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鴨川シーワールドのエイ マニアックな見所 [エイ]

鴨川シーワールドの“白エイ”の話をしたところで、エイの話をもうひとつ。
前のブログにも書いた通り、鴨川シーワールドはエイを見に行く水族館としても、とても優れている水族館なのだ。
オニイトマキエイとかシノノメサカタザメ、ノコギリエイみたいな主役級スペシャルはいないものの、前のブログに登場した3種類の“白エイ”に加え、そのノーマルタイプが3種類。さらにトロピカルアイランドに6種類の計9種類ものエイを見ることができるのだ。

少ないように感じるって?
鴨川シーワールドといえば、国内トップレベルを誇る飼育鯨類の種類数を数えるが、それでも8種類。エイの方が多いのである。
ほ~ら、スゴイでしょ?

とはいえ、その9種類中、ここでしか見られない種類は、前のブログの“白エイ”3匹だけ。でも、それらだけではなく、トロピカルアイランドの無限の海水槽に1匹だけいる“ナルトビエイ”にも注目してみて欲しいのだ。
未確認だけど、恐らく、ここでしか見られない種類なのでは? と思う。
※後日追記 海響館など、鴨川以外でも見られるところがあるそうです※
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ナルトビエイは、同じ水槽内に沢山いるマダラトビエイと同じAetobatus属のトビエイ。
だから、パッと見た感じは、同じ種類のように見える。
ただし、マダラトビエイのような水玉模様はなく、体色や柄はトビエイ(Myliobatis tobijei)みたいな雰囲気。
だから、柄のないマダラトビエイにしか見えないのだけど、見慣れてくると顔つきがかなり違うことに気づかされるはず。
1個体しか見たことがないので、すべてがそうなのかは分からないけれど、ナルトビエイの方が優しそうな、可愛らしく感じる顔つきをしている(ように思う)。
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こちらはマダラトビエイの顔。
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こちらがナルトビエイ。マダラトビエイよりも優しそうに見えるでしょ!?

ただし、その差はオニイトマキエイとイトマキエイの違いのような明確なものではない。しかも、1匹しかいないから、すぐに見失ってしまうことに加え、同じ水槽に柄のほとんどないマダラトビエイがいたりするからややこしい。
だから、かなりマニアックな見所。
例によって、ネームプレートもなく、慣れるまでは見つけるだけでも困難。
頑張って見つけたところで、大きな感動が得られるワケでもないのだけど、自分だけしか知らない1匹、みたいな感じで、ちょっとだけ得した気分になれる(と思う)。

どうしても見つからない場合は、給餌解説の後、解説のスタッフに聞いてみるといいだろう。きっと、目的のエイ以外にも、何かしらのエピソードを聞かせてくれるだろうから。

無限の海のエイといえば、最近入ったばかりのヒョウモンオトメエイも見忘れずに!!
個人的に大好きなエイなのだけど、これを展示している水族館はごくわずか。
その“わずか”の中に鴨川シーワールドが加わってくれたことは、素直に嬉しい。しかも、結構珍しい類のエイだというのに、2匹もいる。水族館生まれ(美ら海水族館)の個体だからなのか、よく泳いで、正面のパネルの前にもよく現れてくれる。
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ヒョウモンオトメエイ

ヒョウモンオトメエイについては、また別の機会に書かせてもらうことにするが、他にもこの水槽には、これまたあまり見かけないヤッコエイが入っていたりと、アカエイ科のエイにしても、ちょっぴりマニアックなラインナップになっている。
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ヤッコエイ

そんな部分こそが、鴨川シーワールドを“エイ好きが楽しめる水族館”たらしめている要因なのだ。

鴨川シーワールドの白エイ×3 [エイ]

今回の鴨川行きの最大の目的は、1つ前のブログにも書いた通り、日本初の飼育下3世のシャチ。
だけど、シャチの子以外にも楽しみにしていたものが沢山あって、そのひとつが“鴨川の白エイ第3弾”となるコモンカスベのアルビノだ。
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鴨川シーワールドというと、海獣を見に行くところ、なイメージがあると思う。
もちろん、そのイメージは間違いじゃないと思う。
鯨類も鰭脚類も、ここでしか見られないとか、飼っている水族館は少ない、みたいなものは多い。だけど、魚類、特にエイやサメが意外なくらい充実していて、それ系の魚が大好きなオレとしては、それらを目的に足を運んでもいいと思ってるくらいのラインナップだったりする。
中でも、アルビノのエイが3種類3匹もいるのは、驚きという他ないだろう。
自然環境下で獲れたものだそうなので、余所の水族館にいてもおかしくはないものなのだけど、ここにしかいない。まぁ、存在そのものが稀少で珍しいものではあるのだけど。

