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サケ遡上ツアー 2015 [淡水魚]

2ヶ月ほど前、おんねゆ温泉 北の大地の水族館に行った時のこと。
顔見知りのスタッフ氏に「Oさん、サケ、好きなんですか?」と聞かれた。
彼女は、オレが北海道にいる理由を知っていたから、特別なサケ好きだと思うのも当たり前かも知れない(笑)
とは言え、一部のサメやエイ、ピラルクーなどのような特別な存在ではないつもり。食べるのは大好きだけどね(笑)

秋にサケの遡上を見に行くことが恒例行事となっている。その発端となったのが、最初の北海道遠征、2011年の時のこと。
豊平川さけ科学館を出て、館の横を流れる真駒内川を何気なく覗き込むと、そこには遡上サケの姿があった。
その時のものはサクラマスだったけれど、初めて見るサケの遡上に、しばらくその場から動けなくなったほどの、身震いするような感動に包まれた。

オレが小学生だった70年代、高度成長期だったこともあり日本各地の河川環境は悪く、比較的身近だった多摩川も、今とは比べものにならない汚い川だった。
当然、環境改善を呼びかける運動なんかもあって、そのひとつに「多摩川をサケの帰る川にしよう」というものがあった。
今にして思えば、どうかしてるぜ、な話なのだけど、実際にサケの稚魚を小学校に配ったり、放流イベントを行ったりしてた。
その頃のオレはというと、まずはそのサケの稚魚が欲しかったんだけど、同時に、綺麗な川にはサケが帰ってくる=凄いこと、みたいに刷り込みが入ってしまったらしい。
その効果はオッサンになってもしっかり持続していたようで、そこに知識として知っていた、サケの遡上ストーリーが重なり、強い感動につながった、という訳。

その時の感動をもう1度、ではないけれど、以降、すっかり恒例行事。

今年も行ってきた。ただ、いつもの千歳ではなく、今回は標津。
標津サーモン科学館に行ったことがなかったのもあったけれど、それ以上にカラフトマスの遡上を見てみたかったからだ。
カラフトマスは以前、千歳サケのふるさと館(現・サケのふるさと 千歳水族館)で、水槽展示された遡上個体を見たことはあったけれど、千歳川には遡上しないので、それが川を泳いでいる姿なんてもちろん見たことはなかった。
体長こそシロザケより小さいものの、オスの背中が大きく盛り上がり、口も大きく裂けたようになるので、より厳つく見える見た目と、遡上河川が限られることなどから、オレの中ではベニザケと並ぶスペシャルな存在。
しかも、その遡上時期はシロザケよりも早く、9月末頃に行くことが多い北海道遠征では、水槽展示でも見られたらラッキー、なくらいだった。

カラフトマスはオホーツク海沿岸、根室海峡沿岸など、北海道でも東端エリアを中心に遡上するので、標津まで行けば見ることができるのだ。
という訳で、今年は例年よりも半月ほど早い9月初めに標津へと向かった。
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標津サーモン科学館に到着したら、入館前に標津川へ。観覧用の橋の上から川を覗くも、今にも雨が降り出しそうな曇天では、川の中が非常に見えにくい。
それでも、大量のシロザケがいることは見て取れた。ただ、その中にカラフトマスがいるかまでは……

しかし、だからといって気落ちする必要はない。標津サーモン科学館にも千歳水族館のような、水中観察室があって、魚道に遡上してきた個体の姿を見ることができるからだ。

魚道水槽まで行くと… いた!!
数は思ったほど多くなかったけれど、見えるところを泳いでいるのはほとんどがカラフトマス!! 遠いところまで来た甲斐があったというものだ。
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どうやら、標津サーモン科学館ではカラフトマスは特別な存在ではない、そんな印象すらあったくらいだ。
と言うのも、館内の海水大水槽には、遡上前に海で捕獲された個体が泳いでいたし、水族館の隣にあるサーモンハウスではやはり遡上前に捕獲されたカラフトマスやサケが、食用として販売されていた。並んだものはいずれも見惚れるくらいに綺麗で、眺めて楽しむものではないとは言え、買って帰れなかったことが本当に残念だった。
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標津でも千歳でも、遡上したサケは捕獲され、孵化場へと送られる。
もちろん、繁殖という彼らの目的は人の手を介して達せられるのだけど、漁獲され、運ばれていくサケたち、とりわけ選別され、繁殖に参加できない多くのオスたちの姿には、何とも切ない気分にさせられた。
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まぁ、それも含めた、遡上サケの見物、ではあるのだけれど…

今年は、標津に行って約1ヶ月後の10月半ば、仕事で北海道に行く機会に恵まれた。
お陰で千歳川を見に行くこともできたのだけど、ベストシーズンなんじゃない!? という期待とは裏腹に、千歳川にはウグイすらもほとんどおらず、見掛けたサケはたった1匹。
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こんなことってあるの!? と驚いていたら、その1週間後くらいに行った友人、知人たちのSNSには、それこそ川を埋め尽くすほどのサケの姿が。

沢山の遡上サケは標津で見ているとは言え、天候には恵まれていない。
何となく、今年は“負け”た気分。
来年こそ!! と意気込むものの、標津のカラフトマスと、千歳のシロザケのハシゴは意外と難しそうで、どうしたものかなぁ、と。
来年の9月に向けて、じっくり考えたいと思います(笑)
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