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木曽川自然発見館(岐阜) [相当施設インプレ]

オレのブログでは珍しい? 水族館ではない小規模水槽施設の話。

アクアトトぎふがある河川環境楽園は、園内で様々な楽しみ方ができる大きな公園になっている。

そんなこと知ってるよ!! って? オレはこれまで知らなくて、アクアトトの前に観覧車があることくらいは知っていたけれど、いつもバス停や駐車場からまっすぐアクアトトに入ってしまうので、水族館より先があんなテーマパークみたいになってるなんてまったく知らなかった。

少し前のこと。誰かに聞いたか、SNSで見たのかは忘れたが、河川環境楽園に水槽を展示した施設があるらしいことを知った。
今度アクアトトに行った時に行ってみよう、なんて思っていたのだけど、それから何度かアクアトトまで行くも、見知らぬ水槽施設まで足を運ぶことはなく、今回ようやく行ってきた。
動かないエイが動くのを待ち続けていた頃、お腹がすいたので1度外に出ることに。
その時、思い出した。あっ、例の水槽のところ、行ってみようか、と。

アクアトトの入り口から、5分ほど歩いたところにあったのが目的の木曽川自然発見館。
入館は無料で、建物内の部屋のひとつが水槽展示室になっていた。
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それほど大きくない部屋の壁沿いにL字型に配置された水槽には、木曽川の魚たち。
代表的な日本の淡水魚が並んでいる。
意外と言っては失礼かも知れないが、中を泳ぐ魚たちは綺麗に飼われていて、水槽もしっかり手が行き届いているような印象だった。
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こうした小規模の水槽展示施設、とりわけ無料の施設だと、魚や水槽が綺麗じゃないこともしばしばあるような印象で、それもオレがこうした小規模施設を好まない理由のひとつになっていたりするのだけど、ここはそうしたこともなく気持ちよく見学できた。
水槽や魚が綺麗なばっかりに、周辺の映り込みや部屋の明るさなどが気になり始め、ここがこうならもっと見やすいのに…… みたいなことを思ってしまったのだが、魚も水槽もちゃんと見たくなるクオリティがあるってことだ。

入った入り口の向かい側にも出入口があって、建物を通り抜けられるような作りになっているのだけど、外の池に面した側の出入り口にも小さな水槽が並んでいた。
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ここでは魚だけでなく、水生昆虫やザリガニなど、より小さな生き物も展示されていた。
魚の水槽と同様、ここもきちんと管理されているようで、水槽も綺麗。

公園に遊びに来た人が、ついでにちょっと魚も見てみよう、そんな利用のされ方をしていると思うのだけど、そんな用途にはまさに最適だと思う。
とは言え、それだけではいかにネタが枯渇気味とは言え、この水族館ブログで扱うような話ではない!!
ここに登場させたのは、これはいい!! と思った展示がほかにもあったから。

自然発見館の周辺には、木曽川水園という木曽川をスケールダウンしたような人工の池や川があって、そこにも自然発見館で展示されているような魚たちが放たれているらしい。
池に近寄ると、種類までは分からないけれど、そんな魚たちの姿が見えて、何となく楽しい。新緑が芽吹く気持ちのいい季節ということも手伝って、ひととき楽しい散歩ができた。

池はいくつかあるようで、歩いて行った先にひときわ澄んだ小さな池が現れた。
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ハリヨの繁殖池とのことで、観察用の遊歩道にしゃがんで池の中を覗き込むと、クリアな水の中、あちこちにいるハリヨの姿が見える。
他の池の魚もそうだが、自然(ここは人工の自然だけど)の中で生き物を見つけるのは、水族館では味わえない喜びが味わえたりするもの。
ただ、澄んだ水は見えて欲しくないものも見えてしまうようで、ハリヨ池で何匹も見つけたザリガニの姿には心配な気分にもなった。

ハリヨの池はもうひとつあって、こちらは窓付き。
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屋外なので反射などで見にくいが、屋外だからこそ自然の池の中を見てるみたいな気分になれる。
ただ、こちらでは魚の姿を見つけることができなかったけれど。

オレみたいに遠くから交通費を掛けて出掛けてる者からすると、アクアトトという明確な目的がある以上、なかなか足が向きにくいのが正直なところだが、この近くに住んでいたなら、素敵な散歩が楽しめる公園として足を運んだだろうな。
普通に利用できる周辺の人たちがちょっと羨ましく思えた。
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すさみ町立エビとカニの水族館(和歌山) [相当施設インプレ]

ネタ切れにつき、デッドストックから復活インプレッション第二弾!!
行ったのは、昨年の10月末。
この時は太地くじら博物館にカズハゴンドウを見に行った時で、目的だったカズハゴンドウは早々にブログとなり、ついで? に寄ったエビカニ水族館は今頃となってしまった(汗)
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「道の駅すさみ」に併設された新生エビカニ水族館は2015年から営業していたのに、オレが行ったのは移転から4年も経過したこの時が初めて。
個性派揃いの和歌山県の水族館の中でも、群を抜く個性派と言っていい施設だが、そこの主役たるエビやカニに対する興味が薄いオレにとってはなかなか足が向きにくく、とりわけ時間が限られる遠征の中では、後回しにされがちな施設となっていた。
しかし、今の場所は高速のすさみ南インターの目の前である。南紀白浜空港からレンタカーで太地や串本まで行くには、行きも帰りも絶対にその前を通る。
これはもう言い訳はできないなと、寄ってみたのが約1年前、という訳。

新しいエビカニ水族館は…… 規模も格段に大きくなっていたし、何より綺麗になってた。
水族館らしい巨大水槽がないのは旧施設と同じだが、それでも以前に比べれば水槽の数も増え、それに伴って展示種類数も大幅に増大。
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館内の雰囲気も旧施設のそれがいい意味で受け継がれていて、同じ水族館であることを実感させてくれるのもいい。
オレがかつて旧施設に行った時にはアザラシもいたが、その姿こそ見られなかったものの、水槽のスポンサー制度とか、ヤドカリ釣りが楽しめる池など旧施設時代の名物? もきちんと引き継がれていた。
旧施設時代からのファンも以前に増して楽しめるようになっているのではないだろうか。