アルビノアカエイは、オレが初めて鴨川シーワールドに行った15年前には既に飼われていたけれど、アルビノホシエイは昨年末、アルビノコモンカスベは今年になって導入されたものだ。
どのエイも特別珍しいものではないし、アカエイやホシエイならどこの水族館でも見られるだろう。しかし、それがアルビノとなると話は別。
しかも、同じ場所で3種類が見られて、同じ水槽でノーマルタイプと比較できるのも嬉しい配慮と言えるだろう。
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アルビノアカエイ。
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アルビノホシエイ。

新入りのコモンカスベだけど、見えやすい位置にいてくれるのはいいのだけど、とにかく動かない。朝から閉園までの間、何度か水槽の前に行ったものの、まったく動いておらず、ずっと同じ位置にいた。
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眼が赤いのが分かるだろうか?

その点、アカエイとホシエイはいい。
ホシエイは若い個体ということもあり、せわしないくらいに動き回るので見ていて楽しい。コモンカスベ以外の2匹は、水槽の前を通ればまず見落とすことはないと思うが、コモンカスベは鴨川海底谷の水槽にいる。オレが見たのは、水槽のセンター部分、ガラスの真ん前にいたので、行かれた方はそこをチェックしてみて欲しい。

3種3匹ともに、一見の価値ある珍品なので、お見逃しのないよう。

実は、同じ水槽にこれまた珍しいシマガツオという魚も導入されていたはずなのだが、残念ながら、そちらの姿は見えず。見えない位置(奥の方に行かれると見えない)にいたのか、はたまた死んでしまっていたからなのか?

エノスイのシノノメサカタザメが… [エイ]

鴨川シーワールドの話を続けるつもりだったのだけど、8/31のブログにも書いたように、夏休みも終わり、水族館シーズンが再スタート、というワケでエノスイに行ってきた。

ホームの水族館だし、ルーティーンのような訪問だから、あえてレポートすることもないだろう、と思っていたのだけど、大きな、というか残念な変化があったので。

先日のブログにも登場した、状態を崩していたマツダイ。
元気な姿を期待していたのだけど、その姿はどこにもない。
死んでしまったと考えるのが妥当なんだろうけど、そうだとしたら残念だ。
行く度に少しずつ大きくなっていたし、相模湾大水槽でのデビューが楽しみだったのだけど。
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在りし日の姿。憎き寄生虫によって状態を落としてしまったらしい。

さらに残念なことがもうひとつ。
相模湾大水槽を眺めていてふと思った。
何か物足りないな、と。
いつも水槽を大きく回遊しているシノノメサカタザメが見当たらないのだ。
イヤな予感もしたのだけど、悪いことは考えたくない。
マツダイみたいに状態を落としているのを見たワケじゃないし、きっとどこかで休んでいるのだろう。また後で来れば、きっと泳ぎ回ってるはず。
そう信じて、その他の展示や、ショーを観に、水槽前を後にした。
しかし、何度水槽の前に行っても、シノノメサカタザメは1匹しか見当たらない。
そこで、近くにいたスタッフに恐る恐る聞いてみた。
「シノノメサカタザメは1匹になってしまったんですか?」
「ハイ」
「死んでしまったということですか?」
「ハイ。8月の初め頃に死んでしまったんですよ」

死んでしまった個体は、入ってすぐの水面付近の場所も回遊していたし、あの水槽の観覧ポイントすべてをかすめるように泳いでいたので、まさに主役を失ってしまったような印象だ。しかも、単に雌雄差なのかも知れないが、柄も綺麗だった。

もちろん、今でもエノスイに行けばシノノメサカタザメに逢うことができる。
しかし、残った個体は水槽正面の左側、観客から見えない位置でグルグル回っていることが多く、見えにくい。それもあって、あの水槽からシノノメサカタザメがいなくなってしまったような感じに見えるのだ。2年前は3匹も泳いでいたというのに。
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こちらも在りし日の姿。1ヶ月半前にはこうして元気に泳ぎ回っていたのに…

生き物だから死ぬことは避けられないし、仕方がないことなのは分かっている。
だけど、なかなか見られない生き物で、個人的にも大好きな魚だったので残念でならない。
そろそろ年間パスの期限が迫っているが、更新するのをためらってしまいそうなほどのショックだ。

ナンヨウマンタ スッゲ~!! [エイ]

