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日本じゃ見られない淡水シマイサキ(科)コレクション@ケアンズ水族館 [淡水魚]

非常に古い時代に他の大陸から切り離されたが故に、オーストラリアの生物相は独特である、というのはよく知られた話。
そんな歴史の生き証人として有袋類が有名だが、現在知られているオーストラリアの淡水魚の多くは起源の古い3種を除くと、海から淡水へと進入した2次淡水魚、もしくは周縁性淡水魚がほとんどを占める。
中でも特徴的なのがシマイサキ科の数が多いこと。それらは日本の水族館で見掛ける機会もほとんどなく、観賞魚として日本に入ってくることも少ないので日本人には馴染みの薄い魚たちだ。
でも、面白いことに、そうしたオセアニアのシマイサキ科淡水魚は遠く離れた日本の西表にもいる(種類がある)ことが知られている。しっかり調べていけば、もっと広範囲に分布しているのが見つかる、なんてこともあるかもしれない。

前置きが長くなったけれど、ケアンズ水族館ではそんなシマイサキ科淡水魚をいくつも見ることができる。
それらのほとんどは日本の水族館では見られない。それどころか、名前すら聞いたことがない、みたいなもの。
知らない魚だったから、ずっと憧れていたりした訳ではなかったけれど、見たことも聞いたこともない魚が見られる。それこそ、海外の水族館に出掛けていく醍醐味だ。

最初に出迎えてくれるのが、タリーリバーグランター(Hephaestus tulliensis)。
01.JPG
その名もずばり、タリー川のイサキ。
体高のある分厚い真っ黒な体。細長く突き出したような顔つきがシマイサキ科らしい。
体色、体型ともにひと目で見たことない魚だと分かるもの。
魚名板には30㎝と書かれていて、展示されていたものも実際にそのくらいだと思うのだけど、体高と分厚さからそれ以上のボリューム感。より大きく見える。
ゴールデン(黄変)個体も多くいるのか、水槽内にはそんな変異個体も何匹か入っていた。

そしてその次の水槽にいたのがソーティグランター(Hephaestus fuliginosus)。
02.JPG
細長く突き出た顔に、体高のある黒い体、ゴールデン個体もちらほらと……
隣の水槽にいたのと一緒じゃーん!!
この2種が属するHephaestus属には14種類があるらしいのだけど、どれもよく似ているのだろうと思う。
上記のタリーリバーと比べると、ソーティの方がやや体高が低い? ような気もするが、個体サイズによる? 言われなければ別種だとは思わないほどよく似ていて、隣同士の水槽だから、画像も連続していたりする。
つまり、ここの画像も種類を間違えているかもしれない。
でも、多分、バレない(笑) だって、水族館も含め、日本にいない魚だから。見たことあるという人も多くないと思うから。

見分けがつかない初見の2種に戸惑っていた時、並びの水槽にいたジェイドパーチの姿を見た時には、海外で日本語を聞いた時のような、ちょっとホッとしたような気分になった。

こいつは知ってる!!
ジェイドパーチも日本の水族館で展示しているところはないと思うが、観賞魚として流通したこともあり、個人的にはこれまで何度か見たことがあった魚だったからだ。
03.JPG
でも、ここはケアンズだ。この魚の本来の生息エリア。本場である。
それだけに展示個体数もいっぱいいる。
本場だからと言って、何て素晴らしい!! とならないのは、もともとそういう魚だから(笑)
良くも悪くも、灰色のごく一般的な魚の体型をした魚、だから。
淡水エリアの個水槽だけでなく、大水槽にもいて、どの個体もそれなりに立派。
ジェイドがとりわけ好きだという人にとっては、きっと夢のような光景が見られるはずだ。

大水槽には個水槽にもいるシマイサキ科がひと通り入っているようだったが、個水槽にはいないものもいて、それがこれ。
04.JPG
魚名板はなかったけれど、多分、ニセシマイサキ、現地風に言うならシルバーグランターよね?
和名があることから分かるように、西表でも生息が確認されているもののひとつ。
ただし、日本の水族館で展示しているところはない。だから、生きた姿を見たのは初めて。
ひし形の体高の高い体は、チョウセンバカマとか若いツボダイを連想させる。

大水槽に数匹? いたくらいで、その他の種類のように沢山はいなかった。現地でも珍しいのだろうか?
いずれにせよ、初めて見られたことが嬉しかった1匹だった。

最後の1匹も知っているもの。見た中ではもっとも馴染み深いと言っていいこれ。
05.JPG
カルボ。現地風に呼ぶなら、コールグランター。
こやつはカワスイでも展示されているから、日本でも見たことがある人も少なくないと思うが、ケアンズのあるクイーンズランド州はこの魚にとっても本場である。
2Fのジョンストンワニがいる水槽で数匹が泳いでいたが、いずれもいい個体揃い。やっぱり本場ならではだからか!?
見知った魚でも異国、それもその魚の生息地(の水族館)で見ると、ひと味もふた味も違って見える、ということかもしれないね(笑)
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