろうと思う。

カワスイのスネークヘッドコレクションには、トーマンエマスも加えて欲しいと個人的にちょっと思うが、水槽のやりくりが大変になりそうだから、もしこのブログをカワスイの関係者の人が見ていたとしても検討してくれなくていいです!!(笑)

5月のことだ。
ニョロニョロと蠢くスパイニィイールを見ようとそれがいる水槽に近づくと、おっ!! こんなのもいたのか!! とその姿を見つけたのがクロコダイルフィッシュ。
LY5A2391.jpg
こんな形をしているが、グーラミィの仲間で魚食性という変わり種。
すごく珍しい訳ではないものの、目にする機会はそれほど多くないややマイナー種だ。
カワスイにいるのはスポットクロコダイルと呼ばれるタイプになるだろうか。
ファイアースパイニィイールの水槽にひっそりという感じで、最初に見た時は導入から日が浅いこともあったのだろう。隠れがちだったのが、今では見えやすい位置にいることも多く、泳ぎ回るようなタイプでもないため、じっくり眺めることができる、個人的にお気に入りの1匹だ。

ご存じの通り、カワスイには大きな水槽がない。
それ故、巨大化する魚の幼魚なんかが新たに導入されたりするのを見ると、その行く末が気になって少なからずモヤモヤしてしまうのだが、クロコダイルフィッシュはそれがいる水槽で終生飼育が可能なくらいの大きさにしかならないため、そんな部分でも安心して見ていられるのも魅力? のような気がしている。

カワスイの水槽で展示メンバーの追加などの変化が大きいのが、クロコダイルフィッシュがいる水槽の隣、メコンオオナマズなどが泳ぐ水槽だろう。
それまでいなかった何かがしれっと追加されていたり、その逆にいなくなったりがよく起こる。
その順を追って並べることもできそうだが、あえて他所の水族館では見られない1匹を選びたい。
それがカショーロバルブ。
LY5A3565.jpg
南米産の牙魚、ドラドカショーロによく似ているが、こちらはコイ科だから口に歯がない。でも食性はよく似ていて、魚を食べる。
賑やかな水槽の中で、他の魚たちに気後れすることなく元気に暮らしているようだ。
結構前からいるような気がしていたが、あらためて画像フォルダを漁ってみたところ、この魚の写真が登場するのは6月以降。まだ3ヵ月くらいしか経っていなかったようだ。
搬入時期はともかく、面白い魚だから、注目してみて欲しい。

最後の1匹はアフリカゾーンのヘテロティス。
LY5A2406.jpg
ヘテロティスがカワスイで展示されるのは2度め。オープン直後の時点では5~6匹が泳いでいたのだ。
それらが見られなくなって久しいが、最近までヘテロブランクスがいた水槽が模様替えされ、シノドンティスやモルミルスと一緒に小さいヘテロティスの展示が始められた。
今年のまだ寒い時期だったと思うが、そこから半年以上が経過したこともあり、小さかったヘテロティスもそれなりのサイズへと成長し、その姿がすぐに目に付くようになってきた。
ナイルアロワナと呼ばれることもあるアロワナの近縁種だが、色や顔つきのせいか、今ひとつ地味な印象がある。そのせいか、水族館ではなかなか見掛けない。
あまり見られないヘテロティス、さらにその成長をも見られるため、それが泳ぐ水槽の今後の発展、変化も含め、注目している。
nice!(0)  コメント(0) 

激レア珍魚、ゴラムスネークヘッド展示開始!! @カワスイ [淡水魚]

人混みが嫌い、というか苦手なので、混んでいると分かっている今時期の水族館には近づかない。だから、8月の水族館に行った経験はほとんどない。
そんなオレがものすごく珍しくこの時期の水族館へ行ってきた。行かなきゃならない理由ができてしまったからだ。

その理由とは、カワスイでゴラムスネークヘッドが展示されたという話を聞いたこと。
マジで!! 信じられない!! と、慌てて川崎へと駆け付けたという訳だ。
IMG_5092.jpg

ゴラムスネークヘッドと言っても、知らない人が多いと思う。
LY5A3485.jpg
2019年に南インド、ケララ州の民家の井戸から発見され、Aenigmachanna gollumとして記載された“新種”で、生息しているのもその井戸につながる地下水脈という、エニグマの属名に違わない謎に満ちた魚。属だけでなく、科まで新設されたところを見ると、魚類学的にもかなりの大発見だったようだ。ちなみに、種小名のゴラムとはロードオブザリングに出てきた、あの気持ちの悪いオッサン小人みたいなヤツのことだ。
オレもその存在を知ったのは昨年のことで、生きた姿はもちろん見たことはない。そんな魚が展示されたとあれば、見に行くしかないというものだろう。

