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S.E.A.アクアリウムのサメ水槽 [サメ]

更新頻度の少なさも手伝って、長々と続くことになったS.E.A.アクアリウムの話も今回で最後。
最後を締めくくるのはサメの水槽。
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以前のブログにも書いた通り、S.E.A.アクアリウムには大水槽と言える規模の水槽が3つある。サメの水槽もそのひとつ。
その時々によって、順路の方向は逆になるらしいのだけど、オレが行った時にはほぼ順路の最後に登場する水槽だった。

そのS.E.A.アクアリウムのサメ水槽だが、かなりの大きさがありそうで、そこにツマジロがいる、ということまでは知っていた。
その時はまだ、日本の水族館でツマジロが見られる日が来るとは思っていなかったから、いつか行かなきゃ、と漠然と思っていたんだけど、その時からはかなり時間が経ってしまったけどようやく見ることができた。

S.E.A.アクアリウムはどこを見ても、まず最初に出てくる感想は「デカい!!」なんだけど、サメの水槽でもそれは同じ。
3つある大水槽の中では一番小さいはずだが、それでも日本に持ってくれば有数の大きさがありそうな規模感。少なくとも2000t以上の水量はありそうだ。その広さもさることながら、水深も深くて8mくらいはありそう。水中トンネルもあるが、そこから見上げると水面ははるか上にある。
そこを泳ぐのは5種類のメジロザメ属を中心とした9種類のサメ。それ以外にはオヤビッチャが少しいるくらいで、圧倒的にサメ!!
3mはありそうな大型の個体が何匹もいて、それらがそれこそビュンビュン泳ぎ回っているのに狭さを感じさせることがない。

動画


種類で言えば、日本で見られない種類はおらず、そういう意味では驚きは少ないものの、個体数やその大きさは驚きに値すると思う。
しかしながら、日本では美ら海水族館に2匹がいるだけのツマジロや、シーライフ名古屋にしかいないオグロメジロザメ(まだ見られるのかな?)あたりは日本人には珍しいと言っていい。それらが何匹もいて、しかもデカい!! ツマジロなんて大きいものは3mくらいありそうで、見知ったはずの種類なのに初めて見るみたいな感覚。
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ツマジロ
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オグロメジロザメ

日本だとなかなか大きな個体を見掛けないアカシュモクザメもちゃんとデカくて、シュモクザメ以外の種類も、大きいだけではなく、体に擦れ傷や擦れてできる瘤みたいなのがある個体もいない。
それを見て思った。やっぱり、遊泳性のサメは広さだな、大きくないとダメだな、って。
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サメ、それもこの水槽にいるような種類は、そこそこの大きさがあって、しかもそれが泳ぎ回るのだから、ある程度以上の大きさがなければダメだというのはサメを飼ったことがなくても想像ができること。
飼育実績のある種類も多く、どの種類はどのくらいの水槽がなければ長く飼えない、みたいなことも分かりつつあるものもいる。
でも、それができていない日本の水族館は案外、多い。
シュモクザメを展示している水族館はいくつもあるのに、大きく成長した個体を見られる施設となると極端に少なくなるが、そういうことだ。

S.E.A.アクアリウムみたいに、サメを展示するのにこれだけの水槽を宛がえればそれは素晴らしいことだ。
しかし、それができないのであれば、その水槽で無理なく飼える種類を飼うべきなんじゃないか、と思う。

まぁ、それはともかく。

S.E.A.アクアリウムで一番どの水槽がよかった? と聞かれたら、オレはこのサメ水槽をあげる。
オレがサメが好きなのを差し引いても、魅力的な水槽だと思う。実際、水槽を眺めている人たちの立ち止まっている時間は、あと2つの大水槽よりも長かったような気がしたくらいだ。

世界中の水族館を見た訳じゃないけれど、これを上回るサメ水槽、他にあるんだろうか? そんな風にさえ思う水槽だった。
サメが好きなら、1度見ておいて損はない水槽だと思う。
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S.E.A.アクアリウムの気になる魚 Vol.3 通常版 [海の魚]

S.E.A.アクアリウムでは見たことのない魚に沢山遭遇できた、というのはこれより前のブログに書いた通り。
気になる魚第3弾は、通常版。
超巨大水族館だけに、気になる魚も沢山いて、ここに並べたいものもまだまだいたりする。
あらためて水族館の規模の大きさを実感させられる。

順路最初のトンネル水槽で行き交う魚を眺めていると、頭上にアカメモドキがいるのを見つけた。
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アカメモドキは長らく見たいと思っていた魚で、数年前、ようやく美ら海水族館でその姿を見ることができたのだが、その時はほとんど隠れていて、いることが分かったくらい。
ちゃんと全身を見られたのは今回が初めてだったかも知れない。
アカメモドキなんて名前から分かるように、何となく似ているし、科までは同じ。
でも、小さくて、隠れがち。この水槽でも隅の方でオドオド? してた。
それをあの巨大な水槽の中で、よく見つけたな!! オレ、スゴイ!!(笑)
さほど大きな魚ではないとは言え、もう少し堂々と泳ぎ回ってくれたら、もっと違って見えそうなのに……

S.E.A.アクアリウムには、生息水温や水質が異なる魚が一緒に入っていたりする不思議な水槽がいくつかあった。
このアフリカンスキャットがいた水槽もそのひとつ。
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アフリカンスキャットはスキャットとしてはもっとも淡水に適応した種類とされている。
でも、同じ水槽にいたシルバースキャットは汽水にも入るがより海水指向が強いらしい。2種の近縁種で淡水寄り、海水寄りという組み合わせ。
同様にモノダクティルス属でも海水寄りのヒメツバメウオ、淡水寄りのセバエが同じ水槽で、同じような組み合わせになっていた。
この水槽、どういう水質なんだろう? どのくらいの塩分濃度? それとも淡水?

