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シャチの(事故の)話 [鯨類]

オーランド(フロリダ)のシーワールドで、シャチがトレーナーを襲い、トレーナーが亡くなるという不幸な事故が起こったらしい。
重ねて不幸だったのは、その事故が起きたのが、ショー中だったということ。
楽しいショーを期待していた観客たちは、さぞやショックだったことだろう。
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/accidents/2701352/5396593

IMG_0502.jpg
※写真は鴨川シーワールドで飼育中の個体で、事故には一切関係ありません※

この事故のニュースで、各種掲示板やSNSには、いろいろな書き込みがなされているけれど、トレーナーを死に至らしめることになったのが、人気の高いシャチということもあり、シャチ=悪、みたいな直接的な流れにはなっていなさそうなのが、シャチの人気や世間でのキャラクターを象徴しているように感じた。
もし、事故の主人公が、ワニやヘビ、サメだったりしたら、もっともっと大騒ぎされていただろうし、悪意のある意見も比較にならないほど多かったんじゃないかと思う。
とは言え、アメリカでは結構大事になってるようで、おかしな話にならなきゃいいなぁ、と思う。

勘違いして欲しくないのだけど、シャチは特別凶暴でも、悪意のある生き物ではない。
人間よりも大きく力の強い動物には、どんな相手にでも多少の危険は付き物なのだ。牛や犬が死亡事故を起こすことだってあるくらいだからね。
ましてやシャチは、生態系の頂点に君臨する捕食者なのだ。今回の不幸な事故も、もともと持ち合わせている一面が、ほんの少し顔を覗かせたに過ぎない。

シャチに限った話ではないけれど、動物たちにも豊かな感情がある。
機嫌がいい日、悪い日が当然ある。
イルカショーなどを見ていると、時々、まったく言うことを聞かなくなることがあるけれど、まさにあれが機嫌が悪い、もしくは気分の乗らない日、なのだろう。
きっと、事故を起こしたシャチも、そんな状態だったのだろうと思う。
また、個体ごとの性格もまちまちで、シャチの中にもおとなしいものも、凶暴なものもいる。
それは人も同じだ。
しかし、人と違うのは、相手は5tを超える大きさのある動物だったこと。
噛むまでもなく、ヒレをホンの少し動かすだけで、人くらい簡単に殺せてしまうのだ。
つまり、今回の事故を起こしたシャチに限らず、シャチを相手にするトレーナーという仕事は、命の危険をはらんだ職業だということ。

実際、シャチなどの海獣の飼育や、トレーニングなどに携わる人たちは、油断や慢心が事故につながると常々意識しているのだとか。
もちろん、自分が管理している動物は可愛いだろうし、情も移るのだろうけど、やはりそこは強い力を持った野生動物であることを絶対に忘れてはならないのだという。

動物保護という名の下に、公衆の面前で裸になるのが好きな集団が、“狭いところに入れられたストレスである”などのコメントを出しているけれど、個人的には違うと思っている。いずれにしても、鯨類のまわりには狂信的な人たちが多くて閉口するけれど、今回の事故をきっかけに、悪意ある情報や、イメージがつきまとわないことを祈るばかり。

オレ自身、鯨類よりも魚類が好きな人間だが、それでも惹き付けられてしまうくらい、シャチは魅力的な動物だ。
今回の事故のような一面も持ち合わせているけれど、それも含めてシャチなのだということを、多くの人に分かっていて欲しいと思う。
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