薄暗い水槽の奥にその姿を発見。これがゴラムなのか!!
LY5A3424.jpg
その大きさは10㎝ほど。長さといい、太さといい、ちょうどタバコくらいの大きさ。
地下水脈でひっそりと暮らしているような魚だから、ほぼ動かず、色らしい色もないことから、考えていた以上に地味な印象の魚だった。
知らなければその姿を見たところで惹きつけられるようなことはないかも知れない。
LY5A3470.jpg
大きな口を持っているとされているが、あくび? 口を開けた瞬間も見られた。

個人的にも憧れていたりした訳でもないから、感動に震える、みたいなこともなかったけれど、発見されて日が浅い激レア珍魚の生体を早くも見られた事実は驚きでしかない。
水槽は見るのに問題ない明るさがあるが、暗い水槽の一番奥で、流木に半分隠れるように定位する小魚…… 写真は絶望的なくらい撮れなかった。環境に馴染んだらもっと出てきて動くようになってくれるのだろうか? ちゃんと姿を捉えた写真を残しておきたいのだけれど……
LY5A3538.jpg
ちなみに、小さく地味な魚だが、その値段はとんでもなくて、多分、カワスイにいる生き物の中ではブッチギリで高価なはずだ。

ゴラムがいる水槽の周辺には、それがいることを示すものは何もない。
薄暗く、一見しただけでは何もいない水槽だ。ほとんどの人が素通りしてしまう。
お陰で、それなりに人が多い館内でも、じっくりと見ることができてオレには有難かったが、すごく勿体ない。せっかく超貴重な魚を展示しているのだから、見逃さずに済むような案内でも出した方がいいのに…… とは思った。

動かないゴラムが動くのを待っていたら、餌の時間となった。
与えられていたのはアカムシと粒状の人工飼料。
餌が投入された直後、与えていたスタッフ氏が出てきて摂餌状態のチェック。図らずも2人並んでそんなシーンを観察することになった。
餌に対してがっつく感じはなく、翌朝にはなくなっている、そんな感じらしい。

何となく食べるシーンを目撃できたが、そのスタッフ氏曰く、かなり珍しいシーンだそうだ。

発見、記載されて間もない魚が、もう日本にいることにはあらためて驚かされる。
これが昔なら、まず洋書などで写真が紹介され、その生きた姿に思いを馳せる、みたいな感じだったはずだが、21世紀になってからは展開が速くて、発見を伝える写真の発表からほとんどタイムラグなく生体が輸入されてきたりする。
オレがその存在を知った時には既に、生きた個体が日本に到着していたらしい。
その時、輸入されたのは5匹。内3匹は愛好家が購入したと聞いたが、残りの2匹がカワスイで展示されているもの? だろうか。
いずれにしても、日本で見られるのはカワスイだけなのは間違いない。展示は期間限定ではなく、この先もずっと展示される予定だそうだ。

こういう激レア珍魚を、水族館のような公共性のある場所で展示してくれるというのはとても有難く、意義のあることだと思う。
ただ、趣味とは違って、水族館、とりわけカワスイのような民間施設では投資に対して、少なくともそれに見合ったリターン(集客)が求められる。
そう考えると、小さくて地味なのに驚くほど高価なゴラムスネークヘッドみたいな魚をよく導入したなぁ、と感心させられる。
だから、という訳ではないけれど、見に行ける人は見に行った方がいい。
とてつもなく珍しい魚であることは間違いないし、噂では今後の捕獲や輸出が制限されるという話もある。そうなればまた“見知らぬ魚”に逆戻りだ。
どのくらい生きる魚なのかということも当然、分かっていない。見られる内に見ておくことを強くオススメしておく。
夏休みシーズンが終わったら、オレもあらためて見に行こうと思っている。
nice!(0)  コメント(0) 

浅虫水族館の気になる魚 Vol.3 淡水魚編 [淡水魚]

メインディッシュの後は美味しいデザートをもって満足感とともに終了するのがコースメニューだが、浅虫水族館の2Fの展示はまさにメインディッシュたる1Fの展示を見終えた後、その満足感をさらに高めてくれる極上デザートだ。
中でも、リニューアルされた古代魚の水槽は個人的にも大きな目的だった。展示に再登場した2種類のガーたちに誘われた、みたいな感じだろうか。

浅虫水族館で見られるのはニカラグアガーとアリゲーターガー、Atractosteus属の2種類。
ちなみにニカラグアガーというのは俗称で、トロピカルガーの1タイプでニカラグアに産するもの、と説明すればより正確だろうか。
LY5A2371.jpg
日本の水族館でも何か所か見られるところがあるが、「ニカラグアガー」として展示しているのは浅虫水族館だけだと思う。
ニカラグアガーは1994年に1度輸入されたきりで、今、日本国内にいるのはその時のものか、2014年に少数が流通した国内生まれの個体のみ。大変希少な存在だ。
それもあって、ニカラグアガーとしての展示は、この魚が希少な珍しいものであることを伝えてくれているようでとても好感が持てる。

