沖縄美ら海水族館 ジンベエザメの繁殖の話 [サメ]
今回のブログで、「ミストラルの水族館ブログ」500記事め。
我ながら、よくもまぁこんなに書き続けてきたものだと思うと同時に、お付き合いいただいた皆さんに感謝。
節目のブログなので、当ブログのキラーコンテンツ? であるジンベエザメの話。
最近、ジンベエザメに関する訃報が続いているけれど、それとは間逆の内容だ。
美ら海水族館では大水槽の前にいたスタッフ氏にいろいろ聞かせてもらうことができた、というのはひとつ前のブログに書いた通り。
話を聞かせてくれたスタッフ氏がそこでしていたことは、ジンベエザメの観察。
美ら海水族館では、混雑が緩和される時間帯になると、館内に飼育スタッフ氏の姿が見られるようになり、それぞれ担当水槽や部門の観察を行っている。
でも、話を聞いたスタッフ氏がしていた観察は、それとは少し事情が違うようで、ジンベエザメの水槽内繁殖に向けた取り組みの一環、といったところだろうか?
旧水族館時代から20年近くに渡って飼われているオス個体、ジンタ。
9m近いサイズにまで成長し、12年には性成熟に達したことが確認された。
クラスパーが急速に伸長、雄性ホルモン値の上昇などからも成熟と判断されたらしい。
性成熟は8~9mほどという推定値が正しかったことが証明されたことになると同時に、夢の水槽内繁殖が少し現実味を帯びた。
大水槽を泳ぐ3匹の内、ジンタを除く2匹がメス個体へと交替されたのも、もちろん繁殖を見越してのことだ。
ジンタよりも若く、小さいそれらのメスたちは、まだ成熟には達してはいないようで、繁殖の実現にはもう少し(あと数年は)掛かりそうだ。
しかし、1年ぶりに見た2匹のメスたちは、ずいぶん大きくなってた。
それまでならパッと見ただけでも小さく、ジンタでないことが分かったけれど、今は瞬間的に分かるほどの差はなくなってきている。もちろん、ジンタの全長と比べれば、まだまだ2mくらいは小さいのだろうけど、それでも確実にジンタ級の大きさに近づいていることは間違いない。
下がジンタ。上が大きい方のメス個体。
飼育スタッフ氏に教えてもらったのだけど、体型にも微妙な変化が現れつつあって、オスのジンタは細長い感じなのに対し、2匹のメスは肩口から盛り上がったような感じで、オスよりもしっかりした感じに見える。もっとも、その差は“なんとなく”だけど…
しかし、メスたちのそんな成長ぶりも、繁殖の実現を現実的なものに感じさせてくれる要因のひとつだ。
ただ、メスがオス(ジンタ)と同様、8~9mで性成熟に達するかどうかは分からない。
もっと大きくならないと成熟に達さないのであれば、繁殖の実現も、自ずと先の話、ということになるのだろうけど。
大水槽担当の飼育スタッフ氏が持ち回りで観察を続けていたのには、ジンタがメス個体を追尾し始めたこともあるようだ。
残念ながら、オレが見ていた時には、そんなそぶりすら見せてくれなかったが、同行者によれば、それらしい動きをしていた瞬間があった、という。
追尾はその他のサメ、エイ類と同様、結構激しいもののようで、いつもゆったり泳いでいるジンベエザメが、その時は速く、勢いよく泳ぐのだそうだ。
そんな様子を見たことがないオレには、まさかと思ってしまうけれど、水槽が壊される心配すらしたらしい。実際、水槽を製作した日プラに問い合わせをしたほどだとか。
水槽の強度は大丈夫!! というお墨付きを得られたとのことだが、約9mのジンベエザメによる追尾は、いつも見ているスタッフ氏にさえ、ちょっとした恐怖感を憶えさせるほどの迫力があるんだろうね。見てみたいものだ。
オスの性成熟、追尾までは観察できたけれど、問題はそこから先だ。
ジンベエザメの繁殖について分かっていることは、卵黄依存型胎生であること、300匹以上を1度に妊娠する可能性があることくらい。
追尾から交尾に至る過程や、交尾そのもの、そして妊娠から出産。
すべて分からないことだらけ。水槽内繁殖が成功したら、それがすべて解明されることになるのだ。夢のある話だよね。
仔魚だって、300匹が1度に産まれてくるのか、数匹ずつバラバラに産まれてくるのかももちろん分かっていない。
実際に繁殖に成功すると、300匹の仔魚の世話なんて、想像を絶するほどの大変さだろうけど、やはり生まれたてのジンベエザメがどんなのか見てみたい。
もしかしたら、大水槽を持つ全国の水族館に、美ら海水族館生まれの小さなジンベエザメが見られる、なんて日が来るかも知れない。
今はまだ夢物語に近い話のはずなのに、現実味を帯びて聞こえるのは、数年前まではやはり夢物語だったマンタの繁殖を、それほど驚かないものにしてしまったという実績があるからなのだろうと思う。
マンタの繁殖にオニイトマキエイやモブラ(イトマキエイ)の展示、そしてジンベエザメの繁殖。
今回の美ら海水族館訪問では、ホント、多くの夢をもらった感じ。
水槽の展示はいつもより見足りてない気がするものの、気分的には大満足。
手前の2匹がメス。奥がジンタ。しっかり食べて早く大きくなってね~
さて、そう遠くない未来に実現するだろうジンベエザメの出産は、これまた見てみたい。
そんな日が近づいた暁には、いつでも沖縄に飛び立てる準備をしておかなくちゃ、だな。
我ながら、よくもまぁこんなに書き続けてきたものだと思うと同時に、お付き合いいただいた皆さんに感謝。
節目のブログなので、当ブログのキラーコンテンツ? であるジンベエザメの話。
最近、ジンベエザメに関する訃報が続いているけれど、それとは間逆の内容だ。
美ら海水族館では大水槽の前にいたスタッフ氏にいろいろ聞かせてもらうことができた、というのはひとつ前のブログに書いた通り。
話を聞かせてくれたスタッフ氏がそこでしていたことは、ジンベエザメの観察。
美ら海水族館では、混雑が緩和される時間帯になると、館内に飼育スタッフ氏の姿が見られるようになり、それぞれ担当水槽や部門の観察を行っている。
でも、話を聞いたスタッフ氏がしていた観察は、それとは少し事情が違うようで、ジンベエザメの水槽内繁殖に向けた取り組みの一環、といったところだろうか?
