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なかがわ水遊園の気になる魚 Vol.2 [淡水魚]

モロネを見るために行ったなかがわ水遊園では、モロネ以外にも企画展のお陰でそれまでここでは見られなかった多くの魚を見ることができた。
それはそれでよかったんだけど、やっぱり常設の水槽とそこにいる魚たちの素晴らしい仕上がり具合はもっと大きな満足感を与えてくれる。
やっぱいいいなぁ、ここの魚たち!!

瞬間ごとに目の前を横切る魚たちのどれもいいんだけど、あらためて“いいねぇ!!”としみじみ思わせてくれたのがタイガーショベル。
なお、この名前で呼ばれるナマズには複数種類があるのだけど、ここでは個別の種類については触れないでおく。
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個体No.1
ご存じの通り、タイガーショベルは日本の水族館では珍しいものではない。外国産の淡水魚の水槽がある水族館なら大抵いるのではないかと思うのだけど、綺麗な個体、というか、タイガーショベル本来の形をした個体というと、そう簡単には見られない。
でも、それは水族館のせいではなくて、手に入るものにちゃんとしたものが少ないから。
現在、日本で手に入るものはインドネシアなどでブリードされたものが一般的で、それ故に安価で買える(それはそれで問題だけど)のだけど、そうしたブリード個体は残念ながら体型が崩れてしまっていることが多い。中でももっとも変化が大きいのが顔つきで、そこが崩れてしまうと、タイガーショベルならではの魅力自体が損なわれてしまうようで残念なのだけど、何より、本来の姿形を知らない人に、“こういう魚なのね”と思われてしまうのことは、タイガーショベルがもっとも好きなナマズのひとつである者からするとひたすら残念でならない。

しかし、なかがわ水遊園にいるものなら大丈夫!! 本来の顔つきをしてるから。
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個体No.2
大水槽には4匹? がいるようで、小さめの1匹以外はそこそこの大きさがあって、見えやすい位置にいてくれる。それら3匹はいずれも“これぞタイガーショベル!!”という顔つきをしていて、本当にいい!! 小さい個体はいるのは分かったけれど、ほとんど見ることができなかったので、他の個体と同じくいいかどうかは分からなかった。
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個体No,3 ピンタード? 見えるけどまったく動かず、遠く離れた位置にいたのでひとまず証拠写真。

先にも書いたように、このレベルの個体はどこでも見られるものではない。なかがわ水遊園に行ったら、是非、その顔つきに注目してみて欲しい。

タイガーショベルは個人的に大好きな魚だから見とれるのは分かるが、自分では飼ったことも、飼おうと思ったこともないのに、ついつい見惚れてしまう魚がいる。
大水槽を泳ぐパクーはその筆頭だ。
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パクーと言っても、レッドコロソマではなく、ミレウスなどの方。
この手の魚は以前、なかがわ水遊園にも沢山いたのに、今では種類数、個体クオリティ、密度のどれをとってもアクアトトに水をあけられている感が強い。でも、なかがわにもアクアトトにいるものに劣らない個体もいる。
上記画像の個体なんかはその筆頭。何という種類なのかは知らないのだけど、なかがわでは1匹だけ? でも、この手の中では飛び抜けて大きいサイズもあり、その鮮やかさもあって目を引き付けられる。同じ種類はアクアトトにもいるが、それよりも黒っぽくワイルドな風合い。やはり太陽光の影響だろうか?
2年前に行った時には、浅いエリアにいたが、ピラルクーがいる深い方へ移動になったようだ。
体長だけでなく、体高もあり、さらに遊泳力も強い魚だから、水族館ならではの広い環境は如実に魚の仕上がりに好影響をもたらすのだろう。
個体自体の仕上がりの素晴らしさに加え、なかがわ水遊園ならではの大小さまざまな魚との組み合わせによるコントラストも素晴らしく、魚の良さをより引き立てる。
だからこそ惜しいのが、水槽の見えにくさ。この個体はピラルクーがいる側にいて、トンネルの周辺にいるので見ることができるが、浅いエリアにいる魚はそもそもアクリル越しに見る箇所が1か所ずつしかなく、見えない部分が多くあるのが本当に残念に感じてしまう。魚がいいだけにね。

浅いエリアの水槽を眺めていると、想像の中のアマゾン河を覗き込んでいるような気分になれる、というのはこのブログにも何度も書いてきた通りだが、いろいろな魚たちが広い水槽の中でそれぞれの生活をしてる様を見られるから、というのがその理由。
特に浅い方のエリアでは水中を見られるアクリルが少なく、小さいため、全体的に見渡すことはできないが、そのため、アクリルの前にふと現れる魚に“こんなのもいたの!!”と驚かされることになる。
そんな魚のひとつがレポレルス・ヴィッタートゥス。
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アノストムス科のマニアックなカラシンだが、比較的底床に近いところを泳ぎ回る生活をしているようで、同種、他種と追いかけ、追いかけられをせわしなく続けている。
観賞魚として輸入されることもあるが、その数は少なく珍種の部類。とりわけこの水槽にいるような30㎝くらいあるようなものはなかなか見られないのではないだろうか?

以前からいることは分かったのだけど、遠くで動き回っているのが見えただけ。今回はアクリルの近くまで来てくれたので、とりあえず写真に収めることができた。
あんまりいい写真じゃないけど、前々から気になっていた1匹が撮れたので。

結局のところ、なかがわ水遊園のアマゾン水槽はいいねぇ、という結論になるのですよ。
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初めてのモロネ(ストライプドバス)を見になかがわ水遊園へ [淡水魚]

なかがわ水遊園が施設改修のための休館を終え、3月1日から再オープンした。
それに合わせて「世界一周 魚toトラベル」という企画展を開催するという。
まぁ、そこまではいい。
展示予定の魚の中に、ストライプドバスの写真があることに気が付いた。本当にいるなら見過ごすことはできない。
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日本にはおらず、かつ特定外来生物の指定種なので、日本で生きた姿を見るのは難しい魚だ。もちろん、これまで見たことはない。生きているものが見られるなら是非、見たい。
しかし、生きたストライプドバスなんてあり得るのだろうか? この企画展のために輸入するというのはあまりにも非現実的過ぎる気がするし、だとしたら展示されているのは標本? などなど思いを巡らせていたら、オープン初日に出掛けた知人が教えてくれた。
“生きたものが展示されている”と。
それなら見に行くしかない!! ということで1年半ぶりくらいのなかがわ水遊園へ。

