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和歌山県立自然博物館(和歌山) [水族館インプレッション]

紀伊半島遠征最終日の目的地は、海南市にある和歌山県立自然博物館だ。
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博物館を名乗る施設と言うこともあり、水中の生き物だけでなく、化石や鉱物、昆虫や植物の標本なども展示されているが、展示の中心は水槽を泳ぐ水の中の生き物たち。館内の大半は水族館的な展示となっており、博物館の名に反して? 立派に水族館だ。
和歌山市からもほど近いため、その周辺に住まう人にとっては馴染み深い水族館となっているようだ。ただし、同じ和歌山県内とは言え、串本からは電車で約3時間かかったけれど…

比較的長い歴史を持つ施設だが、規模はさほど大きくなく、加えて、博物館の名前から、失礼ながらさほど期待していなかったのだけど、実際に行ってみると想像以上に内容の濃い水族館で、予想以上に楽しませてもらうことができた。

まず、入館してすぐに登場する大水槽に驚かされる。
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容量は450tと、今日び驚くほどの大きさではない… はずなのに、そびえるような大きな観覧面と、頭上高くに見える水面のお陰か、数字以上の大きさを感じられる。
行ったことのある人から“大きくて驚く”と聞いてはいたものの、想像していたよりもはるかに大きくて(そう見えることに)驚いた。

中を泳ぐのは大型ヒラアジ類と、サメ、エイ。つまり、オレ好みな水槽ということ。
目立っていたのは大きなホシエイと、ロウニンアジの群れだったけれど、サメはツマグロの他に、小さいけれどドタブカなんかもいて、和歌山遠征では見る機会の少なかった“泳ぎ続けるサメらしい形のサメ”に会うことができる。
水槽前は広いホール状になっていて、ソファーやベンチが並んでいる。
水のある空間でゆったりできるというワケだ。
館内をウロウロして少し疲れると、この水槽の前にやってきて、魚たちを眺めながらひと息。目の前の光景が素敵なものだから、ひと息がついつい長くなってしまいがちだった(笑)

そこから先は、大小様々な水槽が並び、魚類と無脊椎がこれまたたっぷりと並んでいる。
この水族館のテーマは“和歌山”。展示されている生き物はすべて和歌山に生息しているものに限られている。しかし、その中には記録はあるが滅多に見られない種類や、外来種なんかも含まれる。和歌山で捕獲された記録があれば展示の対象となるそうなので、例えば、県内のどこかのため池に遺棄されていたアリゲーターガーやワニガメなんかも展示されていたりする。
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ただし、それらの“招かれざる客”は、必ずしも魅力的な展示にはなっていなくて、それを眺めていると、複雑な気分になってくる。
本来いるはずのない外来種は、それが持ち込まれる博物館にとっても迷惑な存在なはずで、水槽からもそれが何となく伝わってきてしまうのが残念だった。

白浜周辺の魚などを中心に展示を行っていた白浜水族館、串本の海を紹介していた串本海中公園とは同じ和歌山ということもあり、展示生物が多く重なっている。そのせいなのか、3館にはどこか通じるような雰囲気がある。
しかし、前述の2館とは違い、ここの展示対象は和歌山全体。そのため、展示される生物はより幅広く、田んぼなど身近な陸水から、深海にまで及んでいる。
展示生物の大きさに合わせたような? 小さな水槽が沢山並んだコーナーには、カニやエビ、ウニやヒトデなどの無脊椎動物が圧倒的な数で並ぶ。それらの多さも他の2館と通じるが、南北に長い和歌山は全般的に温暖で、環境も多様なのだろう。とにかく無脊椎の種類の多さは凄い。
それらをひとつずつ見ていくだけでも、かなりのボリュームだ。
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それらのほとんどを知らないオレとしては今ひとつありがたがれないのが何とも残念だが、それを目当てに足を運んでも満足できるんじゃないかと思う。
しかし、このコーナーにいる生き物のほとんどはまったく動かないか、隠れてしまっているかのどちらか。飼育も難しいものが多いらしく、展示担当泣かせなものが多いのだとか。

魚類の数も多い。
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水槽の数はそれほど多くはないけれど、ひとつの水槽の中にいる種類数が多く、水族館を何周もして、同じ水槽を何度も見ているのに、見る度に違う魚を見つけてしまうような水槽もあったりして、魚好きならここでも思った以上に楽しめる。
また、博物館ということもあってなのか、魚名板がかなり充実していて、水槽を泳ぐ魚はしっかり網羅されているので、いろいろな魚が見たいという人はかなり満足できるはずだ。

和歌山の水族館はどこも個性的で魅力的だが、いずれも遠くて、いろいろな意味で簡単に行けないのが残念なところ。
しかし、そんな和歌山の水族館の中にあっては、もっとも行きやすいのがここではないかと思うのだ。
和歌山市内からは30~40分ほどで来られるし、関空からでも1時間半ほど、大阪からのアクセスも悪くはない。
串本や白浜まで行けるなら、それに越したことはないけれど、そこまで行くのは大変だという人には、この水族館をオススメしたい。
和歌山ならではの多様な環境に住まう魚だけでなく、黒潮が育むサンゴや数々の無脊椎動物、小さな子供にも馴染み深い身近な生き物から、1mを超える大型魚が泳ぐ大水槽まで揃っていて、和歌山の海の豊かさに驚くには十分な内容だからだ。
それで入館料は460円と格安なのだから、近くだったら、間違いなく通いたくなる、そんな水族館だった。
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