旧水族館時代から20年近くに渡って飼われているオス個体、ジンタ。
9m近いサイズにまで成長し、12年には性成熟に達したことが確認された。
クラスパーが急速に伸長、雄性ホルモン値の上昇などからも成熟と判断されたらしい。
性成熟は8~9mほどという推定値が正しかったことが証明されたことになると同時に、夢の水槽内繁殖が少し現実味を帯びた。
大水槽を泳ぐ3匹の内、ジンタを除く2匹がメス個体へと交替されたのも、もちろん繁殖を見越してのことだ。
ジンタよりも若く、小さいそれらのメスたちは、まだ成熟には達してはいないようで、繁殖の実現にはもう少し(あと数年は)掛かりそうだ。
しかし、1年ぶりに見た2匹のメスたちは、ずいぶん大きくなってた。
それまでならパッと見ただけでも小さく、ジンタでないことが分かったけれど、今は瞬間的に分かるほどの差はなくなってきている。もちろん、ジンタの全長と比べれば、まだまだ2mくらいは小さいのだろうけど、それでも確実にジンタ級の大きさに近づいていることは間違いない。
下がジンタ。上が大きい方のメス個体。
飼育スタッフ氏に教えてもらったのだけど、体型にも微妙な変化が現れつつあって、オスのジンタは細長い感じなのに対し、2匹のメスは肩口から盛り上がったような感じで、オスよりもしっかりした感じに見える。もっとも、その差は“なんとなく”だけど…
しかし、メスたちのそんな成長ぶりも、繁殖の実現を現実的なものに感じさせてくれる要因のひとつだ。
ただ、メスがオス(ジンタ)と同様、8~9mで性成熟に達するかどうかは分からない。
もっと大きくならないと成熟に達さないのであれば、繁殖の実現も、自ずと先の話、ということになるのだろうけど。
大水槽担当の飼育スタッフ氏が持ち回りで観察を続けていたのには、ジンタがメス個体を追尾し始めたこともあるようだ。
残念ながら、オレが見ていた時には、そんなそぶりすら見せてくれなかったが、同行者によれば、それらしい動きをしていた瞬間があった、という。
追尾はその他のサメ、エイ類と同様、結構激しいもののようで、いつもゆったり泳いでいるジンベエザメが、その時は速く、勢いよく泳ぐのだそうだ。
そんな様子を見たことがないオレには、まさかと思ってしまうけれど、水槽が壊される心配すらしたらしい。実際、水槽を製作した日プラに問い合わせをしたほどだとか。
水槽の強度は大丈夫!! というお墨付きを得られたとのことだが、約9mのジンベエザメによる追尾は、いつも見ているスタッフ氏にさえ、ちょっとした恐怖感を憶えさせるほどの迫力があるんだろうね。見てみたいものだ。
オスの性成熟、追尾までは観察できたけれど、問題はそこから先だ。
ジンベエザメの繁殖について分かっていることは、卵黄依存型胎生であること、300匹以上を1度に妊娠する可能性があることくらい。
追尾から交尾に至る過程や、交尾そのもの、そして妊娠から出産。
すべて分からないことだらけ。水槽内繁殖が成功したら、それがすべて解明されることになるのだ。夢のある話だよね。
仔魚だって、300匹が1度に産まれてくるのか、数匹ずつバラバラに産まれてくるのかももちろん分かっていない。
実際に繁殖に成功すると、300匹の仔魚の世話なんて、想像を絶するほどの大変さだろうけど、やはり生まれたてのジンベエザメがどんなのか見てみたい。
もしかしたら、大水槽を持つ全国の水族館に、美ら海水族館生まれの小さなジンベエザメが見られる、なんて日が来るかも知れない。
今はまだ夢物語に近い話のはずなのに、現実味を帯びて聞こえるのは、数年前まではやはり夢物語だったマンタの繁殖を、それほど驚かないものにしてしまったという実績があるからなのだろうと思う。
マンタの繁殖にオニイトマキエイやモブラ(イトマキエイ)の展示、そしてジンベエザメの繁殖。
今回の美ら海水族館訪問では、ホント、多くの夢をもらった感じ。
水槽の展示はいつもより見足りてない気がするものの、気分的には大満足。
手前の2匹がメス。奥がジンタ。しっかり食べて早く大きくなってね~
さて、そう遠くない未来に実現するだろうジンベエザメの出産は、これまた見てみたい。
そんな日が近づいた暁には、いつでも沖縄に飛び立てる準備をしておかなくちゃ、だな。
2014-07-26 00:00
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