SSブログ

なかがわ水遊園のアマゾン水槽 [ピラルクー]

最近、淡水魚を展示していない水族館が増えつつあるように思う。
でも、その反面、淡水魚だけの水族館も増えつつある気がする。
それぞれが特定の分野に特化することで、より展示の深みが増し、魅力が増すのだから、いいことなのだと思う。

だが、淡水魚の水族館は、一般的に規模が小さく、その施設の周辺にある川の生き物を展示していたりなど、地元に根付いた施設であることが多い。
展示されているのは、自ずとコイ科魚類を中心とした日本産淡水魚のみとなる。
もちろん、それが悪いワケではないのだけど、個人的にはちょっと物足りない。
まず、オレ自身がコイ科魚類があまり好きではないのに加えて、小さい頃の川遊びの記憶も少なく、かつ釣りもしないため、あまり馴染みや思い入れがないからだ。
だから、そうした淡水魚の水族館には、あまりリピーターになることも少ないのだけど、栃木県のなかがわ水遊園は別だ。
このオレをして、国内最高と言わしめるアマゾン水槽があるからだ。
IMG_0199.jpg

なかがわ水遊園は山間の村みたいな場所にあるので、近くに駅などはなく、高速のインターからも遠い。交通の便はとても悪いのだけど、それでも行きたくなるほどの魚がいる。

展示の中心は、水族館のすぐ脇を流れる那珂川水系の魚。
水族館はとても綺麗で、それらの展示も素晴らしい。そん所そこいらの淡水魚水族館では太刀打ちできないほどのレベルだ。
しかし、オレからすれば、それも前菜に過ぎない。
メインディッシュは、順路の最後にあるアクアコリドールだ。
温室の中にあるアマゾン水槽で、メインのピラルクーがいる部分にはチューブトンネルもある。だが、この水槽の魅力はそんなところじゃない。
IMG_0436.jpg
この水槽のハイライトは、やっぱり下から見上げるピラルクーだろう。

最大の魅力は、水族館の大水槽として、高い完成度があるところだとオレは考えている。
いつぞやこのブログにも書いたことがあるけれど、水族館の水槽は舞台と同じだと思っている。
その舞台演出やキャスティング次第で、水槽は素晴らしくもみすぼらしくもなる。
その点、海の大水槽なら、大スターも数多くいるし、何しろ演者の層が厚いから、魅力的な水槽の演出もそう難しくはない(と思う)。
しかし、海の魚に比べ、層が薄く、小粒揃いな淡水魚の水槽では、海の大水槽に匹敵するような魅力を持ったものを成立させるのは無理だと思っていた。
しかし、そんなオレの考えを覆したのが、このアクアコリドールだったのだ。
さしずめ“こんな俳優じゃ素晴らしい映画なんてできるワケない!!”と思っていたような役者たちだけで、大作に劣らない作品に仕上がった、そんな感覚だろうか?
役者は違うのに、きちんと楽しく魅力的な大水槽に仕上がっている。
IMG_0227.jpg
IMG_0203.jpg
主役の魅力を高めるのは、こうした魅力的な小魚たちだと思う。

舞台そのものや、装置、演出など、様々な要因があるのだろうけど、“アマゾン基本5種”を彩る脇役の充実ぶりも見逃せない理由のはずだ。

そう考えると、水槽展示ってヤツは、つくづく奥が深いもんなんだなぁ、と思わされる。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0