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マリンワールド海の中道 [水族館インプレッション]

博多から乗った電車を、香椎という駅で単線ディーゼルのローカル線? に乗り換えて20分くらいで海の中道駅に到着する。そこから綺麗に整備された公園の中を案内板に従って5分ほど歩くと、目の前に壁のような巨大な建物が現れる。それが目的の水族館、マリンワールド海の中道だ。九州最大の水族館らしいのだけど、建物を見れば、それが本当のことだとすぐに納得できる。その巨大さは、威圧感すら感じるほどで圧倒された。
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建物は扇形のような形をしていて、右翼部分がメインの大水槽、左翼部分がイルカのショープール。その間にも水槽が沢山あって、さらにイルカショーや、鰭脚類を展示した新施設、かいじゅうアイランドなど、大規模水族館らしいボリューム。ひと通り見終えると、かなり“お腹いっぱい”な感じになれる。
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開館したのは89年とのことだが、巨大な建物や贅沢な作りなど、バブルに沸いていた当時を偲ばせる。その頃から増え始めた大水槽を筆頭に、トンネル水槽、そして2フロアを突き抜けた深さ10mの円柱形水槽など、その当時にはまだ珍しかったタイプの水槽が色々と揃っており、展示面でも、同じ頃にオープンした水族館と似たようなコンセプトでの展示が行われている。例えば、「サンゴ礁の魚」とか「毒のある魚」、「光る魚」など。恐らく、水族館の展示にも流行やトレンドみたいなものがあって、当時はこうしたスタイルがトレンドだったのだろう。小さな子供でも分かりやすい括りだが、反面、同じような展示を行っている水族館は他にもあるので、水族館ばかり行ってる身には印象に残りにくい。
ただ、マリンワールド海の中道では、ひとつひとつの水槽が大きめで、その数も多い。沢山の展示を見たという満足感はしっかり得られるので、水族館ならではの楽しさは十分に味わえる。だが、水槽の中を泳いでいるのは、やはり多くの水族館で見られるようなものが中心で、珍しいものなどは少ない。
マリンワールド海の中道では、対馬暖流がテーマになっているそうだが、展示からはそんなテーマはイメージしにくい。だが、水族館でコンセプトとかテーマとか、そんな小難しいことを気にする人はほとんどいないだろうから、こうした分かりやすい楽しさ重視の展示というのはありなんだろう。

メインはやはり館内の約半分近くを占めるパノラマ大水槽だ。
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下田海中水族館の水槽に似てる印象を受けたが、容量はその倍以上ある大型水槽だ。
水槽の前にはベンチが並び、そこに腰を下ろすと、目の前に壁のように水槽が広がる。
主役はシロワニだが、水槽内にはそれ以外にも多くのサメが行き交っており、サメ好きには何とも楽しく魅力的な水槽だった。
水族館を後にした時、楽しかった~!! と大きな満足感を得られていたのだけど、そのほとんどはこの水槽によるものだったように思うくらいだ。というワケで、パノラマ大水槽の話は独立したレポートとして次のブログに続けたいと思う。

こうした大規模水族館に共通する特徴として、海獣の展示が充実ぶりがあげられるのだけど、マリンワールド海の中道もその例に漏れず、沢山の海獣類が展示されていた。
ラッコやバイカルアザラシなど大規模水族館の定番種? から、アシカ、アザラシがビュンビュンと泳ぎ回る09年オープンのかいじゅうアイランド、ショーに登場するものも含めれば5種類いる鯨類等々、それぞれのファンが訪れても満足できるだろう充実ぶり。それらの中でも、特に印象的だったのがスナメリの可愛らしさだ。
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水槽が目に入った瞬間、“小っちゃい!!”と声に出てしまうほどの小ささ。
少し大きめの水槽を持ってる人なら家でも飼えるのでは…!? なんて本気で考えてしまえそうなほどの小さい。スナメリってこんなに小さかったっけ?
スナメリがいた水槽はそれほど大きなものではなかったけれど、それでも窮屈に感じないくらいの小ささは、大きいイメージのある鯨類の中では飛び抜けて可愛く感じる。
また、その丸い顔と、笑ってるような口元。しかもそれが首をクネクネと動かしながら、ボールなど水槽に入れられたおもちゃで遊んでいる姿は、鯨類に対して特別な感情がないオレでも顔がほころんでしまう。
しかも、それが時々、こちらの顔を覗きにやってくるのだ。
ジッとこちらを見る時の顔は、明らかに笑顔で、実に可愛い!!
東京を基準に考えると、西の方の水族館にしかいない種類だが、飼育に巨大な水槽が必要なく、これだけ可愛いのだから、もっと展示する水族館があってもいいのに。見る度にそう思う。
もしかすると、飼育の難しさが飼育園館の少なさの理由なのだろうか?

