SSブログ
海/淡水・魚全般 ブログトップ
- | 次の10件

サンシャイン水族館の気になる魚 [海/淡水・魚全般]

ピラルクー同様、オレがサンシャイン水族館で見るのを楽しみにしているもの。
これまた水族館ナイトで話した通り、ラグーン水槽のエイたちだ。
サンシャイン水族館には全部で6種類のエイが展示されているが、ラグーン水槽ではその内5種類が暮らしている。
水族館のエース的存在であるシノノメサカタザメや、派手なヒョウモンオトメエイにどうしても目がいきがちだが、注目してみて欲しいのはトビエイたちだ。
トビエイは3種類いて、大きなマダラトビエイ、茶色で小ぶりなナルトビエイとトビエイがいる。

このトビエイ(Myliobatis tobijei)が注目なのだ。
IMG_0485.jpg
とは言え、別段珍しい魚ではない。それどころか近海で獲れる普通種であり、伊豆あたりでも普通に見られる種類だ。もちろん、サンシャイン以外の水族館でも普通に見られる。
なら、どうして? と思うだろう。
水族館で見掛けるトビエイは、痩せが目立っていたり、状態の悪そうなものが多い気がするのだ。もしかすると、あまり飼いやすい種類ではないのかも知れない。
でも、サンシャイン水族館にいるものは、2匹ともふっくらしていて、状態もよさそう。
同じ水槽にいるマダラトビエイやナルトビエイほど動きに活発な感じはしないものの、餌の時間にはちゃんと食べるし、正面のアクリルパネルに沿って泳いで観客サービス? もそれなりにこなす。
同じような種類に比べると、どうも印象に残りにくいというイメージがあったんだけど、サンシャインのものは、そんなイメージを払拭してくれそう、というのが注目の理由だ。


同じ水槽で暮らすナルトビエイも注目したい。
IMG_0491.jpg
先に紹介したトビエイと、同じような大きさ、色、形をしているが、トビエイとは属が違っていて、こちらはあの水槽にいる大きなマダラトビエイと同じAetobatus属。よく見ると顔つきが違っていることに気付くはず。その顔つきが理由で、こちらは個人的に好きな種類でもある。
同属のマダラトビエイと比べても、吻が短く、目が大きく、より可愛らしい顔をしている(←あくまでオレ基準)のがその理由。
このナルトビエイがどうして注目かというと、こちらは珍しいから。
とりわけ水族館でその姿を見掛ける機会は少なくて、東京圏ではサンシャインだけ。
全国でもオレが今まで行った72館中、サンシャインを含めても4館だけ。もちろん、まだ行ったことがない所にいる可能性もあるワケだけど、それにしても少ないことは間違いない!!
劇的な変化は少ないけれど、いつも会うのを楽しみにしている魚のひとつだ。


変化と言えば、リニューアル直後の頃よりも、格段に綺麗になってきたのが2Fのアジアの淡水水槽にいるアジアアロワナだろう。
IMG_0501.jpg
アロワナというと、高価な魚として有名だが、まさにその高価な種類。
その値段故か、紅くなるタイプを水族館で見ることは少ないが、この個体はその少ない例のひとつでもある。
1年前のオープン時にはまだ小さく、発色もごくわずかだったものが、成長に伴い、かなり綺麗になってきた。
紅いアジアアロワナは、以前、アクアマリンふくしまにいたものが綺麗で、オレの中では水族館で見られるNo.1アジアアロワナと評価していたのだけど、その座はこの個体のものになりそうな気がしている。
紅龍はアジアアロワナの中でも、大きく育つ種類であり、この個体もまだまだ大きく、さらに綺麗になるはず。
今の体型、バランスのまま、紅さがより深みを増せば、本当に綺麗なものに仕上がるはず。
これもまたこの先の成長が楽しみな1匹だ。