魚に限らず、生き物の形や、その身体の構造には、“よくできてるなぁ”と心の底から関心させられるものが多い。

今回の大阪行きは、ひとつ前のブログにも書いた通り、その目的はイトマキエイに逢うため。しかし、図らずもある魚の身体機能の素晴らしさを目の当たりにしたことも、オレを強烈に感動させた。まぁ、そんな知られざる一面を見せてくれたのが、ナンヨウマンタだったことも大きく影響していそうだけれど。

前のブログにも書いた通り、イトマキエイたちの給餌シーンが見たくて、ガイドツアーに参加した。そこでのことだ。

給餌が開始されると、ナンヨウマンタは8の字を描くように泳ぎながら、ひしゃくから注がれたオキアミを吸い込んでいくように食べる。
その時、頭鰭が大きく開けた口の回りを囲むように変化した。
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餌を飲み込み、ターンする時はダランとするものの、再び餌が注がれると、口の回りを頭鰭が囲む。
その時、ツアーガイドの説明が。
「餌がきちんと口の中に入るように、頭鰭で口の回りを囲むんですよ」と。
スゲェ…!!! 感動で手足が震えた。

クルマのラジエターやインタークーラー、インテークダクトなど、外気を効率的に取り込みたい位置には、開口部の形にそって箱状に取り囲むことで、流れ込む空気を目的の場所に流し込むように、シュラウドとかエアガイドなどと呼ばれるものを取り付けたり、加工がなされたりする。

ナンヨウマンタの頭鰭はエアガイドならぬ、餌ガイドとして機能していたのだ。
水流に乗って流れてくる餌を効率的に集めるには効果的だろう。
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小さい頃は図鑑を見ながら、耳? なんて思ってたイトマキエイ類の頭鰭。
巻いたり垂らしたりすることで、方向転換時に役立っていただけでなく、餌を効率的に口に導くためという役割も担っていたのだ。

動物の身体についている“何か”には、すべて意味があるが、あらためて凄いなぁ、と思わされた。
“スゴイ”という以外の言葉でこの凄さを伝えたいのだけど、やっぱりスゴイしか思いつかない。
やっぱり自然ってスゴイ!! ナンヨウマンタってスゴイ!!

海遊館のイトマキエイに逢ってきた!! [エイ]

海遊館にイトマキエイが導入されたという話は先日のブログにも書いた通り。
その後、その未知のエイが気になって仕方がない。もちろん恋心ってヤツじゃないけれど、頭の中はそのことでいっぱいだったことは間違いない。
結局、5日の朝には、オレは新幹線の中の人となっており、10時半頃には大雨の海遊館に到着していた。

その日の海遊館は、大阪中のガキンチョを一斉に集めました、くらいガキンチョが。
色とりどりの帽子が足下でチョロチョロ。奇声を発しながら、フロアを埋め尽くしていた。イラッとくるのを抑えつつ、できる限りの早足で大水槽へと向かった。

3日に渡ってオレの頭を支配した憧れの君はそこにいた。
大きな翼をはためかせ、優雅に水槽を舞うその姿。
心の底から感動… でもなくて、一瞬、“ナンヨウマンタか?”とも思った。
まぁ、見たことがない魚だし、ふと横を見ると網で仕切られた向こう側に、さらに大きなナンヨウマンタの姿が。
つまり、目の前を羽ばたいていたものが目的のイトマキエイだったというワケだ。
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初めて見るイトマキエイは…
個体差なのかも知れないけれど、何となく角張った印象のある体つきに、(ナンヨウマンタよりも)短くとがった印象のある頭鰭。背中の白い模様が鮮明で、その面積も広く、白っぽいエイに見えるなどの特徴が。
そして、両者最大の違いである口の位置は、下側から見上げると、ナンヨウマンタは口の位置が分からないのに対し、イトマキエイではその位置が分かるなど、より奥まった部分に位置していることが見て取れた。
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正直、ナンヨウマンタを初めて見た時ほどの感動はなかった。
何故なら、両者は言われなければ気がつかないほどよく似ているから。
しかし、ものすごくカッコよくて、見とれてしまうほどの魚であることは間違いない。
3万円の交通費を使ってまで、わざわざ大阪まで見に行った価値は大いにあったと思っている。
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こちらがナンヨウマンタ。口の位置の違いに注目してみて欲しい。

ガイドツアーに参加して、餌を与えるところも見学したけれど、まだナンヨウマンタのようにがっついた感じはないが、ちゃんと食べている様子だった。今後もその魅力的な姿をずっと楽しませてくれそうだ。いずれにしても、これでまた水族館に行く楽しみがひとつ増えたってことだ。