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のとじま水族館の気になる魚 [エイ]

どんな水族館でも、地元やその周辺海域に多い魚が数多く展示されることが多い。
だから、日本海に面したのとじま水族館の展示水槽で泳いでいるのは、自ずと日本海産のものが多いということになるのだろう。
日本海に馴染みの薄い東京の人間には、日本海には寒く、冷たい海というイメージがある。
だから、少ないとは言えジンベエザメも捕れるなんて、ものすごい驚きなのだ。
そんなワケで、展示に期待してしまうのは冷たい海の魚。
ホッケやソイなんかの冷たい海の代表選手? はもちろん展示されているんだけど、どこでも見られるそれらの魚では流石に驚けなかった。でも、オオッ!! と思わせてくれたのがマダラ(真鱈)だ。
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鍋物などで馴染み深いあっさり白身の魚というイメージは誰にもあると思うけど、その丸のままの形、それも生きている姿を知っている人はあまりいないのではないだろうか?
水族館ではあまり見かけない魚だし、たらふく(鱈腹)なんて言葉が生まれるほど何でも食べる魚だとされているのに、飼うのは意外と難しいらしい。
オレもこれまで見たことがあるのは小さなものばかりだったのだけど、のとじまには1m程度の大きな個体が3匹もいた。
ボテッとした頭ばかり大きい魚、みたいなイメージがあったのに、実物はそんなイメージとはかけ離れたカッコいい魚だった。
色や柄もさることながら、その体型、顔つきは洗練されたフィッシュイーターといった雰囲気に溢れていた。海藻の陰に潜み、射程に入った獲物を瞬く間に捕食する、そんな光景が明確にイメージできるのだ。タラを鱈腹たらしめているのは、きっと、オレのイメージしたようなスマートかつ豪快な捕食シーンを繰り広げているからなんだろうね。

タラが入っていた水槽には、底面を埋め尽くすほどのカレイが入っていたのだけど、そのカレイたちもまた、強い印象を残した魚となった。
カレイというと、砂に潜ってジッとしている、みたいなイメージがある魚だ。
しかし、飼育下では必ずしもそうではないようで、よく泳ぐのに加え、表情も豊か。
つまり、見ていて楽しいってこと。
それどころか、その数多くの個体が、わらわらと泳ぎ回るものだから、あまり動かないタラを撮影するのに邪魔になるほど。
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ババガレイ
水槽にはババガレイとヌマガレイの2種類がおり、どちらも同じくらいよく泳ぐのだけど、ババガレイの方が数も多く、サイズも大きいので表情まで観察するならそちらがオススメ。でも、綺麗さという点では、ヌマガレイの方が上だとオレは思う。

ジンベエザメ水槽からもいくつか。

ジンベエザメ館に入ってすぐアクリルパネルは水槽の最上部にあたる。
そこにやってくる小さいナルトビエイは、のとじまでもっとも印象深い魚になった。
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だって、ものすごく可愛いから(笑)
通常、こうした混泳水槽で泳ぐエイといえば、マダラトビエイであることが多い。
マダラトビエイもいたけど、小さいのが1匹だけ。比較的目に付くトビエイは、いずれもナルトビエイだった。
ナルトビエイとマダラトビエイは共にAetobatus属で、どちらもよく似た形をしているけれど、白い柄を持つマダラに比べ、柄のないナルは地味な印象があるせいか、水族館で見かけることは少ない。
でも、顔はナルの方が可愛い(と思う)のだ。マダラも可愛いのだけど、よく見ると目は捕食者系のそれ。その点、ナルの目は黒目がちで、それはそれは…(笑)
そんな可愛いナルトビエイが、しかもあどけなさを感じさせる小さな個体が、アクリル越しにこちらの方へやってくるのだ。もうたまらん!! って感じ。
ナルトビエイの可愛さに萌え萌えしてたら、アクリルパネルのところにやってきたオバチャンが「あら、エイってチワワみたいな顔してるのね!!」と。
そう、そうだよマダム!! チワワだよ。ナルトビエイの顔は確かにチワワっぽい。
まぁ、オレ的にはチワワよりもナルトビエイの方が可愛く見えるけど(笑)、あの目で見つめられれば、オレも“どーする、アイフル♪”みたいなことになってしまいそうなのは同じだ。ただ、チワワと違って、消費者金融で借りられる資金くらいでは、ナルトビエイは迎えられないってところが大きな問題だな(笑)
ナルトビエイの圧倒的可愛さに萌えたいなら、のとじまのジンベエザメ館、それも水面付近のアクリルパネルが超オススメだ!!

