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恋するイカ [その他]

ようやく寒さも和らぎ、家から出ようかな!? みたいな気分になれる季節になったからか、4~5月はよく水族館に行った。
5月に入ってからも伊豆や箱根の水族館に行ったんだけど、そこで撮った写真は、いつにも増してハズレが多くて、整理しながら情けない気分に。
水族館から帰った後の写真整理は、行ってきた水族館をもう1度味わえる楽しい作業のはずなんだけど、ハズレの写真が多いと、とりわけ外れて欲しくないのが外れてると、それはそれは大きなガッカリ感を味わうハメになる。
それでも、比較的行きやすい伊豆や箱根ならまだチャンスはあるけれど、なかなか行けない水族館だと、泣けてくる。
まぁ、それも、オレのウデが大きな原因。解消するには練習あるのみ。
というワケで、写真の練習を兼ねて、エノスイに行ってきた。
4月末のリニューアルでどう変わったのかも楽しみだったしね。

細かくいろいろ変わっていたのだけど、これまで“いただきます”をテーマに食用魚の展示を行っていたエリアが、相模湾沿岸水槽と名を変え、それに沿った展示へと改められていのだけど、その最初に登場する水槽、リニューアル前はブリやカンパチの若魚が泳いでいた水槽が、旬の水槽と名を変え、オススメの生物を展示する水槽とされていた。
オレが行った時には、3種類のイカが入っていたのだけど、ちょうど繁殖期を迎えていたらしく、水槽内に入れられたネットには沢山の卵が産み付けられていた。

その水槽を覗き込んだ時、底~中層にいたミントグリーンのイカの姿に驚いた。
何て綺麗なんだ!! ってね。
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ネームプレートによれば、カミナリイカという種類とのこと。
しかし、その色の綺麗さは感動的。イカなんて、特別興味のあるものではないこともあって、普段はあまり写真を撮ることもないのに、その日ばかりはアホみたいに写真を撮ってしまったほど。メディアの中はイカだらけ(笑)

イカは気分などに応じて色をめまぐるしく変えるものだけど、青いイカは繁殖期ならではの婚姻色みたいなものらしい。
綺麗な色を発色してるのは、メスとペアになったオスが中心。
つまり、好きな女の子の前で、いいカッコしたい、ってヤツだな。
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イカは繁殖を終えてしまうと、そのまま寿命を迎えてしまうので、死ぬ前にひと花咲かせてやろう!! なのかも知れない。
いずれにしても、同じ男としてその気持ち、よく分かるよ、イカ君!! と、頑張るイカたちを前に、すっかり感情移入してしまったよ。

オスは体色をミントグリーンからブルー、緑、黄色、赤とめまぐるしく変えながら、メスに寄り添ってる。
時々、ウデをメスの方に伸ばし、体に触れるのだけど、実にソフトに、さわさわって音が聞こえてきそうなほど優しく、そっと。その様子が、メスに対する愛? を感じさせると同時に、どことなくエロティックでもあるような…
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また、2匹の頬が時々、ポッとピンクに色づくことがあって、照れているように見えたりして、実にロマンティックなラブラブぶり。

このラブラブのすぐ先にあるものは、産卵、そして死。
見方を変えれば、儚い光景なのかも知れない。実際、水槽内には既に事切れてしまったものの亡骸も浮かんでいたけど、そんな風に感じなかったのは、イカたちのラブラブオーラに当てられていたから、なのかも知れないね。
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産卵してるペアもいた。

オレがエノスイでこの写真を撮ったのは5/21のこと。
だから、カミナリイカたちはもういないかも知れないけど、できることなら生きた姿を多くの人に見てみて欲しいと思う。
散り際の美しさならぬ、命を賭した最後のひと花ということを差し引いても、感動的に綺麗だからね。
きっと、イカってこんなに綺麗だったんだ!! って思うはずだから。

駿河湾深海生物館 [その他]

西伊豆の戸田(へだ)という所にある、沼津市駿河湾深海生物館という博物館に行ってきた。
戸田の岬の先っちょの、松並木の中に隠れるように建っているとても小さな博物館だ。
同じ建物の中にある、戸田造船郷土資料博物館という展示の方がむしろメインだが、その両方を見ても1時間くらいしかかからないくらいの規模。