規模が大きくなっているのだから当たり前なのだけど、展示も大幅に充実していた。
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魚とかウミガメなんかも少しいるが、主役はエビとカニ。近い仲間であるヤドカリ類や人気のオオグソクムシ、カブトガニなど、十脚目以外にも殻を持った“甲殻類”が数多く展示されており、そのひとつずつをじっくり見て回るだけでもそれなりに時間も掛かるくらいには揃っている。
展示されているそれらの大半はあまり動かないものも多いので、人によっては満足感の前に飽きが来る? そんな心配をしそうになるくらいの充実ぶりだ。
中でもとりわけ驚いたのが、入り口からしばらく続くイセエビ類の充実ぶり。「イセエビってこんなに種類いるんだ!!」と、今さらながら大いに驚かされた。
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ここで見られるものに対するオレの興味や知識は、ごく一般の人と大きく変わらないと思うのだけど、そんなオレでも“もう1回くらい来てもいいかも”と思うくらいには楽しかった。
ここに来るために飛行機には乗らないと思うが、太地や串本、白浜まで来ることはこの先もあるはずなので、そのついでに寄ることもまたありそうな気がしている。

この施設に寄ってみたのは、ここは水族館(認定施設)なのか、という点も気になったからだった。
水族館の看板を掲げ、展示種類数は50種以上。10本以上の水槽数は満たしている。しかし、躯体水槽がないことと、水量10tはないかも、ということで水族館リストに入らなかったのだが、出口のところにある餌やりの楽しめるウミガメプールは横からは見えないものの、“動かせず”かつ、これを加えれば水量10tはクリアできるはず。
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何より、ここで得られる満足度、水族館に行った感などからすれば、水族館とするのに差支えは無いように感じた。

でもまぁ、水族館巡りのために紀伊半島を回ろうという人なら、それが水族館としての基準を満たしていようといまいと、立ち寄るのだろうし、それが以前よりずっと便利にできるようになった上、得られる満足度も高まったのだから、そんなことを気にする必要はないのかもね。

それでは皆さま、よいお年を!!
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水環境館(福岡) [相当施設インプレ]

水族館のヴィンテージイヤーと言っていい2020年なはずなのに、水族館に行く回数が例年より少なかった。
まぁ、仕方がないことではあるのだけど、例えば、近隣の施設に“行こうかな?”と思っても、常に“やっぱりやめた方がいいよね?”と反射的に思ってしまう。

何が言いたいかというと…… ネタがないのである!!

それでも12月の半ば以降、ブログのアクセス数が伸びているので、何か出したいなぁ、と。
数日前のこと。「水環境館」のインプレブログに少しまとまったアクセスがあったらしい。
水環境館? 新しくなってからアップしてなかった…(汗)
という訳で新生・水環境館の話。実にリニューアルオープンから2年近くが経過。オレが行ってからも1年2か月が経ってるけれど…

ヴィンテージイヤーの今年と比べると、昨年2019年は新水族館のオープンや、リニューアルなどのニュースが非常に少なかった。
そんな中で、もっとも大きな変貌を遂げたのは北九州の水環境館だろう。
休館を伴うリニューアル期間を経た全面リニューアル。昨年4月より新生施設として運営されている。
リニューアルオープン日がなかなか発表されなかったので、オープン後すぐに行くことはしなかったんだけど、ブログに載せるのが遅くなったのはそれも影響してる?(←言い訳)

新しくなった水環境館をひと言で言うなら、博物館としての洗練度が高められた、だろうか。
入り口からして“新しくなった”と感じさせてくれるが、内装は特に多くの手が入れられたようで、隣接する紫川をテーマにした博物館として、その展示がより充実した印象。しかし、入館無料なのは以前と変わっていない。
館内から紫川が見える大きな観察窓も健在だ。
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この日は窓の前に魚が多く、以前に行った時よりも、色々見ることができた。

水族館や水槽展示についても、以前より大幅に綺麗になった。
水槽や周辺機材も統一感があって、まるでそれらのギャラリーのような印象を受けるくらい、すっきり綺麗にまとまっている。
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水槽数はリニューアル前の方が沢山あったし、壁面には大きめの躯体水槽もあって水族館的な雰囲気は以前の方が強かったような気がしたが、反面、雑然とした印象があったのも事実。

水槽の多くはアクアテラリウム的なつくりで、それもあって魚の印象が薄い。いない訳ではないのだけど、リニューアル前より数も少なく存在感が薄い。
全体的に綺麗にはなったけれど、水槽の数が減り、大きな水槽もなくなっていることから、水族館らしさという点では、以前の方がそれらしかったかも。
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水環境館と言えば、水槽内の環境再現力の高さ(中の生き物が見つからない)でも名を馳せていたが、新しくなってからもそこは健在。
水槽の中は以前と同じように、自然の水辺を切り取ってきたような、青々と茂る草やコケが美しい水景が再現されている。
水槽、それも小さな水槽の中で、これだけの環境再現力は恐れ入る他ないし、溢れんばかりの緑に満ちた水槽は単純に見ていて綺麗だ。
しかしまぁ、中にいるはずの生き物は例によって見つからない(笑)
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展示施設としてどうなんだ!? と思うところもあるけれど、無料なのだから文句は言うまい。ここは“探し出す楽しみ”として前向きに捉えよう!!

