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レインボーパラダイス @ 名古屋港水族館 [淡水魚]

もう3か月くらい前の話になるのだけど、名古屋港水族館に行ってきた。5年ぶり。

ところで、水族館好きな人が名古屋港水族館に行く時、何を目的に出掛けるのだろう?
やっぱりシャチ? ペンギン?

今回のオレの目的は…… そのどちらでもなくレインボーフィッシュ。
2023年はオレの中でレインボーフィッシュが大ブームで、とにかくそれが見たかった。
水族館にはあまりいないが、そういえば名古屋港に何かいたよなぁ!? と出掛けてみたのだ。
結果的に大当たり。期待以上のもの見せてもらうことができた。

南館の各水槽をサラリと眺めつつ、レインボーがいるオセアニアの水槽へ。
最初に出迎えてくれたのが、スッポンモドキの子ガメと一緒に展示されていたメラノタエニア・ゴルディエイ。
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ほぅ!! こんなのいるんだ!! 予期せぬレア種との遭遇にちょっとビックリ。
数もそこそこいて、色もそれらしい色を発色してる。しかもかなり大きい。
この種はウチにもいるが、まだまだ小さいので、こんな感じになるんだなぁと。その将来を楽しみにさせてくれた。
ゴルディエイが見られるとは思っていなかったから、この時点でそれなりに満足していたのだけど、その先のレインボー水槽でさらに驚かされることに。

そこにいたのは、M.トリファスキアータ、M.オーストラリス、M.スプレンディダの3種。
いずれも水族館ではほとんど見ない種類。だからオレもいるのを予測していた種類と違っていたことがまず意外だった。でも、そんなことよりもその大きさに驚いた。3種ともにとんでもなく大きくて、“こんなにデカくなるの!!”と。
大きく広い場所で飼うと大きくなるとは言われていたけれど、ここまで大型化するとは思わず、本当にビックリした。

中でもトリファの大きさによるインパクトは強烈だった。
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トリファはカワスイにもいて、色に関してはそちらの方が綺麗なのだけど、大きさに関しては比べ物にならない。
オレの手のひらよりも大きくて、体長もさることながら、体高もすごくて、サイズはずっと小さいけれど、その背張り(せっぱり)ぶりはカラフトマスをも彷彿させるよう。
この手のレインボーに魅力を感じるのは、カラフトマスが好きだからなのか!? みたいなことを思ったくらいだ。

オーストラリスもそうだ。
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熱帯魚店では“ドワーフ”なんて言われて売られているけれど、名古屋港の水槽にいたものは10㎝くらいあって、ドワーフの範疇から大きく外れている気がするものばかり。
よく見掛けるものとは種類や産地が違うのか? それとも環境によってここまで大型化するものなのか。
いずれにしても、その大きさは驚かずにはいられない。
レインボーフィッシュ、とりわけこの水槽にもいるメラノタエニア属の仲間はネガな部分が見当たらないような気がするのに、日本ではとかく人気がない。
でも、この大きさを見てしまうと、60cmくらいの水槽じゃ持て余しそうで、飼うのは止めておこうとなりそうな気もする。

ただ、いずれの種類も驚かずにはいられない大きさがあるのに、どうした訳か色はどれもパッとしない。
体色の美しさを楽しませてくれたのは、子ガメの水槽にいたゴルディエイくらい。
大きくなり過ぎると色味がぼやける、なんてことがあるんだろうか?
その点では物足りなさもあったが、レインボー好きなら一見の価値のある水槽だと思う。

名古屋港まで行ってレインボーフィッシュだけ見て帰ってきたのかって?
シャチも見ましたよ。そりゃあね(笑)
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ケアンズ水族館の気になる魚 [淡水魚]

世界最大のサンゴ礁であるグレートバリアリーフのお膝元であるケアンズだが、そこで暮らす魚たちは意外にも日本でも見られるものが多い。
海はつながっている。同じ魚が多くいるといるという現実がそれを強く実感させる。
しかし反面、日本で見られないものを期待してわざわざ海外まで水族館に来た者からすれば、日本でも見られるものでは大きな感動は得られにくい。
ということで、ケアンズ水族館で強く印象に残ったのは、ひとつ前のブログに並べたシマイサキ科など淡水魚たちだった。
中でも、淡水の大水槽はとりわけ印象深い水槽だった。
水槽の主役はバラムンディだが、水槽の底にも見逃せない存在が。
初めて見る淡水エイがそれ。
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魚名板によればフレッシュウォーターウィップテールレイ(Urogymnus dalyensis)とある。
有名なU.polylepis(チャオプラヤ)と同属で、かつては同種と考えられていたというエイだ。
茶色の色合いが違って入るものの、知らないで見れば同じに見えるだろう。
チャオプラヤほど巨大化しないようで、体盤長1.2mほどにしかならないらしい。
ケアンズ水族館には3匹がいたが、いずれもそのくらいの大きさ。つまり、この種のフルサイズ級という訳だ。
ずいぶん前に、オーストラリアにもこんなエイがいるということを知って以来、ずっと見てみたいと思っていたが、それがようやく叶った。
ただ、かつてはチャオプラヤと同じと考えられていたものだけに、初めてなのに既視感が(笑)
ケアンズ水族館では本種以外に、ノコギリエイ、そしてGlyphis(淡水サメ)が見られるのでは!? と淡い期待を抱いていたが、それらの姿は見られなかった。

オーストラリア産の淡水エイがいる大水槽はバラムンディが主役だと先にも書いたが、それに劣らないというか、二枚看板級の存在感を放っていたのがマングローブジャックことゴマフエダイだった。
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大きくて堂々としていて、バラムンディよりも下の方(観客の目線あたり)をゆっくり泳いでいるので、むしろ主役はこちら、なくらいな印象で、目の前を行き過ぎる度にカメラを向けてしまう、そんな感じ。
バラフエダイは日本の水族館でも見られる魚だが、淡水の水槽で、しかもほぼ主役級としての展示はないと言っていい。
バラムンディも好きだが、フエダイも大好き、さらにはエイも好きで見たことない種類がいる…… この水槽、最高だな!!

