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海遊館の気になる魚 Vol.2(クック海峡水槽の話) [海の魚]

見たことがないものが見たいので、海外の水族館に行きたいのである!!

そう強く思うようになって間もなく、世界はコロナ禍に見舞われ、外国はおろか、国内移動さえもできない世の中になってしまった。
幸い、日本では新規感染者数も落ち着き始め、各種制限も緩和されつつあるが、海外はまだしばらく無理そうだなぁ…… なんて思っていたところに、今のオレが求めてた水槽が海遊館にあった。ニュージーランド産の魚を展示したクック海峡の水槽だ。
海遊館がオープンした時からある、これまで何度も見てきたはずの水槽だが、オレの趣味嗜好が変化したのもあって、今頃になってその価値に気付いた。

最後にこの水槽を見たのは3年半前だが、その頃とはいくつか変わった点もあったようで、魚の数が増え(たような気がする?)、ウミガメの数が減り、照明が暗くなっていた。
魚が増え、カメが減るのは大歓迎だが、照明が暗くなるのはありがたくない変更だ。しかも、明るくなったり暗くなったりするので、ずっと見ているとそれが鬱陶しく感じた。
あと、魚名パネルがずいぶんあっさりとしたものに変わっていた。とは言えそこも、外国の水族館風で、個人的には調べてやろうじゃねぇか!! と、ちょっと心に火が付く感じ(笑) という訳で、この水槽の魚はほぼ全種撮り。家に帰ってからの宿題と相成った。

この水槽の主役は沢山いるブルーマオマオである!! それはよく分かっていたが、その群れの中に、少し小ぶりで青くない個体が混じっている。
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最初はブルーマオマオの若い個体かな? と思った。でも、それにしては体型も短く、丸い。やはり別種なのかな!?
調べてみると、ブルーマオマオと同じイスズミ科のスウィープ(Scorpis lineolata)という魚のようだ。
同科同属ということもあり、ヒレの形状や付いた位置はほぼ同じで、しかも一緒に群れていたりするから同種の年齢違いかと思ったという訳だ。
ニュージーランドでは全域に生息しているようで、北島周辺に生息するブルーマオマオより珍しいものではなさそう。
ただ、日本では海遊館のこの水槽でしか見られない激レア種であることはどちらも同じだ。

カメラを向けると水槽の奥の方に向きなおしてしまうスウィープを撮るのに苦労していた時、体高の高いブダイのような魚が目の前を横切った。
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見たことない、知らない魚を見掛けると、とりあえず適当な名前を付けたりするのだけど、こやつのことは“ニュージーランドまくぶ”と呼ぶことにした。
まくぶとはシロクラベラの沖縄名だが、その時はその未知のベラがまくぶに似ているように見えたのだ。後で見たらビックリするほど似てなかったけど……

さて、その“ニュージーランドまくぶ”の正体だが、現地ではスポッティと呼ばれているNotolabrus celidotusという種類のようだ。
体色に派手さはないが、これでもオス。葛西風に言うなら、そのターミナルフェイズ?
ニュージーランド周辺には幅広く分布しているようだが、日本の水族館では激レアだ。

ベラと言えば、ピンク色のツユベラみたいなやつもいた。
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ひと目で見たことがない種類だと分かるピンクツユベラの正体は、サンダガーズラス(Coris sandageri)という種類らしい。
ピンクなのはメス。オスは色、柄ともにかなり違っているようで、できればそれも見てみたかった。
ニュージーランドの水族館に行けば見られるのかな? でも、それよりも今いる個体がオスに性転換するのを期待した方が早そうだ。何年後かに行けば見られたりしないかなぁ?

外国産の魚で見てみたいものには、タイの仲間が結構いるんだけど、この水槽にもそれらしき姿が。
縞々模様のタイのような魚がいることに気付いた。
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ん!? タイではない…!? タイというよりはタカノハダイか!? みたいに思って見ていたのだけど、その読みは間違いではなかったらしい。タカノハダイ科のレッドモキ(Cheilodactylus spectabilis)という種類のようだった。
ニュージーランド周辺にはタカノハダイの仲間が多いようで、何種類かがいる模様。
このレッドモキはニュージーランド周辺にくまなく生息しているらしく、現地では普通種なのだろう。
余談ながら、この水槽にもう1種、タカノハダイ科のマグパイパーチが入っていたが、マグパイパーチは南オーストラリアの魚(という認識)。ニュージーランドにもいるのかは分からないが、マグパイパーチは葛西臨海水族園でも見ることができるので、やや馴染みがある感じかな。

今回この水槽で見た魚の中で、もっとも興味を引かれた、というか、何だあれ!? と思わせてくれたのが、この魚。
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回遊魚のような尾びれを持った、マグロとかブリとか、そういう雰囲気の魚だが、マグロやカツオなどサバ科ではなさそうだし、ブリにも似てるからアジ科の魚なのか!? とか色々思いを巡らせつつ、家に帰って調べてみると、どうやらカウアイ(かその近縁種)という魚らしいことが分かった。
和名はマルスズキ。現地ではカウアイの他に、オーストラリアンサーモンとか呼ばれることもあるらしいが、どちらも非常に分かりにくい名前。
スズキ目だが、狭義のスズキの仲間ではなく、もちろんサケも関係ない。
ニュージーランドや南オーストラリアでは割とよく見られる魚のようで、海だけでなく淡水域にも侵入してくる、釣り魚としてはメジャーなもののようだ。
それはともかく、この時、この水槽でオレをもっともときめかせてくれたのはこの魚だ。
だって、絶対に見たことがなく、日本にもいない魚という、今のオレを大いに満足させてくれる条件を備えていたから。
水槽には2匹がいたようだが、よくもまぁ、こんな魚を展示してくれたものだ。それは他の魚にも言えるけれど……

水槽の上の方を泳いでいることが多くて、下の方に来ても結構な速さで泳ぎ去っていくので、じっくり見るとはいかなかったけれど、これまで知らなかったこれらの魚を知ることができただけで大いなる収穫だった。
お陰で、久々の海遊館では大きな満足感を得ることができた。楽しかった~!! ブログもこのままこの水槽でもう1週やっちゃおうかな?(笑)
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コメント 2

Kazu

珍しい魚紹介、ありがとうございます!クック海峡水槽は、葛西の各水槽と並ぶ外国の海特化水槽で、いつも楽しみにしています。こうした水槽が他でも見れればと思うのですが、なかなか難しいのでしょうかね。
by Kazu (2021-12-02 10:15) 

ミストラル

>kazuさん

難しいでしょうね。
手に入れるのが簡単ではなさそうな割に、集客力があるとも思えないですし。
よく維持してるなぁ、とあらためて感心させられます。
だからこそとてもありがたいんですけどね。
by ミストラル (2021-12-11 00:21) 

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