規模の小さな施設だから、水槽をさらっと見て回るだけだとあっという間に終わってしまう。じっくり生き物を探しをするくらいでちょうどいいのかも?
ただし、先にも書いたように、オレが行ったのは1年2か月も前の話なので、水槽の中身とかその配置は変わっているのではないかと思う。

施設がある場所は変わっていなくて、駅からも近い小倉の中心街。
福岡県内の水族館(相当)施設の中でも、もっとも行きやすいのではないかな?
半地下にあるのに館内は広々としていて、ゆっくりくつろげるようなスペースもあって、地元の人なのだろう。水槽を見るでもなく、のんびり休憩している人もいた。
小倉に観光しに行く場合、どこで何をするかは分からないけれど、街を散策して、その休憩がてら、水槽の美しい緑で癒される、そんな利用の仕方もいいのではないだろうか? 何しろ、入場無料だし。

とは言えやっぱり、1年2か月も前に行った施設のブログって書きにくいね。
写真を見れば思い出しては来るんだけど、熱量が足りないというのか今ひとつ書くべきことが出てきにくい。
行ったらなるべく時間を空けずに文字にする!! とあらためて反省。
という訳で、またいつか水環境館に行くことがあれば、あらためて書き直す? かも。
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響灘グリーンパーク(福岡) [相当施設インプレ]

以前、開催させてもらった水族館イベントの打ち合わせ、というか、条件を満たした水族館をリストアップしていた時のこと。昨年か、一昨年だったかの話だ。

基準を満たしているかも知れない、と、要確認リストの中に名前があがった施設のひとつが「響灘グリーンパーク」。
その後、条件を満たしていないことが確認され、水族館としてリストに載ることはなくなったものの、当確線上の際どいところにある施設であることは間違いないのだろう。
機会があれば行ってみよう…… 個人的にはその時はそれで終わった。

でも、そんな機会は不意に訪れた。

9月からJALがエアバスA350の運航を開始した。
マニアというほどではないけれど、実は飛行機、それも旅客機が好きだったりするオレ。
最初の就航路線は羽田→福岡のみ。
さしあたり福岡に用はなかったけれど、新しい飛行機に乗ってみたい!!
そういえば水環境館ってリニューアルしたんだっけ? と、無理やりに近い形で福岡に用事を作り出し、A350で福岡へ向けて飛び立った。
ちなみに、水環境館や響灘グリーンパークがある北九州市に飛行機で行くなら、最寄りは圧倒的に北九州空港である。
でも、今回は仕方ない。いつもとは違い、水族館は“ついで”だったから……

水環境館を後に(その話はまたいずれ)して、小倉駅から博多方面へ向かう在来線へ。
途中駅で乗り換え、響灘グリーンパークの最寄り駅へ。
そこからバスで…… と思ったら、バスで行けるのは休日のみらしく、仕方なくタクシーで。思い立ってフラッと訪れる訪問者にはあまり優しくないらしい。

目的地の到着し、ゲートをくぐると、そこは広々とした公園。
あれっ!? オレは水族館(相当施設)に来たはずじゃ…… と不安になりかけたが、遠くに大きなガラス温室があるのが目に入った。
そのガラス温室こそが、響灘グリーンパークの水族館的施設、「熱帯生態園」だった。
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入り口で別途入館料を支払い、温室内へ。
中は様々な熱帯植物が生い茂る、よくある熱帯植物園のそれ。
“普通に熱帯植物園じゃーん!!”と思いかけた頃、大きな池が現れた。
そこまで行く前にもカワウソがいたり、トカゲやカエルが展示された水槽が並んでいたりはしていたけれど、水族館好きとしてはやはり、水を見ると安心するのだ(笑)
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池は橋(観覧通路)を挟んだ両側にあって、向かって右手側の池にはコロソマやティラピアなどの魚がひしめいている。反対側の池はスイレンなんかが展示されていて、魚は少なめな模様。
池では餌やりもできるので、魚たちは人影に群がってくる。
また、池の周辺は鳥とかカメとか、それらしい? 面々が展示されていて、さらに、温室内にはチョウ(オオゴマダラ)が放し飼いになっていて、その辺をひらひら飛んでいたりするのだけど、オオゴマダラ以外にも数種類の鳥、ウォータードラゴンも放し飼いになっているらしい。鳥はともかく、ウォータードラゴンなんてあそこで探し出せる気がしなかったけれど……
探し出してみようとすれば、かなり長い時間を楽しめそう? だ。

池の先を進むと滝があって、その裏側に水族館的な水槽が3つ。
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そこにいたのはテッポウウオ、スッポンモドキ、ピラルクー。その水槽の反対側にも小さなケージがいくつか並んでいて、トカゲとかカエルなんかが展示されていた。
驚くような何かがいる訳ではないんだけど、少しずついろんなものがいて、確かにただの熱帯植物園ではない印象。
植物園の温室内に魚を展示した池…… 順路に現れる小さな水槽など、どことなくエルどらんどに似てる気がした。
ただ、温室内の植物はこちらが全然上。魚はエルどらんどの方が種類数もはるかに多く、個体クオリティはこちらよりも高いけれど、池の中の見やすさという点ではこちらに軍配かな?

温室を一周し、出口の手前まで来ると、先ほどのティラピアが沢山いた池にアクリルパネルが取り付けられた大きな水槽が登場する。
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さらにその向かい側に、大きなレッドテールキャットやパールムなどの大型ナマズが泳ぐアクリルパネルが付いた池がもうひとつ。
明るい温室の中で、池の中はコケなどで黒っぽい。つまり、アクリルへの映り込みが激しくて、日の向きのよっては中はとても見にくくなる。
でもまぁ、そこまで必死になって見なきゃならないようなものがいる訳でもなく、その焦りのなさがまた、のんびり見る気にさせてくれるので、勝手に殖えていると思しき小さなシクリッドたちの営みを眺めているのが楽しかった。

池水槽から出口の間にはカピバラもいて、産まれて間もないのだろう。オレが行った時(9月の中頃)は小さなカピバラも沢山いた。
帰ろうとするオレのところに、その内の1頭が近寄ってきて、盛んに何かを囁いてくる。
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カピバラってこんな風に鳴く(囁く)のね!! というのが発見ではあったのだけど、カピバラ好きではないオレに向かって、あの個体は何を訴えていたんだろう?

