SSブログ

スミクイウオと東海大学海洋科学博物館の気になる魚 Vol.2 [海の魚]

10月9日、「スミクイウオを展示しました」というニュースを目にした。
清水にある東海大の水族館、海洋科学博物館で展示が開始されたのだという。

名前くらいは聞いたことがあったけれど、それがどんな魚かはよく知らなかった。
そんな具合だから以前から憧れていた訳ではなかったし、掲載されていた写真にも今ひとつ心動かず、どうしようかなぁ? なんて思っていたその3日後、アクアマリンふくしまでバショウカジキが展示されたというニュースが。

水族館で展示される魚としてカジキは超スーパースターと言ってもいい華々しい存在。
それに引き換え、スミクイウオときたら、知名度も見た目もカジキのような華やかさはなく、珍しさでは劣らないはずなのに、いわきの水槽前のような賑わいぶりは聞こえてこない。
しかし、その珍しさを分かっている魚マニアもいるもので、そんな人が載せたと思しきTwitterには、スミクイウオの他にもあまり見られないレア魚がいくつか。
それらがオレの重い腰を上げてくれたこともあり、いわきではなく清水へと向かったのだった……

スミクイウオを見るために来たので、ひとまず他の水槽には目もくれず、それがいるキンメダイの水槽へ。
いた!! これがスミクイウオなのか!!
LY5A3209.jpg
確かに弱々しい感じで、難しそうな感じ。眼が大きくどことなくムツを連想させるのは同じく深場の住人だからか。
肌の質感はメヒカリのようでもある。
鱗が剥がれやすいそうで、漁獲されたものは大抵、ズル剥けになっているのが普通らしい。
そのため、鱗が残り、こうして色、柄が見える姿は貴重なようだ。
とは言えやはりその肌は弱いようで、体表には少しキズがある模様。
LY5A3401.jpg
水槽には全部で3匹いて、その内2匹はあまり動き回らないのに対し、1匹はよく泳ぐ。
初めて見るので、そういうものなのか、はたまた調子がいいのか悪いのか、全然分からないのだけど、とりあえず状態が悪そうにも見えなかったので、この先しばらくはこの水槽で見られそうな気がする。
でもまぁ、展示に至るまでが大変だったという魚であるからして、気になる人はなるべく早く見に行くことをオススメしておく。

スミクイウオを見に行くのに、それだけだと“弱い”と感じてたオレの背中を押してくれたのがカケハシハタ。
LY5A3379.jpg
これまた名前くらいは聞いたことがあったレベルの魚で、生きた姿を見るのは初めて。
高級食材の販売サイトでその姿を見て、ホウキハタじゃないの? と思ったのが最初。
そのサイトには“幻の”なんて紹介されていたが、実際、かなり高価な魚らしい。
サクラダイが群れる水槽に1匹いたが、15㎝ほどと小さく、水槽端の死角に隠れているので探すとなかなか見えない。
それでも、定期的にアクリル面まで出てきてくれるので、その姿を見ることはできたが、ハタらしさを感じさせてくれるには、少なくとも今の3倍くらいの大きさは欲しいところ。
まぁ、今は今で可愛いけどね。
この魚もスミクイウオと同じく、現時点では海洋科学博物館でしか見られないはず。
よく似た種類が多いだけに、初めて見てもありがたみは少ないかも知れないけど、かなり珍しいです!!

カケハシハタと同じくオレの背中を強く押してくれたのがクマサカフグ。
LY5A3237.jpg
見るからに珍しそうな感じなのに、魚名板は出ておらず、この個体がしばらく前からいるらしいのに、である。
顔つきこそちょっとマンボウ風なのに、魚体はいかにも“速く泳ぎますぜ”的な雰囲気に溢れた細長く銀ピカのマグロなどの高速遊泳魚の雰囲気。
その見た目のイメージに違わず、シイラやカンパチなど、よく泳ぐ魚と同じ水槽でビュンビュン泳ぎ回っていた。
メタリックのフグらしからぬ姿形は“すごいもの見てる”感も強く、初めて見たことも手伝って、清水まで来た満足感を大いに高めてくれた。
なお、他所の水族館で展示実績はあるらしいものの、かなりの珍種のようで、現在見られるのは、多分、ここの海洋科学博物館のみ、だけだと思う。
余談ながら、毒の有無が定かでないため、食用にはならないのだそうだ。

そしてもう1匹。これは個人的にはあまりありがたみとか、その価値が分からない類であるため、見られればいいかな、くらいのつもりでいたユウダチトラギス。
LY5A3390.jpg
全部の水槽を何度見回してもその姿が見えないし、魚名板もないことから、もう展示されていないのだろうと思ったのだけど、水槽正面アクリルの真下の死角に潜んでいたらしい。
同じ水槽にいたヒメジに押され、突如、その姿を現した。
どこかで見たことがあるような気がするものの、多分、これまで見たことがない種類なのだろう。
よく分かっていないながら、写真だけは残しておこうと、時々姿を現すタイミングを狙って撮影を試みるも、レンズ位置がかなり角度が付いてしまうためか、ビシッとピントが合わない。う~ん……

あまり見られない魚のようなので、気になる人は探してみて。
1匹しかいないようだけど……
nice!(0)  コメント(4) 

nice! 0

コメント 4

Kazu

東海大博物館に行かれたんですね。おそらくですが、私もその方のサイトを拝見してスミクイウオとかにものすごく引かれましたので、今週末に行ってみたいと思います。カジキも珍しいですが、次にいつ会えるか分からないという思いに差はないですものね。
by Kazu (2020-10-25 22:48) 

ミストラル

>Kazuさん

スミクイウオのいいところは、カジキみたいに水槽前が混雑していない、ということでしょうか(笑)
すごく珍しいはずなのに、じっくり見られると思いますよ。

それによる満足感がカジキのそれに匹敵するかは分かりませんが……
by ミストラル (2020-10-30 17:17) 

Kazu

この休みにスミクイウオやカケハシハタに会ってきました。ブログどおり、スミクイウオは1匹がよく動き回り、ハタは水槽端にいる時間がほとんどでしたが、時折水槽内をぐるっと一周するので、じっと待ってみることができました。とても参考になりました。ありがとうございます!
by Kazu (2020-11-08 18:39) 

ミストラル

>kazuさん

スミクイウオ、見に行かれたのですね!!
スミクイウオはともかく、カケハシハタはやけに見にくいところにいますよね(笑)

無事に見られたようで何よりでした。
by ミストラル (2020-11-14 00:06) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。