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レインボーパラダイス @ 名古屋港水族館 [淡水魚]

もう3か月くらい前の話になるのだけど、名古屋港水族館に行ってきた。5年ぶり。

ところで、水族館好きな人が名古屋港水族館に行く時、何を目的に出掛けるのだろう?
やっぱりシャチ? ペンギン?

今回のオレの目的は…… そのどちらでもなくレインボーフィッシュ。
2023年はオレの中でレインボーフィッシュが大ブームで、とにかくそれが見たかった。
水族館にはあまりいないが、そういえば名古屋港に何かいたよなぁ!? と出掛けてみたのだ。
結果的に大当たり。期待以上のもの見せてもらうことができた。

南館の各水槽をサラリと眺めつつ、レインボーがいるオセアニアの水槽へ。
最初に出迎えてくれたのが、スッポンモドキの子ガメと一緒に展示されていたメラノタエニア・ゴルディエイ。
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ほぅ!! こんなのいるんだ!! 予期せぬレア種との遭遇にちょっとビックリ。
数もそこそこいて、色もそれらしい色を発色してる。しかもかなり大きい。
この種はウチにもいるが、まだまだ小さいので、こんな感じになるんだなぁと。その将来を楽しみにさせてくれた。
ゴルディエイが見られるとは思っていなかったから、この時点でそれなりに満足していたのだけど、その先のレインボー水槽でさらに驚かされることに。

そこにいたのは、M.トリファスキアータ、M.オーストラリス、M.スプレンディダの3種。
いずれも水族館ではほとんど見ない種類。だからオレもいるのを予測していた種類と違っていたことがまず意外だった。でも、そんなことよりもその大きさに驚いた。3種ともにとんでもなく大きくて、“こんなにデカくなるの!!”と。
大きく広い場所で飼うと大きくなるとは言われていたけれど、ここまで大型化するとは思わず、本当にビックリした。

中でもトリファの大きさによるインパクトは強烈だった。
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トリファはカワスイにもいて、色に関してはそちらの方が綺麗なのだけど、大きさに関しては比べ物にならない。
オレの手のひらよりも大きくて、体長もさることながら、体高もすごくて、サイズはずっと小さいけれど、その背張り(せっぱり)ぶりはカラフトマスをも彷彿させるよう。
この手のレインボーに魅力を感じるのは、カラフトマスが好きだからなのか!? みたいなことを思ったくらいだ。

オーストラリスもそうだ。
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熱帯魚店では“ドワーフ”なんて言われて売られているけれど、名古屋港の水槽にいたものは10㎝くらいあって、ドワーフの範疇から大きく外れている気がするものばかり。
よく見掛けるものとは種類や産地が違うのか? それとも環境によってここまで大型化するものなのか。
いずれにしても、その大きさは驚かずにはいられない。
レインボーフィッシュ、とりわけこの水槽にもいるメラノタエニア属の仲間はネガな部分が見当たらないような気がするのに、日本ではとかく人気がない。
でも、この大きさを見てしまうと、60cmくらいの水槽じゃ持て余しそうで、飼うのは止めておこうとなりそうな気もする。

ただ、いずれの種類も驚かずにはいられない大きさがあるのに、どうした訳か色はどれもパッとしない。
体色の美しさを楽しませてくれたのは、子ガメの水槽にいたゴルディエイくらい。
大きくなり過ぎると色味がぼやける、なんてことがあるんだろうか?
その点では物足りなさもあったが、レインボー好きなら一見の価値のある水槽だと思う。

名古屋港まで行ってレインボーフィッシュだけ見て帰ってきたのかって?
シャチも見ましたよ。そりゃあね(笑)
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ケアンズ水族館の気になる魚 [淡水魚]

世界最大のサンゴ礁であるグレートバリアリーフのお膝元であるケアンズだが、そこで暮らす魚たちは意外にも日本でも見られるものが多い。
海はつながっている。同じ魚が多くいるといるという現実がそれを強く実感させる。
しかし反面、日本で見られないものを期待してわざわざ海外まで水族館に来た者からすれば、日本でも見られるものでは大きな感動は得られにくい。
ということで、ケアンズ水族館で強く印象に残ったのは、ひとつ前のブログに並べたシマイサキ科など淡水魚たちだった。
中でも、淡水の大水槽はとりわけ印象深い水槽だった。
水槽の主役はバラムンディだが、水槽の底にも見逃せない存在が。
初めて見る淡水エイがそれ。
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魚名板によればフレッシュウォーターウィップテールレイ(Urogymnus dalyensis)とある。
有名なU.polylepis(チャオプラヤ)と同属で、かつては同種と考えられていたというエイだ。
茶色の色合いが違って入るものの、知らないで見れば同じに見えるだろう。
チャオプラヤほど巨大化しないようで、体盤長1.2mほどにしかならないらしい。
ケアンズ水族館には3匹がいたが、いずれもそのくらいの大きさ。つまり、この種のフルサイズ級という訳だ。
ずいぶん前に、オーストラリアにもこんなエイがいるということを知って以来、ずっと見てみたいと思っていたが、それがようやく叶った。
ただ、かつてはチャオプラヤと同じと考えられていたものだけに、初めてなのに既視感が(笑)
ケアンズ水族館では本種以外に、ノコギリエイ、そしてGlyphis(淡水サメ)が見られるのでは!? と淡い期待を抱いていたが、それらの姿は見られなかった。

