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イトマキエイ 2021 @海遊館 [エイ]

10 月29日、神戸に新しい水族館、「atoa(アトア)」がオープンした。
AQUARIUM×ARTでatoa。光や音を使った“イマドキ水族館”である。
atoaの説明によれば“水族館”ではなく“アクアリウム”であるとのこと。
水ではなくウォーターです!! みたいに聞こえるオレには、水族館をアクアリウムと言い違える意味がよく分からないのだけど、とにかく従来の水族館とは違ったものである、ということなのだろう……

本来なら、この続きが今回の内容だったはずなのだけど、自分のブログだからと好きなように書いたら、オープン翌日に出す内容じゃないよなぁと、自粛(笑)
という訳でここから先は全然別の話。

atoaに行った前日のこと。
久しぶりの関西ということで、海遊館に行くことにした。実に3年半ぶりくらい。
3匹めのイトマキエイが入ったり、ゾウギンザメの展示が開始されたりと、行きたい理由はあったのだけど、コロナ前の海遊館ときたら、すっかり中国人観光客に占拠されて“中国の水族館”みたいになってたから、なかなか足が向きにくくなっていた。
ちょうどコロナも落ち着き始め、中国人観光客も戻っていない今、まさに行き時だったのかも知れない。

海遊館に到着し、まずは大水槽へ。
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あぁ、綺麗だ……

イトマキエイを見るは本当に久しぶり。その美しい姿に、何とも言えないありがたみ。
内側からじんわりくるみたいな感動。
イトマキエイはもちろんだが、ジンベエザメもシュモクザメも、今年になって見るのは初めて。これまで、見たきゃ見に行きゃいいじゃん!! なんて思ってたけど、それができなくなって、当たり前に見られると思ってた魚たちが見られなくなってみて、あらためてそのありがたみを実感した。ホント、ありがたい。

動画


前に見てから3年半前も経ってるから、ずいぶん大きくなってた。でも、初代の個体と比べると、まだそこまでのサイズにはなっていなさそう。
でも、体はふっくらしてて、よく食べてるんだろうなぁ、というのが見て取れた。
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3匹めと思しき個体は、その前からいた2匹(と思しき個体)と比べると少し小さいようで、他の個体と近づくとちょっと小さいことが分かる。
搬入から今回も含め、見たのはたったの3回だけ。だから個体識別ができない。でも、連れ立って泳ぐことの多い2匹と、その2匹とはあまり近づかない1匹がいて、後から追加されたのは1匹でいることが多い個体なのだろうと推測。
どうせなら3匹でいるところを写真に収めたかったのだけど、5時間の間で3匹が近寄ったのは2回くらいしか見掛けなかった。
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3匹が近寄った貴重な? ショット。この程度にしか集まってくれない。

イトマキエイ(Mobula japonica)は海遊館でしか見られない。
美ら海水族館でも展示されたことがあったけれど、長期飼育が簡単ではないのだろう。その期間は1年未満でしかなかった。
でも、海遊館ではパイオニアならではの何かがあるのか、現在の3匹もうまく飼えているようだ。
搬入直後の小さな頃から、美ら海水族館の大水槽にいるのと同じような魚たちと混泳しているのに、それによるトラブルなどもなく順調そう。何が違うんだろう?
でも、頭鰭が曲がって(開き気味になって)いる個体がいた。
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美ら海水族館にいた個体でも見られたが、最後の頃、左右に開いてしまっていたその個体ほどは酷くはないが、横から見た時のフォルムがマンタよりも尖っているように見えるイトマキエイなので、ここの形が崩れてしまうのはそのカッコよさ、美しさにも影響するようで非常に惜しい。
見たところ、水槽にしっかり順応しているようで、どこかにぶつかってしまうようには思えないのだけど……

十字型をした海遊館の大水槽は、泳ぎ回る魚にとっては理想的とは言い難いように思う。
でも、見る側からすれば、狭くなった十字の先端部分に魚が来てくれれば近く見えるという利点がある。
また、水面から水底まで余すことなくさまざまな角度から見られるのもありがたい。
美ら海水族館でもどかしい思いを何度もしてきた身からすると、海遊館の視点の多さ、近さは魅力だとあらためて思った。
しかし、今回たまたまなのか、それともそういうものなのかは分からないが、やけに水が白濁りしているように感じたのが気になった。
照明の問題? はたまたアクリルの劣化? 海遊館も開館から30年もが経過した年代物であるからして、アクリルの透明さも当然、オープン時と比べれば落ちているはず。そのせいかも知れないが、クリアに見えないように感じたのは気になった。
もっとも、劣化してるのはオレの目かも知れないけれど。それだったらショックだな。
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でもまぁ、ホント、いいもの見た感。好きな魚を見られて幸せなひとときでした。
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油壷マリンパークのノコギリエイ その後 [エイ]

