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ロストチェンバー水族館の気になる魚 Vol.1 [海の魚]

今にして思えば、ドバイ行きの最初のきっかけは、以前やらせてもらった水族館ブロガーイベントの打ち合わせの時、めnちがロストチェンバー水族館に行った時の画像を見せてくれたことだったのかも知れない。
そこに写っていたのは、見たことのない魚の姿。その時見た画像が、オレをドバイまで引き寄せたと言ってもいい。

その魚というのがダブル(トゥー)バーシーブリーム(Acanthopagrus bifasciatus)。
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独特な色、柄のタイ科クロダイ属の魚。
日本へは観賞魚として入ってくることもあるらしいが、オレは見たことがない。日本の水族館で飼育しているところはないのではないだろうか。
地元、ペルシャ湾を象徴する魚のひとつで、大小さまざまなサイズが沢山いた。
最初、ひと目見た時は、あっ!! あの魚!! と感動の対面だった訳だが、あまりの個体数の多さと、次から次へと現れる未知の魚の前に、かなり早い段階で、キミ、もういいや、になってた(笑)
でも、ロストチェンバー水族館で見るこの魚は、本当に綺麗だった。

ペルシャ湾にはタイやその近縁種が多いのか、複数種類の見たことないタイ科の魚を見ることができた。
中でもダブルバー以上に驚いたのがキングソルジャーブリーム(Argyrops spinifer)と思われる大型タイ。
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キリッ!! カメラ目線いただきました(笑)

著しく体高が高く、頭部から背中にかけてが著しく突出するというインパクトある見た目。
最初にその姿を見た時、あまりに特異な見た目に、奇形? と思ったくらいだ。
それが何匹もいるので、奇形の疑いは晴れたが、そのサイズの大きさといい、インパクト強いルックスといい、これまたものすごくカッコいい魚だと思った。

タイに近いところで、お次はフエフキダイ科。
アマミフエフキ? だろうか??
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フエフキダイと言えば、沖縄の魚として高い知名度を持つハマフエフキ(たまん)が有名だが、この魚が目の前を横切った時、咄嗟に“赤いたまんがいた!!”と叫んだ(心の中でよ)。
でも、たまんにしては体高が低く、何より体が赤い。これまで数多くのたまんを見てきたが、こんなに赤い個体は見たことがない。
そこで、アマミフエフキだろうという結論に至ったのだけど、アマミフエフキなら生きた姿を見た覚えがないし(覚えてないだけかもだけど)、何より、こんなに大きな個体は見たことがなく、強く印象に残ったのでここに並べる。

タイ、フエフキダイときたので、お次はフエダイ科。
ロストチェンバー水族館の大水槽、種類数もさることながら、個体数も多く、そして水槽も大きいから、違う窓を覗くと“こんなのもいたの!!”となることが多かった。

大きな群れを作って泳いでいたチカメタカサゴ(Pinjalo pinjalo)もまさにそれ。
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大きな群れ、しかも1匹1匹が大きいにも関わらず、その存在に気付かない(目の前の魚に集中し過ぎていたところもあるけれど)ことも、この水槽の巨大さならではだが、アクバー提督(@スターウォーズ)みたいな顔をしたこの魚も、初めて見たものだ。
日本に戻って調べると、和名があったが、日本にもいるの? 日本の水族館で出会った記憶はないのだけれど……
それ以前に、和名にある“タカサゴ”に違和感だ。タカサゴって言ったら、大きくても30㎝くらいの小魚のイメージ。しかしこの魚ときたら、70㎝はあろうかという巨体だったから。
まぁ、強いて言えば、ユメウメイロ(タカサゴ属)の老成個体にはちょっと似た感じあったけれど……
泳いでいたものは、中には赤っぽいものもいたが、ほとんどは黒っぽいグレー。でも、その大きさといい、顔つきといい、これまた強いインパクトを残した魚だった。

インパクトという点では、ストリークドスパインフット(Siganus javus)もたまらない。
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こいつはアイゴの仲間。もちろん、見たのは初めて。
黒っぽい体に、虫食い状の白い模様が密に入る色柄が、大きな水槽の中でも目を引いた。
独特な体色は綺麗だと思ったし、しかもこいつも結構大きい。50~60㎝くらいがアベレージサイズ。そんなのがゴロゴロいる…… のだけど、なかなかアクリルの近くに来てくれず、写真を撮るのには苦労した。