それはともかく。
アフリカンスキャットを水族館で見るのは初めて。日本の水族館では見たことがない。
ウチにもいるので個人的には珍しい魚ではないが、沢山いて凄いなぁ、と。
この水槽になくてはならないものでもなさそうなのに、個体単価はその他の魚よりも高く、これだけの数を揃えるとなるとそれなりにお金も掛っただろうに。
ウチでも飼ってる魚だからか、何とも変なところが気になってしまったな(笑)

水族館であまり見掛けない魚と言えば、サンゴ礁の水槽にいたクリスルスもそう。
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アフリカ産のエンゼルだが、やや高価だからなのか、日本の水族館では見ない種類だ。
どこかで見たような気もするのだけれど……

この個体がいた水槽には、他にもエンゼルが入っていて、それらも綺麗ではあったのだけど、もっとも幅を利かせていた? のがこの個体。まるで水槽の主役のような感じ。
だからなのか、水槽の見えやすい位置をよく泳いでくれる。
とても綺麗な個体だったことも手伝って、カメラを向けずにはいられない、そんな感じ。
自分の綺麗さを分かっている? そんな風にも思えたほど。
S.E.A.アクアリウムに行く機会がある人は、是非、彼(彼女?)の美しさをしっかり見てあげて欲しい!!

S.E.A.アクアリウムといえば、大水槽にマンタがいるのである!!
しかも、3匹いる内の1匹は黒マンタ。
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黒マンタと言えば、美ら海水族館にいる個体が有名だが、飼育下にある黒マンタは世界で2匹だけらしく、図らずもその2匹を制覇できてしまった。

この黒マンタ、水槽の向かって右側の水面近くにいることが多く、水槽の真ん中あたりを泳いでくれないので少々見にくい。
正面のアクリルパネルの幅は36mもあるっていうのに、デカすぎる水槽はこういう時に困る。
3匹のマンタはいずれも美ら海水族館にいるものより小さめ、と思っていたのだけど、公式instagramでダイバーと一緒に写っている画像を見ると、そこそこの大きさがある模様。
どうやら、水槽が大きすぎるが故に、その大きさが分かりにくい、ということなのかも知れない。
何せ、美ら海水族館の大水槽の2.4倍もの容量がある水槽である。そこそこ大きなマンタくらいじゃ大きく感じないのだ。

大水槽にはジンベエザメのような目を引く主役みたいな存在がいない。そういう意味では水槽最大の魚であるマンタがそれに相当するのだろう。
だからなのか、それぞれ名前が付いているらしく、水槽の反対側の壁に、個体を紹介するパネル(マンタは実物大に近い立体レプリカだったけど)でそれぞれ紹介されていた。
名前はアルファベット名前と、中国名の2つがあるようで、黒マンタはMAKOとLELEという名前らしい(LELEは漢字が充てられている)
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3匹の性別などは確認していないが、これだけの水槽である。
そのうち、繁殖に成功する、なんてニュースが聞こえてくる日もあるかも知れない。
その時はもちろん、駆けつけ…… はしないけど、世界で2施設めになっても不思議ではなさそうな水槽とマンタたちだった。
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S.E.A.アクアリウムの気になる魚 Vol.2(知ってたけど見たことなかった魚編) [海の魚]

S.E.A.アクアリウムでは知らない、見たことない魚に数多く遭遇できた、という話は前回のブログに書いた通り。
それまで見たことなかった魚でも、何これ!? こんな魚知らないぞ、というのと、名前や姿形は知っていたけど、実際に見たことはない、というものとがある。
今回は後者。知っていたけど初めて見る魚たち。知っている≒見てみたい、であることも多いので、実際に見られたことが嬉しかった魚たちでもある。

最初の1匹はイエローテールスナッパー。
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ひとつ前のブログに登場させた、ヒシカイワリと同じ水槽にいた大西洋産のフエダイ科。
産地の関係もあるのか、北米の水族館にはよくいるようなのだけど、日本の水族館で見たことはなく、その特徴的な姿形から見てみたい魚のひとつだった。
これが北米の水族館でなら、施設によっては見飽きるほどいたりするのだろうけど、そこは大西洋が遠いシンガポールの水族館である。
個体数はそれほど多くはなかった。でも、見せてくれてありがとう!! である。
これがいた水槽は円柱形で、水流もかなり強そうだったが、そんな水流もものともせず、力強く泳いでいた。見るからに遊泳力強そうだし。

見てみたかった憧れの魚と言えば、ホグフィッシュ(Lachnolaimus maximus)に会えたことも嬉しい収穫だった。
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イエローテールスナッパーと同じく大西洋産の大型ベラで、インパクトある姿形が最高に魅力的な魚だ。
やはり大西洋側の水族館ではしばしば展示されているようで、いつか見に行きたい!! と強く思っていた魚だった。
日本の水族館では展示されていないが、観賞魚として日本に輸入されることもあるらしく、葛西とかサンシャインとか、カリブ海水槽があるどこかの水族館で展示してくれることを密かに期待していたりもしていたのだけど…… ひとまず念願は叶った。

S.E.Aアクアリウムにいた個体は、葛西風に言うところの“イニシャルフェイズ”。まだ先がある状態。
どうせなら、“ターミナルフェイズ”の状態で会いたかったが、贅沢は言うまい。
動きはナポレオンフィッシュ的なゆっくりしたものなのかと思っていたが、それよりは慌ただしく、同じコースをずっと泳ぎ回っていた。そういう魚なのか、はたまた個体の性格なのか。
それも含め、また別の個体も見てみたい。あらためてそう強く思った1匹だった。

ホグフィッシュがいた水槽は、サンシャイン水族館にあるのと同じようなカリブ海の水槽だったんだけど、そこには何種類か“カリブのイサキ”が。
そのうち、見たことがなかったのがスパニッシュグラント(Haemulon macrostomum)。
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かなり大きい立派な個体ではあったのだけど、こちらはホグフィッシュに目が釘付け。
それでも水槽の前の方、目立つ位置に出てきてくれるので、その度にカメラを向ける、そんな感じだった。
日本の水族館では見たことがないし、S.E.A.アクアリウムでも1~2匹しかいなかったけれど、例えばフロリダのどこかの水族館にでも行けば、前出のホグフィッシュやイエローテールスナッパーも含め、山ほどいるんだろうなぁ。
シンガポールで遠くアメリカに思いを馳せるひと時。
とは言え、これら3種はシンガポールから遠くの大西洋の魚たち。ホント、見られる機会を与えてくれてありがとうとしか言えないよね。