温室内にかなり長い時間いたのだけど、閉園時間も近づき、そろそろ出ようかと外に出てみると、「カンガルーひろば」なるカンガルーが放し飼いになったエリアがあるとのこと。
このカンガルー園の話も聞いたことがあったのだけど「ここだったの!!」ということで、そちらにも行ってみた。
日本ではここでしか見られない珍しい種類もいるそうで、確かに初めて見る、見るからに珍しそうなワラビーがいたりして、思わぬ驚きも得られた。

期待値の低さが幸いしたのか、施設を後にした時の満足感は想像以上だったのが自分でも意外だったほど。
でもまぁ、カンガルー目的でもない限り、ここでしか見られないものがある訳ではないので、水族館巡らー的には何かのついで、くらいでちょうどいいのかも知れない。
公共交通機関で行くには不便なこともあるし。
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越前がにミュージアム(福井) [相当施設インプレ]

全国水族館巡りも佳境に差し掛かった今年の初め頃、とある施設(福井の海浜自然センター)をカウントするのを忘れていることに気が付いた。
絶妙に行きにくい立地が、忘れていたガッカリ感に輪をかけてくれたが仕方ない。忘れていたのはオレのミスだし。

そんな話をしていたら、
「海浜自然センターまで行くなら、越前がにミュージアムも行ってきてくださいよ」と、水族館巡らーのかめきちさんにアドバイスを受けた。
行く予定はしていなかったけれど、帰り道の途中に寄れる場所ということもあって、行ってみることにした。

敦賀インターを降り、日本海沿いの道を1時間ほど走ると、大きな道の駅の案内看板が目に飛び込んできた。
往来するクルマやバイクがその駐車場へと吸い込まれていく。
どうやら目的の越前がにミュージアムもそこにあるらしい。

何この人気ぶり!? 周辺の賑やかさに驚きつつ、オレも駐車場へ。
その日は土曜日で、しかもいい天気。
食堂を備えた道の駅、ミュージアム側にも観光市場があって、周辺エリアから休日ドライブにピッタリなコースになっているのだろう。
確かに、海沿いの道のドライブは気持ちがよかった。

賑わう観光市場の横を抜け、越前がにミュージアムへ。
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ドーム状の建物に入館し、案内されたエレベーターで3Fへ。そこから順路に沿って下の階へと進む作りになっているのだけど、3Fはズワイガニとその近縁種の標本、それらについてのパネル展示など、展示は少ない。
そこから順路に沿ってフロアを出ると、この施設のメイン展示ともいうべき日本海のジオラマが登場する。
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ジオラマは3フロアぶち抜きで下階まで続いていて、下の階に降りるスロープを行くと、徐々に暗くなる館内照明も手伝って、ズワイガニが住まう深海へと歩いて進んでいくような演出だ。
3フロア分もの高さがあることもあって、階ごとに表現されている海の深さが異なるなど、なかなか見応えのあるジオラマになっているけれど、ここに水族館巡らーが足を運ぶ理由はこれじゃない。
漁具などが展示された2Fから階下に大きな水槽が見えるのだけど、その水槽こそがこの施設を水族館相当たらしめる要素でもある。
正直、その水槽が見えた時、ちょっとした安心感を憶えた。

水槽展示は上から見えた水槽以外にもあった。
1Fのジオラマ最下部、主役のズワイガニの生息環境が再現されたジオラマ前に、生きたズワイガニが入った水槽が並んでいた。
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オス、メスが分かれた水槽に加え、別の水槽にはベニズワイガニも。
生体展示としては上から見えた水槽よりも先に見ることになる、ある意味、この施設の主役と言うべき展示だが、立派なジオラマと比べると、カニのストック水槽のようで、同じような光景は隣の観光市場でも見掛けたような……

カニの展示エリアを抜けると、ようやく表れるのがこの施設のメインの水槽展示たるトンネル水槽だ。
水槽自体は上からも見えていたけれど、実際、その場に行ってみると思った以上の大きさに驚かされる。
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しかも、思いの他、中を泳ぐ魚の数も多く、深度ごとに3つの区画に分かれていたりして、考えていた以上に水族館的な雰囲気。
水中感の演出なのか、水槽の照明は暗め。中の魚をしっかりはっきり見るにはもう少し明るさが欲しいけれど、悪いとは思わなかった。
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中を泳ぐのは、日本海の食材としても馴染み深い面々であり、隣の市場で買ったり、食べたりできるものも多い。つまり、驚くような珍魚などはいないということ。
そのせいか、はたまた、行く前の期待値が低かったためか、想像以上の水族館らしさに考えていた以上に楽しめた気がした。

だが、この水槽を見るためだけにここまで来るかと言われると…… 水族館のつもりで出掛けると、物足りなく感じるかも知れない。
先にも書いたように海沿いのドライブの途中に寄るには悪くないんじゃない? みたいに思った。でも、クルマでなければ行けないようなアクセス難易度の高さは難点だけど……
オレは敦賀から日本海を左手に見ながら向かったが、もう少し北上すると越前松島水族館もあり、ハシゴも可能なはず。
巡らー的には、その2施設をハシゴという感じだろうか? ただし、クルマで、というのが前提にはなるけれど。
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千歳さけます情報館(北海道) [相当施設インプレ]

8月も半ばを過ぎ、間もなく9月という頃になると、北海道は一気に秋めいていく。
秋の北海道と言えばサケの遡上である。各河川では遡上してきたサケの姿が見られるようになってくる。