淡水エリアには他にも見たことも聞いたこともない魚もいて、そのひとつがこのブルロート。
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淡水カサゴ、といったところだろうか。
フサカサゴ科の1属1種で、日本にはいない種類。
フサカサゴ科の分類は幅広く、3つの亜科に分かれているそうで、このブルロートが属するNotesthes属は日本にいるフサカサゴ科の系統とは違っている模様。
でも、見た目はフサカサゴ科の魚らしく見知ったオコゼなどのそれ。だから、見るからに珍しいという感じではないものの、当然、見たことはない。
また、そういう魚の例に漏れず、基本、動かない。水槽の前を通り掛った時に覗き込むと、位置や向きが変わっていることがある、みたいな感じ。
日本では見られない珍しいものを見ているはずなのに、今ひとつありがたみに浸れない、そんな印象の魚だった。

ブルロートのいる水槽の向かいにあった円柱水槽にいたイースタンレインボーはまさに地元の魚。
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植物園の池にも泳いでいたりと、ケアンズ周辺ではごく普通の淡水の小魚といった存在のようだ。
水槽が薄暗いせいか、地元だからこその美しさ、みたいな感じでもなかったが、サイズもそこそこ大きくて、亜種の多いこの種類(Melanotaenia splendida splendida)の中ではきっと地味な方なのだと思う。
日本にもいる(観賞魚などとして)かも知れないが、もともとレインボーフィッシュはマイナーな存在だ。
見ようと思って見られる(手に入る)魚ではない。
個人的にもメラノタエニア属のレインボーは好きだし、何より、オーストラリアの淡水魚と言えば、みたいな存在だから、ここで見られたことはよかった!!

最後の1匹はテッポウウオ。
T.jaculatrixと思われる黒いスポットを持ったよく見るものと一緒に、柄がなく、体型も異なるものが数匹。
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何だこれ?
体型や口の形にテッポウウオ感はあるものの、その体型はテッポウウオとしてはかなり違和感のあるもので、ウチの連れが「これはテッポウウオじゃないよ」と言い張るくらいには違っている。
サイズ的にはその他の種類と同じくらいか、ちょっと小さいくらいだったので、こういう種類なのだと思うのだが……
個人的にはT. lorentzi? なんて思っているのだけど、果たして……!?
こういう出会いこそ、海外水族館に来たからこそ、だよね。やっぱり。
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日本じゃ見られない淡水シマイサキ(科)コレクション@ケアンズ水族館 [淡水魚]

非常に古い時代に他の大陸から切り離されたが故に、オーストラリアの生物相は独特である、というのはよく知られた話。
そんな歴史の生き証人として有袋類が有名だが、現在知られているオーストラリアの淡水魚の多くは起源の古い3種を除くと、海から淡水へと進入した2次淡水魚、もしくは周縁性淡水魚がほとんどを占める。
中でも特徴的なのがシマイサキ科の数が多いこと。それらは日本の水族館で見掛ける機会もほとんどなく、観賞魚として日本に入ってくることも少ないので日本人には馴染みの薄い魚たちだ。
でも、面白いことに、そうしたオセアニアのシマイサキ科淡水魚は遠く離れた日本の西表にもいる(種類がある)ことが知られている。しっかり調べていけば、もっと広範囲に分布しているのが見つかる、なんてこともあるかもしれない。

前置きが長くなったけれど、ケアンズ水族館ではそんなシマイサキ科淡水魚をいくつも見ることができる。
それらのほとんどは日本の水族館では見られない。それどころか、名前すら聞いたことがない、みたいなもの。
知らない魚だったから、ずっと憧れていたりした訳ではなかったけれど、見たことも聞いたこともない魚が見られる。それこそ、海外の水族館に出掛けていく醍醐味だ。

最初に出迎えてくれるのが、タリーリバーグランター(Hephaestus tulliensis)。
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その名もずばり、タリー川のイサキ。
体高のある分厚い真っ黒な体。細長く突き出したような顔つきがシマイサキ科らしい。
体色、体型ともにひと目で見たことない魚だと分かるもの。
魚名板には30㎝と書かれていて、展示されていたものも実際にそのくらいだと思うのだけど、体高と分厚さからそれ以上のボリューム感。より大きく見える。
ゴールデン(黄変)個体も多くいるのか、水槽内にはそんな変異個体も何匹か入っていた。

そしてその次の水槽にいたのがソーティグランター(Hephaestus fuliginosus)。
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細長く突き出た顔に、体高のある黒い体、ゴールデン個体もちらほらと……
隣の水槽にいたのと一緒じゃーん!!
この2種が属するHephaestus属には14種類があるらしいのだけど、どれもよく似ているのだろうと思う。
上記のタリーリバーと比べると、ソーティの方がやや体高が低い? ような気もするが、個体サイズによる? 言われなければ別種だとは思わないほどよく似ていて、隣同士の水槽だから、画像も連続していたりする。
つまり、ここの画像も種類を間違えているかもしれない。
でも、多分、バレない(笑) だって、水族館も含め、日本にいない魚だから。見たことあるという人も多くないと思うから。

見分けがつかない初見の2種に戸惑っていた時、並びの水槽にいたジェイドパーチの姿を見た時には、海外で日本語を聞いた時のような、ちょっとホッとしたような気分になった。