S.E.Aアクアリウムにはゾウギンザメもいる。
真っ青な照明の円形のベアタンクで、正直、見慣れたサンシャイン水族館の水槽の方が良く見えるような気がしたが、ゾウギンザメそのものに見逃せない理由があるのだ。
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サンシャイン水族館や海遊館で展示されているゾウギンザメはオーストラリア産のCallorhinchus milii。
S.E.AアクアリウムにもC.miliiはいる。だが、それとは別に南アフリカ産のC.capensisも展示されているのだ。これこそ注目の1匹という訳。
日本でのゾウギンザメの展示はサンシャイン水族館が初ではなく、かつて葛西臨海水族園でも展示されていたことがあったらしい。その時のものは南米産のC.callorynchusだったそうで、オレが知る限りでは南アフリカ産のC.capensisは日本で展示されたことがないと思われる。
とは言え、見た目には見慣れたC.miliiとほとんど、というかまったく同じ形をしていて、違いと言えば、C.capensisは柄がない、あるいは薄いくらいで全体的に銀色っぽいことくらい。
そのため、初めて見たというのに、猛烈な感動…… みたいなことはなかったのだけど、これもまぁ、遠く南アフリカまで行かなければ見られないはずの魚なので、こんな魚、見せてくれてありがとう!! なのである。

最後の1匹、ケルプの水槽にいたゼブラフィッシュ(Girella zebra)。
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オーストラリア南部に生息するメジナの仲間。
オーストラリア産なのに、何故だかアメリカ沿岸? みたいな水槽にいた。
日本のメジナと同属ということもあり、形は比較的よく見知った感じ。でも、体色は何ともエキゾチック。この体色のせいだろうか。ちょっと可愛く見える(笑)
この魚も海外の水族館の画像などで見たことはあったけれど、生きたものを見たのはもちろん初めて。
今回ここに並べた上の4種類よりは近いものの、やはり遠くから来た魚を生息地外で見る不思議な感覚。
やっぱり、遠くのこんな魚、見せてくれてありがとう、だな。
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S.E.A.アクアリウムの気になる魚 Vol.1(知らなかった魚編) [海の魚]

海外水族館に行く最大の楽しみは、日本では見られない魚が見られること。
正直、シンガポールの水族館にはその点、それほど大きな期待はしていなかった。
沖縄なんかで見られる魚と同じような種類が多いのだろう、そう思っていたからだ。
しかし、実際は…… 世界中から魚を集めてきましたと言わんばかりのコレクションで、シンガポール周辺エリアの魚もいたにはいたが、それ以外の地域の見たことない魚たちにも多く会うことができた。

知らない魚との遭遇は、入館してすぐ。最初の水槽から始まった。
水中トンネルでアカメモドキを見つけ、その姿を写真に収めようとしていた時のこと。
目線の端で、ヨスジフエダイが何匹か泳いでいくのが見えた。すると、その後を追う、やけに色の濃い個体が。
「ん!?」と、その魚が泳ぎ去った方へと追いかけていくと、見知らぬフエダイ。
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何だこれは!! と、あらためて調べてみるとスパニッシュフラッグスナッパー(Lutjanus carponotatus)という種類らしい。
アミメフエダイにヨスジフエダイ感を足したみたいな感じのフエダイで、茶色の縦縞模様が特徴的。東南アジアに広く分布している種類らしい。でも、その分布域は沖縄周辺までには達していないのか、日本の水族館では見たことがない。
入館後いきなりの“見たことない魚”との遭遇に、嬉しさとこの先の期待感が高まったのは言うまでもない。
この感覚、海外水族館ならではの醍醐味だ。

順路を進んでいったところにあったサンゴの水槽。
どうやらその水槽は見たことなさそうな魚が多くいるような感じ。その中でも真っ先に目に飛び込んできたのが、黄色いサンゴアマダイの姿。
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大きさは12~13cmほど。それほど大きくはないのだけど、何せこの色である。
この水槽が目に入った瞬間から、その存在に気付くほど目立っていた。
イエロータイルフィッシュ(Hoplolatilus luteus)というらしく、観賞魚として日本へも入ってきているようなので、日本でもどこかの水族館にいるかも知れない。
ただ、オレはこの魚を日本の水族館で見たことはない(と思う)ので、オレとしては初めて見た、で間違いないと思う。

さらに順路を進んでいくと、フロアぶち抜きの円柱形水槽が。
そこには黄色いヒレのアジが群れで泳いでいて、そういう展示をした水槽なのかと思いつつ近づいていくと、アジの群れを掻き分けるようにギラギラの体の大型アジが姿を現した。
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長く伸長した背ビレと臀ビレ、ギラギラした体、そして角ばった頭に、裂けた大きな口…… オキアジみたいな悪人顔だ。何これ!? 見たことないぞ!!
帰って調べてみると、ヒシカイワリだと分かった。和名のある種類とは思わなかった!!
日本近海での漁獲記録はあるようだが、成魚の記録はないらしい。
見たことない魚≒知らない魚だったりするので、初めましてな1匹だったのだけど、この水槽以外にも、大水槽など複数の水槽でその姿が見られた。
大型種ではあるが、ロウニンアジほど巨大化しないらしい。
日本では見られない大型アジ。これを見られた(知れた)のは大きな収穫だった。

大水槽で行き交う魚を眺めていると、丸い形の見知らぬ魚の姿を見つけた。
見るからに“見たことない感”全開の特徴的な体型。
何だあれ!? 顔つきからタイ科? と思ったが、どうやら違ったらしい。
ユウダチスダレダイというスダレダイ科の魚だった。
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ヒシカイワリと同じく、和名があるのに、日本では記録がある程度の珍種で、展示している水族館は現在はない模様。
もちろんオレも見るのは初めて。何でもこのユウダチスダレダイ、台湾あたりでは漁獲されているらしく、それなら沖縄あたりでも獲れてよさそうなのに、日本では希種。
日本人には珍しい魚がここには沢山。多分、シンガポールの周辺では普通に見られる種類なのだろうと思う。
姿形が独特なので、特別なものを見ている感があるのもいい!!