オーストラリア産の淡水エイがいる大水槽はバラムンディが主役だと先にも書いたが、それに劣らないというか、二枚看板級の存在感を放っていたのがマングローブジャックことゴマフエダイだった。
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大きくて堂々としていて、バラムンディよりも下の方(観客の目線あたり)をゆっくり泳いでいるので、むしろ主役はこちら、なくらいな印象で、目の前を行き過ぎる度にカメラを向けてしまう、そんな感じ。
バラフエダイは日本の水族館でも見られる魚だが、淡水の水槽で、しかもほぼ主役級としての展示はないと言っていい。
バラムンディも好きだが、フエダイも大好き、さらにはエイも好きで見たことない種類がいる…… この水槽、最高だな!!

淡水エリアには他にも見たことも聞いたこともない魚もいて、そのひとつがこのブルロート。
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淡水カサゴ、といったところだろうか。
フサカサゴ科の1属1種で、日本にはいない種類。
フサカサゴ科の分類は幅広く、3つの亜科に分かれているそうで、このブルロートが属するNotesthes属は日本にいるフサカサゴ科の系統とは違っている模様。
でも、見た目はフサカサゴ科の魚らしく見知ったオコゼなどのそれ。だから、見るからに珍しいという感じではないものの、当然、見たことはない。
また、そういう魚の例に漏れず、基本、動かない。水槽の前を通り掛った時に覗き込むと、位置や向きが変わっていることがある、みたいな感じ。
日本では見られない珍しいものを見ているはずなのに、今ひとつありがたみに浸れない、そんな印象の魚だった。

ブルロートのいる水槽の向かいにあった円柱水槽にいたイースタンレインボーはまさに地元の魚。
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植物園の池にも泳いでいたりと、ケアンズ周辺ではごく普通の淡水の小魚といった存在のようだ。
水槽が薄暗いせいか、地元だからこその美しさ、みたいな感じでもなかったが、サイズもそこそこ大きくて、亜種の多いこの種類(Melanotaenia splendida splendida)の中ではきっと地味な方なのだと思う。
日本にもいる(観賞魚などとして)かも知れないが、もともとレインボーフィッシュはマイナーな存在だ。
見ようと思って見られる(手に入る)魚ではない。
個人的にもメラノタエニア属のレインボーは好きだし、何より、オーストラリアの淡水魚と言えば、みたいな存在だから、ここで見られたことはよかった!!

最後の1匹はテッポウウオ。
T.jaculatrixと思われる黒いスポットを持ったよく見るものと一緒に、柄がなく、体型も異なるものが数匹。
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何だこれ?
体型や口の形にテッポウウオ感はあるものの、その体型はテッポウウオとしてはかなり違和感のあるもので、ウチの連れが「これはテッポウウオじゃないよ」と言い張るくらいには違っている。
サイズ的にはその他の種類と同じくらいか、ちょっと小さいくらいだったので、こういう種類なのだと思うのだが……
個人的にはT. lorentzi? なんて思っているのだけど、果たして……!?
こういう出会いこそ、海外水族館に来たからこそ、だよね。やっぱり。
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日本じゃ見られない淡水シマイサキ(科)コレクション@ケアンズ水族館 [淡水魚]

非常に古い時代に他の大陸から切り離されたが故に、オーストラリアの生物相は独特である、というのはよく知られた話。
そんな歴史の生き証人として有袋類が有名だが、現在知られているオーストラリアの淡水魚の多くは起源の古い3種を除くと、海から淡水へと進入した2次淡水魚、もしくは周縁性淡水魚がほとんどを占める。
中でも特徴的なのがシマイサキ科の数が多いこと。それらは日本の水族館で見掛ける機会もほとんどなく、観賞魚として日本に入ってくることも少ないので日本人には馴染みの薄い魚たちだ。
でも、面白いことに、そうしたオセアニアのシマイサキ科淡水魚は遠く離れた日本の西表にもいる(種類がある)ことが知られている。しっかり調べていけば、もっと広範囲に分布しているのが見つかる、なんてこともあるかもしれない。

