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シーライフ名古屋、再び [水族館紀行]

2018年4月のオープン時には、何かと話題になったレゴランド併設の水族館、シーライフ名古屋。
オープンから1年以上が経過し、水族館好きの“行った報告”も見聞きするようになった。

そんな中、しばしば聞こえてくるのが、珍しいエイがいる、という話。
オレが行った時にも、ツカエイとオーストラリア産のウシバナトビエイという、他にはいない種類がいたが、どうもそれらのことではないらしく、それなら確認しに行かなくちゃならないだろう!! と、オープン以来のシーライフ名古屋へ。
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前回行ったのは、厳密にはオープンしていないプレオープンの時。
その時にはまだ水しか入っていない水槽も多く、水族館としてはまだ未完成の状態。
そういう意味では、オープン後は初めて。
初めての時は、独自路線に違和感があったことばかりが印象として残っていたのだけど、1年半ぶりくらいに見るシーライフ名古屋は、オレの記憶にあったものと比べると、ずっと“生きてる”感じがあった。
それこそ、水しか入っていなかった水槽に生き物が入って泳いでいたのだからね。
そんな初めて見る水槽を見ていると、前回の違和感もいい方向に影響したのだろう。意外な発見があったりして、考えていた以上に楽しめた。
例えば、ヘコアユの水槽にはヨロイウオが2匹以上はいた、とか。
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入館時、薦められるがままにバックヤードツアーにも申し込み、行ってみた。
大水槽を上から見るだけのものではあったのだけど、プラ素材のろ材とか餌(人工飼料)は世界各地にあるシーライフと共通のものを使っている、とか、海水は人工海水で、それもシーライフオリジナルの世界共通スペックのものである、などの話を聞けたことは収穫だった。
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日本にあっても、外国の水族館であることを貫きます!! みたいな心意気? を感じさせられたような気がした。
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大水槽の魚たちにあげてください、と、参加者に餌が手渡されたが、オリジナルのフードのどれか。モイスト状のペレットで、臭いはそれほど強くなかった。

なお、レゴランドと併設なのはシーライフの標準ではなく、世界でも数か所にしかないらしく、むしろ水槽にレゴが入っていることの方が珍しいのだとか。
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子供が主役の施設だからか、館内にいるスタッフ氏はフレンドリーで、オッサンのオレにも積極的に声を掛けてきてくれる。
聞きたいことがある場合は、聞きやすい。
シーライフ名古屋で他に水族館では見られないような珍種がいる理由は、展示される魚の多くがオーストラリアからやってきているからなのだけど、あの魚もオーストラリアから? みたいなことを聞いていたら、いつしか話は水族館業界トークみたいな内容になり、初対面のオレにそんなことまで聞かせてくれちゃっていいの? みたいに発展。
シーライフ名古屋に詳しくなったような気になったし、正直、楽しかった。

気になるオーストラリア産の生き物は、世界各地にあるシーライフに展示生物の供給を行う独自の施設があるそうで、そこから来ているのだそうだ。
その独自の供給ルートは、日本ではここでしか見られないものがいたりするシーライフのマニアックさの理由にもなっている。
だが、シーライフ名古屋で展示されている生き物のすべてがそこから来ている訳ではなく、国内調達したものもいるとのこと。

エイだけ見られればいいや、くらいのつもりで出掛けたのに、すっかり楽しんでしまった。
もう少し近ければ、定期的に足を運んでもいいかも、と思ったくらい。
それこそ、珍しい魚もいるしね。
という訳で、来週はその珍しいエイの話。
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沖縄美ら海水族館の気になる魚 Vol.10 [海の魚]

ヒメイトマキエイを目的に出掛けた美ら海水族館では、オニキホウボウというトンデモ級の珍魚に遭遇するという超ラッキーに恵まれたが、個人的にはもうひとつ見てみたい魚が。
昨年夏、オレが行った直後くらいに搬入された見たことない魚、ワキグロアカフエダイだ。
今回、ヒメイトマキエイに次ぐ目的で、見るのを楽しみにしていたのだけど、その姿を探すも、どこにもその姿がない。
顔見知りのスタッフ氏を見掛けたので聞いてみると、バックヤードに下げた、とのこと。