駿河湾深海生物館は、深海風のジオラマ? に剥製がディスプレイされている他、駿河湾で採集されたという深海魚たちの液漬け標本が並んでいる。
標本はかなりの数があるものの、いずれも年代物? なのか、すっかり色が飛んでしまっていて、どれもこれも真っ白。
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正直、見ていてあまり気持ちのいいものではない。
一部を除いたほとんどの標本は、頭からビンの中に差し込まれるように入れてあるから、中の魚がどんな風になっているのか、今ひとつ見にくいのだ。

とは言え、ラブカを初めとした多くの深海ザメや、チョウチンアンコウみたいなスーパースター? は、ちゃんと見やすい標本になっているのだけどね。
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ミツクリエナガチョウチンアンコウ

もともと、生きてない魚にあまり興味のないオレからすると、標本や剥製というのは、あまり心動かされる存在ではないのだけど、それでも何となく気になったものをいくつか。

まず、ヘラツノザメ。
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巨大な目がいかにも深海ザメな雰囲気だが、それよりも平たく尖った吻が印象的。
ショートノーズなミツクリザメみたいな雰囲気。
まぁ、オレの好みで言えば、ミツクリザメの方がカッコいいと思うけど、このヘラツノザメもなかなか。
真っ白になった標本だから、ミツクリザメを彷彿とさせるけど、生きている時は黒っぽい色をしているので、その印象がガラリと変わる。
練り製品の素材に使われているそうなので、知らない間に食べている可能性も高そうだ。
生きた姿を水族館で…… 難しいだろうなぁ。

お次はアオザメ。
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アオザメ? オレもそう思った。
しかし、付属された紙には、駿河湾260mで採集とある。
そんなに深い所にもいるんだ!! というところにまず驚き。
しかも、こんな小さな個体が(60㎝くらい)!! という点が2つめの驚き。

それにしても、アオザメってカッコいいなぁ。
惚れ惚れする。
いかにも“飼えないよ!!”と言わんばかりのフォルムに、ホオジロにも通じるネズミザメ科らしい顔つき。
いわゆる深海魚ではないけれど、やっぱりオレは深海魚よりも、海の上位捕食者に惹かれるらしい。深海生物館でも、一番のお気に入りはやっぱりコレ系(笑)
オレが死ぬまでに、生きた姿を見てみたい魚のひとつだね。

戸田は不便なところで、結構遠いのだけど、それでも行ったのには、この博物館もそうだけど、今時期に食べられる深海魚料理が食べてみたかったから。
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深海魚の漁期は9月~5月なのだけど、10~11月頃に食べられるトウジンという魚を食べてみたかったから。
定食の刺身の脇に乗ってる頭が、そのトウジン。彼の地では“げほう”という名で呼ばれている。
定食には他にも、ニギス、ホンエビと呼ばれてた甘エビみたいなエビ、そしてギンザメの4種類が盛られていた。

定食の内容はその日の漁次第。つまり、何が食べられるかは行ってみてのお楽しみ。
だから、トウジンの次に食べてみたかったヒウチダイにはありつけなかったけれど、ギンザメなんて、思っても見なかったものにありつけた。
オレにとっては“戸田まで来た甲斐があったぜ!!”な出来事だったのだけど、そこにラッキー!! なんて感じる人がどれだけいるかは? だけど……

気になるその味はというと、3種類のいずれもがあっさりと上品。
深海魚なんていうからには、もっとアブラギッシュなものを想像していたのだけど、イメージとはまるで違う上品さ。
いずれも美味しかったし、それぞれ味も違うのだけど、いずれもあっさりした白身なので、食べているウチに、ちょっと飽きてくるのが難点。
田舎の食堂らしく!? 量が多いのですな。
でも、誰が食べても、想像しているものとは違った印象を受けるはず。

先にも書いた通り、ちょっと遠いのが難点だけど、深海生物館見学と深海魚定食。
戸田だからこそ楽しめる深海魚な1日。
あわしまマリンパークや伊豆三津シーパラダイスに行ったついでに、ちょっと足を伸ばしてみる(1時間くらい)のもいいかも知れない。
もし、これを読んで好奇心が刺激された人がいたなら、是非、漁期が終了する5月までに行ってみることをオススメします!!