同じ水槽の2匹のアリゲーターガーたちも、他魚に委縮することもなく、ガーらしいのんびりゆったりした動きを見せてくれている。
LY5A1984.jpg
ガー以外にはアロワナや肺魚も混泳しているが、種類が異なるアロワナたちも穏やかな性格の個体が揃っているのか、水槽の雰囲気は非常に穏やかなものだった。そのため、ガーのヒレや身体の傷みが少ない点も高ポイントだ。
アリゲーターガーというと、TVなどの影響で悪いイメージがついてしまったが、この水槽をじっくり眺めれば、そんなイメージが誤りであることを気付かせてくれるのでは、そんな風にさえ思った。
水槽の前にベンチでもあったなら、そこに座っていつまででも眺めていたい。そんな風に思うほどリラックス効果の高い水槽だとオレには感じられた。

ガーたちがいる水槽の隣も以前とはガラリとイメージを変え、大きな水草レイアウト水槽へと生まれ変わっていた。
水草を育成するための照明と、それに照らされた鮮やかな緑がまさしく目に眩しいような、とても綺麗な水槽だった。きっと、暗く長い冬がある地元の人たちにとって、まさしく癒しの水槽なのではないだろうか。
何でも、水草育成に長けたスタッフ氏がいるそうで、その人が主導して制作されたのだという。水草水槽の長期維持は大変なことも多いのだが、技術を持った人がいるお陰なのだろう。とても綺麗な状態だった。
中を泳ぐ魚は、南米産のテトラ類の他、マーブルやブラックなどのエンゼルフィッシュの改良品種が数多く入っていた。
LY5A2360.jpg
水槽が大きいこともあるのだろう。そんなエンゼルたちの綺麗さに大いに驚かされた。
大型のレイアウト水槽ではアルタムなどのワイルド種が入れられることはあるものの、改良品種がそういう使われ方をすることは少なく、加えて、小型水槽の人気が高い昨今、エンゼルフィッシュ自体の人気も下火らしい。
そんな状況もあり、最近、綺麗な改良エンゼルを見る機会はめっきり減っていたから、久しぶりに見る超ハイクオリティなエンゼルフィッシュたちには大いに感動させられた。
それなりのサイズの水槽でちゃんと飼えば綺麗になる。そんな超基本的なことを思い出させてくれるようだった。
遠目で見る水草水槽の綺麗さに感動した後は、水槽に近寄ってエンゼルたちの美しさにも驚いてみて欲しい。この水槽にいるほど綺麗な改良エンゼルはなかなか見られるものじゃないから!!

水草水槽や古代魚水槽の並びにある浅虫水族館有数の大型水槽。6年前には、ここにガーたちが入っていたが、現在はピラニアの水槽になっていた。

数は多く入っているが、それこそどこにでもいる種類(Pygocentrus nattereri)のみ。贅沢だが、見る分にはそれほど面白い水槽じゃないかも、と、素通りしようとした時、横目に泳ぐピラニアたちの姿が見えた。
LY5A1979.jpg
おっ!! ここのピラニア、やけに綺麗だぞ!! と立ち止まって見てみると、やけに色鮮やかな個体が多い。
赤の鮮やかさだけでなく、その面積も広い。産地などによっては、こうした鮮やかな個体群もいるようだが、そんな特別なものではないはず。違う種類かと思うほどの色鮮やかさに驚いたと同時に、その秘密が知りたくなった。餌? 水?
やけに綺麗に仕上がったエンゼルの例もある。やっぱり、青森は水がいいのかなぁ!?
良さそうなイメージはあるけれど……

2Fの展示は基本的に淡水魚だが、すべてが外国産という訳ではない。
地元や近隣に住まう魚もいる。
6年ぶりに見る日本の淡水魚を展示した水槽は、照明なども変わったようで、以前より見やすくなったような気がした。
そこにいたアルビノのイトウも気になる1匹となった。
LY5A2373.jpg
青森にイトウは自然分布していないが、養殖は行われているらしく、かなり大きな個体が2匹、展示されていた。その内の1匹がこのアルビノ個体だ。
作出されたものであること、しかも、見たことがない訳でもない。でも、この大きさ(1mくらいあった)でこの綺麗さはなかなかのものだと思う。
養殖のサケマス類は体型の崩れが激しく、イトウも例外ではないが、ここにいた個体はそれらしい体型がちゃんとキープされていて、ヒレなどの傷みも少ない。
養殖由来の個体でこれだけ綺麗ならそれだけで価値があると言ってもいい。しかも、見えやすい位置にいてくれたし。オススメの1匹です!!
nice!(1)  コメント(0) 