一般受けしなさそうな魚だし、早く行かないとまたバックヤードに…… みたいな気はしていたのだけど……
かつてアカメモドキが展示された時も、同じ経験をしていて、その時の残念さが蘇ってくるようで…… 
まぁ、仕方ない。気を取り直して? ワキグロアカフエダイと同じ時期に展示が開始されたというイシフエダイを見て納得しよう!!
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いかにも“小魚食います!!”みたいな厳つい顔をしたイシフエダイ。

見るのは初めてではないけれど、これが2度め。水族館ではなかなか見られない魚だ。
サンゴの水槽、熱帯魚の水槽にそれぞれ1匹ずついる。
同種間で激しく争うらしく、同じ水槽で複数匹を展示できないのだそうだ。
サンゴの水槽の中では体も大きく、目立つ位置を悠々と泳いでいるので見つけやすい。
茶色とも青ともつかない体色をじっくり観察したいなら、サンゴ水槽がオススメだ。

そのサンゴ水槽では、美ら海水族館では久しぶりとなるユウゼンの姿があった。
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ユウゼンは日本固有のチョウチョウウオだが、小笠原のイメージが強い魚でもある。
葛西臨海水族園に行くといつもいるので、都民のオレにはさほど珍しいものには感じてなかったのだけど…… このユウゼン、小笠原産ではなく、沖縄県産だったのだ!!
大東諸島産なのだという。
沖縄の東端に浮かぶ大東島周辺には、ユウゼンもいるのだそうだ。
絶海の島という共通点を持つ両諸島だからか、周辺の生物相も似ているような印象だ。

大東諸島は沖縄本島から400㎞ほど離れていることもあり、そこの魚は美ら海水族館でも珍しいらしい。
館内で会った顔見知りの2人の飼育スタッフ氏に、見ました? と言われるくらいだから、かなりのものなのだろう。

そんな大東諸島からやってきた、美ら海水族館では珍しいらしいチョウチョウウオのひとつがレモンチョウチョウウオ。
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展示するのは初めてではないそうだが、かなり珍しいものらしい。
こんなチョウチョウウオ、見たことないぞ!! と思って写真を撮っていたところ、飼育スタッフ氏に声を掛けられ、珍しいものであることを教えてもらった。
全身鮮やかな黄色に包まれた体色が目を引くのはもちろんだが、チョウチョウウオにしては大柄で見栄えもする。
水族館に何匹いるのかは知らないが、展示に出ていたのは2匹だけ。そういう意味でも特別感?

同じ水槽にいたシテンチョウチョウウオも大東諸島からやってきたもの。
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こちらはイシフエダイがいるサンゴの水槽にもいたが、やはりこのチョウチョウウオも見たことがない気がする。
大きくて見栄えのするレモンチョウにばかり目が行ってしまいそうになるが、こちらも綺麗な魚だった。
ざっくりネット検索してみると、この魚も日本では小笠原で見られることが多いらしく、それが大東島からやってきたという事実が何だか腑に落ちた。

大東島からやってきた初めて見る魚はもう1種。
同じ水槽にいたイレズミゴンべ。
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ゴンべの仲間にしては大きく、しかも体高が低くまるでハタの仲間のような雰囲気。
ただ、動きはゴンべそのもので、比較的動き回るものの、いい位置を泳いでくれることはあまりなく、すぐに岩などに着底してしまう。
水槽の奥まったところが定位置のようで、姿は見えども、色や形がよく見えるという訳にはいかず、もうちょっと出てきてよ……
初めて見る魚で、なかなか見られない魚となれば、もっとよく見たいと思うものだが、そんな思いには応えてくれず……
次の機会には、数少ないチャンスを確実にモノにできるよう、頑張りたいと思います!!

大東島からやってきた珍しい魚たちを眺めていると、大東島に行ってみたい!! という思いがふつふつと。
それらが住まう海がどんなものか、見てみたい、と思ったのだ。
とは言え、大東島に行ったとしても、ダイビングをする訳でもなければ、そもそもこれらの魚がわんさかいる訳でもないのだろうから、行けば会えるという訳でもないのだろうけど……
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沖縄美ら海水族館の気になる深海生物 [海の魚]