建物もスゴイ!! 水族館 [その他]

アクアマリンふくしまに行くといつも“スゴイなぁ!!”と思わされる。
それも、入館する前からそう思わされるのだ。
その理由は、建物からしてスゴイから。

アクアマリンふくしまの展示は本当に素晴らしいのだ。
そのレベルや志の高さは国内トップクラスと言って差し支えないだろうし、オレの評価も最高評価の5つ☆。
でも、水族館大国の日本には、5つ☆水族館(オレ評価)は他にもある。
でも、アクアマリンがそれらの水族館を大きく凌駕する点が、水族館そのもの(建物)だ。
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鉄骨とガラスで作られた驚くほどモダンな建物は、初めて見た時には度肝を抜かされた。
アクアマリンがあるあたりは漁港と工場地帯という、お世辞にも素敵な場所ではないのだけど、そこだけ別世界の“ガラスの城”
ものすごくお金がかかっていそうなその建物には、六本木や青山あたりにあっても全然不思議じゃないような雰囲気とモダンさがある。
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その驚くほどのモダンさは、建物の中に入っても変わらず、ちょっと水族館離れしてる。もちろん、ほとんどがガラスでできた建物だからこそ、自然の太陽光が水槽に降り注ぎ、素晴らしい展示が実現している部分もあるのだろう。
飼育や展示をプロデュースした側と、カッコいい建物を造りたい建築家。その摺り合わせが見事に具現化したからこそ、あんなにスゴイ水族館ができあがっているのだろうけど、建築家と、飼育側との意見衝突みたいなものはなかったんだろうか?

オレはあくまで見学者で、そこで働くスタッフではないので、実際の使い勝手までは分からないのだけど、デザインに凝ると、使い勝手が悪い、なんてこともよくある話。
実際はどうなんだろう?
とりあえず、降り注ぐ太陽光のお陰で、コケ掃除は大変そうだけど。

モダンという点では、なかがわ水遊園もイイ線行ってる。
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湖上に浮かぶように建つ建物には、ピラミッドを連想させる大きなガラスの三角屋根が。
建物自体のカッコよさはアクアマリンほどではないけれど、水族館離れしてることや、周辺の景色と別世界な感じは共通している。
少なくとも、初めて行った時には、あんな田舎(失礼!!)にある水族館が、あんなにモダンでカッコいいとは、想像すらもできなかったくらいだ。

だけど、オレが今まで行った水族館の中で、もっとも圧倒された建物だったのは、やはり美ら海水族館だろうな。
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特に、海側から見上げた時の巨大さ、それもただ大きいだけじゃなくて、細部に至るまで贅の限りを尽くしたと言わんばかりのゴージャスさ。
コンクリート塊を石灰岩や大理石で飾り付けた、文字通りの巨大宮殿。
あたりの絶景も手伝って、ため息が出てしまいそうなほどの立派さは、“ど~だ!!”と言わんばかり。
素人目にも“これは金かかってるぞ”というのがよく分かる。
アクアマリンみたいなモダンな感じとはひと味違っているけれど、どこもかしこもとにかく豪華で圧倒される。
規模でも展示内容でも日本最高峰にあるのは間違いないけれど、建物のゴージャスさ(≠お金がかかってる)でも国内最上級にあることは間違いなさそうだ。
国営水族館だけに、世界へ向けたアピールなんだろうか?
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水槽の巨大化に伴い、水族館の建物そのものも巨大化したけれど、巨大な水槽を収めるだけなら、単なる巨大な箱でいい。
でも、“巨大な水槽を収める箱”に止まっていないところも、アクアマリンだったり美ら海水族館の魅力のひとつ。

魚やショー、展示を見て楽しむのが水族館の何よりの魅力だけど、それ以外の部分も魅力的なところもあるよ、という話でした。

ソニー水族館とハイビジョン美ら海水族館 [その他]

夏は水族館なのである!!
そう考える人が多いから、どこも混雑しているし、水や魚、海に関係したイベントごとも数多く開催される。
水や青、海とか魚というキーワードは、暑い夏に“涼”をもたらしてくれるような気分になれるからなんだろうね。