アロワナがいる水槽の並び、アフリカの水景を再現した水槽も個人的にお気に入りだ。
水草の育成状況こそかなり残念な感じだが、魚はどれも綺麗に育っていて、中でもコンゴテトラの群れはとても見応えがある。
IMG_7286.jpg
コンゴテトラは観賞魚としても古くから一般的だが、家庭に置ける小さな水槽で群泳を楽しむには少々大きく、その魅力を十分に味わいにくい。
しかし、サンシャインのあの水槽は、そんなコンゴテトラの魅力を堪能するのに最適なサイズなのだろう。水草のために明るくされた水槽内は、コンゴテトラを輝かせるにも十分で、ヒレも綺麗に伸長し、十分に成長した姿を見せてくれる。
しかも、それが群れをなして泳いでいる様は、本当に見事だ。
群れの中心はコンゴテトラだが、その中にはイエローフィンコンゴや、レッドアイカラシンなどもいて、そのそれぞれがやはり美しく育っている。
イエローフィンコンゴなどは、それもかなり感動的な美しさだ。
他にも、3種類いるシクリッドがそれぞれの生活を見せてくれるなど、覗き込む楽しさが多い水槽になっていて、サンシャイン水族館の中でもお気に入りの水槽のひとつになっている。


コンゴテトラが群れ泳ぐアフリカの水槽の向かいにある、汽水魚の水槽もお気に入りだ。
この手の水槽は多くの水族館にあって、サンシャインにあるものも、中に入っている魚自体は、余所の水族館にある同様の水槽と大差はない。それどころか、水槽自体はそれらよりも小さくて、そういう意味では条件はよくないはずなのに、不思議と魅力的な水槽になってる。
IMG_5224.jpg
中でも、2匹いるゴマアイゴの綺麗さはなかなかのものだ。
水槽内にはヒメツバメウオなどの定番種の他に、水槽に不釣り合いなほど大きいゴマフエダイ、そしてこのゴマアイゴたちが入っているのだけど、水槽は小さく、魚たちはひしめいているのに、魚たちは綺麗で、水槽の明るさも健康的な感じ。マングローブの擬木なんかも入っていて、掃除もしにくいだろうと思うのだけど、いつも綺麗なのも気持ちがいい。
個人的に馴染み深い魚や、特別好きな魚が入っているワケではないけれど、何となく気になる、お気に入りの水槽だ。
綺麗な魚、という点では、美ら海水族館に勝る水族館はない!! と思っているんだけど、この汽水魚の水槽と、その中身に関しては、美ら海水族館の同様の水槽にも勝っていると思う。
アロワナ~コンゴテトラ、汽水魚の水槽と、2Fの水槽はどれもあまり大きくはないけれど、その中身については面白いものが多い。
行った際には、じっくり覗き込んでみて欲しい。

沖縄美ら海水族館の気になる魚 Vol.3 [海/淡水・魚全般]

沖縄は史上最強の台風に見舞われたという。
大丈夫だっただろうか?
台風への備えはしっかりされているだろうし、台風に対する修練度? も高いだろうから、きっと大丈夫だったはず!! と信じたいが、心配です。

そういえば、オレが沖縄に行った6月末も、台風に見舞われてた。
東京に接近したのは、オレが沖縄に行く前日。東京は街路樹が折れたり、電車が止まったりと、かなりの混乱ぶり。飛行機も多く欠航してたから、行けなくなることを覚悟した。
それ以前に、電車が止まったので、前日は仕事場から家まで歩いて帰ることを強いられたのだけど。
翌朝の東京は、多少風は強かったものの、天気は回復。オレは無事に沖縄へと行くことができた。心配していた台風一過の沖縄は、接近してたのもウソみたいで、東京より平和な感じがしたほど。宿の人に聞いても、「あぁ、昨日のくらいはそよ風ですよ」なんて頼もしい言葉を聞かせてくれていた。
でも、今回の遠征は比較的大変だった。
台風は過ぎ去ったはずなのに、雨と風は結構凄かったし、メインのレンズが壊れて、写真を撮るのには相当苦労した。とは言え、本来の目的は早々に潰えていたから、さほど腹も立てずに済んだのだけど。
というワケで、今回の気になる魚たち、いつも以上に頑張って撮ってきました(笑)