昨年12月に行った美ら海水族館には、ヒメイトマキエイが目的だった訳だけれど、行く直前、とんでもないニュースが飛び込んできた。

「オニキホウボウ」を展示しました、と。

待ち望んでいた対象ではないし、正直、好みのタイプでもない。
でも、それが凄いことであることくらいはよく知ってる。深海生物にそれほど興味のないオレでも名前だけで姿形が思い浮かぶくらいの魚だから。
これはとんでもないラッキーに違いない!! と、しっかり見てきた。
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標本では見たことがあったが、初めて見る生きた姿はそれまで抱いていたイメージを覆してくれた。
縁がギザギザした体が赤みがかった体色は想像通り。でも、ヒレのモザイク状の模様は“こんな柄があるんだ!!”と驚かせてくれた。
液浸標本に感じた気味悪さはなく、むしろ目がクリっとしていて可愛らしい。
平たくて棘だらけの体は、どことなくプレコの仲間を連想させるようで、やっぱり生きてると違うものだなぁ…… と実感させられた。
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水槽は結構明るくて、その姿がとても見やすかったのも有難い。
ほとんど動かないけれど、目が結構動くので、ちゃんと生きてることが分かる(笑)
何度も見に行ったお陰で、砂の上を滑るように動く様子も何度か見られた。

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生きた姿が目の前にいること自体も十分以上の驚きなのだけど、それ以上に驚いたのが、この個体がROV(無人潜水艇)のロボットアームによって捕獲されたということ。
ロボットアームは多少の力加減はできるそうだが、オニキホウボウの体が硬いことと、体の縁のギザギザがうまい具合にアームに引っ掛かったことで、握り潰されることなく捕獲できたのでは、と、立ち話した顔見知りの飼育スタッフ氏。
とは言え、そのスタッフ氏も、あの捕獲方法には驚いたそうで、“あんな方法で獲れるなんて!!”と、オレの驚きに大いに賛同してくれた。

なお、その捕獲時の様子は、オニキホウボウがいる水槽上部の壁に投影され、その様子も見ることができる。

オニキホウボウに限らず、ここ数年、美ら海水族館の深海エリアはとんでもなくスゴイ!!
いつ行っても、“見たことのない何か”に遭遇できる。
しかもそれらは、深海の住人だから、見た目からして珍しく、誰が見ても“これはスゴイ!!”みたいなものがずらりと並んでいる。

中でも、最近新種記載されたチュラウミカワリイソギンチャクは反響も大きかったらしい。
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何でも、長らく水族館のバックヤードにいた正体不明のイソギンチャクが実は未記載種で、新たに新種として記載されたことで注目を集めた。
呼称に“美ら海”の名前が入っていたことも、話題に影響していそうな印象だ。
マスコミは“新種”という言葉が大好きだ。しかもそれが長らく水族館のバックヤードにいたなど、しまい込まれていたものが実はお宝でした的な、いかにもマスコミ受けしそうなエピソードまであったこともよかったのだろう。
とは言え、深海のイソギンチャクみたいな、産業の対象(金)にならない生き物なんて、研究が進んでいないどころか、正体すら知られていないものも多く、恐らく、そのほとんどは未記載種、つまり“新種”だ。
美ら海水族館に限らず、深海生物の展示に力を入れている施設に行けば、そんな“未知の新種”に出会える機会もあるだろう。
そんな水族館では“新種”はそれほど特別なことではないような気がするのだけど……
まぁ、深海の生物の生きた姿が見られることは、十分特別なことではあるけれど。

白くヒラヒラした感じが綺麗なチュラウミカワリイソギンチャク以外にも、インパクトある見た目の深海生物は他にもいろいろいたのだけど、無脊椎動物に対する興味、関心が薄いオレにはその価値が今ひとつ伝わらず……
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気になる人は沖縄まで。深海生物好きなら、多少無理して行ったとしても、後悔はしないはず。

最後に魚をもう1種。
深海コーナーの最初の水槽。深海魚というか、やや深場に住まう魚たちが泳ぐ水槽。
美ら海水族館でも、個人的に好きな水槽のひとつでもある。
そこを泳ぐ魚たちを眺めていると、何やら見慣れない魚が。
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深海コーナーで展示されている魚には、似たような種類も多く、深場のハナダイ類とか、個人的に違いや価値が分からないグループだと見過ごしてしまうこともよくあるのだけど、この水槽のこの魚は運よく? 気が付くことができた。
さて、キミは誰だ? 魚名板も出ていない。
そこで、水族館HPの生き物図鑑を見てみると、いた!!
キンメヒメダイだそうである。

この写真では本来の体色も、名前の由来の金目も分からないが、とりあえず初めて見る魚であることは間違いない。
しかもそれが、オレでもある程度分かる種類、だったりすると嬉しさが倍増する。