順路を進み、水深のあるケルプの海の冷水系水槽。
葛西にもあるような水槽で、カリフォルニア周辺、東部太平洋をイメージした水槽のようなのだけど、入っている魚種は違っている模様。ついでに、ケルプは本物ではなかった。
そこには見たことのない魚がいくつかいたんだけど、そのひとつがハーフムーン(Medialuna californiensis)
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タカベ科の魚らしい。結構大きくて、あんまりタカベなイメージではないけれど。

最初、「何だこの尖ったヒレしたイスズミみたいな魚は!?」と思いながらも、過去の記憶を必死に思い起こす。
どこかで見たことなかったっけ? 葛西にいた? 海遊館のニュージーランドの水槽にいたかも!? 等々。しかし、見た記憶はない。
魚名板もあるんだけど、デジタルパネルで5種類ずつくらいが表示され、それが目まぐるしく変わっていくタイプ。その前で知りたい魚の情報が出てくるのを待ち続ける必要があり、しかも、出てこないこともあった。
結局、家に戻ってから調べなおしたのだけど、どうやら見たことがない魚らしかった。

種小名からカリフォルニア周辺に住まう魚だということは分かるけれど、こういう地味で観光客受けしなさそうな、しかも冷やさなきゃいけない魚を展示するってスゴイよね。
シンガポールからは遠いところの魚を、これまた生息地からは遠いところから来た人間が初めて見る。
何だか不思議な体験だね(笑
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S.E.A.アクアリウム(シンガポール) [海外水族館インプレ]

デカい!! とにかくデカい。
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2012年のオープン時には世界最大の水族館だっただけあって、その規模は半端じゃない。
一般的な日本の水族館3~4つ分くらいありそうな規模で、大水槽は3つもあるし、普通に見て回るだけでも疲れてしまうくらいのボリュームの巨大さ。順路を進んでも進んでも、まだあるの!! みたいな感じ。しかもそれが水槽展示だけで、である。
実際、総水量は美ら海水族館や海遊館の4倍以上もある。もちろん、オレがこれまで行った水族館の中では間違いなく最大規模の施設である。
入館料は41SD(約4200円)と日本の一般的な水族館の1.5~2倍くらいするけれど、水量あたりの料金はむしろお得と言えるかもしれない。

当然、その規模だからして、展示も世界中の魚が揃っているような感じで、場所柄か、暖かい海の展示が多いものの、冷水系、深海、クラゲ、淡水などちょっとずつ幅広く揃っている。それぞれのカテゴリーに特化、注力している施設に比べればそこまでの専門性はないものの、まぁ、ほんと、何でもいる、みたいな感じ。
その一方で海獣類の展示は少なく、イルカがいる水槽があるだけ(それも超巨大)で、鰭脚類やペンギン、意外にもウミガメもいない。
館を通しての展示テーマなどは特にないようで、大きい水槽にその傾向が強いのだが、魚の産地などにはこだわっていない模様。海、淡水ともにシンガポールにまつわるような展示はない。
例えば、順路の最初と最後に登場する大水槽はシンガポール周辺海域を意識した展示なのかと思いきや、大西洋の魚も入っていたりする。
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日本の水族館は、その施設がある地の海なんかをテーマに掲げていることが多いけれど、ここはそういう博物館的な役割よりも、世界から来る観光客のための“国を代表する観光スポット”という役割の方が大きそうだ。
だから、地元に即した展示よりも“世界最大”みたいな分かりやすいステータスが重視されているような印象で、水槽を泳ぐ魚も、大きな水槽を満たすだけとにかくいろんな魚を集めました、みたいな感じ。そのチョイスにテーマ性やコンセプトみたいなものは感じなかった。
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メインの大水槽は1万8000tもの容量があるらしいのだけど、それだけの大水槽でもジンベエザメを入れていないことには感心した。日本だとこの1/10ほどの容量しかない水槽でもジンベエザメを入れてしまっているので、狙いがあるのか、たまたまなのかは分からないけれど、節度ある感じ? は非常に好感が持てた。
余談だが、大水槽の奥には四角い窓が並んでいるのが見えるのだけど、それは「オーシャンスイート」という5つ星ホテルの客室だそうで、部屋から大水槽を堪能することもできるらしい。

先にも書いたように、イルカにも驚かずにはいられない超巨大水槽があてがわれていた。
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水族館とは別に、イルカおさわり施設が他にあるようで、そこと連動したイルカ水槽のようなのだけど、とてつもなく広い水槽にたった3頭しか入ってなくて、もしかして海外水準だとイルカ3頭はこの広さが必要なのか!! と大いに驚くと同時に、いろいろ考えさせられた。ここも日本の水族館が見習うべき部分なのだと思う。

大水槽以外の水槽もまさに世界各国の魚が揃う、みたいな感じ。
薄く、広く、ではあるのだけど、カリブ海とか北太平洋とか、シンガポールから遠く離れた地域の魚もいたりして、それらの中には日本の水族館では見られない種類も多く、ここで初めて見たという魚も多かった。
水槽の数も多いが、人気なのはやはり大きな水槽で、その周辺やトンネルは混雑していることが多い反面、そうした人気の水槽の周辺にある水槽のいくつかは、そこまで手が回らなかった? のか、力を感じない水槽もいくつかあった。これだけの規模になれば、やはりすべての水槽が最高とはいかないのかも知れない。

シンガポールを代表する観光スポットのひとつだから、混雑を覚悟していたのだけど、平日だったからなのか、思ったほど混雑しておらず、来ている人たちの観覧マナーもいいので、しっかりじっくり水槽を見ることができた。
オレは開館から閉館くらいまでいたが、館内には高級なレストランもあるし、メインの大水槽前でも軽食が販売されているから丸1日、水族館から出なくても大丈夫だ。とは言え、食事の選択肢は外の方が多く、再入場も可能なのでオレは外で食べたけれど。

シンガポールの水族館と言えば、かつて、アンダーウォーターワールドという別の水族館があった。奇しくも、S.E.A.アクアリウムがあるセントーサ島に、である。
かつて行ったことがあるのだけど、こじんまりした水族館だった記憶がある。
S.E.A.アクアリウムができて、2か所回れるじゃーん!! なんて思っていたのは過去の話。
2016年に閉館してしまったらしいのだけど、同じ島内にこんな水族館ができてしまったら、古く小さな水族館が生き永らえるのは無理な話。
今となってはセントーサ島では1か所のみの水族館となってしまったが、こんな超巨大水族館なら、ひとつでも十分。
もし、今でもアンダーウォーターワールドがあったとしても、1日で両施設のハシゴはオレには難しかったような気がする。
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でもまぁ、この巨大さだけでも一見の価値ありだと思う。
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魚好き目線で楽しむシンガポール動物園 [その他]

リバーワンダーの隣にはシンガポール動物園が隣接している。
行くまでは1日をリバーワンダーで過ごすことも考えたが、いざ入口まで行くと、すぐ目の前になかなか来られない動物園がある現実に計画を変更。
リバーワンダーを4時間ほどで切り上げ、ランチを諦め、閉園までの3時間、シンガポール動物園に行くことにした。