こいつは知ってる!!
ジェイドパーチも日本の水族館で展示しているところはないと思うが、観賞魚として流通したこともあり、個人的にはこれまで何度か見たことがあった魚だったからだ。
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でも、ここはケアンズだ。この魚の本来の生息エリア。本場である。
それだけに展示個体数もいっぱいいる。
本場だからと言って、何て素晴らしい!! とならないのは、もともとそういう魚だから(笑)
良くも悪くも、灰色のごく一般的な魚の体型をした魚、だから。
淡水エリアの個水槽だけでなく、大水槽にもいて、どの個体もそれなりに立派。
ジェイドがとりわけ好きだという人にとっては、きっと夢のような光景が見られるはずだ。

大水槽には個水槽にもいるシマイサキ科がひと通り入っているようだったが、個水槽にはいないものもいて、それがこれ。
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魚名板はなかったけれど、多分、ニセシマイサキ、現地風に言うならシルバーグランターよね?
和名があることから分かるように、西表でも生息が確認されているもののひとつ。
ただし、日本の水族館で展示しているところはない。だから、生きた姿を見たのは初めて。
ひし形の体高の高い体は、チョウセンバカマとか若いツボダイを連想させる。

大水槽に数匹? いたくらいで、その他の種類のように沢山はいなかった。現地でも珍しいのだろうか?
いずれにせよ、初めて見られたことが嬉しかった1匹だった。

最後の1匹も知っているもの。見た中ではもっとも馴染み深いと言っていいこれ。
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カルボ。現地風に呼ぶなら、コールグランター。
こやつはカワスイでも展示されているから、日本でも見たことがある人も少なくないと思うが、ケアンズのあるクイーンズランド州はこの魚にとっても本場である。
2Fのジョンストンワニがいる水槽で数匹が泳いでいたが、いずれもいい個体揃い。やっぱり本場ならではだからか!?
見知った魚でも異国、それもその魚の生息地(の水族館)で見ると、ひと味もふた味も違って見える、ということかもしれないね(笑)
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ケアンズ水族館(オーストラリア・ケアンズ) [海外水族館インプレ]

コロナ禍の“行けない日々”の中、国境が開いたら真っ先に行こう!! と思っていたのがケアンズ水族館だった。
結果的に真っ先にではなかったけれど、数年間、悶々とした思いを募らせていた施設にようやく行くことができた。
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日本を夜に出発し、翌朝早朝にはケアンズ市街を歩いてた。移動時間は6時間少し。
おまけに、ケアンズ水族館があるのは市街のほぼ中心。市街のほとんどのホテルから徒歩で行けるという行きやすさ。
この近さと利便性は海外水族館巡りの最初の1館としても最適なのでは!?
巡る、という点でも、ケアンズから南へ約350㎞ほど行ったタウンズビルという街にも水族館があるらしいのと、ケアンズから船で行くグリーン島のワニ園にも小さな水族館がある。どちらも行ってないけど、グリーン島は行けばよかったと今更になってちょっと(結構)後悔している。

展示内容は地元特化型。クイーンズランド州、それもケアンズ周辺の淡水と海とその周辺といった感じ。その地でどんな魚や生き物がいるのか知りたい、見たいという、例えばオレみたいな人からすれば、まさしくピッタリ。個人的には好みな水族館だった。
規模感としては、新江ノ島水族館とか浅虫水族館くらいな感じ。オーストラリアの水族館はひとつしか行ったことがないので、彼の国で規模が大きい方なのか、小さい方なのかは分からないけど、大き過ぎず、小さすぎずな規模感だと思う。ただし、イルカや海獣のショーはない。オーストラリアだしね。

入館料は52ドル(約5000円)と高価に感じるが、ケアンズ(オーストラリア)の物価は日本の約2倍だから、そういう意味では日本の水族館と同水準といったところなのだろう。
入口で申し出る必要はあるけれど、再入場も可能だ。チケットカウンターのお姉さんがとてもにこやかに対応してくれる。
なお、1度出る必要はあるが、館内にものすごくちゃんとしたレストランもあるし、そもそも閉館時間は15時までなので、途中で飲み食いしなくても何とかなる? かもしれない。

順路は淡水→両性、爬虫類→海という流れで続いていくので、入館して最初に出迎えてくれるのは淡水魚たち。
これがよかった!! オーストラリアの淡水魚の多くは日本人にはほとんど馴染みがない。
とりわけ多くを占めるシマイサキ科の魚たちは観賞魚として日本に入ってくることも少ないから、ほぼ見たことのないものばかり。
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淡水エリアの最後には大水槽もあって、バラムンディなど地元産の大型魚が泳いでいる。ここには以前、ノコギリエイもいたらしい。本場だけに見られることを期待していたが、それがいなかったのは少々残念だったけれど、エリアの主たるバラムンディなど見たことがあるものを含めても、その見せ方など“見慣れない”感があってとてもよかった!!

個人的にはここでかなりの満足感が得られたが、このエリアはこの水族館ではまだまだ序盤。順路はそこからエスカレーターで2Fへ。そこで待っているのは地域の両爬たち。
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淡水魚とは違い、オーストラリアはこれらの種類数、多様性は圧倒的だ。
とりわけケアンズのある北部は熱帯であるからして、多くの種類が暮らしている。
2Fの半分くらいはこの両爬展示なのだけど、さほど大きな種類はいない反面、展示スペースは展示生物のサイズに対して大きめ。ものによっては展示された生き物を探し出すのが大変だったものもあった。

両性爬虫ゾーンを抜けると、いよいよ海の展示。
ケアンズは世界最大のサンゴ礁たるグレートバリアリーフの入口みたいな街である。
当然、水族館の展示もそれにちなんだものになっているのだけど……
意外にも海の展示はあっさりというか、ちょっと物足りなさがあった。というか、日本にもっといい展示がある。
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水槽サイズに対し、生き物の数が少なく、閑散としたように見えてしまうのに加え、綺麗じゃなく見える水槽もいくつか。
同じような水槽が並んでいて、さらに、展示されているものも日本で見られるものが多いこともあって、海の展示ゾーンではそれほど大きな感動が得られなかったというのが正直なところだ。期待が高すぎたか!?