大いに季節を感じさせる自然の営みのようなサケの遡上だが、実は北海道の川を遡上するほぼすべてのサケは、ふ化放流事業によって人工的に採卵、ふ化、放流がなされたものだという。
明治10年にふ化放流事業が始まり、明治21年に千歳に中央ふ化場ができたことで現在へと続くふ化放流事業は本格的にスタートした。
その千歳中央ふ化場はその後、千歳サケマスセンター千歳事業所となって事業を継続しているが、その施設の一角にあるのが千歳さけます情報館だ。
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さけます情報館には「さけますの森」というサブネームも付いているのだけど、その名の通り、施設があるのは森の中。
千歳川を支笏湖に向かって遡っていったところにあって、感覚的には支笏湖と千歳市街の中間あたり? クルマでなければ行きにくい場所にあるが、森を突っ切るような道はとても気持ちがいい。
でも、道中ところどころに掲げられた“クマ注意”のプレートが何とも言えない恐怖感を漂わせていたけれど……

サケマス情報館という名称から分かるように、いわゆる水族館ではない。
サケに関するパネルや模型、映像を使った博物館的展示が中心。
水槽による生体展示も行われていて、情報館には建物の中心に水槽が置かれている。
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その水槽は6tの容量を持ち、その名も大水槽!! 展示内容は時期によっても変わるようだが、場所柄、支笏湖のヒメマスであることが多い模様。秋頃には赤く色づいたベニザケが展示されている。
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オレが行った時も、沢山のヒメマスが泳いでいたが、驚いたのはその体型の綺麗さ。
飼育下のサケマス類では、体型や顔つきが崩れてしまっているものが珍しくないが、この水槽に泳ぐものはむしろそれが少数派。
流石は産地!! だからなのか、銀色の魚体の美しさを楽しむことができた。

情報館には他にも小さな水槽がいくつかあって、千歳川の魚などが展示されている。それだけ見ると、たったそれだけ!? と思ってしまうが、生体展示はもう少しある。

情報館を出ると、目の前にログハウスのような建物があるのが目に入るが、その体験棟では水族展示が多めになっている。
体験棟は大きなスクリーンのある部屋と、ミニ飼育池がある部屋に分かれていて、そのミニ飼育池がある部屋で生体展示がなされている。
そこでは、受精卵の展示、ヒメマス幼魚への餌やり体験などが楽しめる。
オレが行った9月の初め(昨年だけど)には受精卵の展示はまだなく、模型で代用されていた。
時期によって展示の内容は変わるらしく、受精卵の代わり? に、遡上してきた成魚が展示されていて、かごに入れられた1匹の遡上成魚には触れることもできるようにされていた。
先にも書いたヒメマス幼魚への餌やり体験も、いつ行ってもできるものなのかは分からないが、オレが行った時には6~7㎝ほどの幼魚がものすごく沢山いたので、それなりに賑やかな餌やりが楽しめた。
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さけます情報館の名物? はもうひとつある。
出口を出たところにあるサクラマス(ヤマメ)の放流体験がそれ。

千歳川までつながった長い樋が渡されていて、そのスタート地点には幼魚の入った箱。
そこから1匹を掬い、目の前の樋へ。
すると、幼魚は流しそうめんよろしく川まで流れていくという作り。
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樋の中で流れに抗う幼魚の後を、数年後に立派なサクラマスになることを期待しつつ川まで見送り。
これは行けば誰でもできるはずなので、行った際はやってみることをオススメする。その後、千歳川を眺めつつ自分が放った1匹に思いを馳せるところまでを楽しんできて欲しい。

さけます情報館の名前に違わず、展示内容は全般的に比較的“お堅い”内容。もちろん、とても分かりやすく紹介されているけれど。
でも、餌やりとか、放流体験などのメニューもいろいろあるので、サケに対する興味関心の深さに関わらず、行ってみれば誰でも楽しめるのではないかと思う。
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さんご畑(沖縄) [相当施設インプレ]

もう半年くらい前の話になるだろうか。
イベントの打ち合わせだか何だかで、オレを含めた水族館ブロガー3人が集まって話をしていた時のことだ。
未知の施設の探索に心血を注ぐ? めnちが「また基準を満たした施設を見つけました!!」

内心、「またか!!」と思いながらも話を聞くと、その施設があるのは沖縄だという。
その数か月後に沖縄行きの予定が決まっていたため、それじゃあ見てくるよ、と、未知の施設? のチェックを請け負った。

その施設は「さんご畑」という。
陸上施設でサンゴ養殖を行っていて、増殖させたサンゴを海に還すことを行っているらしい。
そのさんご畑があるのは沖縄本島中部、読谷村。周辺の有名観光地としては残波岬がある。
国道58号線から残波岬方面へクルマを走らせること15分くらい。リゾートホテルなどが立ち並ぶエリアにある。
駐車場から海に向かう道を3分くらい。坂を下った先にあった。
陸上施設とは言え、そこはもうまさしく海っぺり。波が高い日ならその波をかぶる? みたいな場所だった。
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入場料を払い入場した先にあったのは、大きな池が点在する庭園。
池の周りにはサンゴを意識したのだろうか、白いゴツゴツした壁で区切られた通路がその池を囲んでいる。
池に入っているのは、もちろんサンゴ。サンゴ養殖のための施設だから、水が入っているところにはほぼすべて、何かしらのサンゴが入っている。
つまり、サンゴの海を見るみたいな光景が、縮小されて足元に池に収まっている、みたいな施設だ。
池の中にはサンゴの他に、サンゴ礁を泳ぐ魚なども入っていて、それらを探す楽しみは、まさに自然の海さながらだ。
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サンゴが暮らす海から取水され、いくらでも使える水。そして池の周辺は光を遮るものが何もなく、サンゴを育む太陽光はダイレクトに降り注ぐ。
都市部などの水族館でサンゴを育成しているスタッフ氏なら、ジェラシーの炎を燃え滾らせてしまうような、まさしく自然さながらの環境が再現されている。
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本来の目的を忘れるところだった。ここは“水族館”なのかという点。
動かせない水槽(池だけど)があって、一部の池には横からも見える窓が付いている。
池は比較的大きく、施設の水量は10tは軽く上回っているだろうし、池や水槽などの総数は10以上ある。
水族館とは名乗っていないが、5つの条件中、4つを満たしているので、“水族館”ということになる。
しかし、オレはここを水族館とするのは違うんじゃない? みたいに思えた。