実は、シンガポール動物園に来るのは初めてではなく、27年前にも来たことがあった。その時の記憶は薄く、覚えていることは少ないのだけれど……
記憶の中に微かに残る動物園と現在の動物園は結構変わっていたようなのだけど、変わっていなかったのが動物と観客を仕切るモートに魚がいること。
27年前にもそれに驚き、喜んだ記憶があるが、そこは今回も同じだった。
それを思い出したのが、トラの展示スペース前まで行った時のこと。
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オスフロじゃん!! アロワナもいる!!
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観客と動物を仕切る、場合によってはトラが水遊びをする水の入ったモートは、沢山の魚が泳ぐ池みたいになっていて、しかもそこにいるのはコイなどではない、日本では水族館や熱帯魚店で見るような魚たち。
暖かい地域だからこそできる展示? だが、同じことをやるのが大変な国から来た者からすると、感動的な光景だ。そういえば、27年前にもこうした光景に心底羨ましさを感じたことを思い出した。

モートに魚がいると、ついついそこに展示された本来の主よりも、魚にばかり注目してしまうのは魚好きの性だろうか(笑)
モートごとに入っている魚に差があるようで、透明な水槽に入っているのと比べると自然に近い環境のせいか、思わぬ綺麗な個体に仕上がっていたりするものもおり、また、そういう個体に遭遇するのは偶然の産物だから、そういう個体を見つけたりすると、気持ちも上がるというもの。
ただ、この時は入園直後から降り始めた大雨と疲労で、しっかり見切れていないようなところもあり、叶うなら再チャレンジしたいところ。

ごくわずかだが水槽展示もあって、もっともそれらしいのが爬虫類館「レプトピア」にあったアクアテラリウム。
カイマントカゲやグリーンバシリスクが主役の展示スペースだが、その水中部分に体型、大きさ、色、柄のどれもが申し分ないパラクロミス・マナグエンシスが。
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かつて(中学生くらいの頃)、大好きだったシクリッド。
珍しいものではないけれど、人気の高い魚でないせいか、日本ではあまり見掛けなくなった魚。それもこんなにいい個体となれば、そうそう見られないだろう。
シンガポールだと、その辺の池なんかで外来種として定着していそうだけど……
同じ水槽には何故か1匹のポルカドットスティングレイも入っていたが、何故? 陸上のトカゲたちと産地も被っていないし……
そのトカゲたちは寝ていて動いていなかったけれど、水中のハイレベルなシクリッドたちがオレを大いに楽しませてくれた。

雨とカメラバッグの重さに心折れそうになりつつ、ひとまず屋根のあるところに行こうと、屋根付きの場所へ行ってみると、そこにはこんな光景が広がっていた。
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青い水を称えた池。その中をふわりと泳ぐ大きなバタグールたち。
大きなカメなのに、浮遊感とでも言おうか、重力を感じさせないゆったりとした泳ぎっぷり。周りに群れるレッドチークバルブを引き連れ、水中を行き交うその姿に、思わず「あぁ、いい!!」 それまでの疲れがひととき癒えるみたいな感覚だった。
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どうした訳か、オレにとって大型の淡水カメはやけに魅力的に見えるのだけど、それがこれだけいて、ゆったり気持ちよさそうに? 泳いでいる光景はまさに夢のよう。
シンガポール動物園でもっとも感動したのは、多分、ここ。
でも、この水槽(本当は窓付きの池)の主はワニ。それも珍しいインドガビアル!! なのだけど、結局、1度も動く瞬間を見なかった。
まぁ、ワニって動かないものだからね。

魚好き目線とか言いつつ、最後はカメ(笑)
でも、水族館好きな人なら、この水槽で感動する気持ち、分かってもらえると思う。
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リバーワンダーで一番のお気に入り メコン川水槽 [水槽]

リバーワンダーでは実際に見られるのを特に楽しみにしていた水槽がいくつかあった。
その内訳は、アリゲーターガーの水槽、メコン川の水槽、長江の水槽の3つ。
アリゲーターガーの水槽はアフリカエリアに展示変更されていて見ることができず、長江の水槽は思っていたよりも小さく、暗く、周囲の映り込みも強烈だったので、期待していたほどではなかった…… のだけど、メコン川水槽は思った通り。期待を裏切らない素晴らしさだった。

まず、何よりデカい!!
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その大きさは見た感じ、800tほどと推定しているのだけど、1000tくらいあるかも!? な大きさ。アクアワールド大洗のシロワニ水槽よりはずっと大きく、美ら海水族館の危険ザメ水槽くらいのサイズ感だろうか。まぁ、とにかくデカい。

そんな水槽を泳ぐのは、メコンオオナマズやパールムなどのパンガシウス、パーカーホなどのコイ科など。アクアトトぎふのメコンオオナマズ水槽に似たラインナップ。そこにアロワナやチャオプラヤ淡水エイを追加したような構成だ。
日本の水族館で見られない魚はほぼいないが、何せこんなに大きな水槽で展示されているから、その見え方は全然違う。
例えば、メコンオオナマズ。
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日本ではアクアトトぎふでの展示が有名だが、あの水槽のメコンオオナマズは水槽の底の方でおとなしくしていて、活発に動き回っているような印象はない。アクアトトでの印象から、メコンオオナマズは物静かな魚、ずっとそんな風に思っていたのだが、リバーワンダーでは水槽の中層付近を泳ぎ続けていて、一か所でジッとしている、みたいなことはなかった。あの体型を見れば想像できそうなものだが、実はよく泳ぎ回る魚だったらしい。

そしてチャオプラヤ淡水エイ。
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こちらも日本、板橋熱帯環境植物館で見られるが、エイの大きさに対して遊泳スペースが限られるためか、その動きはパターン化しているように見える。
リバーワンダーには少なくとも3匹がいたが(奥に退避スペースがあるらしく、定期的にそこに出入りしてしまうので、それ以上いる可能性もあり)、それらはいずれも、底砂の上をエイらしく這いずるだけでなく、やはり中層から上層を思っていた以上によく泳ぎ回る。水族館の大水槽にいる海のエイとほとんど変わらないくらいに。
このエイも見慣れているつもりでいたが、オレが見ていたのはこの種本来の動きではなかったのかも知れない。

泳ぎ回るパンガシウスたちもこれだけ広ければ、どこかに体をぶつけたり、擦ったりすることがないのだろう。どの個体も綺麗で、ヒレ先や顔周辺などにありがちなキズや瘤などがある個体は見られなかった。
当たり前の話なのだけど、水槽はやっぱり広ければ広いほどいい!! あらためて強く実感させられた。
反面、容量の限られた水槽でこれらの魚を飼っている日本の水族館スタッフの人たちの技術や努力を思い知らされるようで、日本の水族館(の人たち)凄いなぁ、とも。
こんな水槽があれば、今より楽になる部分もあるだろうに……