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これがストライプドバスなのか!!
写真などでは何度も見たことがあったが、初めて見る実物は想像していたものとはずいぶん印象が違っていて、ひと目見た時の印象は“悪そ~!!”だった。
ここでの“悪そう”は、攻撃的とか飼育上での悪いではなく、これが日本の自然環境下に放たれた時のインパクト、みたいなイメージ。
特定外来生物に指定されているのも、これなら仕方ないな、と納得した。見るまではもっと細長い魚を想像していたのに、実物はやけにマッチョで見るからに力強い。
“バス”と呼称されているから、その名に意識が引っ張られてしまうが、科から違う種類で両者はさほど近い間柄でもなく、ブラックバスと似ていないのも当たり前のこと。
海でも淡水でも住めて、最大2mになるというから、場合によっては、ブラックバスよりもタチが悪いかも知れない。
あらためて特定外来に指定されていることにホッとした、そんな風にも思った。
とは言えこれも、生きたものを実際に見たから思えたこと。日本で見ることが難しいこの魚を見られる機会をくれたなかがわ水遊園に感謝したい。

釣り好きが人気のターゲットをなんとかバスと呼ぶのが好きではないので、ここからは科(属)名であるモロネと表記することにする。
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展示されていたのは3匹。60㎝はありそうな大きめの個体1匹と35㎝ほどのものが2匹。
水槽に入ってからまだ日が浅いのか、ややビビりモード。小さな個体が大きな個体の下に入って隠れたがる、みたいな感じ。
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もともとこういう感じなのか、それとも環境に不慣れだからなのかは分からないが、3月初旬の時点では水槽内を泳ぎ回る、みたいな感じではなかった。

気になるのはその3匹がどこから来たのか、という点だが、その答えは水槽前に掲示されていた。
釣りをしないので知らなかったのだけど、どうやらこのモロネを釣ることができる釣り堀が国内にあるようで、そこからやってきたものらしい。
特定外来生物は生きたままの移動も禁じられているので、展示するにも特別な(面倒くさい)許可が必要だったはずで、そんな意味でもありがたい展示と言っていいと思う。
企画展の期間が終わったら展示が終了になるのか、そのまま展示され続けるのかは分からないが、できることなら展示が続いて欲しいところ。外来生物の問題を考えるひとつのきっかけにはなるように思うから。

モロネは企画展の展示のひとつとして展示されていたものだが、他の展示の多くが企画展のために暫定的に置かれた水槽であったのに対し、モロネの水槽は常設の水槽。
個体も水槽に見合ったサイズがあったことから、常設の展示にも見劣りしない水槽となっていたことも、魚自体の印象に影響しているような気がする。
これがその他の水槽と同じような小さな幼魚だったなら、見て受ける印象も違っていたことだろう。
だから、企画展で展示されていた魚で特別な印象を抱いたものは少なかったのだけど、モロネ以外ではコレゴヌスが強く印象に残った。
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企画展の順路内にある水槽にいたのだけど、これも企画展内の展示のひとつ? なのかは分からないが、これも日本には生息しないサケ科魚類のひとつ。
ただ、日本国内でも養殖がなされていて、シナノユキマスという名称が付けられている。
水族館でも見掛けることがあるものの、その機会は稀。ということもあって、おおっ!! コレゴヌスもいるのか!! となった。
近い仲間では、琵琶湖博物館のバイカル湖の水槽にいたオームリが同属。サケ科なのにコイ科の魚みたいな姿形をした変わり種だ。
モロネ同様、こちらも養殖されているものが展示されているのか、水槽を泳いでいるのは立派なサイズ。しかも、オレがこれまで見た中ではもっとも綺麗な個体が揃っていた。と言っても、本種を見た回数なんて、数回程度でしかないのだけど…

できたらこちらも、常設展示として残ってくれると良いのだけれど。

モロネや企画展を見になかがわ水遊園へ出掛けるという人は、このコレゴヌスもしっかり見てくることをオススメしておきたいイチ押し魚種だ。
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カワスイの気になる魚 Vol.3 [淡水魚]

いつまで経っても終わりが見えないコロナ禍だけでもうんざりなのに、戦争が始まってしまった。
この先、どうなってしまうんだろう? と不安は増すばかり。おまけに今月は仕事もヒマときてる。
家でいろいろ考えていても気が変になりそうになるだけだからと、ひとまず家を出た。
向かった先は、4か月半くらいぶりのカワスイ。用もないのにフラッと出掛けられる水族館、ホントにありがたい!!

いつものように水槽を眺めつつ、館内をふらふらしてたら、アロワナの水槽にこれまでカワスイでは見たことがなかったスネークヘッド(C.マルリオイデス)の姿が。
あれ!? こんなの入ったんだ!! と思いつつカメラを向けていたら、横から「つい最近入ったばっかりなんですよ」という声が。
振り向くとそこに飼育員氏。入ったばかりのスネークヘッドが先住者たちとうまくやっているかチェックしにきていたらしい。
確かに、スネークヘッドは混泳という意味では、信用できない。ずっと問題なさそうに混泳していても、ある時突然ダメになったりする。しかもそのダメは、大抵、どちらかの死を意味していたりするからややこしい。
そんな話をしたついでに、他の水槽にいたとある魚について聞いてみた。
その魚とはマレーコッド。オーストラリア産の大型魚。
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カワスイで見たのは初めてで、おおっ!! マレーコッド入ったんだ!! と喜びの声を上げそうになったほど、個人的に好きな魚。
スネークヘッド水槽の担当氏は、その水槽の担当もしていて、聞けば「1年以上前からこの水槽にいたんですよ」とのこと。
小さい時からずっと水槽には入っていたそうなのだけど、見えないところに隠れていたらしい。大きくなって自信がついたのか、見えるところにも出てくるようになったそうだ。
現在のサイズは40㎝ほどだろうか。
このマレーコッド、基本的に隠れがちなビビりなのだけど、反面、テリトリー意識が強く喧嘩は強い。つまり、混泳に向かない魚なのだ。
しかし、同じ水槽にはノーザンバラムンディやニューギニアダトニオ、ネオケラ、大型ハゼ2種類なんかが入っている。大丈夫なのだろうか? と気になったのだ。

そこからまたいろいろな話を聞かせてくれたのだけど、限られた水槽で展示したい魚が多くいるとなると、どうしてもひとつの水槽で複数種を、ということになる訳だが、そこにはやはり、いろいろ難しいことが多いらしい。
例えば、A、B、C、Dという魚を展示したいとする。AとCは混泳可能。CとBも大丈夫。でも、AとBがダメ、DはA、Bといけるが、Cがダメ、といった具合に。
話を聞かせてくれた飼育員氏は「パズルみたいですよ」と言っていたが、バックヤードに展示待ちの魚が控えていたりすると、そのパズルはますますややこしさを増す。展示水槽を見ながら、日々、頭を悩ませているようだった。