そもそも“館”じゃない。
池が並んだ庭園だ。屋根はないから、雨風、沖縄の強烈な日差しの影響をダイレクトに受ける。
もちろんそれはサンゴにとってはプラスだろうけど、見学者には辛い場合も多い。
さらに、天候によっては綺麗に見えなかったり、そもそも見学できないなんてこともあるかも知れない。

池を泳いでいるのが、上から見るように作出された金魚や錦鯉なら、上見での展示は正しい展示方法と言えるのかもしれないが、ここのメインはサンゴ。
水面から見るのがベストな見え方とは思えないし、それ以外の魚などもほぼ上からしか見えず、観察窓が付いた池にいるものも満足に見えるとは言い難い。
魚は展示されているというより、そこにいる、といった感じ。真剣に探すと種類数はそこそこいそうだが、それらの多くは魚名板などもなく、海から移設されたサンゴ礁の風景の一部、みたいな印象。
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小さな観察窓から見える光景は、海中展望塔的。窓が大きくないので広くを見渡せない上、魚が通りがかっても、窓の前を通り過ぎてしまえばもう見えなくなる。

そもそもここは、サンゴの増殖を目的とした育成施設。観光施設としての一面も担っているとは言え、紹介されているのは“サンゴそのもの”ではなく、こういう風にサンゴを育成して、それを海に還していますよ、みたいなこと。
展示されているのは“生物”ではなく“行為”みたいな印象だ。

“見る”という目的に対して、物足りなく感じる点が多いことがこの施設を“水族館とは呼べないんじゃないか”とした理由だが、楽しいか楽しくないかはまた別の話。
思った以上に楽しめて、考えていたよりも長い時間をそこで過ごした。

いかに沖縄とは言え、サンゴがこんなに密集している場所はなかなかないだろうと思う。そしてその池が綺麗なのは間違いないし、周辺の景色から南国らしさ、沖縄らしさも感じられる。
池にいる魚やカメには餌やりもできる。
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集まってくる魚たちは、よく見知ったつもりの種類だったが、直の太陽光の下で見る色の鮮やかさは驚き以外の何物でもなかったことは発見だった。
池を泳ぐ魚を、あれがいた、これがいたと探して回るのも魚好きならきっと楽しいはずだ。

個人的には水族館とは言えない施設だと思ったが、どう感じるかは見た人次第。
美ら海水族館とはまた違った“沖縄らしさ”を感じられる水族施設であることは間違いない。
沖縄の観光と言うと、最近では美ら海水族館に行った後、古宇利大橋を通って古宇利島に行くのが定番コースらしいが、水族館好きなら、さんご畑→OMRC(ルネッサンスリゾートオキナワ)→美ら海水族館、なんてコースが成立しそうだ。
近くに高速のインターはないけど、施設がある読谷村は美ら海水族館に行く途中だし。
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美深チョウザメ館(北海道) [相当施設インプレ]

北海道中北部に位置する美深町。
町内にはかつてチョウザメが遡上したという天塩川が流れている。
だから、ということではないのだろうけど、美深町では町を挙げてその養殖に取り組んでいて、名産品としてのアピールもしているし、そもそも町の道路看板の図柄もチョウザメだったりするくらい、“チョウザメ推し”な町だ。

そんな地にあるチョウザメの水族館。
チョウザメに多少でも興味があるなら、行ってみたいと思うことだろう。
もちろん、オレも思った。

しかし、例によって? 少々行きにくい。
旭川と稚内の中間みたいな場所に位置しており、どちらの空港からも微妙に遠い。
でも、仕方ない。行ってみたいんだから。
水族館巡りの最後に残したノシャップ寒流水族館に行く途中に寄ることにした。

チョウザメ館は、キャンプ場や道の駅、大きな公園などがあるびふかアイランドの中にある。
広大な駐車場にクルマを止め、森の中みたいな場所に建つ施設へと入館。
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ざっと展示を見回した後、オレは自分が犯したミスに気付かされた。
初めての水族館(相当施設)に来る時、もっともしてはいけないことは“期待しすぎること”だが、これまで何度も思い知らされてきたそれを、久しぶりにやってしまった。

だって、チョウザメの町のチョウザメ水族館だよ? どうしたって期待しちゃうよねぇ……

入館するとこの施設のメイン水槽たる円柱形の水槽が出迎えてくれる。
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様々な種類のチョウザメが泳ぐ、この施設最大にして、ガイド本などでも必ず登場する象徴的な水槽だ。
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そしてその反対側に天塩川の水槽。千歳水族館にあるような(スケールはだいぶ小さいけれど)、上流から下流に至る3つに別れた川の水槽があって、その水槽の前を通り、建物の奥の部屋へと行くと、年齢ごとに分けられたチョウザメの種苗が泳ぐ屋内養殖用の水槽が4つ並んでいる。
それ以外に小さな水槽が2本あったけれど、それがすべて。
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奥の養殖風景の展示エリアを除くと、水槽らしい水槽は入ってすぐのチョウザメ水槽と天塩川水槽だけ。
小規模だとは聞いていたけれど、チョウザメに特化した水族館として、もう少し展示があるのかと勝手に想像していたので、拍子抜けだった。
でもまぁ、それはいい。期待しすぎたオレが勝手にそう思ってただけだから。

でも、困ったことにそれらの水槽がとても見にくいのだ。
チョウザメ水槽は中が暗く、反面、観覧側が明るいので、映り込みが酷くて、魚がアクリルの前まで来てくれないと、中が見えない。
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しかも、アクリルのコケ汚れも結構ひどくて、それがまた見にくさに拍車をかける。
天塩川水槽もやはり水槽が暗くて見にくい。おまけに、魚名板は出ていてもその魚がほとんどおらず、3つに分かれた水槽はほぼイトウのみ。イトウ以外はフナとコイが少しいただけ。
フナやコイよりもイトウの方がずっと希少であることを考えると、それはそれで凄いこと? なのかも知れないけれど……
せっかくこんな施設があるのだから、もう少し頑張ってもらえるとチョウザメ好きとしては嬉しいなぁ、と思うところなのだけど、同時に、これでも仕方がないのかなぁ、とも思うところも。
と言うのもこのチョウザメ館、入館料が要らない無料の施設。
1円も支払わずに、要望ばかりするのも流石に気が引ける。でも、勿体ない、とは思う。