水槽の大きさは魚の大きさにも如実に影響を及ぼし…… という訳でもないようで、メコンオオナマズやチャオプラヤ淡水エイなどは日本で見られるものと変わらないか、ちょっと小さい? くらい。パールムやタイガーバルブも大きさに驚くことはなかった。
水槽の大きさで、魚の大きさを実感しにくいから、という可能性もあるけれど……

でも、大きさで驚いたものもいて、それがこれ。
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最初は他の魚に目を奪われ、コイが泳いでる、くらいにしか思っていなかったんだけど、ふと、そのコイに目をやると… これ、ブルーフィンカープじゃない?
ブルーフィンカープはNeolissochilus stracheyiのことを指すのが一般的で、この水槽にいたものはそれとは別種、Tor属の何か? みたいな気がするが、いずれにしてもこんなに大きな個体を見たことがないし、違う種類だったとしても目を引く脇役として存在感を放っていた。

この水槽、意外と多くの魚種が入っていたのだけど、水槽の大きさ故、奥の方に行かれると簡単にその姿を見失う。
だから、しばらく眺めていると、こんなのもいたの!! という魚が姿を現したりする。
そんな驚きをもたらしてくれたのが、ドルフィンカープ(Bangana behri)。
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初めて見る魚ではないけれど、デカい!! このサイズは初めて見た。
水槽内には1匹しかいなかったのか、写真の個体以外は見かけなかったが、なかなかの大きさ。この種のフルサイズ級だろうか。
現在、日本の水族館では展示されていないと思うが、これもいるのか!! と、デカいな!! という2つの驚きから、一生懸命その姿を追いかけてしまった。
アクリルパネルの近くには来てくれなかったが、この水槽を楽しませてくれた1匹だった。

この規模の淡水魚水槽、日本では難しい、というか、無理だと思うけど、欲しいよなぁ。
知ってる魚でも全然違って見えるし、その違って見えた姿こそ、その魚本来の動き、姿なのかも知れないのだからね。
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リバーワンダーの気になる魚 [淡水魚]

観賞魚として日本に輸入されてくる魚種は多く、また、それらを展示する水族館も多い。そうした魚たちを普段から目にする機会の多いオレからすると、リバーワンダーで展示されていた魚に見たことがないものはほとんどいなかった、となる。
しかし、ひとつ前のブログにも書いた通り、リバーワンダーの展示規模は日本ではありえないほどのもの。その差は当然、魚の仕上がり具合にも強く表れる。

入館間もなく驚かされることになったファハカ(テトラオドン・リネアトゥス)も、まさにそんな1匹だった。
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こんなに大きな個体を見たことがなかったから。40cmくらいはあっただろうか。
ファハカはアフリカ産の淡水フグとしてはメジャー種で、日本の水族館でも展示しているところはあるが、日本で見られるものはせいぜい20~30cmがいいところで、それほど大きい種類だというイメージはなかった。
しかし、リバーワンダーにいたものは大きくて、フグ料理店の店先にいそうな(笑)立派なサイズ感!!
しかも、魚食性が強く、性質も荒い種類だというのに、他の魚と混泳していることにも驚いた。混泳魚が食われるのも織り込み済みなのだろうか?

このファハカ、リバーワンダーでは最初に登場する大きな水草水槽にもいたことを後になって気付いたが、大きな水槽でなら混泳も可能なのか!? どちらの水槽でも周りの魚を噛んだり、追いかけたりはしていなかったけれど…… とは言え、見たのはひと時でしかないから、見ていない時に狂暴ぶりを発揮しているのかも知れないけれど。

リバーワンダーという川がテーマの施設だからか、湖の展示はごく控えめ。
アフリカと言えば、マラウィやタンガニイカなどの大湖の展示は避けて通れないような気がするが、ここではそれもごく小規模な展示に止まっている。
事前に知り得た情報から、それらは大したものではないと思っていたのだけど、実際に見てみると、まったくバカにしたものでもなくて、タンガニイカ湖展示は小規模ながらもなかなかのものだった。
とりわけ印象的だったのが、トロフェウス・モーリーの美しさ。
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サイズはそれほどではなかったが、とにかく体型、色彩が美しく、しかも、何タイプかがかなりの数でいるので、思った以上に見応えのある水槽になっていた。
同じ水槽のフロントーサなど他の魚たちも綺麗で、照明の関係なのか、それとも水や飼い方がいいのか、期待に反して? 気に入った水槽のひとつとなった。
水槽の大きさが売りのリバーワンダーで小さい水槽を気に入るのも何だけど(笑)

アジアのエリアを抜けると、水槽ひとつ分だけのオセアニアエリアがある。
そこは外光の影響で、残念ながらここでもっとも見にくい水槽のひとつとなっており、水槽を泳いでいるのもネオケラとレインボーフィッシュというよくある組み合わせ。鉄砲魚もいたけれど、レインボーフィッシュの数もまばらで、しっかり見るほどの水槽ではないかな、なんて軽く見て終わらそうと思っていたら……
凄く綺麗に発色したレインボーフィッシュがいるのを見つけた。
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メラノタエニア・パーキンソニィだ。
名前は知ってる。写真でも見たことある。でも、生きた個体を見たのは初めて。
レインボーフィッシュは観賞魚趣味の世界では一部の種類を除いて少数派だから、見かける機会は少ないのだけど、こんなにド派手に仕上がる魚なのか!!
飼いたい欲求が高まるくらいの綺麗さに感動したが、さほど大きくない水槽とは言え、小さい魚にとっては十分に広い。この後、この水槽の前を何度か通ったけれど、パーキンソニィの姿を見たのはこの時の1回だけ。

レインボーを探しながら、映り込みでやけに見にくい水槽を奥まで見ようと、アクリルに近づいて奥を覗き込むと、何やら深い色の大きな魚がいる模様。
何だあれは? と思っていると、近くまでやってきた。
ジェイドパーチだった。
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成長するとこんな色になるのね!! しかもこんな大きさ、体型に。
オーストラリアでは食用に養殖もされているらしいが、確かに食べ応えがありそうな感じ。
小さいものが観賞魚として日本にも輸入されてくるので見たことはあるが、小さいものだけ。こんな風に仕上がることは知らなかった。
飼うと悪いと聞くが、この水槽ではおとなしくしていそうで、その他の魚を追いまわしたりするようなところは見られなかった。実際のところはどうなんだろう。