こんな感じで、見たことがない魚がゴロゴロしてる。
しかも、ひと目で見たことがないことが分かる、分かりやすい特徴、大きさを持った魚たち。
これはハァハァしない訳はないってもんだよね。
おまけにこうして、知らなかった魚たちの正体を探すという宿題も楽しめたから、ロストチェンバー水族館の大水槽はホント、大きな収穫が得られた。
なお、魚の同定は主にFishBaseを使った絵合わせによるもの。外してはないと思うけれど、正しい手順の同定ではないので、正確性はあくまで“その程度”。

水槽の透明度の高さに、遠く離れた魚にもピントが合うだろうと、構わず撮りまくってたが、やはり遠くにいる魚にばっちりピントは合わず、残念な写真も多数……
もう1度、撮りに行きたいなぁ……

という訳で、見たことない魚シリーズは来週も続きます!!
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ロストチェンバー水族館(UAEドバイ) [海外水族館インプレ]

ドバイに着いて、最初に向かったのはロストチェンバー水族館。
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ヤシの木型(ヤシの木というより、カブトガニの裏側みたいな感じ?)の人工島、パームジュメイラにある高級リゾート、アトランティス・ザ・パームの中にある水族館だ。
アトランティスは、そのカブトガニの甲羅の先端みたいな場所にあって、オレが泊まっていたディラ(空港などがあるエリア)からは36~37㎞ほど。タクシーだと約20~25分、約2500~2700円くらい。メトロ→トラム→モノレールでも行ける。

リゾート全体が海に沈んだ伝説の古代都市、アトランティスがテーマになっていて、水族館もその世界観で統一されている。
巨大リゾートらしく、施設内にさまざまな商業施設やレストランなどが揃っているが、水族館内での長時間滞在(オープンラストみたいな)は想定していない模様。再入場が可能なのかは不明。
なお、アトランティスの宿泊者は、無料で入れるらしい。
水族館のみの入館料は115AED(3500円くらい)と、日本の水族館と比べると高め。

ここに来る前、ネット検索してみると、変わった雰囲気の水槽の画像が沢山出てきた。海外ならではの“イロモノ水族館”なのね、と少々偏見めいた思いを持っていたし、それもあって、行く前の期待値はそれほど高くはなかった。

でも、実際にそんな水槽を見てみると、あれっ!? ここの水槽、綺麗だぞ!!
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確かに、水族館の通路や水槽内の装飾は独特な? デザイン、雰囲気のものになっていて、生き物そのものとか、生態云々、みたいなことよりも、独自の世界観の演出に重きを置かれてる印象。
とりあえず、お金はすごく掛かってるなぁ、な感じ。

だけど、驚いたのはレイアウトや装飾云々以前に、アクリルも水もすごく綺麗なこと。
始終誰かが掃除をしているという訳でもなさそうなのに、磨き上げられてピカピカなのだ。
しかも、中を泳ぐ魚も綺麗。
お金を取って人に見せる水族館が綺麗なのは基本中の基本ではあるのだけど、これだけ綺麗な水槽は意外と少ない。
それだけで、魚好きのオレのその施設の印象はグンとよくなるというものだ。
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人気を集めていた大型ハタの水槽。角の生えたテーブルの下に陣取ってる超巨大(2.5mはありそう。だけどすごく綺麗な個体)なタマカイ2匹を筆頭に、チャイロマルハタやサラサハタなどが入ってる。でも、何でテーブル?

綺麗さのクライマックスはメインの大水槽だ。
外光の影響を受けた大水槽は、大きな窓が付いた部屋に入るだけで、空間を青く染める。その青さに引き寄せられるように大きなアクリル窓へと近づくと、思っていたよりもはるかに大きな水槽サイズにまず驚かされる。
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扇形のような形をした大水槽は、あらゆる場所に大きなアクリル窓が取り付けられており、水槽の透明度が圧倒的に高い分、水槽の向こうにいる人の姿がかなりはっきりと分かる。
水槽越しの人の姿は、水槽の大きさや不自然さを意識させる要因となるので、水槽を大きく見せたい場合にはマイナス要素なはずだが、本当に大きな水槽なら、水槽の端がどこまであるか分かることで却って巨大さを強く意識するのかも知れない。とにかく水槽の大きさは驚きだった。後で調べたら1万1000tもあるらしい。そりゃデカいわな。

