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ウォットの気になる魚 [海の魚]

浜名湖は汽水湖という特殊な環境ながら、意外と固有種の類はいないようだ。
河川法上では都田川の河口なのだそうだが、川の淡水が注ぎ込む北部は海水の濃度も薄い汽水となるものの、海とつながった南部はほぼ海と変わらない塩分濃度があるようなのだ。そのため、名前こそ湖ながら、海の魚が普通に暮らしているらしい。
ウォットで展示されているのは、そこにいる魚だからして、即ち、日本の沿岸に生息する魚。だから、見られる魚はどれも、水族館でもお馴染みの顔ぶれ。
特別珍しいものがいるワケではないのだけど、水槽が大きくない分、小さな魚でもちゃんと目に入ること、そしてそれらが綺麗だったりすることから、1匹1匹をしっかり見ようという気分になるのだ。

そんな中で、最初の気になる1匹となったのがクロイシモチ。
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黄色っぽい体に、眼まで黄色い、黄色好き? な小魚。
オレが水槽を覗き込むと、スルスルっとオレの顔の前にやってきて、まるでアピールするみたいに上下に泳いでみせる。
頭だけが泳いでるみたいな体つきに、表情を感じさせない黄色い眼が、何だかハエかなんかの虫みたいに見えて、最初は“気持ち悪い魚だなぁ”なんて思った。
でも、見てくれはともかく、動きは可愛い。カメラを構えると、まるでポーズをとるみたいにジッとしていてくれたりして、なかなかいいヤツなのだ。
そうなると勝手なもので、ハエみたい、とか言ってた第一印象が、ミツバチみたいで可愛いヤツ、みたいに変化してくる。
そう、クロイシモチはミツバチみたいな可愛い魚なのだ!!(笑)
黄色い体でどうしてクロイシモチなのかは疑問だけど、その可愛さ? を見てみて欲しいと思う。キュンとはこないけど、ジワジワそう見えてくる、そんな魚だと思う。

可愛いといえば、一番印象的だったのは実はブリだった。
ブリ? 大きくていかにも力強そうな体つきの魚が可愛い?
そう思った人もいるだろう。
でも、ウォットにいた可愛いブリは、20㎝に満たない大きさの幼魚。
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大きめのアカメが入った水槽に、これまた同じくらいの大きさのカンパチと2匹、忙しそうに泳ぎ回ってた。
小さくても形はブリそのもの。でも、顔つきがどこかあどけなくて、しかも色がパチッと鮮やかでとても綺麗だった。
こんなに綺麗で可愛らしくて、フォルムも綺麗。それに多分、飼いやすい。いい魚だ。
当たり前の話なんだけど、淡水魚にはいないキャラクターがあらためて新鮮に見えた。
そんな魚なら、ウチの水槽でも… なんて思いながら、ガーやアロワナと泳ぐブリを妄想してみた。やっぱり、ちょっと違うのかなぁ…!?
そんな妄想が楽しめたのも、飼えそうなサイズだったことが大きいんだろうけど、飼いたくなるくらい綺麗で可愛いんだから、気にならないワケはないよね。

アジの仲間でもうひとつ。
ブリの幼魚やアカメがいる水槽からいくつか進んでいった所にある、中にカキ殻がつるされた水槽。
そこにはカサゴやハゼなどと一緒に、スズキの幼魚などが入っていた。
そこにいたのがこのアイブリ。
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アイブリといっても、何かとの雑種(合いの子)ではなく、れっきとしたそういう種類。
これはオレも初めて見る種類だと思うんだけど、ヒラヒラ感のある大きなヒレが可愛らしい魚だ。バンド模様は軍事用みたいな色合いだけど、この色、形は幼魚ならではのもので、大きくなると頭の丸いブリモドキみたいな感じになるようだ。
幼魚はこんなに可愛らしいのに、水族館で見る機会は滅多になく、成魚に至っては図鑑などで釣り上げられた写真しか見たことがない。

アジの仲間にしては、あまり群れない種類のようで、まとまって獲れないので食用としても一般的にならないとか。水槽でも、ブリの幼魚と同様に、同じようなサイズのロウニンアジの幼魚が入っていたのだけど、一緒に行動するワケでもなく、1匹でフラフラ泳いでいることが多かった。だが、味はいいらしい。色々な意味で興味津々な大型アジ類だ。