しかし、美ら海水族館の深海コーナー、凄いな。
次は何が見られるだろうか。
とりあえず、このキンメヒメダイをちゃんと撮ることもだけど、次に行く時がこれまで以上に楽しみだ。
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カズハゴンドウ@太地町立くじらの博物館 [鯨類]

2019年、水族館で見られたものの中でのベストと言えば、やはり葛西のアオザメだ。
生きた姿が見たいと、ずっと待ち望んでいた“夢の魚”だったから。
ヒメイトマキエイやゾウギンザメを見られたのも貴重な経験だった。これらはアオザメみたいな“待ち望んでいた”対象ではなかったけれど、その生きた姿を見ることができたのは、やはり強烈なラッキーだった。

魚は上記3種がベスト3だが、魚以外なら太地のカズハゴンドウ以外はあり得ない!!
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昨年の初め頃だっただろうか。
くじら博物館でカズハゴンドウを見たというTwitter投稿を目にしたのは。
公式アナウンスがなかったため、詳細な時期は不明だが、どうやら搬入されたのもその頃だった模様。
つまり、またまた“太地でしか見られない、見たことのない鯨類”が増えたということ。
太地くじらの博物館は個人的にも好きな施設のひとつだが、行きにくいんだよなぁ……

余談だが、カズハゴンドウは2017年に新たに漁獲対象種となり、同時に対象となったシワハイルカも同時期にくじら博物館に搬入されているらしい。これにより、くじら博物館では漁獲可能な9種すべてを所有。鯨類の展示種類数の多さは日本最多だ。
ただ、オレが行った昨年10月末の時点では、シワハイルカは展示に出ていなかった。

目的のカズハゴンドウはというと……
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ショープール脇のプールに1頭、マリナリウムに1頭。2頭が展示されていた。
それぞれ別種のイルカと混泳していたが、あまり大きな種類ではないようで、サイズ的には同居のスジイルカなどと大差ないサイズ感。
餌を持ったトレーナーには嬉しそうに? 近寄って行っていたので、慣れないという訳ではないようだが、同じプールに暮らす他のイルカがアクリル越しにお客に近寄ってきたりするのに比べると、どちらの個体も近寄ってきてくれることはなく、チラリとこちらの方を見るくらい。種としての性質なのか、個体の性格なのかは分からないけれど……
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それでもずっとその場にいたからか、何となく近寄ってきてくれたが、遊んでくれるというほどではなかった。

カズハゴンドウというと、ユメゴンドウと見間違うほど似ていると言われているが、確かによく似ていた。
幸運なことに、オレはどちらの種類も見ることができたけれど、大きさや黒い体もよく似ていて、正直、それがカズハゴンドウだと分かっていなければ、間違えてしまうかも知れない。
でも、両者の区別のポイントだという頭部の形状は、思っていたほど似てなくて、カズハゴンドウの方がずっと尖っているような印象。
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多分、見慣れればすぐに分かるようになると思うが、問題はそれぞれがウチから遠い水族館にしかいないこと。
沖縄海洋博公園にいるユメゴンドウは既に何度か見ているものの、太地にしかいないカズハゴンドウを見慣れるほど見るのは簡単ではない。

それにしても、カズハゴンドウといいユメゴンドウといい、珍しい種類の鯨類を水族館で簡単に見られることはラッキー以外の何物でもない!!
貴重な機会に感謝したいと思う。
カズハゴンドウを見たことで、オレが日本の水族館で見た鯨類は18種類になった。日本の水族館、凄い!!

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今回の太地、初めてだったのはカズハゴンドウだけではなかったようだ。

圧倒的に鯨類のイメージで、少しだけいる魚の印象はものすごく薄い太地くじらの博物館だけれど、今回珍しく、気になる魚が。
それがこのヒダウツボ。多分、見たのは初めてだと思う。
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チョコレート色の体色と、そこそこのサイズ感、しかもなかなかのイケメンと、目を引く要素が揃っており、イルカたちに集中していた中でも“おっ!? こんなウツボ、見たことないぞ”と、その姿が印象に残った。


今回の太地は、着いて早々、カメラにトラブルが出てしまい、絶望的な気分になっていたのだけど、そんな中でも良くないながら何とか記録を残すことができて、ひとまずホッとしている。

これはもう1度行けという暗示なのか!? 

また太地!? 遠いんだよなぁ……
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