混泳が難儀さ度合いで担当の飼育員氏をうんざりさせるほどだったというのが、円柱形の水槽にいるシマイサキ科、カルボ、シルバーパーチ、スパングルパーチの3種類。
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シルバーパーチ
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スパングルパーチ

シマイサキ科の淡水魚は海の魚が淡水生活するようになったグループで、ニューギニア辺りに多い。日本でも西表島に近縁種が何種かいたりするのが面白いグループだ。
全方位ダメな混泳の難しさで、この3種のみの展示に落ち着いたらしい。
ちなみにこれらは日本の水族館ではカワスイでしか見られない。それもあって、この水槽は個人的にはお気に入りのひとつでもある。

中でもカルボはすごく綺麗な個体なので、こんなに綺麗になるならウチの水槽にも、みたいなことを話したら、即座に「止めた方がいいですよ」と(笑)
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カルボ
とにかく気が強いそうで、円柱水槽でもボスの座にあるとか。
そんな話を聞いたお陰で、ウチで飼おうという気は失せたが、ありがたいことにすぐに行けるカワスイにいてくれるので、今後もここで見て楽しむことにしよう!!

ウチでも飼いたいと言えば、オセアニアゾーンの最初の水槽にいるレインボー、メラノタエニア・トリファスキアータ。
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行く度に綺麗になってる? と思うほど、体色も体型も綺麗に仕上がってる。
こんなの見れば欲しくなるのも無理はないでしょ? カルボと違って、ウチに迎えても問題はないのだし。でも、なかなか売ってなくて手に入れられずにいる。
カワスイのレインボーはどれもビックリするほど綺麗だが、飼育員氏によれば、朝一はもっと綺麗らしい。
飼育員氏、レインボーたちの体色、体型、サイズにもこだわりがある模様で、その辺のこだわりも聞かせてもらったんだけど、何でも、オーストラリア産のこのトリファと、ニューギニア産のハーフオレンジやブルーレインボーを一緒に展示しているのが引っ掛かって? いるらしく、できたら分けて展示したいとのだそうだ。
そういうこだわり、ホント、いいと思う(笑) 実現が叶うよう応援したい。

会話の中で飼育員氏が言った印象的なひと言。
「オセアニアの魚をこれだけの種類数展示している水族館、日本では他に無いですよ」

そう!! その通りなのである!! それがどれだけの人に“刺さる”かは分からないが、人によってはカワスイに行く理由になるかも知れない。
少なくともオレは、4か月半ぶりのカワスイはほぼこのエリアだけで十分満足して帰ってこれた。
もちろん、マニアックな飼育員氏のお陰によるところも少なくないのだけれど。
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コロソマの話 [淡水魚]

減ったと思うと爆発的に増えを繰り返すコロナ感染。
お陰で行きたいと思う水族館にもなかなか行けず、このブログもほぼ休止状態。
行きたいところに行けず、いつになれば行けるようになるのかも分からない。時間だけが無駄に過ぎていっているようで、気分が悪いですな。

それはともかく、たまには更新しておかないと、なし崩し的にフェードアウトしそうなので、何となく思い付いたコロソマの話でも。

コロソマ。アマゾン水槽とか大型淡水魚がいる水槽にほぼ必ずと言っていいくらいいる大型のカラシンだ。
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レッドコロソマ大型個体(Piaractus brachypomus)@北の大地の水族館

決して人気がある訳ではないと思う(個人的にも、正直、好きじゃない・笑)のだけど、きわめて丈夫で長命、大型で存在感があること、おまけに単価も安い。この魚が昔から水族館でよく見る理由はそんなところじゃないかと思っている。

小さい頃から水族館のアマゾン水槽に強い憧れを持っていたオレは、ウチにもそれが欲しい!! と思っていて、当然、その構成要員であるコロソマも欲しかった時期があった。
上記のように、コロソマは安いので、それは早々に実現する。
オレの水槽にやってきた500円玉くらいの幼魚は、好き嫌いなく何でも食べ、すぐに50㎝くらいまで大きくなった。
丈夫で何でも食べる魚というのは飼ってる分には楽しい。しかし、その物怖じしない性格と強い歯は、次第に“余計なこと”を引き起こすようになってきた。
結局、それが理由で手放すことになったのだけど、その“余計なこと”は水族館でもしばしば見られる。
例えば、同じ水槽にアリゲーターガーなんかがいて、そのヒレが短くなっていたとしたら、犯人はほぼ間違いなくコロソマだ。

さて、その水族館で見られるコロソマだが、厳密にはコロソマでないことが多い。
それらのほとんどは、Piaractus brachypomusという種類であることが多く、“本当の”コロソマであるColossoma macropomumは少数派だったりする。
でも、そのよく見られる方のP. brachypomusもかつてはコロソマ属に分類されていたので、それを“かつての名前”で紹介するのもまぁ、いいだろう。
でも、時々、ブラックコロソマとして紹介されていることがあるのはちょっと気になるところ。
よく見られる“コロソマ”であるP. brachypomusの通称名はレッドコロソマが一般的。水族館で見掛ける姿は黒いのでレッド? と思うかも知れないが、小さい内は赤いのだ。だからレッドコロソマ。
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レッドコロソマの30㎝くらいの個体@カワスイ

では、“本当の”ブラックコロソマはと言うと、“本当の”コロソマであるC. macropomumがそれに当たる。
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ブラックコロソマの30㎝くらいの個体@カワスイ

ブラックコロソマは小さくても赤くないので、30㎝未満なら色で区別ができる。
なお、この両者、現地では美味しい食用魚であることからか、ちゃんと区別されていて、レッドはパクー、もしくはピラピチンガ。ブラックはタンバッキーと呼ばれている。
パクーと呼ばれる魚にはかなり多くの種類が含まれるのでややこしいが、日本での呼称もピラピチンガとタンバッキーとしていたなら、そもそも区別する必要なんてなかったのに……
ちなみにどちらも最大で1m以上になり、ブラックの方はカラシン科最重量種だ。
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ブラックコロソマ大型個体@海響館

もっとも、両者をしっかり区別したいというニーズは日本にはほぼ、ない。
水族館でも区別されているような印象はないし。
そもそも、ブラックコロソマはあまり見掛けないので、それを区別する場面自体が少ないのだけど、もし、両者をきちんと見分けたい!! という人がいたなら、まずは顔や体型に注目してみて欲しい。
ブラックの方が顔が尖っているような感じで、前後が低いラグビーボール風な形。一方、レッドは丸く、全体的に楕円形な感じ。
この両者の差は、カワウソとラッコくらいには違っていると思うだけど、どうだろう?