味がいいつながり? というワケではないけれど、ウォットでアカメの次くらいに会うのを楽しみにしていたのがこのハモだ。
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前のブログで紹介した中村元氏のブログでは、ハモの写真が掲載されていた。
それがとても綺麗な個体で、その写真を見た瞬間、是非、見てみたいと思っていた。
ハモは特に珍しい魚ではないはずだが、水族館で見る機会は意外と多くない上、いたとしても、その長い吻先が擦れているのが普通で、キズのない完品個体はなかなかお目にかかれないからだ。

目的のハモは、アナゴやウミヘビ(魚類の)など、ウナギの仲間がまとめられた水槽に入っていた。
ウナギの仲間には綺麗な顔をしたものが多い(とオレは思う)が、その中でもハモは特に美形。細長く尖った顔つきから、ダイナンウミヘビと混同されることもあるけど、見比べれば、ハモの方がよっぽど綺麗な顔をしてる。ウォットではどちらも同じ水槽に入ってるので、見比べることもできる。
オレが行った時は、泳ぎ回ることはなく、隠れ家のパイプから顔だけ出した状態だったけど、顔以外はウナギやアナゴと色以外大して変わらないし、ここのハモは顔にキズがないのが何よりの見所なのだから、顔だけ見られれば十分なのだ!!

それにしても綺麗な顔だ。口を大きく開けた時に見える3列に並んだ歯列には、ちょっと引くぐらいの迫力があるけれど、この強烈な歯や大きな口で、同居魚を襲ったりはしないのだろうか? ちょっと心配になるくらいの凄みがある。

先にも書いたように、ハモはあまり水族館で見ない魚というのもあるのだけど、そんなハモが見たいなら、ウォットは暫定No.1水族館と断言してもいいと思う。

ウォットはカニの展示も非常に充実していた。
1種類ずつ小さな水槽で展示されているので、ちゃんと見たという気分になるからかも知れないけれど、2Fの理科室に並べられたカニ水槽もじっくり見てきた。
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実はこのカニの展示も楽しみにしていたのだ。カニに限らず、無脊椎動物にはほとんど関心がないんだけど、pomuさんのブログで勇ましいポーズをとってるウォットのカニたちを見て、ちょっと見てみたいと思っていたのだ。
勇ましいポーズのカニたち。
http://pomuzu.blog133.fc2.com/blog-entry-755.html

目の前に並んだ水槽と、中に入ってるカニは、pomuさんのブログで見たそのもの。
ああ、これか!! と水槽に近づき、カメラを構える。
しかし、ポーズをとってくれるはずのカニたちは、ピクリともせず無視!!
生きてる? と声を掛けたくなるほど。
眼までコケに覆われた大きめのカニが、ピクッと動いたのが唯一見たカニの動き。
“ポーズをとろうかと思ったけど、やっぱ止めた”みたいな感じで、動かそうとしたハサミを引っ込めたのを見て思った。愛がないからだな、って。
先にも書いた通り、オレはカニに対してほとんど興味がない。
そんなヤツに対しては、カニたちだってサービスしてくれないってことみたい。
一応、写真は撮ったけれど、どれも液漬け標本みたいなものばかり。
あらためて、カニなんて面白くない!!、と思ったことは言うまでもないでしょう(笑)

でも、カニに対して愛のある人なら、ポーズをとって見せてくれるかも?
オレに対してクロイシモチやアイブリがそうだったみたいに、ね。
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コメント 2

pomu.

わーい! 紹介してくださってありがとうございます♪

カニに威嚇されることに関しては他の追随を許さないわたくしです(笑)

クロイシモチ……「ハエ」が「ミツバチ」になるなんて、よほどかわいらしかったんですねー!
今度行ったときにはわたしも注目してみなければ♪

人間も動物も子供ってかわいらしいですが
やっぱり魚の子供も頭が大きめで、きょとんとした顔つきに見えて、かわいらしいですよね
by pomu. (2011-02-02 17:50) 

ミストラル

>pomuさん

竹島水族館とウォットといえば、pomuさん、ですから!!(笑)

それにしても、カニたちのあまりの無反応ぶりを見ていると、
「あれ、威嚇だったのかなぁ?」と思わされます。
やはり、カニもそれらしいポーズを取ってるのかも!?

ウォットには大型魚の幼魚が沢山いますよね。
魚との距離も近くて、魚の可愛さを堪能できる水族館だと思いました。
クロイシモチは見てみて欲しいですけど、可愛く見えるかなぁ?(笑)
by ミストラル (2011-02-03 06:21) 

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