サンシャイン水族館の多国籍池 [淡水魚]

タイトルはちょっと“盛って”いるけれど……(笑)

サンシャイン水族館の屋外部分、空飛ぶペンギン水槽の向かい辺りにあるアロワナやドラドのジャンプ給餌が見られる水槽。
その水槽を取り囲むように作られた浅い部分、今回はそこの話。

以前からそこにグッピーやコリドラスがいることは知っていたけれど、わざわざそれらを見たり、意識したりすることはなかった。
でも、今年の2月に行った時のこと。アロワナやドラドを眺めていたら、下の部分にグッピーではない魚がいることに気が付いた。
知らない間に魚の数が増え、数量限定だが餌やりも楽しめるようになっていたらしい。
数日前、4か月ぶりにサンシャインに立ち寄ったのだけど、そういえば、この池の魚が増えていたんだよな、と、真面目に見てみることにした。
ちゃんと見てみると、思った以上にいろいろな魚が入っていて、ちょっとした驚きがあった。

多国籍軍の構成員その1。何かしらのモーリー。
LY5A1804.jpg
オレンジ色のもの、グレーのもの、ゴマ塩模様のもの、など。恐らく、グッピーと一緒に前からいたのだろうと思うのだけど、それらがまたずいぶんと大きくて、12~13㎝くらいありそうなサイズ感。あの池ではもっとも巨大な魚だ。
大きさからセルフィンモーリーかと思っていたんだけど、よくよく見ると尾ビレ下葉が伸びているものもいて、ソードテールなの!? と。
ソードテールにしては大きすぎる気がするのだけど、こんなに大きくなるものなのか!?
はたまた、何かしら他種の血が入って、ここまで巨大化したものなのか。
恐らく、普通に売られている“モーリー”で珍しいものではないはずだけど、ここまで大きくなるとは思ってなかったので驚かされた。

2月にこの池を見た時に、こんなのいるんだ!! と思ったのがコレ。
LY5A1793.jpg
レインボーシャイナー。北米産の小さなウグイみたいなコイ科の魚。
水族館ではあまり見掛けない、というか、日本の水族館だとサンシャインのこの池にいるもの以外、常設展示している施設はないかも?
観賞魚としてもそれほどメジャー種でもないし。
でも、なかなか綺麗な魚なのだ。この池にいるものも、背中側から見てもキラキラしてるのが分かるくらい綺麗な個体がいて、横から見えないのが少々残念。

コイ科の淡水魚と言えば、こんなのもいた。チェリーバルブ。
LY5A1794.jpg
元を辿ればスリランカに産する魚だ。
レインボーシャイナーとは違い、観賞魚としても古くからのメジャー種。
安く買えるけれど、綺麗になるとして費用対満足感の高い魚でもある。
そんなチェリーバルブもそこそこの数が入っているようなのだけど、不思議なのがオスらしきものの姿がなかったこと。
チェリーバルブと言えば、その名前の由来ともなった真っ赤な体色が特徴で、売られているものでもその色を発色していることは珍しくない。
ただ、赤くなるのはオスだけ。サンシャインの池にいるチェリーバルブは赤い体色のオスが全然見当たらないのだ。
まさか、メスだけ選んで持ってきた? 赤いオスがいると、目を引いてよさそうな気がするのだけど……

チェリーバルブのオスを探そうと、頑張って池の中を覗き込んでいると、グッピーくらいのサイズの、グッピーではない魚が数匹いるのが目に入った。
LY5A1792.jpg
何だこれ? よくよく見ると胸ビレが少し長く、尾ビレはライアーテール。ヒレの先はやや黄色味を帯びている。
もしかして、セレベスレインボーなのか?
上から見たことがないのでなかなか確信が持てなかったのだけど、どうやらセレベスレインボーらしい。
数が少なく、しかもそこそこ年齢もいってそうな雰囲気。探し出すのは少々厄介かもしれない?
それはともかく、この魚の原産地のことを「セレベス」と呼ばなくなって久しいけれど、この魚はいつまでたってもセレベスレインボーのままだね。

上記以外に5種類、全部で9種類の魚が確認できた。
魚名板もなく、上からしか見えない池だが、思った以上にいろいろいることに驚きながら、それらを探し出すのは楽しい作業だった。
今回は曇りの夕方で池の中はやや薄暗かったので、天気のいい日に再チャレンジしてみたいと思う。また何か違った種類が見つかるような気がするし。
nice!(0)  コメント(0)