結論。
チョウザメ好きがチョウザメを目的にここまで行っても、大きな満足感は得にくいと思う。

その理由は、規模的なことや、見にくさもあるけれど、展示されているものがあまり綺麗でないこともある。
チョウザメ養殖は採卵や食用が主目的。その姿形はあまり重視されない。
それはここに限らず、養殖の延長で見せている施設ならどこも同じようなものだから仕方ないことと言えるかも知れないのだけど、“見る”という目線でそれらの個体を見ると、いろいろ残念な点が多い。
加えて、微妙な行きにくさも“ここまで来たのに……”というマイナス要因となるかも知れない。

でも、チョウザメに特別な思い入れがない人や、それ以外の目的もあって美深町に来るのなら悪くはない。何せ無料だし。
道の駅には、ここにしかないシープミルクなどの珍しいものや、北海道ならではの美味しいものもある。
旅の途中に寄るなら、景色も綺麗な場所だし、北海道旅行の思い出のページを増やすには悪くない施設なのは間違いない!! 何せ無料だし。
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つくみイルカ島(大分) [相当施設インプレ]

イルカとの“ふれあい体験”が売りのイルカおさわり施設。
偏見かも知れないけれど、どうも好きになれず、わざわざ行くことはまずない。
そんな個人的こだわり? に反して、これまで行くのを避けてきた“つくみイルカ島”に行ってきた。

その名の通り、イルカに餌をやったり、イルカのいる生け簀で泳ぐドルフィンスイムができたりなど、そこで体験できるプログラムはいかにもおさわり施設のそれ。
だから、7年前、うみたまごや番匠おさかな館を回った時も、あえて行かなかった。
しかし、聞こえてくる評判はいいものが多く、それも、同業者からもそんな評判が聞かれるくらい。
オレに行くことを薦めてくれたのも、某水族館の関係者の人だった。

そんなにいいの? だったら行ってみようか、と。

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イルカ島の名前の通り、陸地の先に堤防でつながった小島があり、その小島と陸の間の内湾に広がっているのが目的の施設。
施設は大半は海の上で、フロートの上に載った大きないかだを中心に、その周りにイルカたちが暮らす生け簀が配されている。
陸地側には観客席も設けられていて、イルカショーも行われている。
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海の上に浮かんでいる施設だが、意外と広い。
生け簀に沿って巡らされた通路を端から端まで歩くと、結構な広さ。まず、その規模感に驚かされる。
そんな通路を海面を眺めながら歩いていると、イルカたちが勢いよく近寄ってきてくれる。
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餌をもらえることを期待しての行動だが、寄ってきてくれれば嬉しいものだ。
寄ってきたイルカの性格による反応の違いなんかも見られて、何もくれないの? じゃあお前には用はない、とばかりにすぐにその場を泳ぎ去ってしまうものもいれば、顔を上げ、声を上げ、何かをアピールしてくるもの、ジッとこちらを見てるだけのもの、歩く人の横を並んで泳いだり、人の前で飛び跳ねてみたりと、個体ごとの反応はそれぞれ。
14頭もいることもあり、しかもそれらとの距離が近いので、それを見て回るだけでも楽しい。

イルカの繁殖研究の拠点としての役割も担っていて、他園館とも協力して、様々な繁殖研究が行われている。
14頭という頭数の多さも頷けるところだが、実際、14頭の中には、他園館から出張中の個体がいたり、イルカ島で生まれた個体もいたりと、まさに繁殖研究拠点らしいところも見られる。
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えのすいから出張中のアテネ(多分?)

とは言え、屋外の生け簀での飼育は、何かと大変なことも多いらしい。
風や海流で吹き寄せるゴミの問題、生け簀に生える海藻の対策など、自然の海だからこその問題点。
海藻も茂り過ぎると、網が目詰まりして水が通らなくなってしまったり、網が重くなりすぎて破けてしまうなどのトラブルにつながるそうだ。
また、網目から小さな魚が侵入、そこに住み着くのはいいのだけど、イシダイの幼魚のように、イルカをつついたりする悪戯をするものは捕まえなくてはいけない。
釣り堀コーナーにいた小さなイシダイは、イルカの生け簀で捕まえたものを育てたものらしい。
また、その生け簀の網も、ふにゃふにゃたわんだりせずに、イルカの遊泳スペースに影響を及ぼさないことに加え、メンテナンスのしやすさや耐久性、耐用年数、もちろんコストも重要。それらを考慮しながら、様々なものを試しているのだとか。
実際、イルカがいる区画はそれぞれ、異なる生け簀網が使われていたりしていた。
また、ペンギンや魚もいることから、鳥や野良猫の対策も必要だし、最近では、海外から来る反イルカ飼育の活動家対策みたいなことも意識しておかなくてはいけないらしい。

同じことを水族館でするのに比べると、大変なことが多いんですよ、と、いかだの上にいたスタッフ氏が色々と苦労話を聞かせてくれた。
施設を見学しているより、そんな話を聞かせてもらっていた時間の方が長かったくらいで、オレには大変有意義な時間となった。
今にして思えば、きちんとメモとか取っておけば…… と少なからず後悔しているくらい。

話は戻って…
このイルカ島、一般的な? イルカおさわり施設と違って、イルカ以外の展示も充実していることもここならではの強みだ。
2種類のアザラシ、ペンギン、そして餌やりができる魚たちがいて、寒くない時期にはそこにカワウソも加わるらしいが、オレが行った5カ月前にはカワウソはいなかった。

