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福井県海浜自然センター 「ふしぎな水槽」餌やり体験 [水槽]

福井県自然海浜センターに入館するとすぐ、目の前にある「ふしぎな水槽」。
この施設では、もっとも大きい級の水槽である。
水槽側面のアクリルにはポケットが開いていて、水面よりずっと下にあるポケットから水が溢れないことで“ふしぎ”の名が付いた水槽だ。
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水槽上部が陰圧とされることで、見た目の水面よりも下にあるポケットから水が溢れない仕掛けだが、水族館巡らー的には“ここにもあるのね”くらいな感じだろうか?
とは言え、個人的にはいつも思う。こういう水槽(がある施設)で停電したら、盛大に水が溢れたりするんだろうなぁ…… って。

まぁ、それはいい。

こういうポケット付き水槽では、魚に触れたり、餌を与えたりできるのだけど、海浜自然センターでも餌やりができる。
水槽の中にはイシダイとかフグとかアナゴとか、強力な歯を持った魚が沢山入っているので、手を入れる気にはならないが(間違っても入れないようにね!!)、餌やりくらいはやっておこう。見学するのに1円も支払っていないのだからね。

餌やりをしたい旨を受付で伝えると、入り口の脇にある冷蔵ケースを案内された。
扉を開けると、ガチャガチャが入っていて、お金を入れて回すと餌の入ったカプセルが出てくる。
冷蔵庫の中にあるガチャガチャは日本でここだけだと受付のおばちゃんに自慢された。
日本で唯一の冷蔵ケース内のガチャガチャ機。

スゴイ!! ……のかなぁ!?

餌はわざわざ冷蔵庫に入れられてるくらいだからして当然、生もの。
カプセルには生のオキアミが入っていて、それと冷蔵ケースの脇に置いてある菜箸を手に、水槽ポケットへ。

餌がもらえることをよく知ってる魚たちが群がってくるが、ポケットを取り囲むのはメジナとイシダイ。
動きも素早く、とりわけイシダイは他の魚を追い散らしながら、ポケット前を独占しようとする。
水槽で餌やりを楽しむ子供たちは、集まってくるこれらの魚に食べさせるので、それなりに多くの餌にありつけている。
そんな様子を見ると、イシダイやメジナたち以外の魚に食べさせたくなってくる。
動きが素早く、かつ、周りの魚を蹴散らすように集まるイシダイをどうやって避けようか。

ポケットの位置を変えてみても、人の動きに合わせて勢いよく付いてくる。
う~ん、こいつは結構難敵だそ。
でも、よくよく観察していると、ポケットの前で陣取ってはいるが、中には入ってこない。
他の魚をポケットの中まで誘導できれば、イシダイに餌を取られずに与えられるかも知れない。
という訳で、箸でしっかりつまんで、ポケットの中でオキアミをゆらゆら揺すってみる。
イシダイたちは、それを奪取しようと、ポケット前でピクピクしてるが、中には入ってこない。入ってきたくない理由があるのか、入れないのかは分からないが、ここなら安全だ。

すると、カサゴが入ってきた。ポケットの大きさに対して、それなりに大きなサイズだが、そこに入ってきて、オキアミをぱくりとやる。
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最初はイシダイから餌を守れたことに満足したが、次々にポケット内に入ってくるカサゴもポケット内を独占してることではイシダイと変わらない。
次はイシダイ、メジナ、カサゴ以外に与えてみよう!!

他のポケットで子供たちが餌やりを始めると、イシダイが一瞬いなくなるので、その隙にポケットの近くにいるメバルに与えてみる。
メバルはすぐに近寄ってくるが、ポケットには入ってこないし、動きが早くない。目の前で餌を放っても、イシダイに奪われてしまうこともあった。
お次はキハッソク。こいつは全然ダメ。餌に近寄っては来るが、目の前に放っても直線的にじわっと動くので、イシダイやメジナの機動力の前には太刀打ちできない。この水槽で餌にありつけているのだろうか?
イシダイがいない隙にタカノハダイがポケットに顔を突っ込んできたので餌を与えるが、イシダイが戻ってくると追い散らされてしまう。
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仕方ない。再び、ポケット内で餌をゆらゆら。
またカサゴが集まってきた… と思ったら、そこにドチザメ幼魚が突っ込んできた。
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ドチザメ、しかも小さな幼魚にも関わらず、周りの魚はお構いなし。猛烈な勢いでカサゴたちを押しのけ、ポケットから出てくるんじゃないかくらいの勢いで餌をねだりに来る。
という訳で、ドチザメはやってきてさえくれれば、他の魚に取られることなく食べさせられる。

ポケットを移動し、餌をゆらゆらしてると、今度はアオハタが入ってきた。
ポケットには頭しか入らないような、やや大きめの個体。
餌を目の前に落とすと、食べない。口を開けるので、そこに入れても、ペッと吐き出してしまう。
もうお分かりだろう。アオハタが用があったのは、オキアミではなく箸だということを。
求められれば応えなくては仕方がない。小笠原水産センターで身に着けたスキル? で、アオハタの口内&顔周辺をマッサージ。
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アオハタのハートをガッチリキャッチ!! こやつは餌よりこちらが好きらしい。
やり始めると、ずっとそこでうっとりしちゃうので、適当なところで切り上げたが、うまくできれば1日中これをやってられると思う。

投げ入れるのに比べると、箸を介してだけど、魚と直接やり取りがあるし、特定の魚に与えようとすれば、それぞれの動きをじっくり観察する必要もある。
そして、餌を前にした魚たちの、種類ごとの個性みたいなものが見えやすいようにも思うし、ハタのマッサージもできる。
この水槽の餌やり、なかなか楽しいです!!
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Kazu

餌やりチャレンジとても楽しそうですね。昔ながら?の水族館ならでは、でしょうか。最近は、川崎の新水族館、スマスイのリニューアルなどが話題になります(総合アミューズメント施設になりそうな)が、個人的には、昔ながらの博物館的な水族館も残ってもらえればと願うところです。
by Kazu (2019-12-16 12:50) 

ミストラル

>kazuさん

来年の新規オープンやリニューアルラッシュは凄まじいですね。
旧い水族館はすべて刷新されてしまいそうな勢いに、ちょっと恐ろしくすら感じます。
by ミストラル (2019-12-19 20:19) 

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