前置きが長くなったけれど、ケアンズ水族館ではそんなシマイサキ科淡水魚をいくつも見ることができる。
それらのほとんどは日本の水族館では見られない。それどころか、名前すら聞いたことがない、みたいなもの。
知らない魚だったから、ずっと憧れていたりした訳ではなかったけれど、見たことも聞いたこともない魚が見られる。それこそ、海外の水族館に出掛けていく醍醐味だ。

最初に出迎えてくれるのが、タリーリバーグランター(Hephaestus tulliensis)。
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その名もずばり、タリー川のイサキ。
体高のある分厚い真っ黒な体。細長く突き出したような顔つきがシマイサキ科らしい。
体色、体型ともにひと目で見たことない魚だと分かるもの。
魚名板には30㎝と書かれていて、展示されていたものも実際にそのくらいだと思うのだけど、体高と分厚さからそれ以上のボリューム感。より大きく見える。
ゴールデン(黄変)個体も多くいるのか、水槽内にはそんな変異個体も何匹か入っていた。

そしてその次の水槽にいたのがソーティグランター(Hephaestus fuliginosus)。
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細長く突き出た顔に、体高のある黒い体、ゴールデン個体もちらほらと……
隣の水槽にいたのと一緒じゃーん!!
この2種が属するHephaestus属には14種類があるらしいのだけど、どれもよく似ているのだろうと思う。
上記のタリーリバーと比べると、ソーティの方がやや体高が低い? ような気もするが、個体サイズによる? 言われなければ別種だとは思わないほどよく似ていて、隣同士の水槽だから、画像も連続していたりする。
つまり、ここの画像も種類を間違えているかもしれない。
でも、多分、バレない(笑) だって、水族館も含め、日本にいない魚だから。見たことあるという人も多くないと思うから。

見分けがつかない初見の2種に戸惑っていた時、並びの水槽にいたジェイドパーチの姿を見た時には、海外で日本語を聞いた時のような、ちょっとホッとしたような気分になった。

こいつは知ってる!!
ジェイドパーチも日本の水族館で展示しているところはないと思うが、観賞魚として流通したこともあり、個人的にはこれまで何度か見たことがあった魚だったからだ。
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でも、ここはケアンズだ。この魚の本来の生息エリア。本場である。
それだけに展示個体数もいっぱいいる。
本場だからと言って、何て素晴らしい!! とならないのは、もともとそういう魚だから(笑)
良くも悪くも、灰色のごく一般的な魚の体型をした魚、だから。
淡水エリアの個水槽だけでなく、大水槽にもいて、どの個体もそれなりに立派。
ジェイドがとりわけ好きだという人にとっては、きっと夢のような光景が見られるはずだ。

大水槽には個水槽にもいるシマイサキ科がひと通り入っているようだったが、個水槽にはいないものもいて、それがこれ。
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魚名板はなかったけれど、多分、ニセシマイサキ、現地風に言うならシルバーグランターよね?
和名があることから分かるように、西表でも生息が確認されているもののひとつ。
ただし、日本の水族館で展示しているところはない。だから、生きた姿を見たのは初めて。
ひし形の体高の高い体は、チョウセンバカマとか若いツボダイを連想させる。

大水槽に数匹? いたくらいで、その他の種類のように沢山はいなかった。現地でも珍しいのだろうか?
いずれにせよ、初めて見られたことが嬉しかった1匹だった。

最後の1匹も知っているもの。見た中ではもっとも馴染み深いと言っていいこれ。
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カルボ。現地風に呼ぶなら、コールグランター。
こやつはカワスイでも展示されているから、日本でも見たことがある人も少なくないと思うが、ケアンズのあるクイーンズランド州はこの魚にとっても本場である。
2Fのジョンストンワニがいる水槽で数匹が泳いでいたが、いずれもいい個体揃い。やっぱり本場ならではだからか!?
見知った魚でも異国、それもその魚の生息地(の水族館)で見ると、ひと味もふた味も違って見える、ということかもしれないね(笑)
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ケアンズ水族館(オーストラリア・ケアンズ) [海外水族館インプレ]