アザラシはゴマフアザラシだけでなく、日本ではここ以外に3か所でしか見られないハイイロアザラシがいるのはうみたまごの姉妹施設だからこそ。
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それをどこよりも近くで、アクリルを介さずに見られるだけでなく、餌やりまでできる。
アザラシに餌を与えられる施設は他にもあるが、ハイイロアザラシに餌を与えられる施設は他にはないので、アザラシ好きにはそれだけで価値ある体験と言えるのではないだろうか。
いろいろ聞かせてくれたスタッフ氏によれば、間近で見られるのは上陸していることの多い寒い時期だそうで、暑い時期には水からなかなか上がってこないらしい。

イルカやアザラシとの距離も近いし、イルカは個体数も多い。
個人的には、いろいろ聞かせてくれるスタッフ氏がいてくれたお陰で、ガッツリ長時間楽しませてもらうことができたこともあり、行って良かった!!
イルカ好きな人なら、ふれあい体験をしなくてもそれなりに楽しめるのだろうと思うので、大分の水族館巡りをするなら、立ち寄ってみることをオススメしておく。
クルマなら、番匠おさかな館とハシゴするのもそれほど大変ではないしね。
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小笠原海洋センター(東京) [相当施設インプレ]

水族館とは言いにくいけれど、父島にはもうひとつ、海の生き物を展示した施設がある。
それが小笠原海洋センター。
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ウミガメの保護、調査を行っているNPOによって運営されている施設で、小笠原に来遊するザトウクジラの調査なども行っているらしい。
ウミガメの上陸地には、それにまつわる施設がいくつかあるが、この海洋センターもそんな“ウミガメ水族館”のひとつと言っていい。

本州にある施設では、主役はアカウミガメであることが多いが、こちらの主役はアオウミガメ。
小笠原ではアオウミガメが多く産卵上陸し、食用にもされているくらいで、ここにも大小さまざまなアオウミガメが沢山いる。
一方、日本の水族館では主力? のアカウミガメはここでは圧倒的少数派で、1匹しかいない。でも、そのアカウミガメがここの最長老かつ最大個体だったりする。
2匹だけだがタイマイもいるので、日本の主要なウミガメ3種類は見ることができる。
なお、そのタイマイは八重山の黒島出身。日本でもっとも遠い施設がある黒島出身のカメに、日本でもっとも行きにくい場所にある施設で遭遇したのには、何だか因縁めいたものを感じたのだけど、それは多分オレだけだろう(笑)

沢山あるプールにいるのは幼いアオウミガメ。小さくて可愛いのだけど、流石にこれだけいると“もういいや”となりそうになるが、これらの子ガメたちは、ただ展示されている訳ではない。
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このセンターで孵化、少し成長させた後、海へと放流されるのだ。
参加はしなかったけれど、ウミガメについての学習会や放流会なども行われているらしい。

放流されるウミガメはタグなどが付けられることが一般的だが、海洋センターから放たれるカメのタグが面白い。
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甲羅の下の方に白い点のようなものがあるのが分かると思うが、これは白い腹甲の一部と、背甲の一部を切り取って入れ替えたもの。
そのまま甲羅の一部となり、成長を続けるので消えたり、外れてしまったりすることがなく、カメへの負担も少ない。
再捕された時、ここ出身であることが分かるのだ。

沢山いるカメたちには餌を与えることができる。
入館料が要らないので、せめて餌くらいは買おうと、餌やりもしてきた。
なお、グッズやお土産も色々売っているので、そういうのを買えばここの活動の支援にもなるのだろうと思う。
餌しか買ってないオレが言うのも何だけど……(汗)

餌は子ガメ用の浮上性ペレットと、大人のカメ用の野菜。
子ガメたちのプールには食べ残しされた餌が沢山浮かんでいて、さほど空腹でもなさそうだったので、おやつが欲しくて仕方がなさそうにしていた大人のカメたちに野菜を与えてきた。

アオウミガメはエサ取りがうまいと、どこかの水族館で聞いたことがあったような記憶があるのだけど、確かに素早い。
餌が水面に落ちる音に即座に反応するし、餌を投げた方向に素早く向かい、確実に食べていく。
それに引き換え、タイマイは個体の性格なのか、やけにのんびり。アオウミガメと同居しているプールでは、2人別々に違う場所で与えでもしない限り、与えた餌はすべてアオウミガメが食べてしまう。
それにしても、飼われウミガメっていうのは、ホントに何でも喜んで食べるようになるものらしい。
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アオウミガメはともかく、草食ではないはずのアカウミガメやタイマイも野菜を喜んで食べる。キミらはリクガメか? と思ってしまうくらいだが、食えりゃ何でもいいのか!?

珍しいものもいて、アオウミガメのリューシスティック(白化)個体。しかも3匹も!!
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これらの個体も餌やりができるので、大喜びで近寄ってくるが、いずれも片目が悪かったり、甲ずれがあったりと、爬虫類ショップ的な言い方をするなら“完品”ではなかった。
白化と何か関係があるのだろうか?
とは言え、3匹ともすごく元気で、おやつをもらおうと人を見つけるとバタバタ水を飛ばしながら集まってくる。
白い体は、野生で生きていくのは何かと大変そうだが、見た目にも珍しく、何より綺麗!!
こういう場所で、来た人を楽しませる役割はピッタリなのだろうと思う。
ここでしか見られない珍品だ。

おがさわら丸が着く二見港と湾を挟んで向かい合うような位置にあって、大村の街から歩くと20分くらいだろうか。
こちらは砂浜に面していたり、裏手が森になっていたりと、街から少し離れている分、自然がより間近な印象で、お弁当を持って目の前の砂浜で綺麗な海を眺めながら、みたいな散歩コースにもピッタリな気がした。
しかも、ありがたいことに、こちらも水産センターと同じく入館無料。
ウミガメ好きな人はもちろんだが、水族館を目的に小笠原まで行く人(そんなにいないとは思うけれど)、せっかく父島まで行ったのだから、こちらにも是非!!
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