惜しまれつつも先月で閉館してしまった油壷マリンパーク…… なのだけど、今、気になるのはそこにいた住人たちの行先だろう。
アシカやペンギンなどは早々に移動が開始されているようだが、大型のサメなどの魚たちはどこに行くんだろう? と個人的にも気になっていた。
あの魚が行くとしたらあそこかな? みたいな勝手な予測をしたりしていたのだけど、オレがもっとも気にしていた1匹は早々に新たな住み家への移動が終了していたらしい。

10月6日のことだ。
何気なくTwitterを眺めていたら、知人がノコギリエイの画像を上げてた。
個体も背景も見覚えのあるもの。そう、油壷のノコギリエイはアクアパーク品川へと移動していたのだ。
こういう情報を得るのは、やはりTwitterが圧倒的に早いね!!
翌日、品川の近くで用があったので、ちょっとアクアパークへも寄ってみた。

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久しぶり!! というほどには時間が経っていないが、約3週間ぶりの再開はこれまで彼女がいたはずの水槽とはまるで違った水槽だったことが新鮮な感じ。
大きな魚の移動にはリスクしかないし、とりわけ大きなノコギリエイの移動なんて、無事にできるのだろうかと心配していたが、どうやらそんな心配は杞憂だったようで、魚体はとても綺麗な状態。うまく運べたことが見て取れた。
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生きて無事に移動できて本当によかった!!

これまで何度も見てきた個体だが、違う水槽で見ると受ける印象も変わるもので、まず最初に驚いたのが、こんなに大きかったんだ!! とその大きさに驚かされた。
もちろん、小さいと思っていた訳ではないけれど、油壷で見ていた時よりもずっと大きく感じたのだ。
トンネル床のタイルで大体の大きさを測ってみたが、全長3.2~3.3mくらい。
アクアパーク品川にもともといるP.zijsronほどには大きくないのだけど、それでもかなり立派な個体だったことにあらためて驚かされた。
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オレが行った時は、ちょうどトンネル水槽に餌が与えられていたが、その餌を食べるそぶりはまだなかった。
周辺に落ちてくる餌を求めて、他のエイがやってくると、それを避けるように動き出すが、またすぐに着底する、みたいな繰り返し。
そういうタイミングが泳ぐところを見るチャンスだったりもするのだけど、油壷では王者のごとく振舞っていたことを思うと、他の魚を嫌がって避けるなんていう行動自体が意外に見えてしまう。
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奥行きに余裕のない油壷の水槽で器用にターンするのが習慣になっていたからか、アクアパークの水槽でも同じ場所でグルっとターンする泳ぎを見せてくれる。
これはアクアパークの個体では多分、できない芸当だ。この先もそういう泳ぎ方をするのかは分からないが、油壷出身らしい部分と言えるのではないだろうか。

この先気になるのは、この個体が新しい環境にうまく馴染んでくれるか、という点。
同じ水槽で長く暮らしている個体ほど、新しい環境に馴染みにくいもの。
とりわけ、今回引っ越してきた個体のような、若くない個体ならなおさらで、新しい環境に馴染み、餌を食べるようになるまでにはある程度の時間が掛ってもおかしくはない。
個体の性格にもよるのだけど、最悪、新しい環境に馴染めないまま、餌を受け入れずに死ぬ、なんていう可能性もなくはないので、なるべく早くに水槽に馴染み、以前のような“態度のデカさ”を見せてくれることを願うばかり。

油壷マリンパークの個体が移動してきたことで、アクアパーク品川では3種4匹のノコギリエイが展示されることとなった。
4匹のノコギリエイは、現在日本の水族館にいる2/3に相当する。この先、それが増えることはまずあり得ないことに加えて、3種類ものノコギリエイを展示する水族館なんて、世界唯一!? かも知れない。
アクアパーク品川はまさしく日本におけるノコギリエイの聖地と言ったところだろう。ついでに、エイの種類も16種類に!!
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アクアパーク品川のトンネル水槽も、大きなエイがあれだけいる水槽としては決して広々とは言えないが、それでも油壷マリンパークの回遊水槽よりは大きいことは間違いない。この先、水槽に馴染めば、奥行きに余裕のないこれまでの水槽とは違った泳ぎや行動を見せてくれるようになるかも知れない。
何より、個人的には油壷の1/3ほどの時間で行ける水族館だから、その姿を見に行くのはこれまでよりもずっと簡単になったことはありがたい。

当のエイからすれば、移動などしたくなかっただろうけれど、現時点ではポジティブな引っ越しだったと歓迎したい。
あとは1日も早く今の環境に馴染んでくれることを重ねて願うのみ、だな。
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