また、脂ビレを見れば見分けられる、と聞いたことがあって、確かにそれを実感したような場面もあったのだけど、あらためて写真で見比べていても今ひとつ確信が持てないので、そういう方法もあるみたいだよ、くらいに止めておきたい。
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多分、ブラックコロソマ@しながわ水族館 両者の特徴を感じさせる曖昧な個体。ハイブリッド?

各施設で撮ったであろう個体写真を見比べようかと思って探してみたのだけど、まぁ、少ないこと。好きじゃない魚にはカメラも向けないもののようだ。
過去写真を漁った限りでは、海響館、カワスイ、しながわ、おたるで2種が揃っている模様。カワスイ、しながわ以外の施設に今現在もいるかどうかは定かではないけれど。

ただ、見分けたい人を惑わす可能性があるのが、両者のハイブリッドがいるらしいこと。
明確にハイブリッドであるという個体を見たことがないので何とも言えないが、どっち!? みたいな個体に遭遇したことはあったので、そういうややこしいのがいることも追記しておく。

と、まぁ、こんなブログを書いておいて何だけど、気が向いたら見分けてみてね。
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アクアトトぎふの気になる魚 Vol.5 [淡水魚]

アクアトトぎふの最後の展示水槽は、アマゾンエリアの最後、企画展会場の手前にある水草の水槽だ。
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※この写真は2年くらい前に撮ったものです

この水槽、ここでじっくり水槽を眺めるという人は少ないような印象がある。
でも、その理由も何となく分かるような気もする。
お客がこの水槽の前を通る時、すでにここまでに沢山の魚を見てきているし、ここに来る頃には企画展の大きなパネルが目の前に見えているはずなのだ。
そのため、水槽から溢れるように茂る植物の鮮やかさを横目で感じつつ、企画展に向かって進む感じだろうか。
実はオレもそんなひとりだった(汗)
水草水槽には小さなカラシン類が泳いでいて、綺麗な姿を楽しませてくれるが、そこで立ち止まって、じっくり水槽を覗き込んでみることはほとんどなかった。

だが、ある時、アクリル面の前で、細長い何かがウネウネ動いているのが目に入った。
何がいるんだ? と水槽前に近寄ってみると、ウィップテールバンジョーだった。
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あら、この水槽、こんなの入ってるの!? と驚いた。
珍しい魚という訳でもないが、水族館ではあまり見掛けない魚なのではないだろうか。
形も変わっているし、よく見れば面白い。そんな魚だ。
もともとこの手は砂に潜っていたりしてほとんど動き回らないのが普通だが、発見時以降、動いているところをよく見掛ける気がする。
3区画ある水槽の一番出口寄りの区画に2匹? いて、比較的アクリル面に近いところにいることが多いようなので発見しやすい。

ウィップテールバンジョーを発見して以降、何となく意識してこの水槽を覗くようになったのだけど、ウィップテール以外に細長いのがもう1匹!!
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何だ? と水槽に近づくと、何とスーパーロイヤルファロウェラ!!
これも観賞魚として輸入されているので、驚くような珍種ではないものの、何でこの種類? 的なオーソドックスではない意外なチョイスに驚かされる。
アクアトトにいるものは恐らくペルーから来るものだと思うのだけど、この種としてはかなりサイズの大きな立派な個体。
正直言うと、個人的にはあんまり好きな魚ではないのだけど、大きくて個体クオリティが高いことに加え、そもそも水族館ではあまり見掛けない魚でもあるから、この水槽をじっくり見たことないという人は、次回、ちょっと覗き込んでみて欲しい。
ウィップテールとスーパーロイヤルファロウェラは同じようなところにいることが多いようなので、きっとまとめて見られると思う。

同じ区画の水槽にいる“何でこんなのが?”的魚、第三弾がロングノーズブロキスだ。
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真ん中の区画にはコリドラスも入っているが、一番出口寄りの区画には何故かロングノーズブロキスは入っている。
これもまたちょっとマニアックなチョイスと言っていいと思う。
ブロキス、と言っても今はコリドラス属になってるらしいのだが、かつてオレの周辺にいたコリドラスマニアたちは、あまりブロキスを好まず、その手のマニアは積極的に飼わない魚、みたいなイメージがあった。
しかも、ブロキスの中では、メジャーなのはエメラルドグリーンコリドラスの名で売られていたスプレンデンス種で、昔からロングノーズブロキスは少しマニアックだったのだ。
それがいるのが、ウィップテールバンジョーやスーパーロイヤルファロウェラがいる“ちょいマニアック”区画というのがまたいいよね(笑)

コリドラスつながりで言えば、ブロキスとは異なり、かつてコリドラス属だったのに今は別属となった種類もいる。
アクアトトでコリドラスが展示されているのは、水草水槽の真ん中区画とピラニアの水槽だが、その真ん中区画にいるコリドラスの中に、元コリドラスもいた。
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スクレロミスタックス・バルバトゥス。
昔はちょっと異色のコリドラスとして知られていた種類だ。
コリドラス離れした細長い体型で、個人的には比較的好きな種類でもあった。
高水温が苦手で、それが故の飼いにくさがあった印象だが、アクアトトの水草水槽では元気そうにしていた。
オスは成熟すると、ヒレの先が伸長し、黒地の上の金色もより際立つようになる。
写真の個体はオスだから、ここからさらに先の状態があるということ。
次にアクアトトに行くまでにどれだけカッコよくなってるか楽しみができた。

ひとつ前のブログに書いたように、今回のアクアトト行きは企画展のエイが目的。
ずっと動かないエイを待ってる間、他の水槽を見に行ったりしていたのだけど、上まで戻るのがだんだん面倒になってきて、図らずもこの水草水槽をじっくり眺めることに。
これまで気付かなかったバルバトゥスの存在に気が付いたりと、新たな発見があった。
コリドラスは他にも何種類かいるようなので、次に行く時にはそれらもじっくり探してみたいと持っている。

もし、ここの水槽をちゃんと見たことがないという人がいたら、次回はじっくり見てみることをオススメしておきたい。
思った以上に楽しい発見があると思うのでね。
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カワスイ 川崎水族館の気になる魚 Vol.2 [淡水魚]

世界の淡水魚を展示したカワスイだが、各地の魚が並ぶ10Fに対し、9Fはアマゾンのみ。
当然、充実度はアマゾンエリアの方が高い訳だが、単に展示点数や種類数が多いだけでなく、不思議と“いいもの”が並んでいたりする。
ここで言う“いいもの”とは、あまり見掛けないマニアックな種類や、珍しい種類、また、珍しくなくても綺麗な個体。色々な意味であまり見られないものと解釈してもらいたい。
半年を経て、水槽の魚たちは新たな魅力を花開かせつつあったり、また、前回訪問時は見なかったものなど、今回も楽しませてもらった。

アマゾンエリアの魚の話をする前に、詫びておきたいことがひとつ。
前回訪問時に書いたブログ「カワスイの気になる魚」で“パティかも!?”と登場させたナマズ。
今回あらためて見たところ、間違いなくピニランプスでした(汗)
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オレのブログを読んで、パティいるの!? とカワスイに行ってしまった人がいたとしたら、本当に申し訳ない!! 画像も載せていたし、そんな人は多分いないとは思うけれど……
半年ぶりに見る同じ個体は、少しふっくらしたのか、どこからどう見てもピニランプスにしか見えなくなってた。
というか、最初からそうだったのだろうけど、瞬時の勘違いからの思い込みで暴走しちゃったようです。まったく、死ぬほど恥ずかしい……
ただ、ピニランプスとしてはスポットも多くて綺麗な個体なので、好きな人にはあらためてオススメしておきたいと思います!!

