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ワイキキ水族館の気になる魚 Vol.1 [海の魚]

ワイキキ水族館で楽しみにしていたもの。
ひとつ前のブログにも書いた通り、ハワイ固有種たち。
絶海の孤島であるハワイ周辺にはそこ辺りにしかいない固有種が多く、それらの一部が観賞魚ルートにも乗ることもあるものの、総じて量は少なく、きわめて高価。
そのためか、葛西臨海水族園などハワイ固有種を展示している施設もあるが、日本の水族館で見られるチャンスは多くない。
しかし、ハワイの水族館なら話は別だ。それが地元の魚なんだから。
でも、見てみたいそれらがその辺にいるかというと、いかに地元とは言えそんなことはなくて、ハワイでも簡単には見られないのだ。
そんな魚の代表的存在がマスクドエンゼル(Genicanthus personatus)だろう。
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ハワイの固有種であると同時に、やや深場にいるため、採集が難しいという魚だ。
ごく稀に観賞魚として日本に輸入されてくることもあるらしいが、もちろん超高価。
日本の水族館にはおらず、オレは生きた姿を見たのは初めて。

珍しく、希少(おまけに超高価)な魚だというのに、その展示水槽は特別な感じではなく、その他の魚がいろいろと泳ぐ水槽に入っていた。
しかも驚くのは3匹もいたこと。流石は地元と言ったところ?
雌性成熟型の性転換を行う魚で、3匹の内、2匹はメス。
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こちらがオス。

その他の固有種も泳ぐ中、しかもそれほど大きくない(15㎝くらい)のに存在感は強く、沢山の魚が泳ぐ水槽だというのについついその姿を目が追ってしまう。
ヤッコの仲間は好きだが、マスクドエンゼルが属するGenicanthus属はそれほどでもないと思っていたのだけど…… 超高価バイアスが掛かってるのか!?


同じ水槽にいたハワイアンモルウォング(Cheilodactylus vittatus)にもマスクドエンゼルと同じくらいに目を引かれた。
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目につきやすい位置でよく泳ぎ回っていたせいもあるが、それ以上によく見知った魚と似ているのに、それとは違うものであることがひと目で分かる特徴を持っていたから。
だって、バンド模様が足りないミギマキみたいでしょ?
勝手にハワイミギマキと呼んでいたのだけど、その現地名からすると、あながち間違いではなかったらしい(笑)


ハワイアンモルウォングに目を引かれたのは事実だけれど、この水槽が目に入った時、何だこの魚は!! とオレを引き付けたのは別の魚。
それがこのブラックアンドホワイトラス(Coris flavovittata)。
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直訳すると「黒と白のベラ」だが、ここにいたのは褪せた青といった色。
黒と白なのは幼魚と雌。所謂、イニシャルフェイズ。この水槽にいたのはターミナルフェイズでしかもかなり老成した個体。
体はかなり大きく30㎝を上回るくらいの大きさ。遠目に見ても見たことがないと分かるこの色と大きさで一気に心を掴まれた。知らない魚だったが、カンムリベラ(Coris)属であることもすぐに分かった。
ただ、先にも書いたように老成していたせいなのか、ベラなのにあまり泳ぎ回らず、着底してジッとしていることが多く、体色も恐らく全盛期の頃に比べるとかなり褪せてしまっていたのだろう。
でもまぁ、ベラとかブダイとか、なかなかターミナル個体を見られる機会も多くないものだから、こうして見知らぬ種類の、ターミナル個体を見られたというだけでもラッキーだったんだろうなぁ、と。


最後の1匹もベラ。でも、こちらはイニシャルフェイズ。
薄暗い水槽の中を慌ただしく泳ぐベラ。
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ヒレグロベラがいるんだな、と思いつつ、何となくカメラを向ける。
ん!? なんか違うぞ。ヒレグロベラじゃないじゃん、何だこれ? となったのがこのハワイアンホグフィッシュ(Bodianus albotaeniatus)。

イニシャルフェイズ個体はこの通り、ヒレグロベラみたいだが、ターミナルフェイズになるとまるっきり色や形が違うものになるようだ。
見てみたかったなぁ……

これからワイキキ水族館に行く予定のある人に強くオススメしておく。
ハワイの魚をしっかり予習しておくこと。
それをしておくと、他では見られないものを見落とさずに済み、ここでしか見られないものをしっかり見ることができる。
何でこんなことを言うかって? 撮ってきた写真を見ながら種類を調べていると、えっ!? これってハワイの固有種だったの!? みたいなことが度々あったから。
せっかくハワイまで行ったのに、よく見知った魚だと思って写真を撮らなかったものがいくつかあったのだ。
もっと簡単に(安く)行ける場所なら、もう1回やり直しに行きたいなぁ……
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ワイキキ水族館(ハワイ・ホノルル) [海外水族館インプレ]

