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さいたま水族館の気になる魚 中国四大家魚の話 [淡水魚]

さいたま水族館は荒川をテーマに、その流域に住まう魚をメインに展示を行っている水族館だ。
だが実際には、荒川よりも利根川が近くに流れており、水族館のある羽生は利根川で繁殖が確認されているハクレンの繁殖行動が見られる場所でもある。
そんなこともあり、個人的にはずっと、利根川の水族館かと思っていたほどだ。

でも、利根川の水族館だと考えると、納得いく部分もある。
例えば、館内の水槽、館外の池にそれぞれいる、中国四大家魚の存在だ。
中国四大家魚とは、ソウギョ、アオウオ、ハクレン、コクレンのこと。
中国では食用に家畜のように家の池で飼うことがあったそうだが、それぞれ食性が異なることから、餌を与えることなく畜養できるものとされていたらしい。

池の周辺の草を刈り、それを池に入れておけば、それをソウギョが食べ、その糞で植物プランクトンが発生する。それをハクレンが食べると同時に、植物プランクトンを食べる動物プランクトンの発生により、それを食べるコクレンも飼える。
さらに、池にコケなどが生えれば、それを食べるタニシなどの貝類が増え、それを食べるアオウオも飼える、といった具合だ。

それらの魚は、明治時代以降~戦中にかけて、食用目的で大量に輸入され、各地に放流されたが、定着したのは利根川などごく一部の河川のみ。
それ故、利根川と言えば、これら中国原産の大型魚、というイメージが強いのだ。
移入された割合は、ハクレンが90%、ソウギョが10%で、アオウオ、コクレンは1%にも満たなかったらしい。

さいたま水族館では、これらすべてを見ることができる。

まずはアオウオ。
IMG_7710.jpg
外の池に巨大なものが数多く泳いでいる他、館内の水槽にもちゃんといる。
水底の貝類などを食しており、口はやや下向き。しかし、外の池にいるものは完全に餌付けされており、以前のブログに書いた通り、水面から顔を突き出すようにしてお客から餌をもらおうとする。
個人で飼っている人の話では、アオウオは用心深く、コイのように慣れることはなく、浮いた餌を食べない、なんて話を聞いたのがちょっと意外だったほどだ。
さいたま水族館から帰った後、馴染みの観賞魚店で「アオウオ欲しい!!」なんて話していたら、最近は流通がなく、手に入らない魚になっているらしい。
コイの愛好家でも、欲しがっている人がかなり多いようだ。池にあんなのがいたらカッコいいもんね!!

お次はソウギョ。
IMG_7712.jpg
埼玉県では天然繁殖だけでなく、種苗養殖も行っているらしく、アルビノも固定されている。水族館にもアルビノソウギョが数多くおり、外の池ではよく目立っていた。
上から見るとアオウオに似ているように思うが、より頭が丸く、アオウオほどカッコよくない(←オレ主観)。
除草目的で、ゴルフ場の池に放すのが人気とかで、意外とニーズは高いらしい。


前にも書いたが、羽生と言えばハクレンである。
IMG_7713.jpg
繁殖の時期になると、増水した川の中でジャンプを繰り返し、実際にそれを見ると、かなり見応えがあるらしい。
というワケで、羽生にある水族館には、是非ともいて欲しい魚ではあるんだけど、水槽にいるものを見ると、正直、気持ち悪い。
眼がかなり下の方についているのがハクレン、コクレンに共通する特徴だが、もちろんそんなことはよく知っているのだけど、その違和感が拭い去れず…

外の池でも、あまり大きくはなかったけれど、その姿を見つけた。
顔の目の前に餌を投げてみたのだけど、浮いた餌を食べないのか、反応がなかった。
何を与えているんだろうか? 本当に水中の植物プランクトンだけで飼えるのかなぁ!?

最後はコクレン。
IMG_7708.jpg
アオウオと並び、数少ないレア魚。
水槽では何匹か展示されていたが、このサイズのもの自体、珍しいはずである。
小さい個体が時々、観賞魚として流通するけれど、なかなか大きくならないらしい。

それにしても、気持ちが悪い(笑)
ハクレン同様、下過ぎる目の位置の違和感に加え、下唇がやけに突き出していて、その顔つきの気持ち悪さは、ハクレンが可愛く見えたほど。
好きになれば、この顔つきがきっと何よりの魅力になるんだろうけど…
口が大きく、どことなくメコン川の巨鯉、パーカーホを彷彿とさせる。そういえば、あの魚もプランクトンフィーダーだったっけな!?
ハクレンも含め、この手の魚には何をどのくらい与えているのか、ちょっと聞いてみたいところだ。と言っても、自分では絶対に飼わないけどね。

川では圧倒的に数が少ないはずなのに、水槽内ではハクレンよりも数が多く、その水槽の主役となっていた。やはり珍しいから!?

利根川でしか繁殖が見られないせいもあるだろうが、他の淡水魚の水族館ではこれらがこれだけ揃っている所はなく、これら中国四大家魚を見るなら、さいたま水族館は国内最高峰の施設と言っていいだろう。
アオウオやソウギョとは、ふれあいや餌やりも楽しめるしね。
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