最初の1匹は、入館して最初のサンゴ水槽にいたホシテンス。
IMG_8556.jpg
水槽の端の方でせわしなく泳いでいたんだけど、どことなく人っぽい? 顔つきと、トリッキーな動きに目を引かれる。
写真を撮ろうとすると、一瞬ピタッと動きを止めるのだけど、ピントが合うより前に、こちらを翻弄するように泳ぎ去っていく。
降り注ぐ光の中で見るこのホシテンスは、“こんな色が!!”と思うほど綺麗だったんだけど、ガッカリするほどいい写真がなく、この程度しかお見せできないのが残念。
これから美ら海水族館に行く人は、是非、本物で“意外と綺麗じゃん!!”を実感してみて欲しい。


お次は隣の水槽にいたアザハタ。
IMG_9174.jpg
隣の熱帯魚の水槽には、5㎝程度の小魚から、3mのオオテンジクザメまで、それこそ大小様々な魚がいるので、いつ行っても必ず“それまで見たことがなかった”魚に遭遇できる。このアザハタもそんな1匹。
似たような形、色をしたものが多いハタの仲間。パッと見て種類が分かるものなんてごくわずかなんだけど、好きな類なので印象には残りやすい。
あの大きな水槽で、大きくない1匹を写真に収めるのはそれほど簡単ではないんだけど、いい位置に来てさえくれれば、堂々と泳いでくれるので、調子の悪いレンズでも何とか仕留められた。
アザハタというと、真っ赤な体色をしているものが多いようなのだけど、この水槽にいたものはやや赤みがかった灰色。これから赤くなるのだろうか?


これから綺麗になりそうという意味では、チンアナゴの水槽にいたイトマンクロユリハゼにも注目だ。
IMG_9094.jpg
透明感のある白い体が涼しげな魚だなぁ、なんて思いつつ眺めていたのだけど、ダイバーが撮った写真なんかを見ると、もっと青い体色をした魚らしい。
つまり、もっと綺麗になるということ。今でも十分綺麗だったけど。
ホシテンス同様、コイツも撮影に苦労した割に、いい写真がなかった。薄暗い水槽に合わせてシャッタースピードを遅くしたかったんだけど、レンズがそれを許しちゃくれなかったのだ。残念。
名前のイトマンは、糸満市に由来したものなんだろうと思う。
美ら海水族館のある本部町からは遠いものの、沖縄に縁の深い魚だということ。
そういう意味では、美ら海水族館で見たい1匹と言えるだろう。次に会うときは、もっと綺麗な姿を見せてくれるかな。


綺麗なハゼをもう1匹。
沖縄で淡水魚というと、外来種のグッピーやティラピアを思い浮かべてしまい、在来種というのが今ひとつピンと来なかった。それだけに、賑やかな外来種問題も南国らしくて… くらいにしか考えていなかった。
でも、沖縄の淡水には、こんなに綺麗な魚がいたのだ。
それがこのナンヨウボウズハゼ。
IMG_9068.jpg
3㎝ほどのものすごく小さな魚だけど、キラッと光るメタリックブルーが目を引きつける。
コケを食べる魚だから、場所によっては問題のプレコともかち合ってしまうのだ。
プレコの頑強さ、そしてこの魚との体格差があれば、一瞬で駆逐してしまうだろう。
沖縄ならではのシリアスな外来種問題に関心を持つのに、十分すぎるくらいのきっかけになった。

それにしても綺麗な魚だ。
エノスイでも展示されていたけれど、これほど綺麗ではなかったような。
そこはやはり、地元・沖縄だからだろうか?
あまりにも小さいせいか、水槽の前を素通りしてしまう人も多いのだけど、見逃してしまうのはもったいなさ過ぎるくらいの綺麗さだ。