海外の水族館に行きたい!! と、行けそうな行先の中から、面白そうな水族館がある所を選んで行ってる海外遠征。
4回めとなる今回の行先はハワイ。こういう超メジャー観光地だと格安ツアーが見つかりやすいのだ。超円安で金銭的にはハードな渡航先ではあったけれど、水族館以外にも行ってみたいところもあり、27年ぶりのハワイへ行ってきた。

真っ先に向かったのはワイキキ水族館。
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実はこの水族館、27年前にも行ってるのだけど、その時は動物園とハシゴだったからか、疲れていたこと以外の記憶がない。つまり、初めて行くみたいなもの。
ハワイモンクアザラシが見られるらしいことと、ペパーミントエンゼルがいるとか聞いたこともある。それとその他、ハワイ固有種に出会えることを期待しての訪問だ。

さほど規模の大きな施設ではなかった、という記憶はあったけれど、実際に行ってみると思っていたよりは大きく、東海大の水族館から大水槽を抜いたくらいの規模感。
ワイキキ水族館もハワイ大学の所属だそうで、同じ大学所属施設ということもあってか、雰囲気も何となく似ている。
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展示は一部を除き、ハワイの海。地元特化型だ。
絶海の孤島であるハワイの周辺は固有種も多い。つまり、ここでしか見られないものも少なくない、ということ。そういう意味ではオレ好みな施設。実際、結構面白かった。
入館し、まず最初に向かったのは固有種のモンクアザラシがいると思しき屋外のプール。
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あれ!? 
見たことなくてもここにアザラシがいたことが想像できるプールには水がなく、それも掃除で抜かれたとかではなく、かなり長い期間、水が入っていなかったような雰囲気。
いないのか? プールの周辺をウロウロしていたら、水族館スタッフの人が「nothing」と。
マジで!? これを楽しみに来た部分も大きかったのに……
でもまぁ、いないものは仕方ない。気を取り直して館内へ。入口脇の壁に貼られたペパーミントエンゼルの写真パネルが気分を盛り上げる。こいつを見られれば……

展示の主役はサンゴだ。サンゴが入った水槽はいくつかあって、そのどれもが綺麗で状態もいい。
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眩しいくらいの明るさも手伝って、とても綺麗に見えるのだけど、そこに入った魚たちは長く飼われているからなのだろうか、ニザダイ類を中心に穴あきを発症した個体が多く、綺麗でないものが多かったのも少々モヤっとした。
また、サンゴが入っていない水槽は何となく薄暗く、サンゴ水槽との落差もあってか、何とも古臭く見えてしまう。
歴史ある施設だけに仕方ない部分でもあるのだろうけど、水槽のアクリルは白濁していたり、キズが多かったりなど、状態がよくないところが少なくない。
さらに、アクリルの状態のせいなのか、濁って見える水槽もいくつか。
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濁りに関しては、水族館前の海の水を注水しているのだろうと思うが、何もせずに直接入れているから、という可能性もあるけれど。
一番大きな水槽の前に解説員の人もいて、質問あったら聞いてね、と声をかけてくれていたので、その辺の事情を聞いてみたかったところだが、乳幼児程度の能力しかないオレの英会話力ではそれも叶わず……

モヤっとしたと言えばもうひとつ、種名板がめちゃくちゃなこと。
水槽前に掲示された種名板は、いないものがそのままだったり、種名板が出ている水槽ではない水槽にその魚がいたりと、あまり役に立たない。
種名板のQRコードを読み込むと日本語での解説もあったようなのだけど、生憎それも使わなかったのでそれを使えばよかったのかは分からないけれど。
細かいところは気にしない。外国の水族館らしいところなのかもしれない。もっとも、オレが普通に英会話ができていれば問題はなかったのだろうけど。

魚類メインの展示は基本、ハワイで見られる魚たち。
絶海の孤島であるハワイ周辺にいる魚には固有種が多く、それらは見た目からして特別感のあるものだけでなく、日本にも同じ種類がいる、と思ったものが実は微妙に違う固有種だったりと油断ができない。
滅多に行けない者からすれば、もっと強めにプッシュしてよ!! と思うところもあるのだけど、日本の水族館とは違い、そういうのはない。
良くも悪くもここはアメリカ。細かいことは気にしないらしい。
だから、現地ならではの魚を見逃したくない!! そういう人はハワイにどんな固有種がいるのか予習してから行くことをオススメしておきたい。
それをしておかなかったことを今になって後悔している。もっと手軽に行ける場所ならもう1度行き直したいくらいだ。