短いけれど、動画も。

その中を泳ぐのは、地元ペルシャ湾の魚たち。
スギとかシノノメサカタザメとかセンネンダイとか、日本で見るものと変わらない姿形のものもいるが、オニテングみたいな日本では珍しいものがゴロゴロいたり、また、見たことがない種類も多く、それらが次から次へと目の前に現れ、横切っていく。
日本でも特別珍しい訳じゃなくても、掃いて捨てるくらいいるマクロススとか、もういろいろスゴイ!! としか言えない。
自分の中での情報処理が追い付かず、もうどうすればいいか分からなくなり、パニックになりそうだった(笑)
水族館でこんな思いを味わったのは久しぶり。ドバイまで来て良かったとつくづく思った。
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水槽内の装飾は、海に沈んだ遺跡。だから、水槽の壁面も石造りのレンガのような設え。
本来なら、違和感がありそうな人工物なのに、不思議と本当に海の中の光景のように見える。
実際に見るまではもっと違和感があるかと思っていたのに、気が付けば水槽に取り込まれたように、見入ってた。
種類数だけでなく、個体数も多い魚たちのお陰で、ぼんやり眺めているだけでも、目の前の光景はめまぐるしく変化し、見ていて楽しい。

ただ、水槽前に置かれたベンチに座って水槽をぼんやり眺めるには、周りがざわざわしすぎてるかも知れない。観光客が多い施設なので、あんまりゆっくりという感じにはなりにくい。
また、雰囲気重視な施設ということもあってか、水槽周辺に魚名板的なものはなく、水槽にいる数種類だけを紹介した電光パネルがあるだけ。
未知の魚の正体は、家に帰って調べる必要がある。それはそれで楽しかったけどね。
とりあえず、魚好きなら楽しい水族館なはず。ドバイの水族館では一番のオススメだし、個人的にもとても楽しかった。

アトランティスの施設内には屋外のウォーターパーク(プール)があって、そこにはサメの水槽を通り抜けるウォータースライダーとか、イルカやオットセイのショーをしているプールなんかもあるらしいのだけど、そちらには行ってない。
見学だけでよかったんだけど、そのエリアに立ち入るのは別料金らしく、それがそれなりに高いようなので断念した。
とりあえず、水族館だけで十分以上に満足できたのだけど……
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UAEの水族館紀行 [水族館紀行]

水族館巡りを始めて14年めともなると、日本国内の水族館はほぼ巡り終えた。
だから、という訳でもないけれど、海外の水族館も見たい!! という思いは強まりつつあった…… のだけど、降って沸いたみたいにそれが叶うことになってしまった。

きっかけは、ウチの連れ合いが、“ドバイ8万9000円!!”みたいなネット広告を見つけてきたこと。
正直に言うと、ドバイは特別行きたかった場所ではなかった。でも、この値段なら悪くない。冷やかしのつもりで問い合わせてみることにした。
どうせ、“その値段のは売り切れです”みたいことを言われるのだろうと思っていたから。
でも、予想に反して本当にその値段で行けます、との回答。
ドバイまで行くことになった。

比較的狭い範囲に、水族館やそれに相当する施設が5つもあるドバイは、水族館を目的に出掛けるならベターな行き先だ。
そう考えると、そんな場所に行く格安ツアーが目の前に降って沸いたなんて、きっと“呼ばれて”いたのだろうね。

ドバイの水族館と言えば、ドバイモールにあるドバイアクアリウムがよく知られている。
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この水槽ができた当時、美ら海水族館の大水槽を抜いて世界一になったことでも知られている。
大水槽を除くと、展示の中心は意外や淡水がメイン。完全屋内型で、様々な体験メニューが設定されているなど、観光地にある観光客向け施設な印象が強い施設だった。だからか、料金も高め(水族館のみでAED210、約6200円)。
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でも、大水槽を始め、入館しないでも見られる水槽も多い反面、入館しても日本で見られないものは少ない。入館料の高さもあり、再びドバイに行く機会があったとしても、オレは無料見学のみで済ます気がする。

