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激レア淡水エイ@なかがわ水遊園 [エイ]

9月13日、なかがわ水遊園のFacebookページに「珍しいアマゾン川のエイを展示しました」という書き込みが上がった。
Plesiotrygon nana(プレシオトリゴン・ナナ)なる種類だそうで、載っていた画像のエイは確かに見たことがないものだった。
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プレシオトリゴン属といえば、iwamae種が知られている。
これまでずっとその1属1種だと思っていたのだけど、2011年にこのnana種が記載されていたらしく、知らない間に2種になってた!!
そんなP.nana、観賞魚として日本に入ったことはないのだろう。見たこと、聞いたことはもちろん、存在すら知らなかった。
それが展示されているとあれば、見に行かない訳にはいかないというもの。
という訳で、なかがわ水遊園まで行ってきた。

久しぶりなので色々目移りしてしまうが、なるべく他の水槽には目をくれず、目的のエイを目指す。
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これがプレシオトリゴン・ナナなのか!!
同属のiwamae種にも通じる体型と長い尾。なるほどプレシオトリゴン属らしい。
iwamae種と比べると、眼がやや大きくちょこんと飛び出しているような印象。
非常に状態がいいのか、あるいはそういう種類(個体の性格?)なのか、よく動き回る。iwamae種は動かないイメージが強かったから、ちょっと意外だったくらい。

また、体色も不思議な感じ。
柄はフラワータイガーによく似ていたけれど、大きく違うのはその色。
遠目にはオレンジ色のエイ、みたいに見える体色も、光の当たり具合によってピンク色っぽく見えたりもする赤系統の色合い。
その色合いがアルビノクロコを連想させるようで、見るほどに不思議な色合い。ひとまず綺麗なのは間違いない!!
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ペルーのウカヤリ川産だそうだが、驚くのはそこからやってきたものがそのまま展示されている訳ではないこと。展示個体は何と、水遊園生まれなのだとか!!
ペルーから連れて帰ってきた個体をバックヤードで飼育。そこから生まれたのが展示個体。
水遊園のスタッフ氏に聞いた訳ではないので定かではないが、妊娠個体から生まれたものではなさそうだ。
展示個体の状態の良さは、日本(水遊園)生まれによる部分もあるのかも知れない。

もうひとつ意外だったのがサイズ。小ささだ。
展示個体は尾が長い分、体長こそそこそこありそうだが、体盤幅は25㎝ほど。
幼魚なのかと思ったが、クラスパーはそこそこの長さがあって、幼魚ではないことが見て取れた。
つまり、P.nanaはあまり大きくならない種類だということが想像できる。
Fishbaseによれば最大サイズ24.7㎝とのことなので、十分に成熟したものであることは間違いないようだ。
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自分より小さなカラシンしかいない水槽では我が物顔に振舞っていたが、モトロやポルカドットなどに比べるとおとなしく物静かな種類なのだろうと思う。サイズもずっと小さいし。
そう考えると、将来的にアマゾン大水槽に移動するとも思いにくいし、ずっとこのままこの水槽で展示されるんだろうか? その方が間違いなく見やすいので、このエイを目的に来る人にとっては、その方がいい気がするのだけれど……

かなりマニアックな存在であることに加え、淡水エイが好きな人の間でも、Plesiotrygonはその飼いにくさもあり、人気が高いとは言えない印象があるが、とても珍しく、かつ綺麗なエイであることは間違いない。しかも、見られるのは恐らく、この展示個体が日本で唯一ではないかと思う。

サメに比べるとエイに興味がある人は少数派だが、そんな人は是非とも見に行くべきだと思う。
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スミクイウオと東海大学海洋科学博物館の気になる魚 Vol.2 [海の魚]

10月9日、「スミクイウオを展示しました」というニュースを目にした。
清水にある東海大の水族館、海洋科学博物館で展示が開始されたのだという。

名前くらいは聞いたことがあったけれど、それがどんな魚かはよく知らなかった。
そんな具合だから以前から憧れていた訳ではなかったし、掲載されていた写真にも今ひとつ心動かず、どうしようかなぁ? なんて思っていたその3日後、アクアマリンふくしまでバショウカジキが展示されたというニュースが。

水族館で展示される魚としてカジキは超スーパースターと言ってもいい華々しい存在。
それに引き換え、スミクイウオときたら、知名度も見た目もカジキのような華やかさはなく、珍しさでは劣らないはずなのに、いわきの水槽前のような賑わいぶりは聞こえてこない。
しかし、その珍しさを分かっている魚マニアもいるもので、そんな人が載せたと思しきTwitterには、スミクイウオの他にもあまり見られないレア魚がいくつか。
それらがオレの重い腰を上げてくれたこともあり、いわきではなく清水へと向かったのだった……