最後の1匹は、有名だけど美ら海水族館で見るのは初めての魚。
IMG_8407.jpg
マンボウだ。
冬になると、沖縄近海でも見られるようになるらしく、沖縄の美ら海で暮らす魚として黒潮大水槽に迎え入れられたものらしい。
とは言え、20℃以下の水温を好むマンボウにとって、黒潮大水槽は少々温かすぎる。
オレが行った6月末の時点で、水温は25℃。マンボウには高すぎる。
水温調整がなされていない水槽だから、夏場には30℃に達するという。
1匹のマンボウのために、驚きの対策が用意されていた。
水槽の一カ所に9℃に冷やした海水を注入し、その周辺に居着いてもらうようにする、とのこと。マンボウがその場所を見つけなくては話にならないのだけど、美ら海水族館らしい贅沢な方法だ。
ビニールフェンスなどを持たない専用水槽ではないが、あれだけ大きな水槽だからか、ぶつからずに泳いでいる様子。
餌も給餌場所を覚えて、食べに来ているらしい。

オレがこの写真を撮ってから、2ヶ月近くが経過し、本格的に水温が高くなる時期を迎えたけれど、今でも元気に暮らしているだろうか?

今回の気になる5匹(種)は、再開が楽しみなものでもある。
もし、近いうちに沖縄に行く機会のある人は、これらの魚たちを是非、見てみて欲しい。


美ら海水族館の話をしているのに、最後にサンシャイン水族館の告知を。
本日、29日、19時より、サンシャイン水族館で「中村元の超水族館ナイト」が開催されます。
31日(金曜日)には、この私めもゲストとして登壇させてもらいます。
水族館の入館料はかかりますが、トークショー自体は無料ですので、お時間のある方は、是非、おいで下さい。
http://ameblo.jp/sab-aqua/entry-11338250424.html

寺泊水族博物館の気になる魚 [海/淡水・魚全般]

寺泊水族博物館には、暖かい海の魚たちが回遊する水槽があったり、その並びに冷たい海の魚の水槽があったり、さらにその前に円柱形の水槽が3つ並んでいたりと、リニューアル前のサンシャイン水族館を思い起こさせるところがあった。

旧サンシャイン国際水族館の回遊水槽の隣にあったタカアシガニの水槽は、かつては冷たい海の魚が回遊する水槽だった。
カニなどはその当時から入っていたけれど、泳ぐ魚の主戦力は専らサケ・マス類だったことを憶えている。
そんな昔の記憶が蘇ったのは、寺泊水族博物館の冷たい海の水槽が、サケ・マス類を主力にした水槽だったから。
その中に、見慣れないマスが。
ニジマス? ニジマスってあんな網目模様あったっけ?
IMG_7776.jpg
その正体は魚沼美雪マス。
ニジマスとアメマスの交配による品種で、新潟県の水産試験場で作出されたものらしい。
もちろん、主に食用目的で作出されたものだろうから、味がいいのは当然だが、引きも強いとかで、管理釣り場などでは見られるらしい。
写真で見てもらうと分かるように、パッと見のフォルムはニジマスのそれ。
しかし、背中のネットワーク模様はニジマスにはないもので、言われてみれば、なるほど~!! と思わされる。
新潟で作出された魚だから、新潟の水族館で見るにはピッタリな1匹と言える。


同じ水槽にいたイトウも気になる1匹となった。
IMG_7778.jpg
イトウは水族館では珍しい魚ではないが、飼育下にあるものはどれも顔が丸くなってしまっていて、あまりカッコよくない。
しかし、以前、登別マリンパークニクスで見たものは、どれもシュッとした本来の顔つきが比較的保たれており、もしかすると海水飼育するといいのかな!? なんて思ったんだけど、寺泊でそれが確信できたような気がした。
水槽で泳いでいた個体はどれも、綺麗な顔つきが保たれていたからだ。
さほど大きな個体はいなかったけれど、中には婚姻色なのか、ピンクに色づいたものがいたりして、かなり状態も良好な様子。
IMG_7877.jpg
イトウを綺麗に飼うコツは、海水飼育にあるのかも!?
自分で飼っているワケではないから、断言はできないけれど…