夏場に開催される海や魚に関連するイベントの中でも、長く続いているのが夏になると銀座のソニービルの前に登場する“ソニー水族館”だろう。
オレが子供の頃からやっていたけれど、今年で42回目にもなるらしい。
夏季限定とはいえ、今や東京ではもっとも歴史ある水族館だ(笑)
http://www.sonybuilding.jp/aqua09/main.html
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いかにも夏らしいカラフルな南国の魚(じゃない時もあったけど)が乱舞する水槽は、街ゆく人たちも足を止めて見入るほどの人気スポット。
07年からは美ら海水族館と協力して、沖縄の魚たちを水槽で展示するだけでなく、ソニービルの中でハイビジョン美ら海水族館という、映像で美ら海水族館を体験できる展示も行われている。
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ほとんどの観客には、生きた魚が泳ぐソニー水族館の人気の方が高いのだけど、“夏休みのイベント”だから、水槽展示に関しては、あくまでその程度のレベル。本物の美ら海水族館と比べると、水の状態は天と地ほどの開きがある。
14tの水槽にはチョウチョウウオや“グルクン”、ニザダイ類などに加えて、サメ、エイ、ウツボなど、子供や一般の人にも人気のあるキャラの強い魚、さらにエビやカニまで入っているという、水族館ではあまりあり得なさそうな組み合わせ。
確かに、美ら海水族館で見られる魚が泳いではいるけれど、オレが行った時にはウツボはひっくり返っていたし(死んでたのかな?)、ヤッコエイも見るからによくない状態。仮設の水槽だから仕方がないのかも知れないけど……
救いは、タマカイとか泳ぐ魚たちは元気そうだったこと。ウツボやエイに関しても、どこぞに控えの選手が用意されていて、死んでも補充が利くようにはなっているんだろうけど、魚たちには頑張って生きながらえて欲しいものだ。

個人的なオススメは、水槽の展示よりも、ビルの中の展示の方。
美ら海水族館の映像が、ハイビジョン映像でモニターに映し出されているのだけど、これはスゴイ!!
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映像でしょ!? なんて思うと思うのだけど、実際、それを目の当たりにすると、目の前の映像は映像ではなく、ちゃんと水槽に見えてくる。
今年よりもずっと大々的で、まさに、ソニービルの上から下までハイビジョン美ら海水族館だった07年なんて、大きなモニターに流される水槽の映像は、オレの度肝を抜き、大きな感動を与えた。
実際に美ら海水族館で同じ水槽を見たときの感動の薄かったのは、それが影響したことも間違いないはずだ。
でも、違う言い方をするなら、映像にも関わらず、本物をつまらなくしてしまうほどの臨場感があるということ。
それって、ものすごい大きな可能性を秘めていることなんだと思う。
だって、この映像と、ハイビジョン対応の大きなモニターがあれば、水族館に行かなくても、その気分が味わえてしまうのだからね。

それだけじゃない。
ジンベエザメやオニイトマキエイなど、実際に飼ってみたくても、家庭では絶対に飼えなさそうな魚たちを、自分の部屋で飼っているような感覚だって味わえちゃうのだ。
つまり、映像ソフト次第では、シャチでもイルカでも、何でも飼ってる感覚を味わえるのだ。
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モニターに映し出された映像は、その中で泳いでいるようにしか見えない。危険ザメの海水槽で泳ぐヤジブカもこの通り!!  このレベルで楽しめるなら、本物じゃなくてもいいかも、なんて思えてくる。

そこで思った。
あんな映像、ソフトとしてリリースされないものかしらん? ってね。
なんて思ったのだけど、水族館への客足にも影響しそうなものだけに、難しいかもなぁ…

鳥羽水族館のハリスホーク [その他]

鳥羽水族館の公式ホームページには、飼育スタッフによるブログ、“飼育日記”がある。
鳥羽水族館ホームページ
http://www.aquarium.co.jp/
毎日更新されるし、バックヤードで飼われているものなど、水族館を見に行くだけでは得られない情報も多いから、頻繁に覗いている。
チェックしていると、実際に行った時、見所の参考になったり、“飼育日記に書いてあったヤツはコレか!!”みたいな発見も多いのでオススメなのだけど、その飼育日記を読んでいて前々から気になっていたのが、“ピァー”などハリスホークのこと。

