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ミツクリザメ [サメ]

新聞などでも報道されていたから、知っている人もいるかも知れないが、今月の16日、鴨川シーワールドにミツクリザメが搬入されたそうだ。
だが、オレがその話を知ったのは18日のこと。既にシーワールドの営業時間を過ぎた頃だったから、19日の朝、早速電話を掛けてみた。
すると“先ほど、展示を終了しました”とのこと。
状態を崩したのでバックヤードに下げたとのことだったが、ミツクリザメの場合、それは“死”を意味している。
案の定、その日のインターネットのニュースサイトには、鴨川の個体が死んでしまったという話が載っていた。

そういえば、07年の1月にも同じような話があった。
葛西臨海公園に搬入され、その翌日に電話を掛けたら、既に展示終了。
生きた姿を見たことがない未知のサメに逢う千載一遇のチャンスを逃してしまったことに、残念な思いをしたことを思い出した。
畜生、まただ!! と、その頃の悔しさまで戻ってきたような残念さを噛みしめていたら、
知人から驚きのニュースがもたらされた。
“17日に葛西臨海水族園にミツクリザメ搬入”

かつて鴨川シーワールドに勤務していたその知人は、2年前、オレに生きたミツクリザメを見られるチャンスをプレゼントしてくれただけでなく、今回もまた、そのチャンスを与えてくれたワケだ。
オレの中では、まさにMr.ミツクリザメ。ありがたい話だ。

しかし、そのニュースを聞いたのは19日の夜。際どいタイミングだ。
明けて20日の朝、葛西臨海水族園に電話してみた。すると…
“ちゃんと生きて泳いでますよ”とのこと。
コイツは急がねば!! と、目の前の仕事を放り出して、オレは葛西へと向かった。

相手は刻一刻と“死”に向かっていく、“飼えない”魚である。
気持ちが焦って仕方がない。
電車が来なければ走っても仕方がないのだけど、駅でも走り、乗り換えでも走り、水族園までももちろん走り、入館してからも深海ゾーンへと走った。

IMG_3843.jpg

いた。
ちゃんと泳いでる。
オレが初めて見た個体よりも状態はよさそうだ。
水槽内をゆっくりと、水流に乗って漂うように泳いでいた。
全長は1mくらいだろうか。クラスパーの大きさから察するに、まだまだ幼魚だ。
2年前に見た個体が“初めて見た生きたミツクリザメ”なら、
今回の個体は“初めてじっくり観察したミツクリザメ”だった。
水槽の前には3時間ほどいたのだけど、身体の動き、顔つき、歯、などなど、あらゆる部分をじっくり観察できた。
ただし、観察を続けてた3時間の間に、どんどん弱っていくような感じがして、明日にはもう… みたいな雰囲気がどんどん色濃くなっていくのが切なかった。
IMG_3849.jpg

もちろん、写真は撮った。
しかし、鴨川シーワールドの鴨川海底谷水槽に比べ、葛西の深海水槽は暗い。
暗すぎるほど暗くて、写真を撮るには絶望的な環境だ。
A/Fは使えないから、M/Fで撮影するのだけど、水槽内が暗すぎてピントが合っているかどうか分からないのだ。
加えて、動く被写体を撮るというのに、シャッタースピードを極端に遅く(真っ暗だから)して、しかもそれを手持ちでという、大先生級のカメラマンでも撮れないような条件の中、つたないウデで頑張ってみた。
とりあえず、雰囲気くらいは伝わると思う…
IMG_3928.jpg

オレが鴨川シーワールドで初めて見たものは、2年前の3月に搬入されたもの。
前にも書いた通り、その2ヶ月前にも葛西臨海水族園に搬入されている。
そして今年。鴨川と葛西に1日違いで搬入されているが、いずれも1~3月に集中している。
生息海域や深度で漁をするのが今時期だけなのかも知れないが、ミツクリザメが網にかかるのは、今時期の話のようだ。
つまり、まだ見られるチャンスはあるかも知れないってことだ。
生きたミツクリザメを見るには、情報収集と素早い行動がすべて。
今回見られなかった人も、諦めずに情報収集に努めて欲しい。
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