水槽(展示スペース)に対して生き物の数が少ないのは両爬展示でも感じたことだが、もしかするとこれは、日本の水族館が多く入れ過ぎていて、それを見慣れているからこそ、みたいな可能性もあるけれど、順路最後の海の大水槽にしてももうちょっと魚を…… と思ってしまうほどすっきりしている。
あれもいる、これもいる、な日本の大水槽を見慣れた身には、やっぱり少し物足りない。
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基本的にはオレ好みな水族館ではあるのだけど、遠く日本から行ってる分、どうしても求めるものが大きくなってしまうというもの。
ここまで読むと、何だか残念な水族館のように感じるかもしれないが、そんなことはなくて、わざわざ行く価値はあるかと聞かれても、ある!! と答えられるいい水族館でした。
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カマス祭りな大水槽で見分けチャレンジ @ 沖縄美ら海水族館 [海の魚]

ある時、何気なく元ツイッターを眺めてたら、カマスの画像とともにこんなコメントが。

「美ら海にトラカマスいるんだ!!」

トラカマス? 
カマスの仲間は水族館で見られる種類が限られることもあり、あまり馴染みがない。トラカマスも名前すら知らなかった。
初めて聞いたカマスを探すべく美ら海水族館HPの図鑑ページを開いてみると、今度はそこにヨコシマサワラが掲載されているのを見つけた。しかもそれが大水槽にいるという。
ラッキーだったのは、これらの情報を発見した1週間ほど後に沖縄行きの予定があったこと。

美ら海水族館にはこれまで何度も足を運んだが、今回はいつも以上に楽しみだった。
だって、知らない、見たことのない魚たちに会えるんだから。
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大水槽で目的のトラカマスを探すと…… 分からない… どれを見ても以前からいるオオカマスにしか見えない。どれがトラカマスなんだろうか!?
顔見知りのベテラン解説員氏に会ったので、トラカマスの見分け方について聞いてみた。
“私はこうやって見分けてます”として、縞模様が、とか、体高が、とか、教えてくれた。
しかし、続けて彼女の口からはそれ以上の恐るべき情報がもたらされた。
「水槽内には今、5種類のカマスがいるんですけど…」

エッ!! 5種類!? すべて同じにしか見えないものの中に、5種類もいるの!!
何でも、沖縄周辺には決まった時期にしか来遊しないこれらのカマスたちを担当飼育員氏が県内の複数の定置網に足繁く通い、集めてきたというこだわり満載の展示とのこと。

いい!! すごくいい。そういうこだわり、ホント、好き!! ぜひともそのこだわりを直接聞いてみたいと思ったものの、その時点ではその5種類を見分けられる気はまったくしていなかった。
ちなみに、5種類の内訳は、オオカマス、トラカマス、タツカマス、オオメカマス、アカカマスとのこと。

大水槽前でひたすらカマスを目で追い続けること数時間。個体差、種類差なのか、何となく個体ごとの差、違いのようなものが分かり始めてきた。
そこで、夕方、別の解説員氏にもどうやって見分けているか聞いてみた。
すると、最初に出てきたのはやはり縞模様という回答。

縞模様、どれもあるじゃーん!!

でも、話を聞いた彼は、“ボクはここを見てます”と、他にも見分けポイントをいくつか話してくれた。
オレが彼の話してくれた見分けポイントをそのまま活用できた訳ではなかったけれど、ヒントになったのは間違いなくて、そのあたりから何となく種類の判別ができるようになってきた。
という訳であらためてトラカマス。
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そしてタツカマス。
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オオカマス。
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実は1番最初の画像はこの3種が一緒に写ってる。どれがどれだか分かるかな?

3種の違いは、まず、縞模様。本数や入り方、模様の形の違いなど。そして尾ビレの形状。画像でも形が違っていることは分かるだろう。また、ヒレの色なども微妙に違っている。
そうした違いに気付き始めると、ちゃんと違うものに見えてくる。
トラカマスに関してはかなり自信を持って見分けられるような気がするが、この水槽にこの3種がいることが分かった上での見分けなので、他所の水族館で同じように見分けられるのかと言われると自信がないけれど……

よく似た3種の見分けは何とかなった。あとの2種類、オオメカマス、アカカマスは? というと…
他種に比べるとサイズも小さいせいか、水槽の端の方で群れていることが多く、少々見にくい。
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水槽横のカフェ、水槽サイドの有料席No.1~No.3あたりの席に行くとよく見えそうだけど、今回はひとまず3種類のみ。
それでも知らない魚を一生懸命見て、違いに気付く、なんてことをしたのは久しぶりだったので、本当に楽しかった。
そのせいで超久しぶりに水族館ブログを書くなんてことをしたんだけど。

とりあえず、今のオレなら、件の飼育員氏のこだわりを聞いたとしても、聞いてるだけにならずに済みそう? かな!?