新潟らしい魚をもう1匹。
魚沼美雪マス同様、新潟の地で作出された魚、玉サバだ。
IMG_7773.jpg
玉サバとは、琉金のような丸手のボディに、フナ尾を持つのが特徴の、新潟で作出された耐寒性の高い品種だそうだ。
また、新潟で作出が盛んな錦鯉と一緒に飼えるほど大きくなるのも特徴だそうで、うまくすれば40㎝ほどになるとか。
この形で40㎝!! それは結構スゴイ。
寺泊水族博物館にいたものも、大人の拳よりも大きなものばかりで、なかなかの迫力。
耐寒性が高く、遊泳力も琉金なんかよりも強いようなので、外池で飼うのに適しているのかも。
ただし、あまり売っているのを見掛けないけれど…

泳ぐ金魚の姿は小さい子供には何よりも魅力的なようで、この玉サバ水槽に釘付けになっている小さい子がいた。
その子の親が、大きい魚がいるよ~!! とピラルクーやイトウを指さしても、すぐに金魚に戻ってきてしまう。
水族館で金魚を見掛けることは少ないけれど、その子の夢中さ加減を見ていると、想像以上に人気を集めるんじゃないかなぁ、なんて思ったり。


最後の1匹も新潟らしい!? 日本海の魚。
順路を進み、2Fへ上がろうとする階段の脇にあった水槽にいたコンペイトウ。
IMG_7874.jpg
日本海などの深場に棲む魚で、やはりあまり見掛けない魚だ。
正直言うと、名前を控えてこなかったので、コンペイトウで合ってるかどうかもちょっと心配。
でも、水槽に近づくと、何かのアピールをするかのように泳いで水槽の真ん中までやってきたので写真を撮ってみた。
全身顔みたいな魚で、なかなか可愛らしい。
いかにも人気が出そうな感じだけど、あまり水族館にいないのは、飼うのが難しかったり、あまり獲れなかったりするものだからなのだろう。

特別好みのタイプでもないせいか、これまでに見た記憶はないのだけど、多分、珍しい魚と言っても差し支えはないと思う。

何だかんだ言っても、新潟らしい魚を堪能できた寺泊水族博物館でした!!

上越市立水族博物館の気になる魚 [海/淡水・魚全般]

上越市立水族博物館の入り口を通過すると、正面に見えるのはピラルクーの水槽だ。
ひとつ前のブログで書いた通り、小さな個体がグルグルと泳いでいるのが見えるのだけど、もちろんいきなりそこに行くことはせず、トロピカランド水槽から見始めることに。
そんなオレの前にやって来て、まるで見せつけるかのようにヒレを大きく広げ、何かのアピール? をし始めたのがサザナミトサカハギだった。
IMG_7405.jpg
以前のブログに書いた通り、ニザダイ類やフエダイ類などが多く泳いでいる水槽だが、そんなイメージが強く残ったのも、この個体の影響によるものかも知れない。
サザナミトサカハギは綺麗な魚だが、臆病で、水槽の前に立つとすぐに逃げていってしまうように思っていたのだけど、ここのはそうでもないらしい。
大きく立派で、綺麗な個体が水槽の中を勢いよく泳ぎ回っていて、時々、ヒレを大きく広げて本来の美しさを楽しませてくれる。

サザナミトサカハギとかピラルクーとか、新潟の水族館に行ってるのに、印象に残しているのは南の魚ばかり。
オレらしいとも言えるけど、何だかなぁ… なんて思っていたら、日本海の固有種を展示した水槽が。そこにいたのがアゴゲンゲだった。
IMG_7682.jpg
それほど大きくない水槽(120㎝くらい)の中に、さらに小さな水槽が入っていて、その中に入っていた。大きい方の水槽にはビクニンやカニなどが入っていたが、それらとの混泳では、何かしら問題があるのかも知れない。
顔は普通の? 底棲性の魚の顔つきだが、体型はこの仲間らしいオタマジャクシ体型。
日本海の固有種だそうで、しかもその生息域は水深200~800mの深海域。
そう聞くと、“よくもまぁ、生きて上がってきたものだなぁ”、と思うのと同時に、日本海固有種であることも手伝って、なんだか特別なものに見えてくる。