見られることを楽しみにしていたペパーミントエンゼルはというと…… いなかった(泣)
クック諸島産でハワイ固有種という訳ではないから、いなくてもおかしくはないんだけど、いるらしい、と聞いていて、さらに入口周辺の大きな壁面の写真で期待してしまったので、ちょっと(かなり?)残念。

規模の大きな水族館ではないから、すべて見て回っても1時間もあれば事足りる。
でも、魚好きなら結構楽しめる施設なので、3~4時間くらいは見込んでおいた方がいい。
動物園と近いのでハシゴもできるが、それはあまりオススメしない。どちらもそれほど大きな施設ではないが、やはり疲れてしっかり楽しめなくなるからね。
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日本の水族館で2匹め!? プラークラベーン @アクア・トトぎふ [エイ]

今年の1月のこと。
アクア・トトぎふの元Twitterで「プラークラベーンを展示しました」という投稿が。

マジで!?
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プラークラベーンとは世界最大の淡水魚として知られる淡水エイ、Urogymnus polylepisのこと。無効になったHimantura chaophraya の名前がよく知られている。
板橋熱帯環境植物館で展示されている個体が有名で、今年の1月まではそれが日本の水族館で見られる唯一の個体だったが、1月からアクア・トトぎふでも展示が開始され、見られる個体が2匹になった。
なかなか目にすることが難しい種類なので、見られる個体が増えることは素直に嬉しい。
ちなみに、展示名のプラークラベーンはタイでの名前。
日本では無効になった学名が浸透してしまっている感があるが、プラークラベーン呼びはいいと思う。覚えにくくもないだろうし。

でも、主要な生息地であるタイでは、このエイの輸出は規制されており、そこからの入手はほぼ絶望的。
冒頭の“マジで!?”はだからこそ出たひと言。
タイ以外の国から入手したもの? はたまたスペシャルパーミット? 詳細は知らないけれど、よく手に入ったなぁ!! というのが正直な感想だ。

エイをきっかけに久しぶりのアクア・トトに。
1年以上行っておらず、その間、まだ見てない魚たちがいろいろと増えていたのは知っていたけれど、到着早々、まっすぐエイの元へ。
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外国から運んでこられるくらいなので分かってはいたことだけど、やっぱり小さい!! 
今は巨大な板橋の個体も15年前はこんなくらいのサイズ感だったことを思えば、この個体も順調に育っていけば、あんなサイズ感のエイになっていくはず。

それにしても、動きが少ない(笑)
1月から展示されているので、この水槽でもう4か月くらい(オレが行った時点で)経っていて、水槽や環境にも馴染んでいると思うのだけど、基本的に水槽の奥の定位置にいて、そこから時々、左右に行ったり来たりするくらい。
アクア・トトぎふの元Twitterによれば、朝と夕方は泳いでいることが多いとのことだが、オレが見ていた数時間の間は、行ったり来たりした以外の動きはなく、水槽の前の方にも出てきてくれなかった。
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通り掛かったスタッフ氏に聞いてみると、餌にもがっついている訳ではないようで、意外と小食で好き嫌いもするらしい。
そんなんじゃ大きくなれないぞ!! と言いたくなるところだけど、好きなだけ大きくなりにくい事情もあるのかも知れない。

このエイが大きくなったら、隣のメコンオオナマズの水槽へ移動するのだろうと思うが、それが叶えばアジアを代表する大魚が泳ぐ夢のような水槽となる反面、巨大なエイが暮らすには少々狭いよね、と。
メコンオオナマズも大きいものは2m近くあり、新入りの2匹も1mを超えていそう。
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そんな状況を考えると、エイも将来を考えて好きなだけ大きくなるのを控えているのかも知れない?(笑)

驚くことに、アクア・トトぎふも20周年を迎えるらしい。
オープンから日が浅い頃、メコンオオナマズたちも小さく、この水槽も閑散とした感じだったのを記憶してる身としては、現在の過密感、そしてそこに大きなエイが加わる未来には感慨深く思うところがあるけれど、同時に、同じ魚たちが泳ぐはるかに広大な水槽があるシンガポールのリバーワンダーが羨ましくなったのも正直なところ。

それはそれとして、この先、行く度に成長した姿が見られるのは大きな楽しみなのは間違いない。
そんな楽しみを与えてくれたことにまずは感謝しつつ、今後のエイの成長を期待したい。
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