最後の1匹は、マナティ水槽にいた正体不明のナマズ。
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水槽を眺めていた時、全身スポット模様のナマズがいることに気が付いた。
何だあれ? ジャウー? 何かのハイブリッド? もしや、スタインダックネリディオンか!? と、見たことのない種類の可能性にときめいたが、何せ見えづらく、今ひとつ弾け切れない。
性質はやや強めで、レッドテールキャットやピライーバを寄せ付けない、全身にスポット模様、比較的よく動き回る、などの行動や特徴は見られたが……
果たして、このナマズの正体は何だったんだろう? もう少し近くでじっくり見たかったのだけど……

ひとつ前のブログに書いた通り、このナマズがいるマナティ水槽は濁りが強いので、遠くにいる魚が見えにくい。
しかも、アクリル面からさらに下に深くなっているので、底の方にいる魚はさらに見えにくい。おまけにあの巨大さだから、1mあるかないか、くらいのサイズ感の魚はすぐに見失ってしまうのだ。
魚が見たい人には不満が募る水槽、という印象が残ったが、もし、このナマズがしっかり見えていれば、その印象も大きく違っていた? かも知れない。
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リバーワンダー(シンガポール) [海外水族館インプレ]

「水族館目当てにシンガポール行くなら、2泊3日で十分ですよ!!」

シンガポールに精通した友人の言葉。
その言葉に力強く背中を押され、本当に2泊3日で弾丸シンガポールしてきた。

世界中がコロナ禍に翻弄される直前に行ったドバイの水族館で、見知った日本の施設とは異なる規模や見せ方、何より見たことのない魚たちの姿に大いに感動し、その瞬間から“海外施設に行きたい!!”と強く思うようになって3年。行きたい施設ばかりが見つかる中、悶々とした日々を過ごしてきたが、ようやくシンガポールが誇る2つの水族館、リバーワンダーとS.E.A.アクアリウムに行けた。

最初に向かったのは、前々から行ってみたいと強く思っていたリバーワンダー。少し前までリバーサファリと呼ばれていたシンガポール動物園の併設施設だ。
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実際に行ってみた感想はと言うと…… ちょっと期待しすぎていたかも。
つまらなかった訳じゃないけれど、伝わる情報も多く、どんな水槽にどんな魚がいる、ということもある程度知っていたので、多くの水槽に既視感があったことが驚きが少なかった理由かも知れない。

とは言え、知っていても実際に見てみると驚くことや勉強になることも多く、とりわけ水槽の大きさには「すげぇなぁ!!」と声を上げたのも1度や2度じゃなかった。
リバーワンダーは淡水魚の水族館だが、その規模は淡水魚水族館としては、恐らく世界最大級だろう。日本にある淡水魚水族館がとんでもなくショボく思えてきてしまうほどに超巨大水槽が並ぶ。
でも、これは巨大な水槽を満たす水を常温で管理できる暖かいシンガポールだからこその強み。水の保温にコストが掛かる日本ではここまではできにくい。
と、分かってはいても、日本の水族館の水槽って小さいよなぁ…… と、羨望を交えつつ溜息ひとつ。日本にもこんな水槽があったなら…… そう思わずにはいられない。

この施設では、一般の水族館のように建物の中に水槽がまとまっているのではなく、アフリカ→アジア→中国→アマゾンの順になった順路を進んでいくと水槽が登場する、といった動物園のような作り。敷地もかなり広大だ。
展示は水に関係するものばかりではなく、陸上動物もおり、その中には何故かパンダも含まれている。
ただ、そのパンダ展示はものすごくて、正直、リバーワンダーでオレが一番驚いた、というか圧倒されたのはパンダ館だったような気がしている。
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先にも書いたように、大抵の水槽がものすごく大きい。
その中を泳ぐ魚たちは、ほとんどは日本の水族館でも見られるものだが、水槽の大きさがあれだけ違うと、それが動きや行動の違いとなって現れる。
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この施設でもっとも見たいと思っていたメコン川水槽では、まさにそんな発見がもっとも多く得られ、日本の水族館で見る限りあまり泳ぎ回らない印象のメコンオオナマズが水槽の中層を“こんなに泳ぐんだ!!”と思うほどよく泳いでいたことや、同様にチャオプラヤ淡水エイも立体的に泳ぎ回る魚だったことなど、日本では知り得ない発見が得られたのは大きな収穫だった。
ただ、入っている個体はそれほど大きなものばかりではなくて、チャオプラヤ淡水エイは日本で見られる板橋の個体の方がちょっと大きいと思う。超巨大水槽だから中身もそれに見合った超巨大個体、という訳ではないようだ。
でも、魚がまだまだ大きくなれる空間的余地はたっぷりある。そこから先をまだまだ期待することができるのは日本の施設との大きな違いだ。

園は大きな池(湖)を挟んで左右に分かれていて、右側はすべてアマゾンにまつわる展示になっている。この施設最大の水槽であるマナティ水槽もそのひとつだ。
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この水槽、もうとにかくデカくて、これより大きな水槽は、日本には美ら海水族館と海遊館の大水槽だけなんじゃないか!? ってくらいの巨大水槽だ。
そこには10頭以上のマナティがいるらしいのだが、水槽が大き過ぎるのに加え、薄暗いこと、さらに水の濁りも結構強く、水槽の奥の方はほとんど見えず、マナティがどれだけいるのか把握することはできなかった。だが、時々正面のアクリルパネル前までやってくるマナティの中に、日本では見られないような大きな個体がいたのは確認できた。
水槽にはマナティの他に、ターポンやピラルクー、大型ナマズなども入っているのだが、水槽に対して個体数が少ないので閑散とした感じ。超巨大で立派な水槽は、その規模に相反して、魚を見たいオレには少々物足りない感のあるものだった。
ここもまた情報の多い水槽だから、その大きさや、閑散とした感じなど、行く前から分かっていたことも多かったので、やっぱり感動もそれなり。予想した通りな感じ。
リバーワンダーの水槽は、周辺に壁や屋根があるところがほとんどだが、基本、屋外にある。外光の影響で映り込みや反射も多く、見にくい水槽が少なくない反面、しっかり明るい。
なのに、このマナティ水槽は完全に屋内。シンガポールの気候なら、屋外でもマナティは元気に暮らせるはずだと思うのだが、ここは外光が入る水槽であって欲しかったなぁ。