ジンベエザメ水槽には驚きの魚もいた。
ナルトビエイの可愛さに骨抜きにされながら、気を取り直して水槽内を眺めてあらためてビックリ!! 思わず“何でここにいるの!!”と叫んでしまったほどだ。心の中でだけど。

IMG_1585.jpgそれがイバラエイ。
イバラエイはこのブログにも登場しているけれど、沖縄の美ら海水族館で公開されている1匹のみが日本で展示されている唯一の個体だと思ってた。
何しろ、日本では沖縄周辺で数匹が捕獲されただけという超稀種だから、まさかここで会おうとは思っても見なかったので、ホント、ビックリ!!
しかも、あの美ら海水族館ですら1匹しか展示していないのに、ここには2匹も!!
ジンベエザメなんて、それこそ日本で5カ所も展示館があるし、公開個体は9匹もいるけれど、イバラエイはオレの知る限り、2館3匹のみ。そんな意味ではジンベエザメなんかよりもはるかに貴重かつスゴイ展示なのだ!!
美ら海水族館で見た時には、“何て小汚いエイなんだ”と変な驚き方をしたものだけど、のとじまの水槽は砂も何も入っていないからなのか、小汚い印象はなく、それどころか、2匹いるウチの1匹は綺麗とさえ思ったほど。
今回、ここで紹介しているのも、白い模様がハッキリ見えるので、オレが勝手に“スノーフレーク”と呼んでた綺麗な方だ。

ジンベエザメ館の珍しいエイをもう1匹。

イバラエイに驚きつつシャッターチャンスを狙っていたら、目の前をひし形のエイが横切った。それがこのヤジリエイ。
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あまり大きい個体ではなかったから、一瞬、アカエイ? 黒っぽいからホシエイかな? なんて思っていたのだけど、体盤の先端が長すぎるくらいに尖っていて、体の厚みもない。
そこで思った。コイツは見たことない種類かも、って。
吻端の長さや体型、全体的な雰囲気はHimantura chaophrayaに似てるように思ったんだけど、Himantura属のエイに共通して見られる特徴が見当たらないので、そうではないのかも、ということも想像できた。
家に帰って調べても分からなかったんだけど、偶然、答えが見つかってしまった。
ヤジリエイというDasyatis(アカエイ)属のエイで、1988年に記載された比較的新しい種類(←変な言い方だけど)。
もちろん、オレは見たことがなかったし、激レアな1匹であることは間違いなさそう。
水族館で見られるのはのとじまのこの1匹だけかと思ったら、海遊館にもいるらしい。

2匹のイバラエイもそうだけど、こんなエイがいるなんていうのも、まったく期待も予測もしてなかったから、ホント、ビックリ!!
どちらもものすごく珍しいので、ジンベエザメ館ではこの3匹に是非、注目してみて欲しい!! もっとも、これらのエイで喜べるマニアがどれだけいるかは? だけど(笑)
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コメント 2

pomu.

普段見るタラはみんな切り身になってしまっていますもんね
丸ごと、しかも1mほどもある大きな真鱈なんて見る機会はないです

水槽の底を埋め尽くすほどのカレイも見てみたいです
それに、マダムをして「チワワみたいな」と言わしめたナルトビエイの目……
なんて魅力的なコ、テンコモリな水族館なんでしょうー!

ヤジリエイ、かっこいいですねぇ♪
by pomu. (2010-12-08 17:22) 

ミストラル

>pomuさん

こんな大きなタラは初めて見ました。
大きいのとは別に、小さいのも“これだけいれば、一生鍋には困らない”ってくらい(笑)沢山いましたよ。
カレイもあまりにもよく泳ぐので、最初は“何かおかしい?”と心配になったほどですが、飼われているとそんなものみたいです。
ちょっと可愛いですよ!!

個人的にジンベエザメ館最大の目玉は、イバラとヤジリだと思います。
でも、ナルトビエイは可愛い過ぎなので(何匹もいるし)、ちょっと遠いけど、見に行ってみて欲しいと思います!!
by ミストラル (2010-12-09 09:40) 

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