あわしまマリンパーク 天然水族館

もちろん、そんな名前の水族館や水槽があるワケじゃないよ!!

約2週間前に、あわしまマリンパークにジンベエザメを見に行った時の話。
あわしまマリンパークはその名の通り、淡島という島にあって、そこに行くには船に乗る必要があるんだけど、それがこの水族館のひとつのアトラクションになっている。
入場チケットを買い、船乗り場に行くと、海の中に様々な魚が見える。
そう、あわしまマリンパークで魚と言えば、水族館の水槽の中だけでなく、周辺の海にいるものも楽しめるのだ。
館内の大水槽には、それらの魚が展示されているが、海の中を泳ぐものを、後から「これが泳いでいたんだ!!」と、確認することができるのもここならではの楽しみ方だ。

オレが行った日は、園内スタッフ氏をして「今日は最近では一番の透明度ですよ」と言うほど、海は澄み切っていて、目的のジンベエザメがよく見えただけでなく、海の中を泳ぐ魚たちも実によく見えた。

最初に目に付くのは、ソラスズメ。

伊豆あたりじゃよく見掛ける魚なんだけど、上から見ても青い体色は綺麗でよく目立つ。
それが淡島周辺では大量に群れているから、その綺麗さに思わず声を上げてしまうほど。
ソラスズメ以外にも、スズメダイ、小さめのマアジなんかの群れが見られた。
特にマアジは、ジンベエザメの周辺に群れていたりして、どこかの水族館で見たような光景だなぁ、と。

群れと言えば、もっと感動的だったのがアオリイカ。

こちらはスズメダイやアジみたいに意図して群れを作っているワケではなく、結果的に大群になってしまったものと思われるが、とにかく大量にいた。
水中を除いた時、黒い平べったいものが、その辺にばらまかれたみたいに定位しているのが見えた。
何だあれ!?　と目をこらすと、すべてがイカだった。

何でも、集まった小魚を目当てに、集まってくるのだとか。
実際、アイゴか何かの小魚を捕まえて、食べているシーンにも遭遇した。
膨大な数のイカと小魚、そして圧倒的な透明度の海は、そんなシーンさえも見せてくれるのだ。
イカ達はイルカショーが行われる中にも沢山いて、イルカが近づいてくると、ものすごい勢いで散っていく。
イカってあんなに素早く泳ぐんだ!!　とあらためて驚いたくらい。
しかし、当のイルカたちは、イカには見向きもしないらしく、捕まえて食べることはしないそうだ。美味しいアオリイカだっていうのにね（笑）

それ以外にも面白い魚がいくつか見られたんだけど、カエル館の前辺りでは、ハナハゼが見えた。
上から覗き込むと、水色の細長い魚なんだけど、尻尾のヒラヒラがちゃんと見えるので、ハナハゼだと分かった。
そこそこ数はいるらしく、見慣れてくると、結構あちこちで見つけられた。

ジンベエザメの生け簀にも、マアジやイシダイなんかが泳いでいるんだけど、水面付近にヒラヒラと銀色の魚が泳いでいるのが見えたので、よく見てみるとイトヒキアジだった。

これは群れてはいないようで、見たのは1匹だけ。
ジンベエザメが近づくと逃げてしまい、その後見つけるのは簡単ではなかったけれど、その姿を何度か見ることができた。
個人的には当たり!!　な1匹。

ジンベエ生け簀ではもう1匹、おっ!!　と思うものが。
それがこのオキザヨリ。

桟橋から近い位置でジッとしていたので、ハッキリした写真が撮れたんだけど、群れてスイスイ泳いでいるものだと思っていたので、ジッと浮かんでいるというのはちょっと意外な感じ。もしかすると、元気がなかったのかも知れないけれど…

これら以外にも、大きめのクロダイ、アイゴなんかも見られた。
同じ生きた姿でも、普段は水族館でしか見たことのない魚たちを、まるで池の鯉でも眺めるかのように、天然の海で眺められるというのは楽しいものだ。
飼われているものではないから、何が出てくるか分からない楽しさがあるし、探して見つけ出す面白さもある。
海に潜ったワケではなく、これがすべて陸上から眺めて見つけたものという点にも、あらためて驚かされる。
自然の海なので、その日の潮の条件や、天候などによって、透明度はガラッと変わるはずで、魚も多い日と少ない日があるのだと思う。
それらに恵まれれば、という条件は付くものの、あわしまマリンパークでは水族館の魚以外に、周りの海でバードウォッチングならぬフィッシュウォッチングが楽しめる。
日本の水族館の多くは海沿いにあるが、こんな楽しみ方ができるのはここだけじゃないかな!?

もし、あわしまマリンパークに行った時、海の透明度が高かったなら、周りの海もしっかり覗き込んでみることをオススメする。
きっと、想像以上に楽しめるはずだから。

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