イルカショーも規模、見た目、そして後ろに広がる借景も含めて素晴らしいスタジアムで繰り広げられる。
オレが行った日はどんよりした天気で、北風も吹き付ける寒い日だったのだけど、スタジアムのベンチにはシートヒーターが設置されていて、まずはそれがとてもありがたかった。ショーの内容とは直接関係ないことだけど、こうした配慮は嬉しいし、特にオレが行ったような寒い日なら、水族館の印象にすら影響してくるんじゃない? なんて思うほどありがたみを感じた(笑)
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ショーはアシカ、イルカの2部構成で、最初はアシカパートから始まり、イルカが後に続く構成。
アシカは2頭、イルカは結構大きいショープールに4頭が出演する。広いプールでのびのびと技を繰り出していく。
アシカ、イルカともにビックリするような大技はないものの、決められたプログラムをしっかりこなし、ちゃんと楽しめるショーになっている。
イルカは4頭ずつ? のチームで出演することになっているようで、オレが行った日はベテランのバンドウイルカ、カマイルカ、2頭のハナゴンドウによるチームが出演していた。
控えのプールにはコビレゴンドウもおり、それもショーに出演しているそうなのだけど、イルカショーに登場すること(飼われていること自体)が少ない種類だけに、そちらの活躍も見てみたかった。

展示やショープログラムも充実しているが、体験メニューも豊富に用意されている点にも要注目だ。
すべてのメニューは有料で、入り口付近の券売機で人数分のチケットが販売されている。その多くは餌が与えることを中心としたメニューだが、魚好き、海獣好きのどちらも楽しめるものになっている。
魚に餌を与えることもさることながら、飼育スタッフの人に話を聞いてみるチャンスということで、もちろん、オレも参加してきた。魚に餌を与えることのできるのは飼育係チャレンジというメニューだ。
寒い平日ということもあってか、参加者はオレを含めて2人だけ。お陰で写真を撮る暇もないほど餌を与えることができたし、話も色々と聞かせてもらうことができた。
それがオレの満足度を大きく高める要因になっていたことも間違いなさそうだ。

海の中道駅前には、色々な生き物の写真が組み合わされたマリンワールドの看板が立っているのだけど、そこに載っている様々な生き物たちによって、満足感を詰め込まれた、看板を見ながらそんな風に思った。変な言い方だけど、もちろん悪い意味じゃない。
良くも悪くも、それほどマニアックではない反面、誰でも規模に見合った満足感が間違いなく得られる。そんな水族館だと思った。
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コメント 2

pomu.

「海の中道」という名前がいいですねぇ
カッコいい横文字でないあたりに、なんだかほっとします

その水族館の目指すものなどはそれぞれあるんでしょうが
見に行くほうはあまり気にしませんもんね
あまりにもばらばらで統一感がなくてもいまひとつだろうとは思いますが
あまりにもきちんとしたコンセプトがあると、そう見なきゃいけないような気がして
それはそれで窮屈な感じがしそうなので
ある程度ゆるいのがいいかもしれません

ゆるいといえば、スナメリの表情!
かわいいですねぇ
つられて笑顔になってしまいます
右手をあげて挨拶してくれてるようなところもたまらなくかわいいです

スタジアムのベンチがあたたかいっていうのも素晴らしいですね
外出先の洋式トイレの便座があたたかいだけで
「この店はいい店」って思ってしまうわたしには最高のサービスです(笑)
by pomu. (2011-02-27 08:49) 

ミストラル

>pomuさん

「海の中道」は地名なんですよ。
博多湾に細長く突き出たような半島(砂州)で、その細長い感じから海の中道と付けられてるんだと思います。
実際、そんな感じしますから!!

水族館めぐりをしてると、明確なコンセプトとか、それに沿った展示なんかを行っていてくれると、印象に残りやすいような気がしてます。
そんなことが気になり出すのは、何十館も回るようになってからだと思うんですけど(笑)

スナメリ、可愛いんです!!
小さくて可愛いんだけど、ガラスの所までやってきてニッコリ笑ってくれます。
お陰で、かなりの時間をスナメリ水槽の前で過ごすことになりました。

今回遠征した3館は、いずれも天気が悪くてすごく寒かったので、シートの暖かさは心に染みました(笑)
いい水族館だぁ~!! って思いました。
by ミストラル (2011-02-28 00:39) 

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