スミクイウオを見るために来たので、ひとまず他の水槽には目もくれず、それがいるキンメダイの水槽へ。
いた!! これがスミクイウオなのか!!
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確かに弱々しい感じで、難しそうな感じ。眼が大きくどことなくムツを連想させるのは同じく深場の住人だからか。
肌の質感はメヒカリのようでもある。
鱗が剥がれやすいそうで、漁獲されたものは大抵、ズル剥けになっているのが普通らしい。
そのため、鱗が残り、こうして色、柄が見える姿は貴重なようだ。
とは言えやはりその肌は弱いようで、体表には少しキズがある模様。
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水槽には全部で3匹いて、その内2匹はあまり動き回らないのに対し、1匹はよく泳ぐ。
初めて見るので、そういうものなのか、はたまた調子がいいのか悪いのか、全然分からないのだけど、とりあえず状態が悪そうにも見えなかったので、この先しばらくはこの水槽で見られそうな気がする。
でもまぁ、展示に至るまでが大変だったという魚であるからして、気になる人はなるべく早く見に行くことをオススメしておく。

スミクイウオを見に行くのに、それだけだと“弱い”と感じてたオレの背中を押してくれたのがカケハシハタ。
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これまた名前くらいは聞いたことがあったレベルの魚で、生きた姿を見るのは初めて。
高級食材の販売サイトでその姿を見て、ホウキハタじゃないの? と思ったのが最初。
そのサイトには“幻の”なんて紹介されていたが、実際、かなり高価な魚らしい。
サクラダイが群れる水槽に1匹いたが、15㎝ほどと小さく、水槽端の死角に隠れているので探すとなかなか見えない。
それでも、定期的にアクリル面まで出てきてくれるので、その姿を見ることはできたが、ハタらしさを感じさせてくれるには、少なくとも今の3倍くらいの大きさは欲しいところ。
まぁ、今は今で可愛いけどね。
この魚もスミクイウオと同じく、現時点では海洋科学博物館でしか見られないはず。
よく似た種類が多いだけに、初めて見てもありがたみは少ないかも知れないけど、かなり珍しいです!!

カケハシハタと同じくオレの背中を強く押してくれたのがクマサカフグ。
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見るからに珍しそうな感じなのに、魚名板は出ておらず、この個体がしばらく前からいるらしいのに、である。
顔つきこそちょっとマンボウ風なのに、魚体はいかにも“速く泳ぎますぜ”的な雰囲気に溢れた細長く銀ピカのマグロなどの高速遊泳魚の雰囲気。
その見た目のイメージに違わず、シイラやカンパチなど、よく泳ぐ魚と同じ水槽でビュンビュン泳ぎ回っていた。
メタリックのフグらしからぬ姿形は“すごいもの見てる”感も強く、初めて見たことも手伝って、清水まで来た満足感を大いに高めてくれた。
なお、他所の水族館で展示実績はあるらしいものの、かなりの珍種のようで、現在見られるのは、多分、ここの海洋科学博物館のみ、だけだと思う。
余談ながら、毒の有無が定かでないため、食用にはならないのだそうだ。

そしてもう1匹。これは個人的にはあまりありがたみとか、その価値が分からない類であるため、見られればいいかな、くらいのつもりでいたユウダチトラギス。
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全部の水槽を何度見回してもその姿が見えないし、魚名板もないことから、もう展示されていないのだろうと思ったのだけど、水槽正面アクリルの真下の死角に潜んでいたらしい。
同じ水槽にいたヒメジに押され、突如、その姿を現した。
どこかで見たことがあるような気がするものの、多分、これまで見たことがない種類なのだろう。
よく分かっていないながら、写真だけは残しておこうと、時々姿を現すタイミングを狙って撮影を試みるも、レンズ位置がかなり角度が付いてしまうためか、ビシッとピントが合わない。う~ん……

あまり見られない魚のようなので、気になる人は探してみて。
1匹しかいないようだけど……
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コラムに誘われ EpⅡ アクアトトの気になる魚Vol.4 [淡水魚]

アクアトトぎふのHPにある水族館のスタッフ氏によるブログ「おもしろ飼育コラム」。
オレはそのファンだ。
飼育スタッフ氏の目線で、対象に対する思い入れなんかが語られているのだけど、そんな話を聞く(読む)と、それに対するオレの興味の有無に関わらず、見たくなってくる。
そんな琴線に触れる内容の回に遭遇する度、「行きてー!!」となる(笑)
できることなら、そんな自慢を直接聞いてみたいくらい。いくらでも楽しく聞けそうな気がするし。