この先、美ら海水族館に行く予定のある人は、是非、カマスチャレンジしてみてね。
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大丈夫か!? 北海道 サケ遠征2023 [淡水魚]

地球温暖化の影響で……

TVが好きこのんでやけに使うフレーズだ。
何でもかんでも“温暖化の影響”って言えばいいと思っているのか? まるで思考停止だなぁ、と個人的には好きではないのだけど、そんなオレでも、今年の北海道は温暖化の影響? と思わずにはいられなかった。

コロナ前までは、9月になると毎年サケの遡上を見に行っていた。
昨年もどうしようか迷ってる内に9月になってしまっていたのだけど、9月の遡上数は劇的に少なく、行かなくて良かった!! と思ってしまったのが正直なところ。
しかし、10月に入ると少なかった9月を取り返すかのように標津も千歳も大ブレイク。
川を埋め尽くさんばかりのサケに、行けばよかった!! と何とも現金な後悔(笑)
すぐさま翌年のプランを練った。

そして今年。4年ぶりとなるサケ遠征。
例年、カラフトマスを主な目的としていたため、行くのは9月初めだったのだけど、昨年、10月にサケが大ブレイクしたことを考えて9月末に行くことにした、のだけれど……
驚いたのが中標津空港に降り立った時の暖かさ。9月末だというのに20℃を超えてる。
東京から着てきた半袖のままでいられるなんて信じられない!! 9月末の標津だよ!?
オレの経験では過去もっとも暖かい標津だった。

気持ちのいい陽気の中、標津川まで行くと、かなりの数のサケの姿が。
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久しぶりなこともあり、やはり嬉しい。
サーモン科学館魚道水槽にも何匹ものサケが泳いでいるのを見られた。
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今年も当たり年か!? と思いきや、どうやらそうでもないらしい。
聞けば、漁獲量は圧倒的に少ないそうで、実際、近隣の販売店などでも、この時期とは思えない寂しい品揃え。例年ならサケやその関連製品で賑わっていたはずなのに……
その原因は、沿岸域の水温が高すぎてサケの群れが近寄れないから、みたいなことが考えられているらしい。遡上個体も、川の水温が高すぎるせいで個体や採卵した卵が死んでしまう、みたいなこともあるのだとか。

反面、標津の海を賑わせているというのがブリとサバ。近年、よく獲れるらしい。
実際、地元のスーパーや飲食店でも、地元や周辺地域産のブリやサバが並んでいたし、実際、夕飯にそれを口にもした。
とても美味しかったけれど、“羅臼産ブリ”という表記に何とも違和感。
羅臼でブリ? サバ?

サーモン科学館の大水槽にも海で捕獲されたサケはいた。しかし、その存在感は例年になく薄く、サケもいるなぁ、くらいな感じ。それでもいるだけマシで、カラフトマスの姿はゼロ。
代わりに水槽を賑わせていたのが、ここでもブリとサバだ。
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今年だけの話なら、そういう年もあるよね、で済むかも知れない。
でも、この先、毎年今年のような暑さが続いたなら、標津はもうサケの街ではなくなってしまうのかも知れない……
現時点でも既に、カラフトマスは幻の魚になりつつあるというし。
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大水槽のエビスザメは健在。元気に成長中。

久しぶりに遡上サケの姿が見られたのは嬉しかったけれど、そうなって欲しくない未来を垣間見てしまったような気もして、ちょっと怖くなった気がした4年ぶりのサケ遠征だった。
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今年は千歳もハシゴ。千歳でもたくさんのサケの姿が見られた。結果的にはよかった。
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S.E.A.アクアリウムのサメ水槽 [サメ]

更新頻度の少なさも手伝って、長々と続くことになったS.E.A.アクアリウムの話も今回で最後。
最後を締めくくるのはサメの水槽。
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以前のブログにも書いた通り、S.E.A.アクアリウムには大水槽と言える規模の水槽が3つある。サメの水槽もそのひとつ。
その時々によって、順路の方向は逆になるらしいのだけど、オレが行った時にはほぼ順路の最後に登場する水槽だった。

そのS.E.A.アクアリウムのサメ水槽だが、かなりの大きさがありそうで、そこにツマジロがいる、ということまでは知っていた。
その時はまだ、日本の水族館でツマジロが見られる日が来るとは思っていなかったから、いつか行かなきゃ、と漠然と思っていたんだけど、その時からはかなり時間が経ってしまったけどようやく見ることができた。

S.E.A.アクアリウムはどこを見ても、まず最初に出てくる感想は「デカい!!」なんだけど、サメの水槽でもそれは同じ。
3つある大水槽の中では一番小さいはずだが、それでも日本に持ってくれば有数の大きさがありそうな規模感。少なくとも2000t以上の水量はありそうだ。その広さもさることながら、水深も深くて8mくらいはありそう。水中トンネルもあるが、そこから見上げると水面ははるか上にある。
そこを泳ぐのは5種類のメジロザメ属を中心とした9種類のサメ。それ以外にはオヤビッチャが少しいるくらいで、圧倒的にサメ!!
3mはありそうな大型の個体が何匹もいて、それらがそれこそビュンビュン泳ぎ回っているのに狭さを感じさせることがない。

動画


種類で言えば、日本で見られない種類はおらず、そういう意味では驚きは少ないものの、個体数やその大きさは驚きに値すると思う。
しかしながら、日本では美ら海水族館に2匹がいるだけのツマジロや、シーライフ名古屋にしかいないオグロメジロザメ(まだ見られるのかな?)あたりは日本人には珍しいと言っていい。それらが何匹もいて、しかもデカい!! ツマジロなんて大きいものは3mくらいありそうで、見知ったはずの種類なのに初めて見るみたいな感覚。
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ツマジロ
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オグロメジロザメ

日本だとなかなか大きな個体を見掛けないアカシュモクザメもちゃんとデカくて、シュモクザメ以外の種類も、大きいだけではなく、体に擦れ傷や擦れてできる瘤みたいなのがある個体もいない。
それを見て思った。やっぱり、遊泳性のサメは広さだな、大きくないとダメだな、って。
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サメ、それもこの水槽にいるような種類は、そこそこの大きさがあって、しかもそれが泳ぎ回るのだから、ある程度以上の大きさがなければダメだというのはサメを飼ったことがなくても想像ができること。
飼育実績のある種類も多く、どの種類はどのくらいの水槽がなければ長く飼えない、みたいなことも分かりつつあるものもいる。
でも、それができていない日本の水族館は案外、多い。
シュモクザメを展示している水族館はいくつもあるのに、大きく成長した個体を見られる施設となると極端に少なくなるが、そういうことだ。

