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四万十川学遊館あきついおの気になる魚 [淡水魚]

前のブログでも書いた通り、あきついおには国内外の様々な魚が飼われている。
大きい水槽はなく、熱帯魚店のようなスペースではあるけれど、魚好きには楽しいスペースだと思う。アロワナやガー、ポリプテルスなどなど、マニアにはお馴染みの面々が顔を揃えているだけでなく、日本の魚だって、ビワコオオナマズやウケクチウグイ、ミヤコタナゴなんかもいて、まさか高知のこの場所で遭遇するとは!! と、何度思ったことか。ホント、ビックリだよ。

とは言え、気になる魚はメインの四万十川展示ゾーンから。
あきついおがある中村は下流域のためか、潮の影響を受ける水域の魚たちの展示が充実している。
海の魚としては馴染み深いものも多かったのだけど、その中で気になったのがテングヨウジ。
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好みとしては、オレの好みからは完全にかけ離れたタイプの魚なので、チラッと見るくらいで水槽の前を通り過ぎそうになった時、体側に赤いラインが浮かび上がった個体が目に入った。
“何コレ!? 綺麗じゃん!!”と、思わずカメラのシャッターを切った。
ヨウジウオの仲間には、サンゴ礁で泳いでいるようなものの中には、派手な柄や体色を持ったものもいるけれど、大抵は茶色や黒っぽい色の地味なものが普通。このテングヨウジだって、決して派手な魚ではないけれど、枝みたいな体にひと筋の赤。よく見れば結構複雑な柄になっていて、“へぇ~!!”な感じ。渋い和風な美しさ、といったところか?
生息環境下では小枝などに擬態してるらしく、見つけるのは難しいのだとか。

四万十川産の魚で驚いたのがもうひとつ。コイだ。
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写真では分かりにくいけど、まわりのコイも50㎝くらいあるのだ!!

コイ、それも黒いコイなんて、都内の川でも泳いでるだろ、と思うだろう。
普通だったら、水槽の中に泳ぐコイをありがたがったりはしない。
でも、この個体、1mを超えている(捕獲時で107㎝だったとか!!)超大型個体なのだ。
水槽の脇に、捕獲された時の新聞記事が貼り出されていたけれど、いくら四万十川とは言え、1mオーバーはやはり珍しいのだ。
このコイが泳ぐ水槽は、アクリルパネルの下や右側など、観客から見えない位置まで広がっているので、魚がいる位置によっては見えないことがある。オレも最初は気付かなかったのだけど、何度か水槽の前を通りがかった時、ぶっ飛んだ。
“何だこりゃ!!”
長さもさることながら、体高や体の分厚さなど、コイのイメージを通り越して、ちょっぴり不気味さすら感じたくらい。ハッキリ言って、あきついおの展示の中では、最強のインパクトがあったと言っていいくらいだ。これはわざわざでも見に行って欲しいと思う。
普段なら、コイは上から眺めた方がいいと思うところだけど、これだけの個体なら、水槽で横から眺められるのがいいと思った。

お次は世界の魚を展示したエリアから。
先にも書いた通り、日本産淡水魚は移入種も含めて、ものすごく種類数が充実している。
そんな中にいたテンチにも目を引かれた。
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ヨーロッパなどユーラシア大陸に広く分布するコイ科魚類。ウグイに近縁な魚だ。
昔はちょっと大きめの金魚屋さんに行けば見られたが、最近はほとんど見かけない。
久しぶりの遭遇だったのだけど、意外と綺麗な魚だったんだなぁ、って思った。
昔は、ヒゲがあるコイみたいな顔の魚、くらいのイメージしかなかったからね。
余談だが、このテンチ、オレが小学生の頃に、井の頭公園の水族館で展示されていて、同じ水槽にラッド(Scardinius)が一緒に入っていたことを憶えている。
偶然なのか、あきついおでも、テンチと同じ水槽にラッドが入っていて、何とも懐かしい気分になった。

コイ科魚類は好みじゃない、といいながら、お次もコイ科。
中国産のコイ科魚類、エンツユイにもビックリさせられた。
IMG_5019.jpg
エンツユイは熱帯魚店で流通する魚としては、別段珍しいものではないけれど、流通しているのは幼魚だけ。
幼魚の体色は白と黒(茶色)のまだら模様で、やけに体高の高い体つきをしている。
大きくなると、体型は細長くなり、色も赤くなることは知っていたのだけど、その実物を見たのは初めてだった。
その1m近い大きさにもビックリだったけど、何より、その独特な色合いと、その綺麗さにはホント、驚かされた。
エンツユイは水槽では育たない魚、と言われており、なかなか大きくするのが難しい。
昔からよく知っている魚なのに、この“真の姿”はそう簡単に見られない。それだけに、それが見られたこと。そして、それをまったく期待していなかった高知のあきついおで見られたということにもビックリ。
残念ながら、尾柄部分に難があるようなのだけど、今回ばかりはそれも無視。
スゴイ物見せてもらいました。

最後はコイじゃないけど、コイみたいな魚をもうひとつ。
あきついおは、アロワナの仲間も充実していて、ブラック以外は全種揃ってる。
でも、水族館で見ないという意味では、このヘテロティスが一番だろう。
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ヘテロティスはナイルアロワナなんて呼ばれることもあるアフリカ産のアロワナ科魚類。
その他のアロワナに比べると色も地味で、顔もコイ風。
摂餌形態もその他のアロワナ科とはかけ離れたコイ科風。そのくせ混泳に難儀する性格の持ち主だったりするものだから、やたらと飼いにくい。
水族館でこそ大きな個体を、と思う部分もあるけれど、ご覧の通り地味な魚故、これがいて喜ぶ人は少ないだろうということで、ほとんど見かけることはない。
つまり、このサイズ(ここまで育てるのも、かなり面倒くさい)のヘテロティスは、なかなか見られないということ。
理想的な飼い方がなされているせいか、観客にも少しだけ愛想を振りまいてくれる。

というワケで、今回はコイ科特集(ヨウジウオとヘテロティスは違うけど・笑)でした。
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コメント 2

pomu.

1メートルのコイ! 
こいのぼりサイズですね
そんなコイが泳いでいる四万十川もまた、すごいです

エンツユイは先日竹島水族館で見たんですが
白黒でした。まだ幼魚なんですね
写真のように赤くなるほど大きくなってくれるか、楽しみです
それにしても、さすが中国のコイ。なんとなく京劇風です^^
by pomu. (2010-06-02 14:59) 

ミストラル

>pomuさん

そうなんです!!
1mのコイは、もうコイのイメージじゃなくて、食材っぽい!?
コイってこんなになるんだ!! と驚きでした。
これもやっぱり、四万十川のすごさなんですかね?

エンツユイを巨大化させるのはかなり難しいんですが、
竹島水族館でなら、やってくれるかも知れませんね。楽しみです。
この色、形で1m近くありますから、なかなか見ごたえアリですよ。

by ミストラル (2010-06-03 09:43) 

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