そしてもうひとつ。ヤシの木型の埋め立て地、パームジュメイラにあるロストチェンバー水族館。
パームジュメイラの突端みたいな場所に立つ高級リゾート、アトランティス・ザ・パームの中にある水族館で、伝説の古代都市、アトランティスをテーマにした世界観で統一された水族館。
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海外ならではの“変わり種水族館”なのだろうと、ちょっとした偏見を抱きつつ行ってみると、とにかく水槽が綺麗で驚かされた。さらに、日本の水族館では見られない種類の魚が多く、想像以上に楽しめてしまった。
魚好きにはもちろん、水槽の綺麗さはぼんやり眺めるにもピッタリだが、やはり観光客が多い施設なので、あんまりゆっくりという感じではないかも知れない!?
施設内にはイルカやオットセイのショーをしている屋外スペースもあるようで、さらにはウォーターパーク(プール)にはサメの水槽を通り抜けるウォータースライダーもあるらしいのだけど、オレは行ってない。値段もそれなりにするのでね(汗)

ドバイには他にも、ドルフィナリウムというイルカショーが見られる施設と、グリーンプラネットという熱帯雨林を再現した屋内温室施設が水族館に相当する施設。
ドルフィナリウムの屋内のショースタジアムでショーを披露するイルカたちは、太地から連れてきたもだとか。また、そこにはオットセイもいるらしい。
行ってみようか迷ったけれど、料金が高いらしく、また、太地産のバンドウイルカは当然、見たことがあるもの。という訳でパス。

もう一方のグリーンプラネットは、アマゾンの水槽があるようで、行くつもりでタクシーに乗ったら、「知らない」と言われ、別のタクシーを捕まえるも、またしても「知らない」と。タクシーしか交通手段がない中、運転手が知らない場所に外国人のオレが行けるはずもなく、諦めざるを得ず断念した。

水族館はもうひとつ。UAEの構成国のひとつ、シャルジャにあるシャルジャ水族館。
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ドバイの隣の首長国なので厳密にはドバイではないけれど、ドバイ空港などがあるディラ周辺エリアからならタクシーで15分くらいの場所にあって、彼の地で水族館巡りをするなら簡単に行ける。
ドバイ水族館やロストチェンバー水族館に比べると、アトラクション感が薄く、正統派? 水族館な印象。ゴミ問題に関する展示があったりと、もっとも教育的。
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トンネルのある大水槽を中心に、水槽数はそれほど多くはないけれど、やはりピカピカに磨き上げられた綺麗な水槽と、日本では見慣れない魚も多く、ドバイモールやアトランティスほど混んでないことも手伝って、こちらもとても楽しめた。
料金も3施設中ではもっとも安く、隣接した博物館もセットで見学できる。

ドバイは夏場の昼間の温度が50℃を超えることもあってか、日が落ちた後に活動する人が多いらしく、昼間、特に午前中は人が少ない。
つまり、水族館に行くなら、その時間帯が狙い目。特にアトランティスは水槽に自然光が入るので、大水槽の綺麗さを堪能するならなるべく早い時間に行くのがオススメ。
どの施設も夜22時くらいまでと、遅くまでやっているので、ハシゴもしやすいし、ドバイモールやシャルジャ水族館は自然光が関係ないので、敢えて遅い時間に行くのもアリかも知れない。
なお、UAEは金、土が週末となるらしく、土曜の午後は混む。日本で言うところの日曜の午後。
ドバイ水族館に行ったのがまさにその曜日、その時間帯だったので、かなりの混雑だった。普段なら水族館には近づきもしない曜日時間帯だったことを考えれば仕方ないが、ゆっくりじっくり水族館を楽しみたい人は、土曜日の午後は避けた方が良さそうだ。
金土が週末となるのは、礼拝の関係らしい。だからなのか、シャルジャ水族館は金曜のオープンが16時からとなるそうだ。

個人的な評価としては、ロストチェンバー水族館>>>シャルジャ水族館>>ドバイ水族館な感じ。
行くまではシャルジャ、ロストチェンバー、ドバイモールの順になるかと思っていたのだけど、ロストチェンバー水族館の想像以上の素晴らしさは大きな収穫だった。

日本では見られない魚にも沢山遭遇できたし、久しぶりに水族館で大興奮することができた。
やっぱりたまには目先を変えて? 他所の国の水族館を見てみるのも楽しいものだね。あらためてそう思わされた。
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シーライフ名古屋の気になるエイ(板鰓類) [エイ]

先週のブログでも書いた通り、シーライフ名古屋まで出掛けたのは“ここでしか見られないエイ”を見るため。
シーライフ名古屋では8種類のエイが展示されているが、そのすべてがスティングレイ・ベイというエイたちが主役の水槽にいる。
初めて行った時にも、この水槽にはツカエイとオーストラリア産のウシバナトビエイ(R.neglecta)という、他所の施設では見られない珍しいエイがいたが、1年半ぶりに見るスティングレイ・ベイ水槽は、それらのエイが大きくなっていただけでなく、かつてはいなかった多くのエイがひしめく賑やかな水槽になっていた。
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Rhinoptera neglecta オーストラリア産ウシバナトビエイ
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ツカエイ