コロナ禍の“行けない日々”の中、国境が開いたら真っ先に行こう!! と思っていたのがケアンズ水族館だった。
結果的に真っ先にではなかったけれど、数年間、悶々とした思いを募らせていた施設にようやく行くことができた。
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日本を夜に出発し、翌朝早朝にはケアンズ市街を歩いてた。移動時間は6時間少し。
おまけに、ケアンズ水族館があるのは市街のほぼ中心。市街のほとんどのホテルから徒歩で行けるという行きやすさ。
この近さと利便性は海外水族館巡りの最初の1館としても最適なのでは!?
巡る、という点でも、ケアンズから南へ約350㎞ほど行ったタウンズビルという街にも水族館があるらしいのと、ケアンズから船で行くグリーン島のワニ園にも小さな水族館がある。どちらも行ってないけど、グリーン島は行けばよかったと今更になってちょっと(結構)後悔している。

展示内容は地元特化型。クイーンズランド州、それもケアンズ周辺の淡水と海とその周辺といった感じ。その地でどんな魚や生き物がいるのか知りたい、見たいという、例えばオレみたいな人からすれば、まさしくピッタリ。個人的には好みな水族館だった。
規模感としては、新江ノ島水族館とか浅虫水族館くらいな感じ。オーストラリアの水族館はひとつしか行ったことがないので、彼の国で規模が大きい方なのか、小さい方なのかは分からないけど、大き過ぎず、小さすぎずな規模感だと思う。ただし、イルカや海獣のショーはない。オーストラリアだしね。

入館料は52ドル(約5000円)と高価に感じるが、ケアンズ(オーストラリア)の物価は日本の約2倍だから、そういう意味では日本の水族館と同水準といったところなのだろう。
入口で申し出る必要はあるけれど、再入場も可能だ。チケットカウンターのお姉さんがとてもにこやかに対応してくれる。
なお、1度出る必要はあるが、館内にものすごくちゃんとしたレストランもあるし、そもそも閉館時間は15時までなので、途中で飲み食いしなくても何とかなる? かもしれない。

順路は淡水→両性、爬虫類→海という流れで続いていくので、入館して最初に出迎えてくれるのは淡水魚たち。
これがよかった!! オーストラリアの淡水魚の多くは日本人にはほとんど馴染みがない。
とりわけ多くを占めるシマイサキ科の魚たちは観賞魚として日本に入ってくることも少ないから、ほぼ見たことのないものばかり。
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淡水エリアの最後には大水槽もあって、バラムンディなど地元産の大型魚が泳いでいる。ここには以前、ノコギリエイもいたらしい。本場だけに見られることを期待していたが、それがいなかったのは少々残念だったけれど、エリアの主たるバラムンディなど見たことがあるものを含めても、その見せ方など“見慣れない”感があってとてもよかった!!

個人的にはここでかなりの満足感が得られたが、このエリアはこの水族館ではまだまだ序盤。順路はそこからエスカレーターで2Fへ。そこで待っているのは地域の両爬たち。
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淡水魚とは違い、オーストラリアはこれらの種類数、多様性は圧倒的だ。
とりわけケアンズのある北部は熱帯であるからして、多くの種類が暮らしている。
2Fの半分くらいはこの両爬展示なのだけど、さほど大きな種類はいない反面、展示スペースは展示生物のサイズに対して大きめ。ものによっては展示された生き物を探し出すのが大変だったものもあった。

両性爬虫ゾーンを抜けると、いよいよ海の展示。
ケアンズは世界最大のサンゴ礁たるグレートバリアリーフの入口みたいな街である。
当然、水族館の展示もそれにちなんだものになっているのだけど……
意外にも海の展示はあっさりというか、ちょっと物足りなさがあった。というか、日本にもっといい展示がある。
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水槽サイズに対し、生き物の数が少なく、閑散としたように見えてしまうのに加え、綺麗じゃなく見える水槽もいくつか。
同じような水槽が並んでいて、さらに、展示されているものも日本で見られるものが多いこともあって、海の展示ゾーンではそれほど大きな感動が得られなかったというのが正直なところだ。期待が高すぎたか!?

水槽(展示スペース)に対して生き物の数が少ないのは両爬展示でも感じたことだが、もしかするとこれは、日本の水族館が多く入れ過ぎていて、それを見慣れているからこそ、みたいな可能性もあるけれど、順路最後の海の大水槽にしてももうちょっと魚を…… と思ってしまうほどすっきりしている。
あれもいる、これもいる、な日本の大水槽を見慣れた身には、やっぱり少し物足りない。
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基本的にはオレ好みな水族館ではあるのだけど、遠く日本から行ってる分、どうしても求めるものが大きくなってしまうというもの。
ここまで読むと、何だか残念な水族館のように感じるかもしれないが、そんなことはなくて、わざわざ行く価値はあるかと聞かれても、ある!! と答えられるいい水族館でした。
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