そんなアクアトトだが、思い立ってすぐに行けるほど近くないこともあり、気が付けば2年以上のご無沙汰。
その間にも、“見たい”が次々と貯まってきてしまった。
しかし、世間はコロナ禍の只中にあり、不要不急な移動は自粛するべき…… なのだろうけど、9月21日のコラム、「アトゥーが好き」をきっかけに、行っちゃった……
中部エリアの水族館には他にも行きたい施設がいくつかあったのだけど、宿泊は避けようと、今回はアクアトトだけで我慢。

オレを岐阜へと引き寄せたコラムの主、ワラゴ・アッツーはというと……
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あれっ!? 小さい!!
想像していたよりずっと小さな(と言っても70㎝くらいはあったけど)個体だったけれど、ちゃんとそのカッコよさは伝わってくる。
このアッツー、水槽ではなかなかカッコよく育たない魚で、この種ならではの薄く、長い顔つきのとてつもないカッコよさは、例えば現地で釣られた写真などでないと見られない。
水槽で育てると、うまく飼っても顔が丸まってきてしまい、アッツーらしい薄さ、長さが出ない。
おまけに、顔を潰しやすく、魅力が損なわれやすい。
アクアトトにいるものは、今のところ、綺麗に育っている。しかし、飼育下である以上、だんだん顔つきが丸まってきてしまう可能性もあるので、できれば綺麗な今のうちに見ておくことをお勧めしておきたい。
あとは、アッツー好きで「No.1美ナマズだと思う」というコラム執筆者、堀江さんに頑張ってもらって、この種ならではの超カッコいい顔つきと巨体を目指してもらいたい。

アッツーのいる水槽では、2019年10月27日のコラムに登場したロピス(Chitala lopis ボルネオナイフ)も初めて見る顔。
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アクアトトにしかいない訳ではないのだけど、そこそこの大きさがあることと、今後、さらに巨大化することに期待しつつ。
このロピス、この水槽ではオスフロ・エクソドンと並ぶマニアック種だが、アッツーも含め、せっかくの魚たちが見にくいくらいに水槽が暗いのがちょっとイヤ。
定期的に真っ暗になったりするし、隣のメコンオオナマズの水槽くらいに明るく見やすくなると良いのだけど……

同じくアジアの展示ゾーンには他にも見たかった魚が。
そのひとつが、2020年1月14日のコラムに登場したナンシオヤニラミ。
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中国産のオヤニラミの仲間で、近年、観賞魚としても流通している魚のひとつ。
普段オレが出入りしているショップでもしばしば見掛けるが、小さいのにやたら愛想がいいので、連れて帰りそうになったことが何度か(笑)
でも、これまで見たことがあるものはすべて10㎝未満のもの。10㎝以上ある個体を見たのは実は今回初めて。
もっとケツギョっぽいのかと思っていたが、色合いのせいかコクチバスみたいな雰囲気で、思い描いていた姿とはちょっと違っていた感じ。
これよりさらに大きくなるとまた違うのだろうか? そういう意味でも今後が楽しみ。

ナンシオヤニラミの展示を知らせるHPのニュース(2020年1月21日)で、同じページに並んで登場していたフォーバータイガーも会いたかった1匹だ。
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置き水槽に1匹でいたが、人通りの多い場所で、水槽叩かれたりみたいなことも多そうなのに、隠れたりいじけたりすることなく、堂々と泳いでいたいい個体(笑)
たまたまその日が機嫌がよかったのか、こういう性格の個体なのかは分からないけれど、ちゃんと泳ぐ姿が見られるダトニオはやっぱりいい。
加えて、フォーバーは好きな種類だし。
そういえば、アクアトトには以前、アッツーがいる水槽に大きめのダトニオがいたような記憶があるのだけど、あの個体はどうなったんだろう?