アマゾンエリアにはこのマナティ水槽とオオカワウソ水槽の2つの大きな柱があるせいか、その他の水槽は添え物的な印象を受けてしまう。
アロワナがいる池や、マナティ水槽の向かいにある淡水エイがいる池なんかは横から見られたらもっと楽しかっただろうに。
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これだけの規模がありながら、もうちょっとここをこうしたい、ああしたい、みたいな思いが出てきたのは意外だったが、それもまぁ、来てみたからこそ、と言ったところかな?
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よみうりランド水族館って知ってますか? [雑談]

2026年によみうりランドに水族館がオープンするらしい。
規模の大きなものではなさそうだが、人工海水を使った海水の水槽があることなどが公表されているが、今回ここでするのはその水族館の話じゃない。
2000年まで営業していた“よみうりランド海水水族館マリンドーム”という別の水族館のことだ。

その名の通り、お碗をひっくり返したみたいな半球形のドーム型の水族館で、よみうりランドの中央付近で存在感を放っていた。
営業を終了したのは2000年だったが、その後もマナティやラッコの展示が細々と続けられていたようで、完全に閉館したのは2002年頃だったらしい。
昔から別建てだったアシカショーはその後も継続され、今も続いている。

わざわざ“海水水族館”と名乗っているあたり、海に面していない場所で海の魚を展示しているというのが売りになっていたのだろう。wikiによれば、稲村ケ崎あたりから海水を運んでいたとのことだが、それなりに大変なことだったのだろうと思う。
昔は人工海水の質が良くなかったので、それを前提とした海の生き物の展示は難しかったのだ。

入館すると、円の縁を沿うようにスロープを上がっていき、頂上まで行ったら、今度は出口方面へと向かうスロープで下りながら出口方面へ、という作り。
海水の調達が困難だったせいか大きな水槽はなく、もっとも大きな水槽は順路の最後にあったマナティがいた淡水の水槽。
当時はかなり大きな水槽に見えていたが、どのくらいだったんだろう? 少なくとも300tくらいはあったのではないかと思うのだけど……
メインのはずの海水の水槽は大きいものがなかったので、サメなど海の大型魚はほとんどおらず、サメはスロープを上がり始めてすぐくらいのところにあった上から覗き込む小さなプールにドチザメがいたくらい。
スロープを上がりきった頂上には、現在、海響館にあるシーラカンスの標本が展示されていて、そこから出口へ向かう下りのスロープにどの程度、どんな水槽があったかは覚えていない。
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スロープを下りきると、そこに淡水の水槽があって、先にも書いたがピラルクーとマナティが入ったこの水族館最大の水槽があった。できた当初はそれで終わりだったのだろうと思うのだけど、その先に後付けされたと思しきラッコ展示館で順路は終了。出口となる。

オレは閉館までの間に行ったのは、3~4回くらい。
初めて行ったのは87~88年。まだ中学生だった頃。
その頃開館から20年以上が経過していたため、古さを感じさせるようなところもあったが、それでも、閉館間際の頃からすればまだマシで、最後はもう本当にボロボロだった。
その当時はまだデジタルカメラが普及しておらず、携帯にカメラも付いていなかった時代だったので、当時のことを記録したものは残っておらず、不確かな記憶だけ。

でも、順路最後の淡水展示のことは比較的しっかりと覚えている。オレの心をとらえ続けたのはやはりここだったから。

淡水の水槽はピラルクー水槽の斜め向かいに上が開いた作りの水槽があって、そこにはレポリナスやオスカーなどが泳いでおり、仕切られた一角にピラニアがいるという定番的? なアマゾン水槽だった。
アマゾンの水槽なのに、レポリナスなどの区画に大きなワニガメが入っていて、動いているところは見たことがなかったものの、同じ水槽の魚たちを食べてしまわないのかと心配したことを覚えている。
とは言え、この水槽でワニガメやアマゾンの中~大型魚を見たのは1度だけ。この後、小型魚主体の水草水槽へと改修されたからだ。
どんな水草水槽だったかはあまり覚えていないのだけど、その水槽の中にいたカージナルテトラを見て「こんなに大きくなるの!!」と驚いたことだけはよく覚えている。
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もちろん、ピラルクーの水槽のことも忘れられない。
この水族館唯一、水面を見上げられる水槽で、間口が広く、奥行きのある作り。サンシャインラグーン水槽みたいな形だったのだろうと思う。
中にいたマナティがそこで休めるようにするためなのか、水槽奥の左右にキノコの傘みたいな突き出た部分があり、それが水槽の奥を見にくくしていて、もともとの薄暗さも手伝って、余計に水槽を大きく見せる要因になっていたのだろう。
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水槽内にはピラルクー、ブラックコロソマ、マナティが各2匹ずつ。後になって調べると、マナティは3頭いたような話もあったのだけど、2頭だったような記憶が。
その内の1頭はアマゾンマナティだったらしく、その頃はそれが珍しいものだとも知らず、マナティがいたという記憶しかないのはちょっと残念なところ。

一方、2匹いたピラルクーは2.4mあったとかで、当時日本最大と言われていた。
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確かに、飛び抜けて巨大で、当時、ピラルクーを見上げられる水槽はほとんどなかったから、目線の上を泳ぐ巨大なピラルクーに圧倒された。
また、コロソマも巨大で、1mを優に超えていただろうと思う。シンプルな構成だが、大きく存在感のある魚たちのお陰で、見応えのある水槽になっていた。
その後、都内某水族館から移籍してきたサーモンキャットなどが追加されていたこともあったが、基本的な魚種構成は閉館間際の2000年も大きくは変わっていなかった。

古い時代の施設だからか飼育環境はあまりいいものではなかったらしく、例えばマナティの水槽では、水上部分が寒くマナティが冷たい空気を吸い込むことでよく肺炎を起こしていたと他所の水族館の人から聞いたことがあった。
そのマナティ以外にもラッコがいたり、シーラカンスの標本があったりと、この水族館ができた頃はかなり経済力に余裕があったのだろうと思う。

しかし、閉館前に行った時には、どこもかしこもボロボロで、閉館に向かう水族館のもの悲しさみたいなものが強く漂っていたから、無くなるべくして無くなったのかなぁ、みたいに思っていたのだけど……

水族館があったことを忘れ去った頃になってまた新たな計画? 今度はどんな水族館になるのやら……
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