とは言え、個人的には好みのタイプではないため、感動度合いは…
ずっと眺めていても動かないし。
でも、生きた姿を見られる機会は少ないはず。上越市立水族博物館に行った際には、是非、その姿を眺めてみて欲しい。動かないけど(笑)

アゴゲンゲほど本格的な深海魚ではないけれど、やはり深場からやってきたカワビシャも気になる1匹だった。
IMG_7647.jpg
もともと水族館ではほとんど見かける機会のない魚だが、ANAの機内誌で上越市立水族博物館が紹介されていた際、このカワビシャの写真が載っていて、オレが行った時にも見られるといいなぁと思っていたのだ。
体型は同じ科のテングダイによく似ているけれど、体色はほとんど黒に近く、柄らしい柄は見られない。
特徴的だったのが大きな背ビレで、軟条の間がスリット状の切れ目になっているのか、それとも透明なのかはよく分からなかったのだけど、とにかく、そこの部分が透けて見えるので、それが模様のようにも見えたのが印象的だった。

また、この手の魚は暗い水槽にいることが多く、上越市立水族博物館でもある程度暗い中で展示されていたが、それが思ったほど真っ暗ではなく、魚を観察するには問題ない程度に明るかったことも好印象。ヒレも綺麗で状態もよさそうだし、綺麗なカワビシャが目的なら、上越市立水族博物館はオススメできる水族館だ。

そのカワビシャが目的だったワケではないけれど、上越市立水族博物館は、実は結構前から行ってみたかった。その理由は、ヒョウモンオトメエイがいるから。
IMG_7491.jpg
今でこそ見られる水族館は増えたけれど、数年前までは上越市立水族博物館を含む3館でしか見られなかった。その1カ所とあれば、やはり行きたくなるものだ。
しかし、なかなか行く機会が訪れず、結局、このタイミング。
その間、エイの方はあちこちで見られるようになり、オレが知る限り、8カ所で見ることができるようになった。結局、上越はオレの8カ所目になった。
目的のエイはマリンジャンボに5匹? が飼育、展示されていたが、以前から飼われているからか、サイズはかなり大きめ。
繁殖もしているのか、小さな個体も1匹いた。
いかにも南国的な柄は、薄暗い水槽の中では、少々浮いた感じがしなくもないが、大きな水槽の中でも抜群の存在感で、水槽前にやって来る人たちの目を引きつけていた。
やっぱりいい魚だ(笑)
見るのにさほど苦労しなくなったと思いきや、日本海側ではこの上越市立水族博物館が唯一の施設。そういう意味ではまだまだ希少な魚なのかな?


希少と言えば、今となっては激レアな魚と遭遇した。
熱帯淡水魚の水槽にいたシノドンティス・アカンソミアスがそれ。
IMG_7602.jpg
80年代前半、観賞魚の世界ではアフリカ産の小~中型ナマズ、シノドンティスがブレイクした。80年代中盤にはそのブームも落ち着いていたけれど、今とは違い、熱帯魚店でそれらの仲間を見ることも普通だった。
その当時、もっとも安く買えた種類がこのアカンソミアスだったのだ。
その頃のオレは、まだ小学生か中学生になったばかりの頃で、1000円前後の魚でも簡単には買えなかったから、結局、自分では飼うことなく終わってしまったけれど、その姿を見かけた時、昔懐かしい友人に再会したみたいな気になった。

大して綺麗でもないのに、性質の荒さが災いしてか、すっかり人気を失い、今ではまったくと言っていいほど見かけない魚になってしまった。
上越市立水族博物館にいる個体は、もしかすると20年以上飼われていたりするのかしらん?
アカンソミアスは、シノドンティスの中では最大級の種類だが、水槽の中にいたものは40㎝くらいはありそうな大きさだったし…

