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水族館がやってることは悪いこと? [雑談]

奇跡のホオジロザメ展示の顛末は皆さんご存じと思うのだけど…
やっぱり、と言うべきか、水族館へは様々な方面から苦情が寄せられたらしい。
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残念な結果にはなってしまったけれど、数日とは言え、あのサイズのホオジロザメを展示できたことは奇跡みたいなこと。
それによって、多くの人が海で暮らす生き物やその生存環境に悪影響を及ぼすことなく、かつ安全に、その生きた姿を見ることができた訳だ。
展示を行った水族館としては、聞こえてくるのが苦情ばかりでは気分が滅入ってしまいそうだが、中にはオレみたいに夢が叶ったという人や、感謝してる人間だって沢山いるはず。
そもそも、そういう人に“見せたい”という強い思いがあったからこそ、短期間でも展示が成功したのだし、苦情に萎縮するのではなく、自分たちが成し遂げた偉業を誇って欲しい。
特に今回のケースでは、飼える水槽もないのに飼い始めたという訳でもなく、飼育、展示のための条件はちゃんと整っていた。そこに非難されなくちゃいけない要素はなかったはずだ。

でも、一連の流れを見てて思ったのは、イルカの次はサメか?
大型で誰でも知ってるホオジロザメみたいなシンボリックな存在は、大きな話題になる反面、それがうまくいかなければ、ネガティブな話題の中心にもなってしまう。
今回展示に失敗したのが、例えば、全長5㎜の地味な巻き貝とかだったなら、それがものすごく珍しいものだったとしても誰も何も言わなかっただろう。

飼い方も分からない魚を飼うなんて… という批判も的外れだ。
だって、3.5mもあるホオジロザメを飼ったことがある人なんて誰もいないのだから、それがどうすればうまく飼えるかなんて、誰も知らない。
それを知るための最初の1匹になるかも知れない… 今回の展示はその挑戦だった訳だ。
どんなことにも最初があるし、やってみなければうまくいくかどうか分からないことも多い。また、どんな成功も、膨大な失敗が積み上がった結果だったりするものだ。
もちろん、未来の成功のために、野生で暮らす生き物を死なせ続けることが許されるとは思っていないけれど、そもそも今回のサメは人が利用するために漁獲したものの混獲物だ。
食用にする訳でもないのだから、逃がせばいいという意見も当然あると思うのだけど、そこで作業する人に危険が及ぶ可能性も高く、逃がすのも言うほど簡単なことではない。
そのため、そうい場合はその場で処分してしまうこともあると聞く。
でも、水族館でうまく飼えさえすれば、少なくともそこで死んでしまうことはない。サメにとっても悪い話ではないんじゃないか? と思うのは贔屓目だろうか?

欧米、ことアメリカでは、水族館に限らず、動物園とか、動物の飼育施設自体が悪、という風潮があるらしく、そうした施設によくない印象を持つ人が増えているのだとか。
そういう人たちから見れば、今回の一件も、残酷な愚かしい行為に感じてしまうのだろう。
動物園や水族館って、そんなに酷い? 可愛そう? 
残酷とか、これは虐待だろう!! と思う尺度は人それぞれだが、そこまで酷いものとはオレには思えないのだ。
オレは今回、生きたホオジロザメの姿を見たことで、あらためて“生きた姿”を伝えられる施設の重要性や必要性を感じたが、それがダメだというのなら、動物たちの生きた姿はどうやって知ればいいのだろう?
それらが住んでいる場所に行く? 確かにそうかも知れない。
しかし、水族館に行く人は年間で1000万人以上にも及ぶのだ。そんな大人数の人が動物の生息地に押し掛けていくなんて、そこに住まう動物たちからすれば迷惑極まりない話だ。
知床やガラパゴスなどの例を見るまでもなく、人が野生動物と接触していいことなんて何もない!! 動物園や水族館に行く人のすべてが、動物の生息地に押し掛けるようになったなら… それこそとんでもない虐待だ。
動物園や水族館がその防止策になってると言ったら詭弁だろうか?

先にも書いたように、人の知りたい欲求のためなら、野生動物を消費してもいい、とは決して思っていない。動物愛護系の人たちの言い分に賛同できる部分も少なからずあるし、日本には水族館がありすぎだとも思っている。
でも、生きた姿を実際に見ることで分かることは沢山あるし、飼ってみることで知ることができることも膨大だ。
その対象を知ることで、この先の保護や、共生関係のために有意義な何かも得られるかも知れない。
そこで生きた姿を見知ったことで、その生き物や、それが住まう環境を大切にしなきゃいけない!! 水族館や動物園はそんなきっかけにもなっている。
生き物たちに無関心にならないため、その生息環境を護っていくためにも、そんな気持ちを育むきっかけになる施設は必要なのだ!!

