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ケアンズ水族館の気になる魚 [淡水魚]

世界最大のサンゴ礁であるグレートバリアリーフのお膝元であるケアンズだが、そこで暮らす魚たちは意外にも日本でも見られるものが多い。
海はつながっている。同じ魚が多くいるといるという現実がそれを強く実感させる。
しかし反面、日本で見られないものを期待してわざわざ海外まで水族館に来た者からすれば、日本でも見られるものでは大きな感動は得られにくい。
ということで、ケアンズ水族館で強く印象に残ったのは、ひとつ前のブログに並べたシマイサキ科など淡水魚たちだった。
中でも、淡水の大水槽はとりわけ印象深い水槽だった。
水槽の主役はバラムンディだが、水槽の底にも見逃せない存在が。
初めて見る淡水エイがそれ。
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魚名板によればフレッシュウォーターウィップテールレイ(Urogymnus dalyensis)とある。
有名なU.polylepis(チャオプラヤ)と同属で、かつては同種と考えられていたというエイだ。
茶色の色合いが違って入るものの、知らないで見れば同じに見えるだろう。
チャオプラヤほど巨大化しないようで、体盤長1.2mほどにしかならないらしい。
ケアンズ水族館には3匹がいたが、いずれもそのくらいの大きさ。つまり、この種のフルサイズ級という訳だ。
ずいぶん前に、オーストラリアにもこんなエイがいるということを知って以来、ずっと見てみたいと思っていたが、それがようやく叶った。
ただ、かつてはチャオプラヤと同じと考えられていたものだけに、初めてなのに既視感が(笑)
ケアンズ水族館では本種以外に、ノコギリエイ、そしてGlyphis(淡水サメ)が見られるのでは!? と淡い期待を抱いていたが、それらの姿は見られなかった。

オーストラリア産の淡水エイがいる大水槽はバラムンディが主役だと先にも書いたが、それに劣らないというか、二枚看板級の存在感を放っていたのがマングローブジャックことゴマフエダイだった。
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大きくて堂々としていて、バラムンディよりも下の方(観客の目線あたり)をゆっくり泳いでいるので、むしろ主役はこちら、なくらいな印象で、目の前を行き過ぎる度にカメラを向けてしまう、そんな感じ。
バラフエダイは日本の水族館でも見られる魚だが、淡水の水槽で、しかもほぼ主役級としての展示はないと言っていい。
バラムンディも好きだが、フエダイも大好き、さらにはエイも好きで見たことない種類がいる…… この水槽、最高だな!!

淡水エリアには他にも見たことも聞いたこともない魚もいて、そのひとつがこのブルロート。
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淡水カサゴ、といったところだろうか。
フサカサゴ科の1属1種で、日本にはいない種類。
フサカサゴ科の分類は幅広く、3つの亜科に分かれているそうで、このブルロートが属するNotesthes属は日本にいるフサカサゴ科の系統とは違っている模様。
でも、見た目はフサカサゴ科の魚らしく見知ったオコゼなどのそれ。だから、見るからに珍しいという感じではないものの、当然、見たことはない。
また、そういう魚の例に漏れず、基本、動かない。水槽の前を通り掛った時に覗き込むと、位置や向きが変わっていることがある、みたいな感じ。
日本では見られない珍しいものを見ているはずなのに、今ひとつありがたみに浸れない、そんな印象の魚だった。

ブルロートのいる水槽の向かいにあった円柱水槽にいたイースタンレインボーはまさに地元の魚。
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植物園の池にも泳いでいたりと、ケアンズ周辺ではごく普通の淡水の小魚といった存在のようだ。
水槽が薄暗いせいか、地元だからこその美しさ、みたいな感じでもなかったが、サイズもそこそこ大きくて、亜種の多いこの種類(Melanotaenia splendida splendida)の中ではきっと地味な方なのだと思う。
日本にもいる(観賞魚などとして)かも知れないが、もともとレインボーフィッシュはマイナーな存在だ。
見ようと思って見られる(手に入る)魚ではない。
個人的にもメラノタエニア属のレインボーは好きだし、何より、オーストラリアの淡水魚と言えば、みたいな存在だから、ここで見られたことはよかった!!

最後の1匹はテッポウウオ。
T.jaculatrixと思われる黒いスポットを持ったよく見るものと一緒に、柄がなく、体型も異なるものが数匹。
05.JPG
何だこれ?
体型や口の形にテッポウウオ感はあるものの、その体型はテッポウウオとしてはかなり違和感のあるもので、ウチの連れが「これはテッポウウオじゃないよ」と言い張るくらいには違っている。
サイズ的にはその他の種類と同じくらいか、ちょっと小さいくらいだったので、こういう種類なのだと思うのだが……
個人的にはT. lorentzi? なんて思っているのだけど、果たして……!?
こういう出会いこそ、海外水族館に来たからこそ、だよね。やっぱり。
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