S.E.A.アクアリウムみたいに、サメを展示するのにこれだけの水槽を宛がえればそれは素晴らしいことだ。
しかし、それができないのであれば、その水槽で無理なく飼える種類を飼うべきなんじゃないか、と思う。

まぁ、それはともかく。

S.E.A.アクアリウムで一番どの水槽がよかった? と聞かれたら、オレはこのサメ水槽をあげる。
オレがサメが好きなのを差し引いても、魅力的な水槽だと思う。実際、水槽を眺めている人たちの立ち止まっている時間は、あと2つの大水槽よりも長かったような気がしたくらいだ。

世界中の水族館を見た訳じゃないけれど、これを上回るサメ水槽、他にあるんだろうか? そんな風にさえ思う水槽だった。
サメが好きなら、1度見ておいて損はない水槽だと思う。
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S.E.A.アクアリウムの気になる魚 Vol.3 通常版 [海の魚]

S.E.A.アクアリウムでは見たことのない魚に沢山遭遇できた、というのはこれより前のブログに書いた通り。
気になる魚第3弾は、通常版。
超巨大水族館だけに、気になる魚も沢山いて、ここに並べたいものもまだまだいたりする。
あらためて水族館の規模の大きさを実感させられる。

順路最初のトンネル水槽で行き交う魚を眺めていると、頭上にアカメモドキがいるのを見つけた。
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アカメモドキは長らく見たいと思っていた魚で、数年前、ようやく美ら海水族館でその姿を見ることができたのだが、その時はほとんど隠れていて、いることが分かったくらい。
ちゃんと全身を見られたのは今回が初めてだったかも知れない。
アカメモドキなんて名前から分かるように、何となく似ているし、科までは同じ。
でも、小さくて、隠れがち。この水槽でも隅の方でオドオド? してた。
それをあの巨大な水槽の中で、よく見つけたな!! オレ、スゴイ!!(笑)
さほど大きな魚ではないとは言え、もう少し堂々と泳ぎ回ってくれたら、もっと違って見えそうなのに……

S.E.A.アクアリウムには、生息水温や水質が異なる魚が一緒に入っていたりする不思議な水槽がいくつかあった。
このアフリカンスキャットがいた水槽もそのひとつ。
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アフリカンスキャットはスキャットとしてはもっとも淡水に適応した種類とされている。
でも、同じ水槽にいたシルバースキャットは汽水にも入るがより海水指向が強いらしい。2種の近縁種で淡水寄り、海水寄りという組み合わせ。
同様にモノダクティルス属でも海水寄りのヒメツバメウオ、淡水寄りのセバエが同じ水槽で、同じような組み合わせになっていた。
この水槽、どういう水質なんだろう? どのくらいの塩分濃度? それとも淡水?

それはともかく。
アフリカンスキャットを水族館で見るのは初めて。日本の水族館では見たことがない。
ウチにもいるので個人的には珍しい魚ではないが、沢山いて凄いなぁ、と。
この水槽になくてはならないものでもなさそうなのに、個体単価はその他の魚よりも高く、これだけの数を揃えるとなるとそれなりにお金も掛っただろうに。
ウチでも飼ってる魚だからか、何とも変なところが気になってしまったな(笑)

水族館であまり見掛けない魚と言えば、サンゴ礁の水槽にいたクリスルスもそう。
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アフリカ産のエンゼルだが、やや高価だからなのか、日本の水族館では見ない種類だ。
どこかで見たような気もするのだけれど……

この個体がいた水槽には、他にもエンゼルが入っていて、それらも綺麗ではあったのだけど、もっとも幅を利かせていた? のがこの個体。まるで水槽の主役のような感じ。
だからなのか、水槽の見えやすい位置をよく泳いでくれる。
とても綺麗な個体だったことも手伝って、カメラを向けずにはいられない、そんな感じ。
自分の綺麗さを分かっている? そんな風にも思えたほど。
S.E.A.アクアリウムに行く機会がある人は、是非、彼(彼女?)の美しさをしっかり見てあげて欲しい!!

S.E.A.アクアリウムといえば、大水槽にマンタがいるのである!!
しかも、3匹いる内の1匹は黒マンタ。
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黒マンタと言えば、美ら海水族館にいる個体が有名だが、飼育下にある黒マンタは世界で2匹だけらしく、図らずもその2匹を制覇できてしまった。

この黒マンタ、水槽の向かって右側の水面近くにいることが多く、水槽の真ん中あたりを泳いでくれないので少々見にくい。
正面のアクリルパネルの幅は36mもあるっていうのに、デカすぎる水槽はこういう時に困る。
3匹のマンタはいずれも美ら海水族館にいるものより小さめ、と思っていたのだけど、公式instagramでダイバーと一緒に写っている画像を見ると、そこそこの大きさがある模様。
どうやら、水槽が大きすぎるが故に、その大きさが分かりにくい、ということなのかも知れない。
何せ、美ら海水族館の大水槽の2.4倍もの容量がある水槽である。そこそこ大きなマンタくらいじゃ大きく感じないのだ。