ハリスホークはモモアカノスリという和名を持つ南米の温帯域に生息する猛禽で、オオタカなどと同様、鷹狩りに用いられる。日本でも飼っている人がいるなど、捕獲や飼育が法律で禁止されている日本の鷲鷹よりも比較的馴染み深い? 種類だ。
それにしても、何故、水族館でハリスホーク? というのがものすごく不思議だった。
鳥類でもペンギンやペリカン、フラミンゴなど水鳥や水に依存した生活をしているものならともかく、ハリスホークは特別水とのつながりが強い鳥ではないからだ。
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アシカショーが終わり、屋上の通路を歩いていたら、腕にハリスホークを乗せて据え回し(見知らぬ人や周辺の環境に驚かず、腕の上でおとなしくしていられるようにするためのトレーニング)をしているトレーナーの人が歩いてくるのを見つけた。そこで早速、話を聞いてみると、それはそれは興味深い話が次から次へと飛び出てきた。
猛禽なんて、飼ってみようと考えたこともなければ、周りに飼ってる人がいたこともない。だけど、鷹狩りという古来から続く伝統文化を礎とした、様々なトレーニング方法等々、実に奥の深い世界。イルカやアシカなどの海獣類とも、犬とも、はたまた爬虫類などとも異なる独特の扱い方は、ただただ“へぇ~!!”と驚くしかできないことばかり。ただひとつ確実に分かったことは、オレが鷹を扱う人間としては不向きであるということくらいか。
それにしても、本来、水族館では必要ないはず? の鷹匠の技に通じてる飼育スタッフがいること自体、本当に驚き。まったく、尊敬しかできないよ!!
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据え回しをしていたのは、ピァーではなく、現在トレーニング中の個体。
飛ばすところも見せてもらえたのだけど、強風に煽られて、戻りが遅くなったときには、ものすごくドキドキした。

一番聞きたかった鳥羽水族館で鷹が飼われているワケは、鳥羽水族館ならではのアシカショーを作り出すことが目的だったのだとか。
鷹は“アボットショー”に登場し、観客の頭上を往復するというパフォーマンスを見せる。
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最後のショーの出番を終えたピァーは、メインの通路でフライトトレーニング。
通路の端と端に立った2人のトレーナーの間を行き来するというトレーニングだ。
訓練されているとはいえ、翼長1mを軽く越す猛禽が、観客の歩く通路を飛んで行く様はただただ大迫力。捕食者ならではのピリッとした空気感が作り出す雰囲気は、巨大なセイウチでも敵わないほどの緊張感がある。セイウチは体は大きくても、仕草は可愛いからね。
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それにしても、鷹の飛ぶ姿は、ホント、美しいね。
通路で飛んでるなんて、ものすごく非現実的な光景なのに、トレーナーの腕に向かって滑空してくる姿は飛行機そのもの。飛び立つ姿もたまらなくカッコいい!!
また、飛ばす時、受ける時のトレーナーのかけ声や、構え? も独特で、何かカッコいいなぁ、と、惚れ惚れしながら眺めていた。
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長い長い通路を持つ鳥羽水族館だからこそ可能なパフォーマンス。
言葉で聞くよりも、実際見ると驚くし、感動できる。水族館に期待していなかったパフォーマンスだけに、より一層ビックリできるし、感動できること間違いなしだ。
ショーの時間と被っているのが難点だが、これは是非、その迫力を自身で体感してみて欲しいと思う。
なお、通路でのトレーニングは毎日必ず行われているものかは分からないので、見てみたいと思う人は、確認してもらった方が確実だと思われます。

名古屋港水族館の超可愛いペンギンたち [その他]

アクアトトぎふに行った翌日は、名古屋港水族館に行ってきた。
実は、北館ができてからは初めての訪問だ。
2年前、入り口の前までは行ったのだけど、その日は月曜日で休館。
その日に入れていれば、今は亡きシャチのクーに会えていたかと思うと、残念な感じがより一層アップしてしまうので、この辺にしておこう。

今回の名古屋港訪問の目的は、北館の見学と、ペンギン。
それ以外の展示についても、以前訪れたのはもう10年以上前の話だから、展示を見るのもものすごく楽しみだった。

さて、魚好きのオレがどうしてペンギンを目的に名古屋まで行ったか。
それは、日本ではここと和歌山(アドベンチャーワールド)にしかいないコウテイペンギンがいるから。
ペンギン? このブログで話題に出たことはないけれど、ペンギンだって好きなのだ。
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名古屋港のペンギンは南極の環境が再現された展示水槽にいるため、12月~2月までは水槽内が夏の光条件になっていて明るく見やすい。
ベストシーズンは12月、1月。逆に真っ暗でもっとも見にくいのが日本が真夏に当たる時期。ペンギンフリークには常識? かも知れないが、オレは最近知ったため、慌てて行ってきたというワケ。3月になると、暗くなり始めてしまうので、どうしても2月中に行っておく必要があったのだ。

