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豊平川さけ科学館(北海道) [水族館インプレッション]

札幌の中心街から地下鉄で15分くらい。南北線の終点、真駒内駅を降りると、そこは同じ札幌でもベッドタウン的雰囲気な街並みとなる。
札幌の街はどこも緑が多くて綺麗だが、公園なんかも多い落ち着いた住宅街といった雰囲気の街並みをバスで10分ほど走ったところにあるのが豊平川さけ科学館だ。
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広々とした公園の中に小さな建物がポツンと建っているように見えるのだけど、中に入ってみると意外と広く、通りから見える建物以外にも、魚を展示している建物と、その間にある池など、外から見た印象よりも見る部分は多い。

豊平川さけ科学館は、そんな身近な川に遡上してくるサケを知るための施設で、様々な展示や資料によって、サケやその遡上を紹介している。
もちろん、生体を展示したスペースもあって、展示ホールの隣にはコの字型に水槽が並んだ部屋があり、そこにはサケ・マス類の幼魚が各種、展示されている。
これらの幼魚たちはこの施設で採卵、ふ化させたものだそうで、通年、見られるとのこと。
ほとんどのものが10㎝未満の幼魚なので、どれも形が綺麗だし、可愛らしい。
ただ、ヤマメやアマゴなど、綺麗な種類でもまだ色らしい色がないのは少し残念なところだが。
これらの水槽の水温はかなり低いのか、しばらくするとガラス面が結露してしまい、中が見にくくなるのが難点。偶然かも知れないが、開館後すぐの時は結露もしていなかったので、写真が撮りたい人や、じっくり見たいという人は早い時間に出掛けるといいかも知れない。

そこから順路を進むと、地下観察室という通路? へと至る。
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そこは、屋外の育成池を横から見られる展示室で、年齢ごとに分けられた様々なサケ・マス類を見ることができる。
展示ホールほどの種類数はいないようだが、池の中には4~8種程度が、かなりの密度で入っており、まさに養殖施設然とした感じ。
池があるのは屋外なので、太陽光がそのまま降り注ぐ。そのため、非常に明るく、中の魚たちもキラキラして見える。しかし、過密飼育のせいか、体やヒレのキズ、傷みが多くの個体に見られるなど、必ずしも綺麗なものばかりではない。先にも書いたように、体色は綺麗だし、いかにも健康そうな感じはするから、目の前の魚を頭の中で綺麗な状態に補正しながら眺めるとちょうどいいのかも。

地下観察室を出ると、小さな水路があって、そこには大きなイトウが飼われている。
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そこそこ大きな個体が数匹いるんだけど、上から眺めても分かるくらい顔が丸い。
イトウは、この水路だけでなく、展示ホール、地下観察室とあらゆるサイズが沢山いるんだけど、どれもカッコいいとは…
イトウに限らず、飼育下にあるサケ・マス類は顔が丸くなってしまうものだから仕方がないんだけど、何が原因なんだろう? 餌? 広さ?
水路にいる大きな個体には、事務所で売られている餌をあげることもできる。

イトウがいる水路は、いくつかの区画に分けられていて、その一角にはサケの産卵の様子を観察できる、川の環境が再現された区画もある。
そこには1ペアが入れられていて、繁殖に至るまでの活動を見ることができるのだ。
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池の正面に立つと、中のサケが人を意識して萎縮するので、隠れて見ていると、メスが池の底の砂利を掘ったり、オスが体を震わせて産卵を促す様子などが観察できた。
そこでずっと待っていれば、もしかすると産卵シーンも見られていたかも知れない。
そういう意味では、とても興味深い展示だった。

屋外の水路展示を抜けると、その先に「さかな館」という別棟が現れる。
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これまた民家くらいの大きさの平屋で、入り口もそんな雰囲気。扉を開けて中に入ると、壁に沿って部屋を取り囲むように水槽が並べられており、地元で見られる淡水魚を展示している。ここにはサケ・マス類はおらず、コイ科やハゼ類などが中心。
並べられた水槽はほとんどが市販の60㎝水槽で、大きな水槽はない。
中を泳いでいるものも、いわゆる普通の淡水魚だし、そういう意味では、誰もが馴染みをもって見られるのかも。
ただ、ヤチウグイとか、エゾトミヨとか、北海道ならではの魚も普通にいたりするので、地元以外の人にとっては、見慣れた魚ばかりでもない。

規模は小さいけれど、魚の数は多く、しかもサケ・マス類の種類数は圧倒的に多い。
閲覧できる書籍資料なども図書館ばりに充実しているし、体験イベントなども定期的に行われている様子。
そういう意味では、マニアから近所の小学生まで、幅広く楽しめる施設だと思う。
何と言っても、入場は無料だし、それでこれだけの展示が見られるなら、文句なんかあるワケがない!!
オレが行った時みたいに、サケの遡上時期と合わせて行くと、サケの成魚や、その繁殖観察池などもあったりするので、いつも以上に充実の展示となっているはず。
それ以外の季節に行ったことのないオレが言うのも何だけど、秋がオススメです!!(と思う・笑)
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