大水槽にはジンベエザメのような目を引く主役みたいな存在がいない。そういう意味では水槽最大の魚であるマンタがそれに相当するのだろう。
だからなのか、それぞれ名前が付いているらしく、水槽の反対側の壁に、個体を紹介するパネル(マンタは実物大に近い立体レプリカだったけど)でそれぞれ紹介されていた。
名前はアルファベット名前と、中国名の2つがあるようで、黒マンタはMAKOとLELEという名前らしい(LELEは漢字が充てられている)
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3匹の性別などは確認していないが、これだけの水槽である。
そのうち、繁殖に成功する、なんてニュースが聞こえてくる日もあるかも知れない。
その時はもちろん、駆けつけ…… はしないけど、世界で2施設めになっても不思議ではなさそうな水槽とマンタたちだった。
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S.E.A.アクアリウムの気になる魚 Vol.2(知ってたけど見たことなかった魚編) [海の魚]

S.E.A.アクアリウムでは知らない、見たことない魚に数多く遭遇できた、という話は前回のブログに書いた通り。
それまで見たことなかった魚でも、何これ!? こんな魚知らないぞ、というのと、名前や姿形は知っていたけど、実際に見たことはない、というものとがある。
今回は後者。知っていたけど初めて見る魚たち。知っている≒見てみたい、であることも多いので、実際に見られたことが嬉しかった魚たちでもある。

最初の1匹はイエローテールスナッパー。
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ひとつ前のブログに登場させた、ヒシカイワリと同じ水槽にいた大西洋産のフエダイ科。
産地の関係もあるのか、北米の水族館にはよくいるようなのだけど、日本の水族館で見たことはなく、その特徴的な姿形から見てみたい魚のひとつだった。
これが北米の水族館でなら、施設によっては見飽きるほどいたりするのだろうけど、そこは大西洋が遠いシンガポールの水族館である。
個体数はそれほど多くはなかった。でも、見せてくれてありがとう!! である。
これがいた水槽は円柱形で、水流もかなり強そうだったが、そんな水流もものともせず、力強く泳いでいた。見るからに遊泳力強そうだし。

見てみたかった憧れの魚と言えば、ホグフィッシュ(Lachnolaimus maximus)に会えたことも嬉しい収穫だった。
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イエローテールスナッパーと同じく大西洋産の大型ベラで、インパクトある姿形が最高に魅力的な魚だ。
やはり大西洋側の水族館ではしばしば展示されているようで、いつか見に行きたい!! と強く思っていた魚だった。
日本の水族館では展示されていないが、観賞魚として日本に輸入されることもあるらしく、葛西とかサンシャインとか、カリブ海水槽があるどこかの水族館で展示してくれることを密かに期待していたりもしていたのだけど…… ひとまず念願は叶った。

S.E.Aアクアリウムにいた個体は、葛西風に言うところの“イニシャルフェイズ”。まだ先がある状態。
どうせなら、“ターミナルフェイズ”の状態で会いたかったが、贅沢は言うまい。
動きはナポレオンフィッシュ的なゆっくりしたものなのかと思っていたが、それよりは慌ただしく、同じコースをずっと泳ぎ回っていた。そういう魚なのか、はたまた個体の性格なのか。
それも含め、また別の個体も見てみたい。あらためてそう強く思った1匹だった。

ホグフィッシュがいた水槽は、サンシャイン水族館にあるのと同じようなカリブ海の水槽だったんだけど、そこには何種類か“カリブのイサキ”が。
そのうち、見たことがなかったのがスパニッシュグラント(Haemulon macrostomum)。
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かなり大きい立派な個体ではあったのだけど、こちらはホグフィッシュに目が釘付け。
それでも水槽の前の方、目立つ位置に出てきてくれるので、その度にカメラを向ける、そんな感じだった。
日本の水族館では見たことがないし、S.E.A.アクアリウムでも1~2匹しかいなかったけれど、例えばフロリダのどこかの水族館にでも行けば、前出のホグフィッシュやイエローテールスナッパーも含め、山ほどいるんだろうなぁ。
シンガポールで遠くアメリカに思いを馳せるひと時。
とは言え、これら3種はシンガポールから遠くの大西洋の魚たち。ホント、見られる機会を与えてくれてありがとうとしか言えないよね。

S.E.Aアクアリウムにはゾウギンザメもいる。
真っ青な照明の円形のベアタンクで、正直、見慣れたサンシャイン水族館の水槽の方が良く見えるような気がしたが、ゾウギンザメそのものに見逃せない理由があるのだ。
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サンシャイン水族館や海遊館で展示されているゾウギンザメはオーストラリア産のCallorhinchus milii。
S.E.AアクアリウムにもC.miliiはいる。だが、それとは別に南アフリカ産のC.capensisも展示されているのだ。これこそ注目の1匹という訳。
日本でのゾウギンザメの展示はサンシャイン水族館が初ではなく、かつて葛西臨海水族園でも展示されていたことがあったらしい。その時のものは南米産のC.callorynchusだったそうで、オレが知る限りでは南アフリカ産のC.capensisは日本で展示されたことがないと思われる。
とは言え、見た目には見慣れたC.miliiとほとんど、というかまったく同じ形をしていて、違いと言えば、C.capensisは柄がない、あるいは薄いくらいで全体的に銀色っぽいことくらい。
そのため、初めて見たというのに、猛烈な感動…… みたいなことはなかったのだけど、これもまぁ、遠く南アフリカまで行かなければ見られないはずの魚なので、こんな魚、見せてくれてありがとう!! なのである。

最後の1匹、ケルプの水槽にいたゼブラフィッシュ(Girella zebra)。
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オーストラリア南部に生息するメジナの仲間。
オーストラリア産なのに、何故だかアメリカ沿岸? みたいな水槽にいた。
日本のメジナと同属ということもあり、形は比較的よく見知った感じ。でも、体色は何ともエキゾチック。この体色のせいだろうか。ちょっと可愛く見える(笑)
この魚も海外の水族館の画像などで見たことはあったけれど、生きたものを見たのはもちろん初めて。
今回ここに並べた上の4種類よりは近いものの、やはり遠くから来た魚を生息地外で見る不思議な感覚。
やっぱり、遠くのこんな魚、見せてくれてありがとう、だな。
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S.E.A.アクアリウムの気になる魚 Vol.1(知らなかった魚編) [海の魚]

