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アクアマリンふくしまが凄いワケ [海の魚]

魚でも何でも、捕食者がもっとも魅力的に見えのは、やっぱり捕食の瞬間だろう。
何しろ、そのための体であり、そこに備わった機能が存分に活かされる瞬間だからだ。
しかし、動物園や水族館では、そんな瞬間を見ることはまずできない。
それを残酷だと感じる人が多いからだ。
せいぜい、泳ぐ姿を見ながら、そんな瞬間をイメージする程度でしかできない。
しかし、アクアマリンは違う。
先日のブログにも書いた通り、捕食の瞬間を見せているのだ。
もちろん、それを目的とした展示ではないのだろうけど、捕食者と喰われる側の魚を一緒にすれば、当然、そういうシーンが展開されることは想定しているはず。
“残酷だ”なんて見当違いな批判を受ける可能性のあるシーンを、当たり前のように展示しているアクアマリンはやっぱり凄いと思う。個人的に最高評価の水族館だが、その評価の理由には、そんな姿勢も大きく影響している。

もっとも多く捕食シーンが展開されているのが、潮目の海の大水槽だ。
親潮水槽のアザラシは先日の日記にも書いた通りだが、黒潮水槽でも喰う喰われるの命のやりとりが度々繰り広げられている。
そこでの主役は、スマ&カツオとイワシの群れ。
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表層付近に固まるイワシの群れの下で、攻撃態勢に入るカツオたち。
グルグルと泳いでいる状態から、一瞬のためがあり、その直後、一気に加速し、イワシの群れへと突入する。
1匹がやり出すと、その他の個体も同様のアタックを開始し、攻撃を受けたイワシの群れがパニックになる。
カツオが加速に移る直前のための瞬間、ピリッという音が聞こえくるような気がするほどの緊張感。
時間にすれば、たった数秒のことなのに、1500tの水槽が一瞬、緊張感に包まれるのが伝わってくるのだ。
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襲う側も緊張するのか、攻撃態勢に入った瞬間から、体側に縦縞模様がフッと浮かぶ。
攻撃は意外なくらい、上手くいかなかったり、直前で止めてしまったりするのだけど、イワシが群れからはぐれると、そこに狙いを定め、猛スピードで突っ込んでいく。ターゲットとなったイワシも命がけで逃げているのが分かるが、何せ速度が違いすぎる。アッという間にカツオの口に収められてしまう。
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この一連の攻撃の瞬間、捕食者たちのヒレや体の動き、狙う側、狙われる側双方に広がる緊張感。
カツオたちの体や泳ぎの素晴らしさにただただ息をのまされる。
アッという間の出来事だからなのか、アザラシに襲われるイワシほど、生々しさを感じさせない。

喰われる直前で辛うじて難を逃れたイワシの中には、攻撃を受けてしまったものもいる。
当然、満足に泳ぐことができなくなっているから、群れには戻れず、死を待つだけの状態となる。
そこを狙っているのが、アオウミガメだ。
弱って動きの鈍ったイワシを襲い、バリバリと食べていく。そんなシーンを何度も見た。
飼育下という人工的な環境ながら、そこは自然界さながらの弱肉強食の世界。
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襲う側、守る側の攻防、そして敗れた者の残酷な行く末。
それぞれの瞬間、動物たちは最大限の煌めきを見せてくれる。
その度に、その煌めきの主の美しさ、カッコよさにハッとさせられる。
こうした光景は、潮目の海の大水槽だけの話ではないのだ。

そんなだから、アクアマリンではひとつの水槽の前でずっといても、飽きることがない。
動物たちのこんなカッコよさを、自然環境下以外で目撃できるのは、きっとここだけだと思う。
しかも、自然の中で見るよりも、はるかに簡単お手軽にだ。

だからこそ、アクアマリンは凄いのだ。
タグ:水族館
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