昔、名古屋港水族館に行った時にも見ているはずなのだけど、あらためてスゴイと思った。
目的はコウテイペンギンだったはずなのだけど、比較的よく見られるオウサマペンギンによく似ていること、思っていたよりも大きくなかったりしたことから、次第に興味はその他のペンギンたちに。
名古屋港水族館にはコウテイペンギン以外に3種類のペンギンがいるが、余所の水族館ではなかなか見られないアデリーペンギンが、フロアを埋め尽くすくらいいたり、ジェンツーペンギンも山ほどいたりと、スゴイのだ。
本来、これらの種類のペンギンは、ちょっとありがたがられる? 存在だと思っているのだけど、これだけ沢山いると、ちっともありがたみが感じられないほど。
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山ほどアデリー
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山ほどジェンツー

その4種類の中で、オレがもっとも心ときめいてしまったのは、意外にもヒゲペンギンだった。
ヒゲペンギンもコウテイペンギン同様、日本では2カ所でしか見られないレア種。
オレもちゃんと見たのは初めて。

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アデリー、ジェンツー、ヒゲが属するPygoscelis属のペンギンはどれも可愛いけど、黒目がちな目と、くっきり白い体が鮮やかなヒゲペンギンは特に可愛いかも知れない、と思った。見慣れていないせいもあるのだろうけど、写真などで見る限り、特に印象に残らない種類だっただけに、その可愛らしさにはビックリだった。
オレの中でのペンギンランキング首位になったことは言うまでもない。
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こうなると、ヒゲペンギンが見られるもう一カ所、アドベンチャーワールドにも行ってみたいなぁ、という思いが強くなってくる。
行きたい所に行くと、次に行ってみたいところが出てきてしまう。
まったく、困った話だ。

伊豆三津シーパラダイスの海獣ショー [その他]

伊豆・三津シーパラダイスはショープログラムがとても充実している。
例えば、イルカショーもイルカだけで行われるものと、アシカとカマイルカによって行われるものの2つがあって、それらが30分くらいインターバルで続いているため、続けて2つを観ると、しっかり観たという確かな満足感が得られる。
しかも、どちらのショーも結構ながくて、ボリュームも十分。
ここの水族館が楽しいのは、そんな部分も大きいのでは、と考えている。

ショーで繰り出されるイルカパフォーマンスには大技もあるし、アシカショーには水中パフォーマンスなどここならではのものがある。さらに、珍しいトドのパフォーマンスなど、演目も充実していて楽しいのだけど、それら以上に、“ここのショースタッフは凄いなぁ”と三津シーパラダイスでショーを観る度に思わされる。
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そう思う理由は、トレーナーひとりひとりが何でもできるから。
もちろん、余所の水族館でもそうなんだろうけれど、ここでは特にそれが顕著に見える。ウェットスーツを着てイルカと泳ぎ、鼻先からロケットジャンプを繰り出していたかと思えば、その30分後にはマイクを持ってMCをしていたり。そうかと思えば、その次のショーではアシカを操っていたり、再びウェットスーツで登場してプールや海に飛び込んでいくのだ。
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オレが行った日は、4名の女性トレーナーと2名の男性トレーナーだったが、ウェットスーツ→普通のユニフォーム→またまたウェットスーツ、みたいな感じで、日に何度も着替えがあり、ショーの度に役割が変わり、もちろん、その前後や間には、動物たちの餌を用意したり、掃除や管理など飼育の仕事があり、他人事ながら息つく暇もないのでは? それが毎日続くのだから、まったく海獣トレーナーという仕事はつくづく過酷な仕事だと思う。
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三津シーパラダイスに行くと、そこで観られるショーは大きな楽しみだ。
最初はイルカやアシカが繰り広げるパフォーマンスそのものが楽しみの対象だったけれど、今ではイルカやアシカよりも、トレーナーを見ている方が楽しいかも、と思う。

今後、水族館で海獣パフォーマンスを観る時、トレーナーの動きに注目してみて欲しい。
それまでとは違ったショーの楽しみ方ができるはずだから。