以前からいた上記2種とリーフスティングレイ以外に、アカエイとカラスエイ、ヒョウモンオトメエイとオジロエイが追加されていて、それほど大きくない水槽はまさにエイだらけ。リーフスティングレイはこの水槽で殖えてもいるらしく、バックヤードツアーでは水槽産まれの幼魚たちも見ることができた。

今回の目的は、そのヒョウモンオトメエイとオジロエイ。
ヒョウモンオトメエイ? 見られる水族館、沢山あるだろ!? と思うだろう。
確かに、ヒョウモンオトメエイはあちこちの水族館で展示されている。でも、それはHimantura uarnakのこと。
シーライフ名古屋には2匹のヒョウモンオトメエイがいて、その内の1匹は他所の水族館でも見られるH.uarnak。しかし、そのもう1匹こそ、日本で唯一、シーライフ名古屋だけで見られるエイのひとつであるH.australisという種類なのだ。
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“一般的な”ヒョウモンオトメエイと比べると、柄が細かく、例えていうなら、ヒョウとチーターの差、みたいな感じ? 隙間なく柄が密に入るuarnak種と比べると、そこまで派手ではないような印象だ。
ただ、見た目で明らかに“見たことない”ヒョウモンオトメエイだということが分かるし、見やすい位置にも来てくれるので、エイ好きなら確かな満足感が得られるはずだ。

そしてもうひとつの珍エイがオジロエイ。
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その名の通り、尾が途中から白くなっているのが特徴のエイ。
ごくごく標準的なエイらしい色、形をしているが、そこから伸びた白い尾が“変わってる”感を醸し出している。
かつて、本に載った写真を見たことがあったけれど、尾が白いことなんて、実物を見て初めて知った。
日本近海にはいない種類なので、見られるのはシーライフ名古屋いる1匹だけという、これまた大変珍しい種類だ。
姿形もエイらしいが、性質もいかにもエイらしい陽気さで、見えやすい位置に出てきてくれるだけでなく、よく動き回るので見ていても楽しい。

よく動くエイたちは、見えやすい位置にもひっきりなしに来てくれるのだけど、床から立ち上がった水槽なので、エイたちがいるのは床とほぼ同じ高さ。
珍しいエイたちをじっくり見ようと思うと、必然的に水槽前にしゃがむ必要がある。
そして、水槽上部はオープンになっているので、人が水槽に近づくと、ウシバナトビエイとカラスエイが集まってきて水面付近でバシャバシャやるものだから、結構水が飛んでくる。
その飛んだ海水が滴った跡、新しい水滴、そして沢山のエイたちがひっきりなしに砂を掻きまわすので濁りもそこそこ。さらに水槽のアクリルはラウンドしている。
そして、エイがいるのは床と面位置。
つまり、かなり写真は撮りにくい。

今回このブログのタイトルが気になるエイだけでなく、板鰓類とカッコ書きしてるのは、サメの話もしたいから。
上記のエイと同じく、オーストラリアからやってきた、日本でここだけのオグロメジロザメがいたから。
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実はこのオグロメジロザメ、お隣、レゴランドのアトラクションで以前から展示されていたそうで、サメを見るためだけにレゴランドに入園したという強者もいたらしい。
でも、この2匹がシーライフへと移動になったことで、オグロメジロザメに会いたいだけのサメファンがレゴランドに入園する必要がなくなったという訳だ。
ちなみにオレは、アトラクションにオグロがいることは知っていたけれど、シーライフに移動していたことを知らず、何ともラッキーな遭遇となった。

オグロメジロザメは、TVや動画などで海外の海中が映るような場面では、必ずと言っていいくらいに登場する種類で、メジロザメ類としては生きた姿を(映像などで)目にする機会は多いのだけど、日本近海に生息していないからなのだろう。日本の水族館では稀種で、10年くらい前にしながわ水族館で展示されていた以来。

吻、というか、口から先の頭部が長いような印象の顔つきは、同居のツマグロとはまるで違っていて興味深い。

オグロメジロザメに、エイが4種類。日本でここだけの板鰓類が5種類。その手の魚が好きな人なら、それだけで行く理由になる、ではないだろうか?
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