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東山動物園 世界のメダカ館の気になる魚 [淡水魚]

メダカ館の気になる魚…
少しの日本産淡水魚を除くと、メダカと膨大なカダヤシがいる施設であるからして、気になる魚も当然、メダカとカダヤシということになる。
メダカ(Oryzias属)の魚については、以前、メダカの本の執筆に携わったこともあるため、名前と姿形くらいは知っている。とは言え、初めて見る種類も多かったけれど…

メダカ館なのだから、気になる魚もやっぱりメダカであるべきだろう!!
その充実ぶりに驚いたというのは、ひとつ前のブログにも書いた通りだが、とりわけスラウェシ島産のものの充実ぶりにはひたすら驚きだった。
中でも、エバースメダカ(Oryzias eversi)は、とてつもない存在なんだろうと思う。
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2012年に新種記載されたばかりという新しい種類で、見たのはもちろん、存在を知ったのも初めて。
“コモリメダカ”と呼ばれることもあるO.saracinorumと同じく、腹ビレで抱卵する習性の持ち主だそうで、体型もどことなくサラキノルムを彷彿とさせるやや細長いもの。
インターネットでざっと検索してみた程度では、観賞魚としては流通していない模様。
とりあえず、かなり珍しいものであることは間違いないようだ。
インドネシアのスラウェシ島には、メダカの仲間が多く生息しているが、このエヴァーシィみたいに、知られていないメダカはまだいるのだろうね。

メダカ館なのだから、メダカで… なんて書いたけれど、ここからはカダヤシ。
メダカの仲間は色や形に若干の差はあれど、結局どれも“メダカ”なのに対し、カダヤシは形や色、生態が千差万別。その多様性とバリエーションの幅広さは、この類に特別な興味のないオレみたいな者にとっては、やはりより面白く感じるものだ。

そんな中で、オレが知ってた数少ないもののひとつが、ランプリクティス・タンガニカヌス
(Lamprichthys tanganicanus)。
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タンガニイカ湖産のカダヤシ類の1種で、カダヤシ類としてはもっとも大きくなるもののひとつ。
余所の水族館でも時々見掛けることがあるけれど、脇役的な扱いであることが多く、それに目がいくことは少ない種類だ。
しかし、ここでは本種だけの水槽が与えられるVIP? 待遇で、個体数も多い。
そのためか、どの個体もデカイ!! 色も綺麗。
カダヤシ類としては、比較的知名度のある種類だと思うのだけど、この手の魚を専門に展示している水族館だけに、やっぱりどこで見たものよりも大きくて綺麗。流石である。

メダカ館で展示されている魚の大半は、余所の水族館では見掛けないものばかりなのだけど、かつて“アフリカの卵目”と呼ばれていたグループもそのひとつ。
どれも強烈に鮮やかな体色を持っているものの、飼育、繁殖に特別な手間が必要なため、観賞魚趣味の世界でも特殊な存在となっているグループだ。
その小ささからか、はたまた寿命の短さからか、水族館で見たことはなかったけれど、ここにはそれも沢山いた。

中でもオレが気に入ったのが、フンデュロパンチャックス・シェステディ(Fundulopanchax sjostedti)。
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展示名は旧学名であるアフィオセミオン・シェステディのままとされていた。
それはともかく、小さなものが多いこの手の仲間の中にあって、10㎝を超えるサイズにまず驚き。
流石にそれだけの大きさがあると、そのド派手な体色も手伝って、非常に見応えがする。同属の他種と比べても、圧倒的な存在感にすっかりお気に入りの1匹となった。
的が大きい分、いくらか写真が撮りやすかったのもお気に入りの理由なのかも!?(笑)

体色の鮮やかさと、それを積極的にアピールしてきてくれたことで、印象に残ったのがアフィオセミオン・ボルカヌム(Aphyosemion volcanum)だ。
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小さな体ながら、各ヒレを目一杯に広げてアピールする様は、文句なく綺麗。
この仲間では、もっとも綺麗だと思っていた種類が別にいたのだけど、実物を見比べると、それよりもこちらの綺麗さが圧倒的。
水槽の前にいても隠れてしまうことが少なく、ヒレを広げた姿を何度も見せてくれたこともあるかも知れないけど、自分の知らない魚の、それも圧倒的な綺麗さを見せつけられると、何だかちょっと得したような気分になれる。
そんな気分にしてくれた1匹だった。

最後の1匹も、オレを驚かせた綺麗さの持ち主の、スクリプトアフィオセミオン・グィグナルディ(Scriptaphyosemion guignardi)。
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展示名は旧学名のロロフィア・グィグナルディ。
前出のF.シェステディとか、A.ボルカヌムみたいな派手さはない(十分派手か!?)ものの、内から滲み出てくるような強烈なメタリックブルーが凄い。
前出の2匹みたいな、強烈アピールはなく、水底でジッとしていることが多かったのも、あまり派手さを感じなかった理由かも知れないけれど、色合い的には一番好みな1匹だった。

見学していた他のお客からもそんな声が聞こえていたけれど、メダカ館にいる魚の名前はどれも少々ややこしい。
ほとんどが外国産で和名がなく、展示名はすべて学名のカタカナ表記とされているためだが、カダヤシ類はとりわけ長ったらしい名前が付いてる。
そんな名前が書かれた魚名板をしっかり声に出して読めば、滑舌のトレーニングもできるかも!?
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コメント 2

タカ

こんばんは。

すごいマニアックな水族館ですね。これはメダカ好きには堪えられないと思います!
カダヤシの仲間ってグッピーやソードテールと馴染みがあるのが多いですね。
自分的には絶滅したチチカカオレスティアを見たいてす。今でもチチカカ湖に生き残ってて欲しいです。
古代魚好きな私ですがメダカの水族館には思わす食い付いてしまいました(笑)
by タカ (2014-03-10 18:14) 

ミストラル

>タカさん

こんばんは。

昔からガーとかピラルクーとか、大型ナマズなどが興味の対象だったので、グッピーとかは飼ったこともないんです。
メダカは愛でるものというより、稚魚用の餌、というイメージですし。

そんなオレなのですが、ここは楽しかったです。
恐らく、タカさんも楽しめると思います。
普通の人にはちょっとハードルの高い水族館ではないかと思うのですが、マニア道を突き進んできた人にとっては、新鮮な驚きと面白さが味わえるのではないかと思います。
名古屋ですが、機会があれば是非!!
by ミストラル (2014-03-11 22:53) 

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