そのピニランプスがいる水槽には、20㎝前後のアイスポットシクリッドが何匹か入っているのだけど、それらがなかなか素敵な個体揃いだ。
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アイスポットシクリッドが15種類に分かれて以降、もはやどれがどれなのかすっかり分からないのだけど、この水槽にいるのはいわゆる“パッカ型”で、恐らく3種類。
画像のタイプの他に、スポットがもう少し荒く少ないタイプ、スポット模様が少なく、体高の低い、ひと昔前ならテメンシスとされていただろうタイプ。
どちらのスポット模様も幼魚色であることは間違いなく、どちらもこの先の成長が楽しみなのは同じ。どの種類なのか答えが分かるかもしれないという意味でも、今後の楽しみのひとつ。
綺麗に育ってくれることを期待したい。

同じ水槽を泳ぐブリコンにも“おっ!!”となった。
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銀色の魚体からシルバードラド(Brycon melanopterus)だと思っていたんだけど、あれっ!? 違うのがいる、となったのが画像の魚。
顔も違うし、色合いもちょっと違う。多分これ、ピラプタンガ(Brycon hilarii)だよね?
種類はともかく、一瞬同じに見える違う魚を入れてあるなんて、マニアックなことするなぁ(笑)
ピラプタンガが本来の色を発色すれば、B.melanopterusとは一瞬で区別できるはずなんだけど、これも今後に期待したい1匹かな? なお、個体数はピラプタンガの方が多い模様。

ナマズでもう1種。ショベルノーズキャット。
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これは前回行った時にも気になってはいたんだけど、フィダルゴとか上記のピニランプスとかが気になりすぎて、登場させるには至らなかったのだ。
前に行った時はピラルクーの水槽にいたが、おとなしく、巨大化しないショベルノーズは、あの水槽の面々と暮らすのは少々しんどかった? 温室最後のシルバーアロワナの水槽へと移動されてた。
数匹いる内の何匹かは、既に吻先をぶつけて折れ曲がってしまっているが、綺麗な状態を保っているものもいる。でも、気になったのはそこじゃない。
ショベルノーズキャットの、これだけ大きな個体というのは、気にならずにはいられないというもの。展示されているものは、この種類にしてはかなり大きいのだ。
ちなみにこのナマズ、今となっては少数派で、あまり見掛けない気がするけれど、オレがガキの頃は安く売られていた普通の魚。当時はやけに高かったタイガーショベルを買えない人が飼う魚、みたいな言われ方をしていた。
ウチでも飼ってたことがあったけれど、そんな懐かしさと、思わぬデカさからここに載せたんだけど、オレと同じ世代の熱帯魚好きなら、同じようなことを思うだろうなぁ、と(笑)
吻が折れてない個体が、このままずっと綺麗でいてくれるといいのだけれど。

最後の1匹もナマズ。
ショベルノーズキャットのいる水槽を眺めていると、これまたものすごく久しぶりに見る魚の姿が目に入った。
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エイティーンスポットショベルノーズ。昔の人ならフォックスフェイスと言った方が通じやすいかな?
アマゾンの大型ナマズにしては、それほど大きくならず、マッチョな大型種と比べると線が細く、昔からそれらの陰に隠れてしまうような印象の種類だったが、いつしかほとんど見ない魚になってた。
オレも見るのは何年ぶりだろう? 昨年11月、琵琶湖博物館で遭遇したノーザンパイクに続き、思わず“懐かしい!!”と声を上げてしまった第2弾となった(笑)
久しぶり過ぎて、その存在を忘れていたくらいの魚だが、どこにいたんだろう? オレが知らないだけで輸入はされてたんだろうか?
展示されているのは40㎝くらいの大きさで、水槽飼育のフルサイズ級。

エイティーンスポット大好きだった人、カワスイ行けば会えるよ!!
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琵琶湖博物館の気になる魚 Vol.3 [淡水魚]

ビワマス目当てに久しぶりに行った琵琶湖博物館はやっぱり楽しかった。
琵琶湖の魚たちはやっぱり“特別”だ。
ビワマスなどの固有種ももちろん、それ以外の種類でも琵琶湖産は“何か違う”と思ってしまうのは贔屓の引き倒しだろうか?
水族展示室最初の水槽から驚かされたのだから、そう思ってもおかしくはないよね。
最初の驚きはタナゴの大きさ。
水槽を泳ぐヤリタナゴとカネヒラの大きさには本当に驚いた。
カネヒラなんて手のひらくらいの大きさがあって、知り合いの学芸員氏に“あれ、日本のタナゴですか?”なんて聞いちゃったくらい。
でも、どれだけ大きなタナゴでも、アクリルに近寄ってきてくれなければ写真は撮れない。
残念ながら、写真に収められるほど近寄ってきてくれることはなく、撮影は断念。
でも、琵琶湖博物館に行ったら、是非、あの巨大タナゴは見てみて欲しい。驚くから。

ビワマスに喜び、タナゴに驚き、水族展示室を楽しんでいると、通路の奥、遠目に見えるバイカル湖の水槽に、何とも懐かしいシルエットが目に入ってきた。
驚きつつ、慌てて水槽に近寄ると、そこにいたのはノーザンパイク!!
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05年に施行された特定外来生物法で、いち早く指定されてしまった魚種のひとつであり、それ以降、その姿を見ることが叶わなくなった魚だ。
かつては幼魚が普通に売られていたこともあり、オレもいつかは飼うのだろうと思ってた。
水槽の都合などタイミングが合わず、結局飼わず終いとなってしまったが、飼おうと考えるくらいには好きな魚でもあったし、海外の水族館に行かなければ会えないだろうと思っていたから、この予期せぬ再開は本当に嬉しかった。
久しぶりに見ると、こんな綺麗な色だったんだなぁ、と改めて思わされる。同時に、飼っておけばよかったなぁ、とも(笑)
今、日本で見られる個体は恐らくこれだけ。そういう意味では非常に珍しい魚と言っていい。
なお、魚名板にはロシア語名で表記されていたが、それを確認してこなかったのでここではノーザンパイク(Esox lucius)とさせてもらう。

