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串本海中公園で「本物の」串本の海を堪能 [水族館インプレッション]

太地に行った翌日は、これまた約1年ぶりとなる串本海中公園へ。
前日の夕方から降り始めた雨は止むことなく、雨の中の訪問となってしまった。
サンゴがメインの水族館だけに、できれば晴れている中で行きたかったけれど、前日の太地と同じく、1年前にはできなかった経験をすることができた。

そのひとつが、海中観察船「ステラマリス」だ。
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喫水線から下がガラス張りなっていて、本物の海を水族館感覚で楽しむことができる串本海中公園ならではの遊覧船だ。
前回は海が荒れていたため乗ることができなかったが、今回は乗ることができただけでなく、朝一の出港便だったせいか、乗客は同行の3人だけという贅沢さ。
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混雑時には1つの窓を2人でシェアしなくてはならないそうだが、両側の窓をいくつも使うことができたという、同じ料金で非常にお得な航海となった。

今時期の串本の海は、冬から春に変わり始めた頃だとのこと。
春先は春濁りといって、1年でもっとも透明度が悪い時期なのだそうで、オレが行った頃は、それが始まる直前。
透明度はまだまだ十分に保たれていて、約12mほどあった。

出航し、数分も走ると、そこはサンゴの海。
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一面に繁茂したサンゴ礁は、ため息が出るほどに美しく、色とりどりのコーラルフィッシュ… はいなかったけれど、海中でもりもり育ったサンゴの森は、ひたすら信じがたい光景だった。
それが広がっているのは、沖縄でもフィリピンでもインドネシアでもなく、自分が住まう本州なのだから。

魚もいたが、水温が低い時期ということもあり、メジナやニザダイなど、本州の磯でも普通に見られる魚が中心。

水温が上がる夏場になると、南方の魚の数が増え、サンゴ礁らしい光景になるらしいのだけど…
でも、夏場には、もちろん運が良ければの話だけれど、マンタが見られたこともあるらしい。最南端とは言え、本州の海でマンタ!! しかもそれがダイビングなどではなく、遊覧船の窓からなんて… 串本、凄すぎる!!
夏場は見られる魚種数は増えるものの、透明度は残念なことが多いらしく、反面、海がもっともクリアで、透明度が高い冬場は魚がいないのだそうだ。
透明度、魚の数の両面でオススメは、秋。それも10月くらいがベストシーズンなのだそうだ。そんなことを聞いてしまうと、その頃に再び… なんて思ってしまうよね。

ステラマリスでの航行時間は30分弱。
美しい海中の光景を夢中で眺めていたら、アッという間に帰港時間。

でも、串本海中公園には、もうひとつ、海を眺められる海中展望塔がある。

海中展望塔の階段を下まで行くと、そこは海中6.3mの世界。
覗き窓は小さく、見える範囲が限られてしまうものの、海のコンディションなどで欠航することもあるステラマリスとは違い、いつでも見に行くことができるのは大きな強みだ。
前回訪問時も大きな感動を得られていたけれど、今回はとりわけ魚のバリエーションが多く、前回とは違った驚きと感動が得られた。

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窓を覗きに来たホンソメワケベラ。
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ヘラヤガラも窓の前に。

特定の海域にこだわった展示を行っている水族館は少なくない。
でも、そこで見せているものが、そこで紹介されているものが、果たしてそのテーマとなった海をどこまで見せられているのか、その答えを水族館で知ることはできないのが普通だ。何故なら、本物の海の中を眺められるのは、ダイバーくらいのものだからだ。

でも、串本海中公園は、ダイバーでなくても、誰でもが本物の海と展示を見比べることができる、日本で唯一の水族館だ。

もちろん、広さや深さに限りのある水槽では、海とまったく同じという訳にはいかないが、海中展望塔から見えた光景、それを縮小、凝縮したものが水槽の中に詰まっていることが分かるはずだ。
「目の前の海の水をそのまま使っています」という説明は、これまでも度々耳にしていたけれど、それによってもたらされる“本物感”は串本海中公園ならではの凄さだと思う。

ステラマリスによって、今まで以上に串本の海の豊かさを実感したが、それによって、串本海中公園の水族館の濃厚な本物感を、より一層強く実感できたことは、今回の訪問で得られた大きな収穫だった。
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