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うみたまごの気になる海獣 [海獣全般]

以前のブログに書いた通り、うみたまごの主役はどちらかと言うと海獣のような気がする。充実ぶりも考えていた以上で、セイウチにトド、3種類のイルカ、アザラシは4種類もいて、ラッコまでいる。
ハンドウイルカやハナゴンドウ、ゴマフアザラシなら九州の他の水族館にもいるが、セイウチやトドは兵庫県以西ではここだけ。ハイイロアザラシは日本で3カ所にしかいないし、アゴヒゲアザラシは三重県以西では唯一の個体だ。加えて、1頭が飼われているハセイルカは、現在、飼育下にある国内唯一の個体。水族館巡りをしているオレには、初めての動物はいなかったけれど、意外と見るのが簡単でない海獣たちが揃っているのである。

ショーもやっていて、同時にふれあいにも力を入れているとなると、その主役になるのはやはりセイウチだ。
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うみたまごには4頭のセイウチが飼われているが、時間が来ると、その内の2頭がショースペースに出勤。様々なパフォーマンスを披露する。
ショータイムが終了すると、観客のすぐ目の前までやってきて、“目以外ならどこを触っても構いません”の説明とともに、触ったり、記念撮影したりできる時間へと続く。
もちろん、セイウチにも個体ごとの性格があるのだろうけど、セイウチのショーを見ていると、アシカがやけにピリピリした動物に思えるくらい、穏やかでいいヤツに見える。
あれだけ大きな動物なので、どこでも飼えるものではないのだろうけど、どこで見ても“いいなぁ”と思わせてくれる。
もっとも、見た目については、アシカの方が綺麗な顔をしてると思うけど(笑)
余談ついでに、うみたまごにアシカはいない。

ショーと言えば、以前のブログにも書いた通り、イルカたちも簡単なパフォーマンスを見せてくれる。
水族館の規模からすれば、ショースタジアムは意外なくらいに小さいけれど、その分、観客席にバンバン水が飛んできて、観客はそれなりに盛り上がっていた。
そのショープールの脇にあるサブプールに1頭で暮らしているイルカが激レア種のハセイルカだ。
ハセイルカと言えば、以前、鴨川シーワールドにカペラという名前のメスが飼われていたが、それが死んでしまった今では、うみたまごの個体(ハルカという名前が付けられている)が飼育下唯一。日本中の水族館で見られる鯨類の中でも、もっともレアな存在だ。
定置網に迷い込んだものが保護されたそうだが、搬入された時は瀕死の状態だったらしい。
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若い個体だからか、はたまた性格の問題なのか、人懐っこいようで、結構寄ってきてくれる。うみたまごのイルカたちは比較的愛想がいいけれど、ハルカは構われるのが好きらしい。呼ぶとすぐに近づいてきて、プールの縁に顔を乗せて、こちらを見上げる。
もちろん、触ったりすることはできないが、そんなのを見ていると、プールサイドに飛び降りて、撫で回したくなってくる(笑)

ハルカは自分のチャームポイントが長い吻にあると知っているのか、写真を撮ろうとすると、少し顔を振って、正面顔ではなく横顔をこちらに向けてくる。
すると、その長い吻と、模様の入った体側がこちらに見える。お陰でこんな写真がたくさん撮れた(笑)
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現在は上からしか見られないサブプールで暮らしているが、その内、他のイルカたちと同じプールに引っ越す日も来るかも知れない。
そうすれば、細長く美しい体つきを水中から眺めることができるようになるし、ショーに参加してジャンプを見せてくれるようになるかも知れない。
若い個体だけに、この先が楽しみな1頭だ。

2012年3月現在、日本の水族館では14種類の鯨類を見ることができるが、その内、ハセイルカはこのハルカ1頭のみで、それが見られるのはうみたまごだけというのは前にも書いた通り。
そのためだけに足を運ぶ価値があると言っていいだろう。実際、オレも会うのを楽しみにしていたし。

セイウチやトドが暮らすプールは、館内側にアクリルパネルが取り付けられていて、水中を泳ぐ姿を見ることができるんだけど、そこには、その他の海獣用のプールも並んでいる。
そこで驚かされたのが、ラッコが暮らすプール。
通りがかった時、“ああ、ラッコもいるのね”くらいにしか思わなかったのだけど、そのプールにアゴヒゲアザラシが一緒に入っているのに気がついた瞬間、“ええっ!!”と驚かされた。
同じスペースで飼育、展示がなされていることはどこかで聞いて知っていたけれど、実際にそれを目の当たりにすると、やはり驚かされる。
どちらも寒い地域の住人だから、同じ環境で飼われていても驚くことではないのかも知れないけど、水中への適応度や、それぞれの暮らしぶりは大きく異なっている。温度管理以外、両者を混成飼育するメリットはないというのが一般論だろう。
恐らく、どちらも1頭ずつしかないから、一緒にしてみるか… みたいなところから始まった同居なのかも? みたいなことを思ったり。
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説明パネルによると、どちらも神経質で干渉を嫌がるため、プール内でうまく棲み分けて共存している、とのこと。
確かに、泳いでいる時は、ラッコが水面、アザラシが水中と棲み分けが成立していたが、掃除が始まり、プールの水が落水されると、それぞれの行動範囲が重なり始める。すると、それぞれにキャラクターが際立つようになり、見ていて面白かった。

水が引いたプールの底で、ジッとしているアザラシ。一方、ラッコはいかにもイタチらしく、片時もジッとしていることなくウロウロウロウロ。
落水清掃は結構長い時間行われていたけれど、それに飽きてイラついたのか、アザラシに攻撃を始める始末。
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水がない中ではやはりラッコに分があるらしく、動きの良さを活かして咬みに行く。
それに対するアザラシの反撃は、短い前足をブンブン振り回して、叩こうとする? だけ。
終いにはその手を噛まれたりと、陸上ではだらしないアザラシ。噛もうともしないのは、性格的に優しいからなのか?

水がなくなったばっかりに、面白いシーンに遭遇したけれど、プールに水が入った状態だと、お互い、それぞれの環境でスイスイ泳いでいるだけなので、こうしたバトル? を見ることは難しいのかも知れない。
でも、ラッコとアザラシの混成飼育、一見の価値アリかも。
そもそも、アゴヒゲアザラシがなかなか見られない種類だし。

ブログを書いてて確信したね。
やっぱり、うみたまごは海獣の水族館なんだ、って。
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pomu.

セイウチにお触りOKなんですね
このヒゲもっさりのおっさんが、一生懸命千歳飴なめてるような違和感!
たまりません

それにハルカ、かわいいですね~
このかわいらしい顔で見上げられたりすると
プールに落っこちたふりして抱きしめたいです
多分、逃げられるでしょうけどね(笑)
いや、助けてくれてしまうかも♪

そして、そのあと、水族館の人に厳重な注意をいただくことに……
やめておいたほうがよさそうです(- -;
by pomu. (2012-03-18 20:27) 

ミストラル

>pomuさん

このヒゲもっさりのオッサンは、実は女の子なんです(笑)
持っているのも千歳飴ではなくて、ラッパ。
横のお姉さんの手が開いたら吹く、閉じたら止める、というパフォーマンスでした。
時々、閉じてるのに吹いちゃう、みたいな感じの。

イルカプールに落ちたらどうなるんでしょうね?
イルカは遊んでくれるのかな?
でも、それ以前に、寒くて凍え死ぬんじゃないかなぁ、と思います。
死にかけの状態で救出されて、怒られる前に救急搬送、なんてことになるんじゃないでしょうか?(笑)
by ミストラル (2012-03-20 00:18) 

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