ノーザンパイクと同じ水槽にいたペルカも懐かしい顔だ。
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ヨーロピアンパーチという名で観賞魚としても流通したこともあるが、ノーザンパイク同様、05年に特定外来に指定。日本では見ることができない魚となった。
かつてもノーザンパイクほど目にする機会もなかったが、この魚が外来魚として定着してしまった国もあるらしいので、予防的な指定だったのだろうと思う。
こちらも、現在日本で見られるのはこの水槽の展示個体だけと思われる。
また、こちらもロシア語名で紹介されていたが、それを確認しなかったので、オレの知ってる名前(ペルカ・属名由来)とさせてもらった。

特定外来つながりでもう1種。ナイルパーチも登場させたい。
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ナイルパーチは特定外来に指定されたのが2016年と比較的最近だったこと、かつアクアトトぎふでも展示されていることから、上記2種と比べれば見る機会もまだある。
琵琶湖博物館で展示されているものもその1匹だが、アクアトトにいるものは恐らくコンゴ産として日本に来るものだと先日のブログに書いたが、琵琶湖博物館にいるものは恐らくナイジェリア産として日本に来ていたものと思われる。
体高が高くそこまで大型化しないコンゴ産に対し、体高が低く巨大化するナイジェリア産というのが簡単な違いだが、観賞魚の世界では値段の高いコンゴ産、安いナイジェリア産みたいな違いもあった。
オレはこの体高の低いナイジェリア産が好きなのだけど、ウチにいるのも、アクアトトにいるのもコンゴ産なので、このタイプの、しかも展示個体はそれらしい特徴がしっかり出始めた70㎝ほどの大きさで、そのサイズ感も非常にオレ好み!!
水槽に1匹しかいないこともあって、この1匹に集中できるのもいい(笑)
この子に会うために琵琶湖博物館に行ってもいい!! 個人的にはそう思うくらいの1匹だ。

残りの2種類はナイルパーチと同じく、アフリカ産のシクリッド。
まずはタンガニイカ湖水槽に新たにお目見えしたオーレオクロミス・タンガニカエ。
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あら!? ここにもいたの!! 知らない間に導入されたらしい。
それほど大きくないので、展示が開始されてまだ日が浅いのだろう。
琵琶湖博物館のタンガニイカ湖水槽はタンガニイカ湖のある特定地域を再現していて、展示魚種もそこに住まうものというリアルさにこだわった水槽だと聞いたが、同じ水域にO.タンガニカエもいるのだろうか? この水槽で展示されてるということは、いるんだろうなぁ……
O.タンガニカエはアクアトトでも見られるし、そちらの方がずっと大きくて綺麗だが、琵琶湖博物館のものも、しばらく経てばそれに見劣らないような大きさ、綺麗さを楽しませてくれることだろう。琵琶湖博物館行く楽しみがまた増えた!!

最後の1匹もアフリカ産のシクリッド。
タンガニイカ湖のシクリッドを展示した水槽はサイズや展示種類数の多少こそあれ、比較的目にする機会があるように思うが、マラウィ湖の水槽というとあまり目にしないような気がする。
琵琶湖博物館には、そんなマラウィ湖のそこそこ大きな水槽があって、比較的メジャー種のみのラインナップだが、綺麗な魚たちが展示されている。
この“綺麗”というところがポイント!! この類、飼うこと自体は簡単なのだけど、喧嘩したり繁殖したりを繰り返す内に、だんだんとその綺麗さが失われていってしまう印象だ。
しかし、琵琶湖博物館の水槽で泳いでいるものは、どれも綺麗!!
先にも書いた通り、比較的メジャーな種類が泳いでいるが、ここではその中からニムボクロミス・リヴィングストニィを登場させた。
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綺麗に仕上がっていることはもちろんだが、この水槽を泳ぐ中では目にする機会が少なさそう? だから(笑)
とは言え、上記特定外来3種に比べれば、おまけ、みたいなものかな?
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遡上ビワマス@琵琶湖博物館 [淡水魚]

秋になると、遡上してきたサケやカラフトマスを見に行くことが個人的な恒例行事…… なのだけど、今年はコロナ禍ということもあり自粛することにした。
それでもその時期になれば、標津や留辺蘂、千歳あたりから、SNSを介して遡上サケの画像が次々と流れてくる。
それらをリアルタイムで見られるのはとてもありがたい反面、行きたかった、行けばよかったかも、みたいな気持ちがより強化されるのもまた事実で、今シーズン、オレのサケ成分は大いに不足していた。
そんなところに、琵琶湖博物館の知り合い学芸員氏がビワマス遡上個体の画像をSNSにアップしているのを見てしまった。
サケ成分絶賛渇望中のオレが、婚姻色に染まったビワマスの美しい姿を見てしまえば“北海道ほど遠くないからいいかな?”みたいな気持ちになってしまうというもの。
加えて、GoToキャンペーンで想像以上の格安で行けることも後押しとなり、琵琶湖博物館まで行ってきた。
こんな時期だったので、件の学芸員氏には連絡もしていなかったのだけど、入館時に早々に遭遇。予約チェックをする当番だったそうで、行くなり嬉しい偶然に見舞われた。
氏、曰く、「いいオスが入ったばかりですよ」とのことで、他の展示を後回しにして、ビワマスがいる水槽へと向かった。

いた!! よく見えるところに大きなオスの姿が。
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体も大きく、繁殖期のオスとしてはなかなかのイケメンと言っていい立派な個体だ。
しかし、色が薄い。いい個体ってこれ? SNSで見たものに比べると、ずいぶん地味な感じだけれど……
なんて思っていたら、水槽の端の目立たないところに、美しい婚姻色を発した個体が。
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これか!! 確かに綺麗な個体だ。

ビワマスは遠い昔にヤマメやアマゴと共通の祖先からいち早く分岐し、海水適応性を捨て、琵琶湖固有の種として現在に至っているそうだが、サクラマスを連想させる体色(婚姻色)は、両者の関連性を感じさせてくれる。
サクラマスよりはサツキマスにより近いらしいのだけど、関東の人間のオレからすると、サツキマスもビワマスと同じくらい馴染みが薄く、婚姻色に染まったものは見たことがない。遡上サツキマスと比較すれば、もっと似ているものなのかも知れない。

