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越前松島水族館の新施設 海洋館 [水族館インプレッション]

越前松島水族館の水族館棟では、大きな満足感を得ることができなかったというのはひとつ前のブログにも書いた通り。
イルカショーを見終えて、水族館の敷地の奥まった所にそびえ立つ、白い大きな建物へと足を運んだ。壁には大きく“海洋館”と書かれてあって、それが昨年にオープンした最新の施設であることはすぐに分かった。
何でも、水族館の開館50周年を記念して作られた施設なのだそうだ。

入り口の2重の引き戸を開けて中に入ると、目の前には大きなスクリーンのように水槽が広がっていた。
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飛び切り巨大な水槽というワケでもないのだけど、水族館棟の水槽とは段違いの大きさ、そして明るさ。古びた水族館棟を見た直後なだけに、その大きさや明るさをより強烈に感じるのだろう。反面、海洋館のお陰で、水族館棟はより一層古くさく見えてしまうのだが。
水槽の前は映画館のように段差が作られた広い観覧スペースになっているんだけど、水槽から溢れた光によって、そこまで十分明るさが確保できるほどだった。

水槽の主役はアカシュモクザメやツマグロなど遊泳性のサメだ。
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水槽の明るさに加え、シュモクザメやツマグロなどの存在から、一見、南国をイメージした水槽かと思ったが、それ以外に泳いでいる魚はマアジやメジナなど、必ずしも南国のものばかりではなく、それらに加えナポレオンやタカサゴなど南国のものも沢山いる和洋折衷な混泳水槽。でも、それが悪いというワケではなく、むしろ、いろんな魚が入れ替わり立ち替わり目の前を横切っていくので、水槽前にジッと座っているだけでも色々な魚たちを見ることができて楽しい。

水槽内には擬岩なども配置されているが、レイアウトは概ねシンプルで、遊泳スペースが広く取られている。あっさりしているようにも見えるが、体が大きく数も多いアカシュモクザメがこの水槽の主役? であることを考えれば、理に適っている。実際、アカシュモクザメが泳ぐ水槽としては、葛西に匹敵するくらいか、他の魚たちがいる分、それ以上に楽しめる水槽だと思った。

そのシュモクザメ水槽の隣には、コーラルフィッシュが泳ぎ回るサンゴ礁の水槽がある。
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この手の水槽の主役であるチョウチョウウオやヤッコよりも、ベラ、ヨスジやヒメなどのフエダイ、ニザダイが数、種類ともに充実しており、特にベラは“こんなのもいるんだ!!”と思うくらい、色々な種類が泳いでいた。
しかし、この水槽、サンゴ礁水槽にしてはやけに暗く、照明も上からではなくサイドから照らされている。また、間口に対して奥行きが長く取られていて、魚が奥の方へ泳いでいってしまうと見えなくなってしまうなど、ちょっと変? な水槽だった。しかし、そんな違和感も2Fに上がると全て消え去った。
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水槽の上部(1Fから見た時の)がアクリルパネルで覆われていて、その上に人が乗れるようになっていたのだ。
水槽上部は靴を脱いで上がる部屋のようになっていて、広さは10畳くらい? 水の中にいるような感覚を作り出すため、部屋の周囲は天井までぐるり鏡張りになっていて、どちらを向いても足元のサンゴ水槽が広がっているように見えるのだ。
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部屋の右側の壁は、隣の海洋水槽の上部になっていて、アクリルパネル越しにそちらも見える。水面付近を泳ぐツマグロを見るには、絶好の観察ポジションなのだ。
というワケで、その部屋の奥の方(サンゴ水槽上のアクリルパネル)に腰を下ろし、目の前にやってくるツマグロたちを眺める。もちろん、オレの下にも沢山のサンゴ礁の魚たちが行ったり来たり。アクリルパネルを支える鉄骨部分には、隠れるのが好きなハタ類やウツボなどがいたりして、どっちを向いても楽しい。
その日はお客が少なかったようで、その空間をオレひとりで堪能できる時間も少なくなかったことも手伝って、“ここで住みたい!!”という思いが強くなってきた。
オレの部屋の大部分を占める水槽が、壁と床になれば、後はベッドと仕事机くらいでたいした荷物はない。つまり、水槽上のスペースで十分住める!!
水族館のパンフレットには、“異次元の体験”と書かれていたが、異次元の妄想をするにも十分な場所なのだ。

その部屋は、水槽以外の照明がない。つまり、その場だけは適度に薄暗い。
デートでやって来たカップルにとっても、ロマンティックなスペースとなるらしい。
オレが部屋の奥の方でサメの写真を撮っていたら、後からやってきたカップルがいい雰囲気になってしまっていたようで、その雰囲気に気まずさを感じたオレが、その場から立ち去れなくなった、みたいなことも(笑)

越前松島水族館で蛍の光を聞くことになったのは、このスペースの存在が大きい。
それだけ楽しく、かつリラックスできる場所だったのだ。
ホント、1日中でもいたくなる、そんな素敵な空間だった。
できれば空いてる時間、時期を狙って行ってみて欲しい。オレみたいな妄想はしなくても、間違いなくその場に長くいたいと思うはずだから。

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コメント 2

pomu.

ああ! これは素敵な空間ですね!

海の中に、空気のある空間を持ってきたようで
「見ている」というより、「そこに居る」ようです
何時間いても退屈することはなさそうですねぇ

ミストラルさんが「住みたい」とおっしゃるお気持ち、分かりますよー

でもここに住んだら、うっとりと魚たちを眺める時間が長くなって
お仕事がはかどらなくなってしまうかもですよー(笑)
by pomu. (2010-12-15 20:51) 

ミストラル

>pomuさん

楽しい場所でした。
ホント、言われる通り、1匹1匹の魚を見るというより、魚のいる空間を楽しむ、という感覚の場所でした。
適度な暗さがまた落ち着くんですよ(笑)
壁が水槽というのは、よくありますが、自分のはるか下に水底があって、
地に足がついてるのに、その下を魚が泳ぎ回っているという感覚はあまり味わったことがないので、知ってるようで知らない感覚が楽しめました。

でも、これが自分の家だったら、魚たちに見とれるために必要な掃除で、
眺める時間もままならない、みたいなことになりそうです。

by ミストラル (2010-12-16 11:14) 

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