京都水族館の気になる魚 [海/淡水・魚全般]

京都水族館と言えば、いきなり魚ではないのだけど、オオサンショウウオに触れないワケにはいかないよね。
入館して最初の綺麗な水槽にいるのがオオサンショウウオ。いろいろなサイズのぬいぐるみが売られていたりと、京都水族館の象徴的な生き物となっている。
何でも、京都を流れる鴨川(の上流域)に生息していることに加え、そこでは野生化したチュウゴクオオサンショウウオとの競合が問題になっていたりと、京都の水族館にはピッタリな存在のようだ。展示の内容も外来種問題を啓蒙するようなものになっていた。
IMG_2204.jpg
しかし、聞くところによると、当初の計画では、このオオサンショウウオコーナーはなかったとか。
反対派を納得させるための材料として、京都の水族館らしい展示が必要になり、そのために追加された展示内容だったらしい。
それにしてはものすごく立派で、ちゃんとした展示コーナーになっているし、それどころか、オオサンショウウオがぬいぐるみになってお土産になるなんて誰が思っただろうか?
まさに災い転じて… である。もしかすると、“転んでもタダでは起きない”だったのかも知れないけれど。

展示水槽にいる個体はどれも、それほど大きいものではないんだけど、それでも水槽の前には常に人だかりができ、岩陰に隠れたサンショウウオを必死に探している。
オオサンショウウオ自体は日本のあちこちの水族館で見られるが、こんなに注目を集めているのは、恐らくここだけだ(笑)

入り口近くの水槽では、日本のオオサンショウウオに加え、鴨川に居着いているというチュウゴクオオサンショウウオ、そしてそれらのハイブリッドの3匹が展示され、それぞれ比較することもできる。
IMG_2260.jpg
これはオレの好みなのか、個体差なのかは分からないけど、そのハイブリッド個体が一番可愛かったような…
でも、だからと言って、日本の川にいてもいい存在だとは思っていない。
中国産の個体がいるだけでも問題なのに、その両者のハイブリッドが誕生してしまっているなんて、実に由々しき事態である。
絶対にあり得ない話なんだけど、例えば、京都にいるチュウゴクオオサンショウウオを全部捕獲して、原産地の川に戻すことができたとしても、ハイブリッドは日本にも、中国にも居場所がない存在なのだ。
それがどの程度の数がいるのかは分からないけれど、健全な生態系を取り戻すためには、やはり、捕獲、処分していかなくていけないのだろう。
しかし、罪のないサンショウウオを処分するのはあまりに忍びない。それなら、それらに識別用のICチップを埋め込んで、飼いたい人に販売するとかすればいいのに、なんて言ってた人がいたことを思い出した。
いい案だと思う。例えば、1個体10万円程度で販売すれば、チップ代や捕獲にかかる経費も出るだろうし、保護や調査に回せる費用にもなるんじゃないか、なんて思うんだけど。
もっとも、10万出してオオサンショウウオを飼いたいマニアがどれだけいるかは? だけど。

思わずサンショウウオの話をたっぷりしてしまった次は、本当に魚類の話(笑)

京都水族館でオレがもっとも気になった魚は、大水槽にいたシロマダイだ。
IMG_2412.jpg
もちろん、そんな名前の魚がいるワケではなく、白いマダイだからシロマダイと勝手に呼んでるだけ(笑)

大水槽の前に行った時、マダイと思しき魚が目の前を横切っていったのだけど、色が真っ白。体色がぶっ飛んだ個体なのかと思ったけれど、それにしてはやけに白が綺麗だし、そんな白い個体が4匹(多分)もいる。
それによく見てみると、目(眼球)が黒くない。真っ赤ではないけれど、赤みがかった色。グッピーなどでは“ブドウ眼”なんて呼ばれてるような色だ。

