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相模川ふれあい科学館 アクアリウムさがみはらの気になる魚 [淡水魚]

相模川ふれあい科学館は、その名の通り、相模川をテーマにした水族館である。
特定の河川をテーマにした淡水水族館は各地にあるが、相模川は人口密集地を流れるごくごく一般的な関東の河川である。
そのため、四万十川のアカメとか、北海道のイトウ、琵琶湖のビワコオオナマズなどのような特別なものはおらず、科学館の水槽を泳ぐものにも、驚くような珍品はいない。

しかし、14種類がいるタナゴは別。
これらのタナゴのほとんどは相模川には生息していないのだけど、このコレクションはリニューアル前から存在した科学館ご自慢? の展示だ。
タナゴは婚姻色の時期になると、素晴らしい美しさを見せてくれるが、そろそろその時期に入ろうかという頃。中には美しい姿を見せてくれているものもチラホラと。

そんな中で、もっとも印象的だったのが、相模川にも生息している? ヤリタナゴだ。
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館内の水槽でも展示されているけれど、それよりも屋外の池にいるものが凄い!!
強い太陽の光で照らされているのもあるけれど、アクリル面を通りがかると、遠目に見てもその綺麗さに驚かされるほど。
凄く綺麗なのだけど、その微妙な色合いが写真では表現できないのか、本物はもっと綺麗なのだけど…
これは是非、実物を見てみて欲しいな。

傾向として大型魚を好むオレにとって、タナゴ類は馴染みが薄く、あまり知らないグループだ。
婚姻色が綺麗であることは知っていても、どの種類がどんな色を発色するかまでは知らない。それも手伝って、アクアリウムさがみはらのタナゴコレクションは、オレに新鮮な驚きを次々と与えてくれた。
前述したヤリタナゴの綺麗さも驚きだったけれど、館内のカゼトゲタナゴの綺麗さにも驚いた。
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そもそも、カゼトゲタナゴなんて、名前を何となく知ってる程度の認識の魚だったからなおさら。
タナゴの中でも小さな種類なのに、頑張って写真に収めたくなる1匹だった。

多くの日本人にとってタナゴと言えば、イメージされるのは残念ながら外来種のタイリクバラタナゴなのだろうと思う。
それによって絶滅の危機に瀕しているのがニッポンバラタナゴ。
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喰われるとか、競合するとかではなく、亜種関係にあるため普通に交雑し、純粋なニッポンバラタナゴは消滅しかかっているらしい。
その“危機”については、知識として知っていても、あまりに馴染みのない小魚の話というと、現実的に捉えることは難しい。
ニッポンバラタナゴに限らず、タナゴ類の保護、保全は難問があまりにも多いけれど、それが目の前にいて、綺麗な姿を見せてくれると、こんな魚を無くしちゃいけない!! みたいな気分にさせられる。
純粋なニッポンバラタナゴは今や稀少な存在なので、そういう意味でも、価値ある展示と言えるかも。

そんな日本の淡水魚の問題のひとつでもある国内移入種。
外来種ばかりが注目されるが、場合によってはもっと深刻かも知れない。
そんな国内移入種の現状は、流れのアクアリウムでも見ることができた。
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オイカワやウグイに混じって、ハスがいたこと。
何でハスがいるの? と驚いたが、周りの水槽を見れば、ワタカやらヒガイなどもいる。
本来、琵琶湖の魚であるはずのそれらの魚も、今や関東でも珍しいものではないらしい。
いずれも日本産の魚なので、外来種のように注目されることはないが、かつては相模川にはいなかった魚たちだ。
ハスもワタカも、個人的には好きな魚だが、何だか複雑な気分。

琵琶湖水系産の魚が全国に広まったのは、全国の河川に放流されている琵琶湖産のアユにそれらが混じっているから、とされているけれど、相模川で琵琶湖産のアユを釣るのも、健全な話とは言えないよね。
オレが行った時の相模川ふれあい科学館では、アユ展が開催されていた。
もちろん、展示内容はそんなシリアスなものばかりではなく、生体もいくつか。
その中に珍しい青アユが。
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青アユとは、突然変異で脳下垂体中葉がない状態で生まれたもので、体色が黒くなるためのホルモンを分泌しないため、水色の体色をしている。
一般的には? コバルト個体と呼ばれ、アユに限らず、ニジマスなどでも見られるが、数万匹に1匹程度の割合で生まれてくるため、かなり珍しいものであるのは間違いない。
脳下垂体中葉がないことで、成熟できず繁殖能力がない反面、通常のアユよりもずっと長命なようなので、アユ展が終了した後も見られるかも?

もちろん、企画展の展示のひとつである以上、企画展の終了と同時に展示終了となる可能性も高い訳で、気になる人はアユ展が開催されている5月11日までに足を運んだ方がいいだろう。
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コメント 2

「相模川ふれあい科学館 アクアリウムさがみはら」広報担当

再度のご掲載、感謝いたします。
タナゴの美しさをすばらしい写真とともにご紹介いただき、感激です。

勝手で恐縮ですが、幣施設の公式facebookにて、ご紹介させていただきました。
サイトのトップページでもご覧いただけますので、お時間がございましたらぜひお越しください。

今後とも、宜しくお願い申し上げます。
by 「相模川ふれあい科学館 アクアリウムさがみはら」広報担当 (2014-05-01 08:44) 

ミストラル

>相模川ふれあい科学館 アクアリウムさがみはら 広報ご担当さま

こちらこそ、公式FBでご紹介いただきまして、ありがとうございました。

時期がよかったこともあり、タナゴの綺麗な姿が見られたのですが、
それを多くの人に見て欲しいと思い、紹介させてもらいました。

撮影も含め、いろいろと楽しませていただきました。
こちらこそ、今後ともよろしくお願いいたします。
by ミストラル (2014-05-02 22:34) 

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