でも、この綺麗なオス、色こそ綺麗なものの、もう1匹のオスに比べると体が小さい。
その体格差もあってか、上記のオスから追い回されたりするので、委縮してしまっている様子。
ここに産卵前のメスがいたとしても、モテなさそう……
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一方、大きなオスの方はというと、見た目だけでなく、やる気もあるらしい。
綺麗な方のオスを追い払うだけでなく、メスに対しても寄り添ったりと、繁殖期のオスらしい行動を見せ続ける。
ただ、水槽に入っているメスはすでに産卵を終えてしまったらしく、もはや死を待つだけの状態。
体色は褪せ、体も薄くペナペナ。まだ水流に抗うだけの体力は残されているようだったが、水槽の上流側から動くことはなく、いることが確認できただけ。
当然、オスからのアプローチにも反応はしない。

オレが行ったのはもう2週間近く前のことだが、その時点では新たなメスの搬入も予定されているとのことだったので、もしかすると、産卵シーンが見られたというラッキーな人もいたかも知れない?
あのオスのやる気があれば、すぐに産卵まで漕ぎ着けそうな気がする。

なお、オレが行った時にいたのは色は薄いが大きくイケメンなオス、婚姻色の綺麗な小さいオス、そしてメスの3匹が遡上個体として展示されていたものの内訳だ。
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ビワマスなんて、サケやカラフトマスよりもさらに地域性の強い、琵琶湖でしか見られない“特別な存在”だ。
その遡上個体を見られたお陰で、今シーズン、圧倒的に足りていなかった“サケ成分”を得ることができて、ひとまず満足しつつシーズンを終えられそうだ。
これを見られたのは本当にラッキーだったけど、サケやカラフトマスも見たかったなぁ、やっぱり……

余談ながら、琵琶湖博物館も3年ぶりだったのだけど、ちょうど全館リニューアルを終えたばかりというタイミング。博物館としても、水族館としても最高だった。
9月以降、アクアトト、なかがわ水遊園に続けて今回の琵琶湖博物館と、国内3トップの淡水魚水族館を回ったのだけど、奇しくも各施設6回目の訪問だった。
6回ずつ3ベストを見て回ってあらためて思ったのは、日本最高の淡水魚水族館は琵琶湖博物館かも!? と。

遡上ビワマスが見られたからという理由だけでなく、展示内容、その見せ方、そしてその見やすさ、見にくさなど、そしてそこから得られる満足感など、どこを取っても総合力では他2館を上回ってるような気がしたからだ。

惜しむらくは、いずれの施設もウチから簡単に行けるほど近くないことだが、岐阜と滋賀は隣接している。
ということは、岐阜か滋賀に住んでいれば、琵琶博とアクアトトには行きやすくなるかも知れない。

引っ越すか!?
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コラムに誘われ EpⅡ アクアトトの気になる魚Vol.4 [淡水魚]

アクアトトぎふのHPにある水族館のスタッフ氏によるブログ「おもしろ飼育コラム」。
オレはそのファンだ。
飼育スタッフ氏の目線で、対象に対する思い入れなんかが語られているのだけど、そんな話を聞く(読む)と、それに対するオレの興味の有無に関わらず、見たくなってくる。
そんな琴線に触れる内容の回に遭遇する度、「行きてー!!」となる(笑)
できることなら、そんな自慢を直接聞いてみたいくらい。いくらでも楽しく聞けそうな気がするし。

そんなアクアトトだが、思い立ってすぐに行けるほど近くないこともあり、気が付けば2年以上のご無沙汰。
その間にも、“見たい”が次々と貯まってきてしまった。
しかし、世間はコロナ禍の只中にあり、不要不急な移動は自粛するべき…… なのだろうけど、9月21日のコラム、「アトゥーが好き」をきっかけに、行っちゃった……
中部エリアの水族館には他にも行きたい施設がいくつかあったのだけど、宿泊は避けようと、今回はアクアトトだけで我慢。

オレを岐阜へと引き寄せたコラムの主、ワラゴ・アッツーはというと……
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あれっ!? 小さい!!
想像していたよりずっと小さな(と言っても70㎝くらいはあったけど)個体だったけれど、ちゃんとそのカッコよさは伝わってくる。
このアッツー、水槽ではなかなかカッコよく育たない魚で、この種ならではの薄く、長い顔つきのとてつもないカッコよさは、例えば現地で釣られた写真などでないと見られない。
水槽で育てると、うまく飼っても顔が丸まってきてしまい、アッツーらしい薄さ、長さが出ない。
おまけに、顔を潰しやすく、魅力が損なわれやすい。
アクアトトにいるものは、今のところ、綺麗に育っている。しかし、飼育下である以上、だんだん顔つきが丸まってきてしまう可能性もあるので、できれば綺麗な今のうちに見ておくことをお勧めしておきたい。
あとは、アッツー好きで「No.1美ナマズだと思う」というコラム執筆者、堀江さんに頑張ってもらって、この種ならではの超カッコいい顔つきと巨体を目指してもらいたい。

アッツーのいる水槽では、2019年10月27日のコラムに登場したロピス(Chitala lopis ボルネオナイフ)も初めて見る顔。
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アクアトトにしかいない訳ではないのだけど、そこそこの大きさがあることと、今後、さらに巨大化することに期待しつつ。
このロピス、この水槽ではオスフロ・エクソドンと並ぶマニアック種だが、アッツーも含め、せっかくの魚たちが見にくいくらいに水槽が暗いのがちょっとイヤ。
定期的に真っ暗になったりするし、隣のメコンオオナマズの水槽くらいに明るく見やすくなると良いのだけど……

同じくアジアの展示ゾーンには他にも見たかった魚が。
そのひとつが、2020年1月14日のコラムに登場したナンシオヤニラミ。
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中国産のオヤニラミの仲間で、近年、観賞魚としても流通している魚のひとつ。
普段オレが出入りしているショップでもしばしば見掛けるが、小さいのにやたら愛想がいいので、連れて帰りそうになったことが何度か(笑)
でも、これまで見たことがあるものはすべて10㎝未満のもの。10㎝以上ある個体を見たのは実は今回初めて。
もっとケツギョっぽいのかと思っていたが、色合いのせいかコクチバスみたいな雰囲気で、思い描いていた姿とはちょっと違っていた感じ。
これよりさらに大きくなるとまた違うのだろうか? そういう意味でも今後が楽しみ。

ナンシオヤニラミの展示を知らせるHPのニュース(2020年1月21日)で、同じページに並んで登場していたフォーバータイガーも会いたかった1匹だ。
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置き水槽に1匹でいたが、人通りの多い場所で、水槽叩かれたりみたいなことも多そうなのに、隠れたりいじけたりすることなく、堂々と泳いでいたいい個体(笑)
たまたまその日が機嫌がよかったのか、こういう性格の個体なのかは分からないけれど、ちゃんと泳ぐ姿が見られるダトニオはやっぱりいい。
加えて、フォーバーは好きな種類だし。
そういえば、アクアトトには以前、アッツーがいる水槽に大きめのダトニオがいたような記憶があるのだけど、あの個体はどうなったんだろう?

