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チョウザメの話@標津サーモン科学館 [淡水魚]

ひとつ前のブログで書いた通り、標津サーモン科学館のもうひとつの主役はチョウザメだと思う。
水族館でチョウザメは珍しいものではないけれど、北海道の水族館では余所の水族館では見られないような種類、品種がいたりなどチョウザメの展示が充実している。
チョウザメなんて、どれを見たって同じような色、形をしているので、それが珍しい種類だと言われても、ありがたみを感じにくいという人も少なくないと思うが、それに興味があるという人にとっては、驚きや喜びを感じられることが多いのだ。
標津サーモン科学館は、そんなチョウザメ好きには外せない水族館のひとつだと言える。

その充実ぶりの理由が、周辺の海で捕獲されることがあること。
かつて北海道の川ではチョウザメが遡したそうなのだけど、今は昔の話。
しかし、海を回遊するものに関しては、今でも時々漁獲されることがあるらしく、特に昨年(2015年)はダウリアチョウザメの当たり年だったとか。
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そうして漁獲された大きな個体が水族館前に置かれた簡易プールに収容されていた。
ダウリアチョウザメは北海道以外の水族館では滅多に見掛けない稀種である。

簡易プールのひとつには、かつて北海道の川に遡上していたというミカドチョウザメもいた。個体の性質によるものなのか、はたまた野生捕獲個体だからなのか、水族館のチョウザメとは思えないほど神経質で、人影に怯えるようなそぶりを見せる。
そのせいか、水面には隠れ家代わりの覆いがされていて見にくいのに加え、オレが行った当日はどんよりとした曇りだったので、屋外の水面が非常に見にくいコンディション。そうでなくても見にくいものが、ほとんど見えないに近かったのが残念だった。
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次はよく晴れた日に行きたいなぁ!!

ダウリアやミカドも珍しい種類なのだけど、標津まで来なければ恐らく見られないだろうチョウザメが、館内にいるベスカルだ。

超高級食材であるキャビアを産むチョウザメは、養殖が盛んに行われている魚種でもある。
そのため、産業化を目指した様々な研究が行われており、北海道でも北海道大学と標津サーモン科学館、その他の水族館と共同で、チョウザメの繁殖事業や研究がなされている。
そうした研究によって作出されたのがこのベスカルという訳だ。
その名前からも想像できるが、ベスカルの片親は、水族館でもよく見られるベステル。それに、カルーガ(ダウリアチョウザメ)を掛け合わせた北海道らしい? 品種だ。
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ベステルはベルーガ(オオチョウザメ Huso huso)とステルヤージ(コチョウザメ Acipenser ruthenus)の異属間雑種だが、その片親のオオチョウザメとダウリアチョウザメは同属。非常に乱暴な説明だが、ベスカルは75% Huso属の品種ということになる。
Huso属は、Acipenser属に比べると、より大型化し、非常に大きな口を持っている。
ベスカルにもその特徴がちゃんと受け継がれていて、見た目はHuso属らしい。
そんな口の大きさが活かされるのが、「指パク体験」だ。
ベスカルたちが泳ぐ屋内の池では、餌を与えることができるのだけど、チョウザメ用としては異例の浮上性の餌。
チョウザメたちは水面に浮かぶ餌を食べるようトレーニング? されていて、餌を撒くと一斉に集まってくる。そこに指を突っ込むと、チョウザメが食い付いてくるというプログラムだ。
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池にはボスと呼ばれている1m超の個体が最大で、アベレージサイズは80~90㎝くらい。
ボスなら指4本がそのまま口に入ってしまうほどの大きさだ。
Huso属ならではの特徴をものすごく分かりやすく理解できるプログラムだと思う。

ただ、実際に指に食い付かれるのは、少々ハードルが高い。
チョウザメの口には歯がないので、噛まれたところで怪我はしないということは分かっているのだけど、水面で餌を吸い込む時、かなり大きな音がするので、思いの外それにビビってしまい、なかなか水に手を突っ込む勇気が出ないのだ(笑)

また、人を見て集まってきても、餌がなければすぐに散会してしまうし、指だけ入れても反応があまりよくない。なので、ちゃんと? 指に食い付かれたいという人は、餌を手に握りしめてから水に手を入れ、そこで指を出すと反応よく食い付いてきてくれる。
さほど大きくないチョウザメとは言え、餌を食べようと勢いよく食い付いてくるので、洗濯ばさみで挟まれる程度には痛い。
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楽しかったので、何度も餌を買って、ずいぶん長い間それをやっていたら、ずっとパクパク噛まれ続けてた親指がちょっと赤くなった。
先にも書いたように、怪我はしないけれど、やり過ぎるとそのくらいの痛い目? は見ることになる(笑)

動画
https://youtu.be/InOCgG6e26g

外の簡易プールにいる2m級のダウリアチョウザメは、腕ごとパクリとやってくるらしい。
餌を与える際、水族館のスタッフ氏がそれをやってるのを動画で見て、オレもやりたい!! なんて思ったりしたのだけど、実際、その半分以下のチョウザメの口に手を突っ込めるようになるまで、少し時間を要したので、2m超のチョウザメに腕を差し出せるかは?
ただ、この指パク体験、なかなか面白いのでオススメです!!
個人的には、これがやりたくて、もう1回標津に行きたいなぁ、と思ってくらいだし(笑)
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ミンク

ミストラルさん、こんにちは。
写真も綺麗で、ブログ楽しませてもらっています。私も水族館で写真が撮りたくなったのですが暗い場所で被写体は動いているので機材に迷っています。
参考までに、どのカメラ、レンズで撮っているのか教えていただけますか?
by ミンク (2016-05-27 12:29) 

ミストラル

>ミンクさん

ようこそ。
ブログを見ていただきましてありがとうございます。

使用しているカメラは、EOS 7D MarkⅡ、
レンズは1本ではないですが、メインで使っているのは
シグマ 17-70㎜

です。
by ミストラル (2016-05-29 23:41) 

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