海外水族館に行く最大の楽しみは、日本では見られない魚が見られること。
正直、シンガポールの水族館にはその点、それほど大きな期待はしていなかった。
沖縄なんかで見られる魚と同じような種類が多いのだろう、そう思っていたからだ。
しかし、実際は…… 世界中から魚を集めてきましたと言わんばかりのコレクションで、シンガポール周辺エリアの魚もいたにはいたが、それ以外の地域の見たことない魚たちにも多く会うことができた。

知らない魚との遭遇は、入館してすぐ。最初の水槽から始まった。
水中トンネルでアカメモドキを見つけ、その姿を写真に収めようとしていた時のこと。
目線の端で、ヨスジフエダイが何匹か泳いでいくのが見えた。すると、その後を追う、やけに色の濃い個体が。
「ん!?」と、その魚が泳ぎ去った方へと追いかけていくと、見知らぬフエダイ。
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何だこれは!! と、あらためて調べてみるとスパニッシュフラッグスナッパー(Lutjanus carponotatus)という種類らしい。
アミメフエダイにヨスジフエダイ感を足したみたいな感じのフエダイで、茶色の縦縞模様が特徴的。東南アジアに広く分布している種類らしい。でも、その分布域は沖縄周辺までには達していないのか、日本の水族館では見たことがない。
入館後いきなりの“見たことない魚”との遭遇に、嬉しさとこの先の期待感が高まったのは言うまでもない。
この感覚、海外水族館ならではの醍醐味だ。

順路を進んでいったところにあったサンゴの水槽。
どうやらその水槽は見たことなさそうな魚が多くいるような感じ。その中でも真っ先に目に飛び込んできたのが、黄色いサンゴアマダイの姿。
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大きさは12~13cmほど。それほど大きくはないのだけど、何せこの色である。
この水槽が目に入った瞬間から、その存在に気付くほど目立っていた。
イエロータイルフィッシュ(Hoplolatilus luteus)というらしく、観賞魚として日本へも入ってきているようなので、日本でもどこかの水族館にいるかも知れない。
ただ、オレはこの魚を日本の水族館で見たことはない(と思う)ので、オレとしては初めて見た、で間違いないと思う。

さらに順路を進んでいくと、フロアぶち抜きの円柱形水槽が。
そこには黄色いヒレのアジが群れで泳いでいて、そういう展示をした水槽なのかと思いつつ近づいていくと、アジの群れを掻き分けるようにギラギラの体の大型アジが姿を現した。
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長く伸長した背ビレと臀ビレ、ギラギラした体、そして角ばった頭に、裂けた大きな口…… オキアジみたいな悪人顔だ。何これ!? 見たことないぞ!!
帰って調べてみると、ヒシカイワリだと分かった。和名のある種類とは思わなかった!!
日本近海での漁獲記録はあるようだが、成魚の記録はないらしい。
見たことない魚≒知らない魚だったりするので、初めましてな1匹だったのだけど、この水槽以外にも、大水槽など複数の水槽でその姿が見られた。
大型種ではあるが、ロウニンアジほど巨大化しないらしい。
日本では見られない大型アジ。これを見られた(知れた)のは大きな収穫だった。

大水槽で行き交う魚を眺めていると、丸い形の見知らぬ魚の姿を見つけた。
見るからに“見たことない感”全開の特徴的な体型。
何だあれ!? 顔つきからタイ科? と思ったが、どうやら違ったらしい。
ユウダチスダレダイというスダレダイ科の魚だった。
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ヒシカイワリと同じく、和名があるのに、日本では記録がある程度の珍種で、展示している水族館は現在はない模様。
もちろんオレも見るのは初めて。何でもこのユウダチスダレダイ、台湾あたりでは漁獲されているらしく、それなら沖縄あたりでも獲れてよさそうなのに、日本では希種。
日本人には珍しい魚がここには沢山。多分、シンガポールの周辺では普通に見られる種類なのだろうと思う。
姿形が独特なので、特別なものを見ている感があるのもいい!!

順路を進み、水深のあるケルプの海の冷水系水槽。
葛西にもあるような水槽で、カリフォルニア周辺、東部太平洋をイメージした水槽のようなのだけど、入っている魚種は違っている模様。ついでに、ケルプは本物ではなかった。
そこには見たことのない魚がいくつかいたんだけど、そのひとつがハーフムーン(Medialuna californiensis)
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タカベ科の魚らしい。結構大きくて、あんまりタカベなイメージではないけれど。

最初、「何だこの尖ったヒレしたイスズミみたいな魚は!?」と思いながらも、過去の記憶を必死に思い起こす。
どこかで見たことなかったっけ? 葛西にいた? 海遊館のニュージーランドの水槽にいたかも!? 等々。しかし、見た記憶はない。
魚名板もあるんだけど、デジタルパネルで5種類ずつくらいが表示され、それが目まぐるしく変わっていくタイプ。その前で知りたい魚の情報が出てくるのを待ち続ける必要があり、しかも、出てこないこともあった。
結局、家に戻ってから調べなおしたのだけど、どうやら見たことがない魚らしかった。

種小名からカリフォルニア周辺に住まう魚だということは分かるけれど、こういう地味で観光客受けしなさそうな、しかも冷やさなきゃいけない魚を展示するってスゴイよね。
シンガポールからは遠いところの魚を、これまた生息地からは遠いところから来た人間が初めて見る。
何だか不思議な体験だね(笑
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