日本中の水族館、どこに行ってもあれもこれも見られなきゃいけない… そういう時代では流石にないと思うけど、どこそこの水族館に行けば、○○が見られる… くらいなら自然生態系に掛ける負担や迷惑も少なくて済むだろう。
詭弁かも知れないことは分かっているし、人間の身勝手な欲求だが、そのために必要最低限の生き物を飼うことは、現状、生き物、人の双方にとって最善の方策だと思うのだ。

それからもうひとつ。
水族館で生き物を飼育し、展示することを南氷洋の捕鯨や、イルカ漁と同列に語って欲しくはない。
それらはまったく別の話だ。
個人的には、南氷洋の捕鯨はすぐに止めるべきと思っているし、イルカ漁も今の規制のまま続けていくことには賛成できない。
愛護系の人たちと違って? 可愛そうだから、が理由ではないけれど…
タグ:水族館
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コメント 10

通りすがり

水族館のやっている事への是非、文章の内容はともかく、大事な所で脱字があるので少し読みにくいです。
by 通りすがり (2016-01-23 00:42) 

べれ

ちゅら海とか竹島のような良い水族館は別にいいけど、悪い水族館もあるから最近は何ともいえないかなと。
品川エプソンアクアパークとかアートアクアリウムとかもう魚をインテリアとしてしか見て無いようで…。

客も客でデートスポットとしてしか水族館を見て無いし。よっぽど小学生の遠足の方がマナーは悪いが正しい。

あと水族館や動物園が飼育方法の確立とか希少種の繁殖を目的云々言い出したのは割と最近だと思う。後付で。

私個人は必要悪だと考えてます。研究の為に必要だし、その為にはお金が必要。お客は満足して金を出す。リピートする為により大きく、より珍しくの好循環になればと。

動物愛護団体は金を出さない。代替案を出さないから無視する姿勢でいいかなと。


by べれ (2016-01-24 11:30) 

ゆう

>動物園や水族館がその防止策になってると言ったら詭弁だろうか?

無関係だと思います。
by ゆう (2016-01-27 21:52) 

Haie

こんばんは

私は実物を目にされたミストラルさんを羨ましく思います。
美ら海の方もサメ好きに見てもらえたことを何よりうれしく思っておられるでしょう。

他館が様々な制約のある中、美ら海はサメにとってもかなりベターな環境を用意できるはずです。
飼育成功に近い水族館最有力候補と考えています。

むしろなぜ今までやらなかったのか? そして今後、どうするのかが気になります。(死因究明や能動的取得へのシフト)
by Haie (2016-01-30 00:52) 

ミストラル

>通りすがりさん

それは失礼しました。
by ミストラル (2016-02-01 18:55) 

ミストラル

>べれさん

飼育方法の確立とか、希少種の繁殖云々は昔からやってはいたんです。
それがあまり外に聞こえてこなかっただけで、時節柄、そういう話がよく出てくるようになった、ということじゃないかと思いますよ。

個人的に“必要悪”という言葉はあまり好きではないけれど、そういうことなのかも知れませんね。
by ミストラル (2016-02-01 18:57) 

ミストラル

>ゆうさん

残念ながら、貴方とは考えが異なるようですね。
by ミストラル (2016-02-01 18:57) 

ミストラル

>Haieさん

ホオジロザメの展示の挑戦は、美ら海水族館に限って言えば、これまでも度々挑戦はしていたそうです。
ただ、定置網に迷入した個体があまりにも大きかったり、運んでも生かせなかったなど、これまでは展示まで至らなかったとのこと。
それが大型サメの取り上げ、輸送等々の技術の向上で、ようやく展示までは漕ぎ着けた。
その先に期待したいところですが、変な騒ぎになってしまったお陰で、今後、再びチャレンジはしてくれないかもなぁ、と心配しています。
今回、見ることができなかった人にも、再びチャンスがあることを願いたいですね。
by ミストラル (2016-02-01 19:06) 

宮城

ずいぶん極端な反対派がいました。
突っ込みどころだらけです。
http://amour918.blog.fc2.com/blog-entry-1189.html
by 宮城 (2016-08-30 15:22) 

鷹ちゃん

水族館のマナーは知っています。
①水槽を叩いたり、フラッシュ撮影をしない
②タッチプールに居る生き物を水の外に出したり、強く握ったりしない
③出してしまった場合は優しく戻す
④生き物の入っている袋は振り回さない
⑤タッチプール以外の場所に居る生き物は触らない
⑥タッチプールの生き物を触り終わったら次の人に代わって手を洗う
by 鷹ちゃん (2017-01-06 19:41) 

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