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油壺マリンパークでダイオウイカに遭遇 [無セキツイ]

少し(かなり?)前の話だけれど、油壺マリンパークにオオメジロザメのメスが搬入された。
知っているスタッフ氏と顔を合わせた時、それについて聞いてみたら「ヤジブカも来たんですよ」と教えてもらった。
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見に行かなきゃ!! と思っている間に世間は夏休みシーズンに突入。結局、見に行くことができたのは9月も半ばになってから(汗)

目的のサメの水槽に向かうと、その周辺にはTVの取材と思しき人たちが陣取っていた。
それもひと組みだけではなく、複数のチームがいたようだ。
目的はダイオウイカの標本らしく、その前で小さな子供などに「今日はダイオウイカを見に来たの?」みたいなインタビューをしていた。
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頭を上に固定しているのは、窪寺博士のこだわり? らしい。

オレはというと、ダイオウイカの標本は今までも何度か見たことがあったし、それに比べると随分小さかったので、そちらに背を向けるようにして、ヤジブカに夢中になっていた。
それもオレがモノを知らなさすぎるが故の行動だったことが後で判明するのだけど、そんな時、オレにそれらのサメのことを教えてくれた知り合いのスタッフ氏に遭遇した。

イカの標本を指さして「今日はこれですか?」
「いや、サメを… 」と間抜けな答えをするオレに、
「今日からですよ!!」と、そのスタッフ氏。
狙ったワケではないけれど、図らずもダイオウイカの標本の公開日に当たってしまった。
しかも「2時から窪寺先生の講演もありますから、聞いてってください」と、とっておきの情報まで。
窪寺先生とは、ダイオウイカの研究で一躍、時の人となった科学博物館所属の博士である。
昨年、NHKで放送されたダイオウイカの生体映像は世界的な話題となったが、その映像を撮影した潜水艇に乗り、生きたダイオウイカを観察したその人、である。

正直言うと、オレはダイオウイカにはそれほど興味もない。
それがどんなに貴重なものだとしても、標本や剥製には今ひとつありがたみを感じにくい。
オレは生き物好きだから、見たいのは、“生きた姿”なのだ。
ダイオウイカを始めと、深海生物に対する興味が薄いのは、生きた姿が見られないから、というのもあると思う。

しかし、その研究の第一人者が聞かせてくれる話には、大いに興味があった。
オレが知らないことを山ほど知っていて、そしてオレがしたことがない、できない経験を数多くしてきた人である。そんな人が話す話がつまらないワケがないのだ。
しかも、今では超人気で超多忙なはずの人。聞きたいと思っても簡単に聞くことはできないだろう。そんな人の話を、入館料のみで聞けちゃうというのだから、油壺マリンパークの太っ腹ぶりにひたすら感謝、である。
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話の内容は、窪寺博士がこれまで調査してきた、種同定の話がメイン。
見つかった体の破片から、何種類も記載されてきたダイオウイカ。全部同じ種類であるという論文もある中で、果たして1種類なのか、それとも何種類もあるのか、ということを長らく調査してきたのだそうだ。
その調査内容、方法等が聞かせてもらえたのだけど、大変興味深い内容で、講演が始まって10分もしない内に、オレはすっかり話に引き込まれてた。
窪寺博士の話は、一般の人に向けて、適度に軽く、そして情熱的で、いくらでも聞いていたい… そんな聞き心地のよさ、なんて言っては失礼だが、それがあったように感じた。

小さい子の多さにも驚いた。
幼稚園くらいから、小学生くらいだろうか。とにかく小さな子が多くいた。
それも何となく参加したワケではないようで、どの子も一様にダイオウイカの本を携え、質問を募れば「触腕が~」なんて、質問する子。
オジサンはキミくらいの年齢の頃、触腕なんて言葉、知らなかったぞ!!
講演が終了すれば、窪寺博士の周りをそうした子たちが取り囲み、記念撮影やサイン責め。
ダイオウイカ博士は、今や少年少女のアイドルだったらしい(笑)

ダイオウイカは繁殖生体がまったく分かっていないそうだ。
これまで幼体が見つかったことが1度もないから。
オレが“小さい”を理由に驚かなかった油壺の標本は、むしろ、小さいからこそ驚くべきものだったのだ。
こんなに小さいものは珍しいらしく、また、解剖では墨袋が大きく、捕獲時には墨を吐いたことも報告されている。
つまり、若い個体は墨を吐く意味のある場所、光の影響がある浅い場所に住んでいる可能性があるということ。
ダイオウイカの生態が解明されるきっかけになるかも知れない、貴重な1匹、だったのだ!!

確かに、“深海の巨大イカ”という雰囲気ではないけれど、逆のこのサイズ(小さい)ものは超稀少。そういう意味では、とても貴重な、価値ある標本と言える。
ダイオウイカ好きはもちろん、窪寺博士の後に続く、未来の頭足類博士は、見て、知っておくべき1体じゃないかな?

それにしても、偶然、こんな機会に遭遇するオレの水族館運のよさ、凄いね!!
それと同時に、図らずもこんな機会をオレにプレゼントしてくれた油壺マリンパークには、ひたすら感謝。
というワケで、サメの話は次回に続きます。
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