最後の1匹もナンシオヤニラミ、フォーバータイガーと同じニュースに登場していたナイルパーチ。
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かつてコンゴ川水槽には2匹の大きなナイルパーチがいたが、立て続けに死んでしまったそうで、2年前に行った時にはその姿を見られなかった。
特定外来に指定されてしまったこともあり、アクアトトではもう見られないと思ってた。
しかし、育成中の個体がいたらしい。再び、この水槽でナイルパーチに会えた。
現在展示されている2匹は、多分、コンゴ産として輸入されていたタイプ。一方、かつていた大きな個体は、ナイジェリア産として輸入されていたものだと思う。
コンゴ産のものは体高が高く寸詰まったような体型をしているが、ナイジェリア産は体高が低くよりスズキ的。サイズも巨大化する。
個人的にはナイジェリア産のものが好きだが、コンゴ産は自分の家にもいることもあってより馴染み深い。
当たり前だが、ウチにいるものよりもはるかに大きく立派な2匹に会うのは、この先、アクアトトに来る楽しみでもある。
今となっては、とても貴重な2匹でもある。1日でも長くその姿を見せてくれることを願うのみだ。
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カワスイ 川崎水族館の気になる魚 [淡水魚]

7月18日のオープン以降、人気を集めているカワスイ 川崎水族館。
淡水魚メインの水族館なのに好評なようで、連日賑わっている様子。
その淡水魚たち、展示されているものは外国産のものが中心。オレには馴染み深く感じるものが多い反面、珍しさを意識しにくかったりする部分でもあるのだけど……
でも、魚のチョイスなどに意外な? こだわりを感じさせる部分があったりるのがカワスイの侮れないところ。
何より、水槽が小さい分、1匹に注目して見るにはなかがわ水遊園とかアクアトトぎふよりも向いていると言えると思う。

そんなカワスイでオレが気になった魚をいくつか。
まずはアマゾンエリア、コの字型の水槽の手前、小さな円柱形の水槽にいたブラックピラニア。
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カワスイらしく? 水槽に対して、かなり立派なサイズなのが気になるが、それはさておき、個体クオリティの素晴らしさに驚かされた。
すごくいい個体なのだ!! 
キズひとつなく、このサイズになるまでこんな綺麗に育ってる個体がいたなんて!!
このサイズで日本に来たものだろうか? そうだとしても素晴らしい個体だ。
水族館の主力ピラニアたるナッテリーもまずまずの個体が展示されているけれど、このブラックは一見の価値ありだと思う。

お次もアマゾンエリア、コの字型水槽の斜め向かいくらいにある水槽。
流木でシンプルにレイアウトされた水槽には、コリドラスとかロリカリアとか、砂地にいそうな魚たちが泳いでいた。
そこで流木をつついていたこの魚。
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知らない魚。調べれば正体も分かりそうだけど、面倒なので(笑)
多分、アノストムス科の何かだろうから、ここではAnostomidae sp.ということにさせてもらおう… と思っていたら、答えを見つけてしまったかもしれない!! 真面目に調べた訳でもないのに…
その正体は、Rhytiodus属の何か。R. microlepis?
どうやら、観賞魚として日本にも来ているらしい。
カラシン類に対する興味が深くないので、当然、こういう魚を多く扱うショップにも出入りしていたことがない。そのため、これらがどの程度珍しいものなのかは分からないが、マニアックなマイナー種であることは間違いなさそう。

続いてもアマゾンの魚。ピラルクーがいるジャングルのエリア。
最初の水槽はピラルクーなど。2つめの前を通り掛かった時、黒いスポット模様の銀色のナマズが横目に見えた。複数匹いるらしい。
ピニランプスがいるのね!! と水槽に近づくと、おおっ!! 泳ぎ回っていたのはフィダルゴだった。
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飼育趣味の世界では、大型ナマズの人気は下火だ。まぁ、当たり前だよね。家庭では飼いにくいし。
そんな状況も手伝ってか、メジャー種以外の輸入は極端に少なく、見掛ける機会は少ない。
そんなレア種のひとつでもあるフィダルゴ。昔からメジャー種ではなかったけれど、大きく育つとカッコいいナマズだ。
久しぶりに見たことと、いると思ってなかったレア種との遭遇に、こんなのいるのか!! とちょっとした驚きがあった。
なお、水族館では初めて見た。

50㎝ほどの銀色のナマズたちの1匹めはフィダルゴ。もう1匹はピライーバだった。
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水槽の端に定位していて、こちらの方を向いてくれることがほとんどなかったが、顔までスポットが入る個体だった。
個人的にはスポット模様の多少は気にしない部分(大きくなると消えるから)なのだけど、顔までスポットが入る個体を珍重する人もいるから、これはこれで高評価な人もいるかも知れない……

でも、そんなピライーバやフィダルゴ以上に驚いたのは、3匹めのナマズ。
これ、パティ(Luciopimelodus pati)じゃない!?
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パティは“ラプラタピライーバ”なんて俗称で呼ばれることもあるブラジル南部に生息するナマズで、日本に紹介されたのが比較的遅かったので、今ひとつ知名度がないレア種。
それほど高価な魚ではなかったけれど、とにかく見掛ける機会が少なく、これが本当にパティなら、個人的にも遭遇するのは3度めくらい。

ところが、自分で確認した訳ではないのだけど、この水槽のQRコードを読み込むと“ピニランプス”と表示されるらしい。
確かに、両者は色、柄などがよく似ている。でも、カワスイにいるものは顔が長く、よく見知ったピニランプスとは顔つきが違う。
それがこの魚をパティとした理由なのだけど、今になってちょっと自信が無くなってきた。
何せ、自分で飼ったことがある訳でもなく、数えるほどしか見たことがないパティだけに、見間違える訳ない!! とも言い切れず、カワスイにいる個体もパティにしてはちょっと体高が高いような気もするし……

間違えてたらホントに恥ずかしいんだけど、パティとしたまま載せ続けるのも抵抗があったので、曖昧な内容にしておくけれど、これがもし、本当にパティだったら、何でこんなのがいるの!? としか言いようがないよね。いい意味で。

そう遠くない内に、また見に行ってみようと思っているけれど、そしたら再び内容が書き換わる? かも……!?
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