最後の1匹もナンシオヤニラミ、フォーバータイガーと同じニュースに登場していたナイルパーチ。
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かつてコンゴ川水槽には2匹の大きなナイルパーチがいたが、立て続けに死んでしまったそうで、2年前に行った時にはその姿を見られなかった。
特定外来に指定されてしまったこともあり、アクアトトではもう見られないと思ってた。
しかし、育成中の個体がいたらしい。再び、この水槽でナイルパーチに会えた。
現在展示されている2匹は、多分、コンゴ産として輸入されていたタイプ。一方、かつていた大きな個体は、ナイジェリア産として輸入されていたものだと思う。
コンゴ産のものは体高が高く寸詰まったような体型をしているが、ナイジェリア産は体高が低くよりスズキ的。サイズも巨大化する。
個人的にはナイジェリア産のものが好きだが、コンゴ産は自分の家にもいることもあってより馴染み深い。
当たり前だが、ウチにいるものよりもはるかに大きく立派な2匹に会うのは、この先、アクアトトに来る楽しみでもある。
今となっては、とても貴重な2匹でもある。1日でも長くその姿を見せてくれることを願うのみだ。
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変わった!? 変わらない? 10年ぶりの桂浜水族館 [水族館紀行]

もう3か月も前の話だけど、足摺海洋館のリニューアルオープンに合わせて、高知まで行ってきた。
目的の足摺海洋館まで東京からまっすぐ。海洋館のある竜串まで行くと、飛行機のある時間に空港まで戻れないだろうと1泊したのだけど、頑張れば日帰りもできたかも?
それはともかく、1泊したお陰で、海洋館以外の施設にも寄ることができたので結果オーライ、かな!?

寄った施設の内のひとつが、桂浜水族館。
最近、その名を耳にすることの多い水族館だ。
そんな話題の施設ではあるけれど、入館すると“変わってないな”と。
10年ぶりだったのだけど、建物や水槽の配置、のんびりした空気感が漂う庭(屋外展示部分)などは、記憶の中の桂浜水族館と大きく変わっていないように感じた。
もちろん、10年くらいじゃどこの水族館も大きく変わったりはしないが、その10年前の時も同じように感じたような記憶があったからだ。
こうした昔ながらの水族館はどんどん減ってきているから、今や貴重な存在と言えるかも知れない?
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10年前にはおとどちゃんもいなかった。

とは言え、まったく変わっていない訳ではなくて、10年前にはアカメの水槽に石が敷かれていたのに、それがすっきり無くなっていた、など、細かくは色々変わっていた。
でも、もっとも大きく変わっていたのは、トドがいるプールだ。
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10年前にはトドはおらず、このプールにはイルカが泳いでいた。桂浜水族館を初めて訪れたさらにその20年くらい前には、ここでオキゴンドウが泳いでいたような記憶もある。
かつて、高知でイルカと言えば、桂浜だった時代があったのだ。とは言え、過去2回、イルカショーは見ていないのだけど……
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10年前の現・トドプール。

イルカに代わりプールの主となった2頭のトド。
いずれも若いメスで、好奇心も強いようで、飼育スタッフだけでなく、お客を見に来るようなこともあるようだ。
水族館入り口側からトドプールへ移動しようとしたら、いきなり目の前にトドが現れて驚いた、みたいなこともあった(笑)

そんなトドたち、ショーも行っていた。
それも、ステージ上だけでなく、客席の前まで出てきて技を披露するのだ。
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まだ若く、トドのイメージからすればそれほど大きくはない2頭ながら、それでも目の前までやってくれば小さな子供が逃げ出すくらいの迫力はある。
この2頭、トレーナーに対する集中力も高く、きちんと指示された技を繰り出していく。どうやら“できる子”たちなようだ。
各地の水族館でトドのショーを見る度、トドという動物に対する認識が上書きされていくような感覚があるけれど、もちろん、今回の桂浜でも同じ感覚があった。

桂浜水族館と言えば、Twitterで“桂浜水族館状態”なんてワードが出てくるくらいで、空いているらしい。
水族館には申し訳ないのだけど、オレはそんな空いてる水族館が何より好きだ。
桂浜水族館状態については、話半分くらいに思っていた部分もあったけれど、オレが行った日はまったく“桂浜水族館状態”なんかではなく、それなりに賑わっていた。
水族館のある桂浜は、高知の有名観光スポットのひとつだが、コロナの影響でその桂浜もひっそりしていたことを考えれば、混雑していた、と言ってもいいくらい。

騙したな!!(笑)

それはともかく。
オレの桂浜水族館の楽しみ方も10年前からほとんど変わっていなかったようで、撮った写真を見ると、10年前の時と同じ水槽のものが多かった。
実際、今回の高知で、アカメがもたらす満足感はすべてこの桂浜水族館からだったくらいで。
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今回の訪問は10年ぶり3回め。その前、初めての時はさらにその20年くらい前だったから、そのペースでいくと、次回訪問は5年後かな?
その時もまた、今と大きく変わらない桂浜水族館のまま だったりしてるのかな!?
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