恐らく、アルビノの個体なんだろうと思う。
マダイのように養殖が盛んな魚種なら、アルビノがいても何ら不思議はないし、養殖魚では、白変や黄変などの個体を積極的に生産しているところもあると聞く。そういう意味ではそれほど稀少なものでもないかも知れないけど、あの水槽の中でよく目立っていたし、オレ自身、見たのは初めてなのでここに紹介。
そう言えば、ひとつ前のブログの大水槽の写真の中にも映っていたから、何これ!? なんて思った人もいたかも知れない。


大水槽からもう1匹。あの水槽の主と言うべきメガネモチノウオ(ナポレオン)。
IMG_2268.jpg
オープン後1ヶ月くらい経ってから大水槽へとやってきたそうなのだけど、なかなか綺麗な個体だ。
大水槽でよく見られる魚だが、大抵は水槽の中をゆっくり泳いでいるか、中には着底してあまり動かないものや、隠れっぱなしのものなど、積極的に動き回るという印象はなかった。
しかし、京都水族館の個体ときたら、大水槽の中を休むことなくずっと泳ぎ続けている。それも結構なハイペースでだ。かなり積極的な個体のようだ。
その積極性は餌を食べる時にも垣間見られた。

ダイバーによる給餌時間の際も、ほとんど寄っていくことはなかったので、お腹空いてないのかな? なんて思ってその後も眺めていたら、ある瞬間、水面付近に群れる小魚たちに緊張が走るのが見てとれた。何? どうしたの? と思っていたら、水底付近からこのメガネモチノウオが水面に向かって突撃。マアジの1匹を捕食した。
こうやって捕食してるんだ!! と思うのと同時に、想像とは違った俊敏さ、捕食者としての一面など、これまで知らなかった部分を見られたことが、非常に強い印象となって残り、ここに登場させることに。
個体ごとの個性が強い魚でもあるから、じっくり観察していれば、普段は動かない個体でも、時にこうした瞬間を見せてくれるのかも知れない。


最後の1匹は、順路後半、山紫水明ゾーンにいたヤリタナゴ。
IMG_2489.jpg
山紫水明ゾーンにある水槽はどれも小さくて、中にいるのもこれまた小さな小魚ばかり。
基本、大型魚好きで、加えてコイ科魚類があまり好きではないオレからすると、“刺さる”魚がいない展示ゾーンとも言え、何となく眺めていた。
でも、水槽内は本物の水草で綺麗にレイアウトされ、以前のブログにも書いたように、まるで壁に貼られた絵画のようで、思わず目を引きつけられる。
そんな水槽の中にいたのがこのタナゴたち。本来、興味がない類の魚だったにも関わらず、その美しさに感動させられた。
もちろん、時期的に婚姻色を発していたこと、水槽正面にある窓から差し込む光が魚体に反射し、鮮やかさが一層強調されていたこともあるけれど、写真のヤリタナゴだけでなく、同じ水槽にいたシロヒレタビラ、アブラボテも凄く綺麗だった。
個人的には、アブラボテの実に微妙な色合いにより強く感動を憶えたのだけど、その色をストロボなし(京都水族館は一切ストロボの使用が禁止されている)で表現するのは無理。いや、それ以前にオレのウデでは無理だったかも知れないけれど、とにかく綺麗なタナゴたちだった。
紹介してるヤリタナゴもかなりのレベルの個体のようで、どこの水族館で見たものよりも綺麗だったし、水槽を眺めていたタナゴマニア? と思しき人の「この黒さが出せないんだよなぁ」というつぶやきからも、そのレベルの高さが窺えた。

山紫水明ゾーンに限らず、魚の水槽はどれも綺麗なので、ここで紹介した以外にも、お気に入りの1匹を探すのは難しくないと思う。
オレが行った時は、見られない水槽が多かったから、次に行った時には、また違った魚に遭遇できそうで、そんな意味でも次に期待なのであります!!
- | 次の10件 海/淡水・魚全般 ブログトップ