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串本海中公園の気になる魚 [海の魚]

串本海中公園の水族館では、サンゴが育つほどの良質で新鮮な天然海水がふんだんに使え、かつ、水槽内にも太陽光が降り注ぐため、魚たちもとても綺麗な色、形をしている。
とりわけ、サンゴの水槽に泳いでいるものは、どれも綺麗で驚けるほどのものに仕上がっている。
サンゴの水槽だと分かっていても、沢山いる魚たちについつい目を奪われてしまうのだ。

そんな中で、水槽の前に立った瞬間にオレの目を引きつけたのがカマスベラ。
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初めて見ることもあるけれど、何よりそのベラ離れした姿形、そして色に惹きつけられた。
ベラと言えば、せわしないトリッキーな泳ぎ方で、写真を撮ろうとするとイライラさせられることが多いのだけど、このカマスベラときたら、実に堂々としていて泳ぎもゆっくり。
カメラを向けるとポーズを取ってくれるかのように、泳ぎのスピードを緩めてくれる。
写真を撮る分には、ベラとは思えないほど。それだけでも好きになってしまいそうなんだけど、やはりその姿形は印象的で、水槽の前にいるオレの前を通過する度、カメラのシャッターを切っていた。
こんな姿形をしているのに、魚食に特化した種類というワケではないらしい。
種類数の多いベラだが、その多様性にはまったく驚かされるばかりだ。


同じ水槽にはカマスベラの他にも多くのベラが泳いでいて、そのいずれもがとても美しい体色をしていることから、目移りしてしまうのだけど、その中でも特に派手さが強烈だったのがリュウグウベラだ。
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ベラらしい強烈な色合いもさることながら、体の上に載せて並べたみたいな発色が印象的だった。
この色で、体も結構大きく、よく目立つ位置を泳ぐものだから、とにかく目を引く。
それでいて、泳ぎ方もベラらしくないというか、その色合いを見せつけるかのように堂々と泳いでいたのも好印象。もっともそれは、この個体だけの話かも知れないけれど…
いずれにせよ、串本海中公園はベラ好きにはかなりたまらない水族館のはずだ。


サンゴが主役の個水槽にも脇役として魚が入っていて、それがまた印象的だったりすることが度々あった。
何この魚!! とその綺麗さで驚いても、脇役だから魚名板も出てなかったりするんだけど、そんな印象的な脇役の1匹だったのがタキゲンロクダイだ。
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タキゲンロクダイというと、個人的にはハシナガチョウチョウウオの地味なヤツ、みたいなイメージを持っていたんだけど、ここにいたものは、まず大きくて、色柄がものすごくハッキリしている。濃茶のバンド模様も凄く綺麗なのだけど、そこからスプレーで噴いたみたいな、黄色に変化していくグラデーションがすごく綺麗で、“こんなに綺麗で見栄えのする魚だったのか!!”と、今まで抱いていたイメージもすっかり払拭。
今までショボイ魚だと思っていてゴメンナサイ!! って感じだった。
でも、この写真だと、その驚きの美しさも今ひとつ伝わらないような気がするので、是非、串本まで見に行って見て欲しい。きっと驚くから。


ここまではサンゴの水槽にいた脇役たちだが、魚の水槽からもいくつか。
串本海中公園の魚類展示水槽は、白浜水族館と同様、ベラの仲間とか、スズメダイの仲間など、近いグループごとにひとまとめになっていたんだけど、その中で目を引いたのがイシモチ(テンジクダイ)の水槽にいたリュウキュウヤライイシモチ。
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赤い色が綺麗で、それに引き寄せられるように水槽に近づいていくと、口からは牙が覗く、なかなかの強面。
同じ水槽には近縁の魚たちが一緒に入っていたのだけど、それらはどれも、このリュウキュウヤライイシモチよりは小さく、仲には1/3ほどしかないものもいて、喰われないの? と心配になるくらい。

ちなみに、名前にリュウキュウ(琉球)とついているけれど、沖縄の魚というワケではなく、串本はもちろん、太平洋沿岸域に広く分布している種類で、千葉なんかでも見られるらしい。


最後の1匹は、トンネル水槽からオトメエイを紹介したい。
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オトメエイと言っても、ヒョウモンとかオグロなど形容詞が付かないHimantura gerrardiのこと。
オレが見るのは、多分、初めてのはず。

水族館の大水槽で見られるエイ(アカエイ型の種類)と言えば、ホシエイと相場が決まっている。それにアカエイ、ウシエイ、マダラエイなんかが続く感じだろうか。
ここの大水槽にも大きなホシエイがいたけれど、どこにでもいるありふれた種類だから、積極的に写真を撮ることもしないし、それほど真剣に見ることもなかったりする。
だから、トンネルで魚たちを眺めていた時も、目の前を泳いでいった黒っぽい色のエイも、ホシエイだと思って見過ごす所だった。
ちょっとした違和感があったから、もう1回目の前にきた時にあらためて見てみたら、明らかに違う種類。
オグロオトメエイ? なんて思いながら、魚名板を差がしてみたら、オトメエイとあった。
体型とか目つきは典型的なHimantura属のそれ。
1匹しかいなかったけれど、水族館の魚はやはりしっかり見なくちゃなぁ、と思わされた。
暗いトンネル水槽で、黒い魚。写真を撮るのもキビシイ1匹でありました…

串本海中公園で見られる魚は、全体的に南方系な印象なのだけど、沖縄ほど色鮮やかではなくて、馴染み深い日本の沿岸な感じもある。
でも、その見慣れた沿岸魚が、驚くほど綺麗だったり、やっぱり串本の海って凄い!! っていうことなんだろうなぁ。
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