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かごしま水族館の黒潮(ジンベエザメ)水槽 [サメ]

日本の水族館で飼育、展示されているジンベエザメは5館8匹(2011年1/25現在)。
その中で、オレがまだ見たことないのが、八景島シーパラダイスに追加されたメス個体と、かごしま水族館で飼育中の個体の2匹だけ。とは言え、八景島には行ったこともあるし、そこでジンベエザメも見てる。つまり、ジンベエザメ飼育館で唯一、行ったことすらなかったのがかごしま水族館だったということ。
それはもう行くしかないだろう。

水族館に入館し、青くライトアップされたチューブ状のエスカレーターで上まで上がると、目の前に壁のように大きな水槽が広がる。感動的な演出に、思わず“うわぁ”と声を漏らしてしまう人も多く、もちろんオレもそのひとりだった(笑)
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目の前に広がる巨大な水槽は、1500tの容量を持っている。ものすごく広く大きく見えるのに、ジンベエザメの飼育水槽としては一番小さい。
幅と奥行きは数字からイメージするよりはるかに大きく感じるのに、水深が他の水槽よりも浅いことが容量の小ささの理由なようだ。
繁殖まで視野に入れた美ら海水族館や、長期飼育を前提とした海遊館の例を見れば分かるように、ジンベエザメの飼育には超巨大水槽が必要で、1500t程度の水槽では終生飼育は難しいらしい。
それに対するかごしま水族館の答えが、小さな個体を入手し、5.5mになったら海に還すという“かごしま方式”。
かごしま水族館はジンベエザメ飼育園館としては国内3番目の施設だが、開館以来、役目を終えたジンベエザメを数匹、海に還している。その手間やコストを考えると、凄いなぁ!! と思わされると同時に、尊敬すべき興味深いアプローチだと思う。

現在飼育中の個体は5代目。4.7mほどの個体。
ジンベエザメとしては小ぶりなサイズということもあってか、さほど巨大には感じない。
もちろん、水槽内では他のどの魚よりもブッチギリで大きいのだけど、まだ幼魚といってもいい若い個体のため、幼さを感じさせる体つきも大きく見えにくい要因かも知れない。
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成長期にある個体ということもあってか、給餌時間はものすごく活発で、餌の入ったカゴをものすごい勢いで追いかけて必死に食べる。
せっかくジンベエザメを目的に行くのだからと、毎日10時30分から開始される給餌時間に間に合うように出発。始発の飛行機に乗れば、東京からでも給餌の時間に間に合うように到着できるのだ!!

水槽は正面付近こそ明るく照らされているが、奥の方は見えないくらいに暗い。
水槽をより大きく見せる効果を狙ったものなのかは分からないけれど、中層域を泳ぐ魚が真ん中あたりまで行ってしまうと、その姿はほとんど見えなくなってしまうほど。
ジンベエザメの水槽としては、もっとも暗く見にくいと言わざるを得ないのは残念なところ。
水槽の正面は広いホール状のフロアになっていて、その壁側にはベンチもあって、水槽の前でゆっくりくつろぐこともできる。
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また、順路に沿って進むと、水槽の側面をハーフトンネル状になった通路からも見上げられる。水槽前のベンチといい、このハーフトンネルといい、美ら海水族館の黒潮大水槽を彷彿とさせるが、いつもギュウギュウに混雑してる美ら海水族館のアクアルーム(水槽横のハーフトンネル)とは違い、かごしま水族館では水槽正面のみが混んでいて、ハーフトンネルは比較的空いている。ここにベンチ等がないからか、はたまた暗いからかは分からないけど、水深が浅い分、ほぼ水槽のすべてを見渡せるので、真正面から向かってくる魚を観察するには、なかなかオススメのポイントだと思う。

主役のジンベエザメを引き立てる脇役は、マグロ、カツオ、大型アジ類、サバヒー、カライワシ、5種類のエイなど、これまた美ら海水族館とよく似た構成になっているのだけど、1匹だけ巨大なカラチョウザメ!! が泳いでいるのはかごしま水族館ならでは。ジンベエザメと泳ぐチョウザメがいるという話は聞いていたから、それもかごしま水族館で見てみたい重要な目的だった。チョウザメの話については、この後のブログであらためて。

脇役の中で、いや、もしかするとジンベエザメ以上にビックリしたのはマダラトビエイかも知れない。
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多くの水族館で見られるマダラトビエイがどうして? と思うかも知れないが、エスカレーターを上がり、目の前に広がった水槽を最初に見た時、水槽の中央付近を泳ぐマダラトビエイの巨大さに思わず“デカッ!!”
人並み以上にマダラトビエイを見ているはずのオレでも、ビックリするほどの大きさ。
体盤幅はもちろん、体の分厚さもちょっと恐いくらいのレベル。
こんなに大きくなるんだ!! と、思い知らされた。
大きさもビックリだが、柄も綺麗で、とりわけ大きな数匹については、背中の白いスポットがヒョウ柄のようなリング柄になっていて、そこでもまたビックリ。
水槽内では繁殖もなされているようで、明らかに幼魚と思われる小さい個体も何匹か泳いでいる。

脇役といえば、シノノメサカタザメも会えてラッキーな1匹だった。
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シノノメサカタザメは、ジンベエザメやピラルクー、ノコギリエイなどと同じく、個人的にいち早くすべての飼育個体を見ると決めている魚のひとつ。かごしま水族館の1匹に会えたことで、ゴールに1歩近づくことができた。
この個体もその他の魚と同様、地元の海で捕獲されたものだそうだが、鹿児島付近では数が少なく珍しい魚なのだとか。
最近、シノノメに会える水族館は増えたが、やはり珍しい魚であることは間違いないようだ。ちゃんとありがたがって見なくちゃ、だな(笑)

ジンベエザメがどのくらいの速度で成長していくのかは知らないけれど、海に還されるのは海の水温が上がる時期に行われるらしい。今現在展示中の個体が、その頃までに5.5mになるのなら、今年の夏頃には海に還されてしまうことになるかも知れない。
もちろん、ジンベエザメはかごしま水族館の代表的かつ象徴的な魚だから、次にやってくる小さな個体が見つかったら、なんだろうけど。

ジンベエザメは今や国内5カ所で見られるようになったから、見たければ意外と簡単に会いに行くことができる。
しかし、海に還すことが前提のかごしま水族館の個体は、海に還されてしまえばもう会うことはできないはず。そう考えると、同じ時代に生まれた者同士、会える内に会っておく、なんていうのもいいかも知れない。
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コメント 2

pomu.

また海に還す!
大きくなったら卒業していくーといった感じですね

マダラトビエイ、迫力がありますね
柔道部員をイメージさせる体格です
エイって平べったい印象が強いんですが、こんなに厚みが出るものなんですね
ぐいぐい泳ぐ様を見てみたいです
by pomu. (2011-02-13 14:46) 

ミストラル

>pomuさん

そうそう、まさに卒業!! という感じです。
でも、ジンベエザメが好きこのんで入学しているワケではないから、
借りていたものを返す、みたいな感覚でしょうかね?

マダラトビエイはスゴイ迫力でした!!
ホントに柔道部員みたい。大きさも厚みも、よく知ってるヤツとは段違い!!
分厚さがもたらす迫力は、マンタでもかなわないかも!? みたいに思ったほどです。
by ミストラル (2011-02-14 06:00) 

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