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アクアマリンふくしまの気になる魚 Vol.2 [海の魚]

カジキを見るためにアクアマリンふくしまに行ってきた、というのは以前のブログに書いた通りだが、気付けば2年半ぶり。イオンモールができてからは初めて。
オレが行った日も平日にも関わらず想像以上の人の数に驚かされたが、やはりイオンモールの影響だろうか?
でも、次から次へと来る人たちはカジキにはほとんど目もくれず、イワシの大群を背に記念写真を撮る。
それが終わるとその場を移動してしまうのだけど、それが永遠に続くんじゃないか、と思うくらい次々来るので、カジキ観察はその合間を狙って。
アクアマリンには他にも見るものが色々あるので、退屈はしない。むしろ、他の水槽との間を行ったり来たりするのが疲れるくらい?

気になる最初の1匹は、親潮水槽にいるサヨリ。
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サヨリって食材としてはよく知られているのに、水族館で見ることはほとんどない。
コモチサヨリとかデルモゲニーとか、温暖地域に住まう小型種こそ見るものの、名前に何も付かない“サヨリ”の生きて水槽を泳いでいる姿を見るのは初めて? かも知れない。
もしかしたら、2回見たバショウカジキよりも希少性が高い?
生きて泳ぐ姿も、よく見知った姿形。臆病でアクリルに近づくと奥の方へ逃げてしまうが、しばらくその場でジッとしていると、戻ってきてくれる。
伸びた下顎は、カジキよろしく、いかにも折れてしまいそうな感じだが、魚に対して水槽が広いからだろうか。綺麗な状態で残っているものが多かった。
常に水面付近を泳いでくれていたので、非常に見やすかったのもよかった。

大水槽と言えば、カジキのいる黒潮側にも見てみたいものがいた。ヒラソウダだ。
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所謂、ソウダ鰹のひとつだが、これまで生きた姿は見たことがなかった。
背中にライン状の模様が入った、同居のカツオなどよりも小ぶりの魚がビュンビュン泳ぎ回っているため、パッと見はスマ? みたいに見える。
しかし、目の前を何度も通過していくのをしばらく見続けていると、顔が短く、眼がぱっちり。体つきは体高が低く細長い印象。なるほど!! これがヒラソウダなのか!! 同居のカツオやキハダなどと違っていることが分かるようになり、スマと見間違うこともなさそうな気がしてくる。

同じ水槽にはメバチもいたようなのだけど、それらしいものは見当たらなかった。搬入されたのは少し前なので、そちらはもういないのかも知れない。
生きたメバチもどんなものだったのか、見てみたかったなぁ……

今回は久しぶりの訪問とは言え、目的はほぼカジキ一択。
いつもなら気合いを入れて見るはずの親潮アイスボックスもあっさり軽めに。
と言っても、素通りさせてくれないのが困るところで、カジキの動きを気にしつつ足を止めること何度か。
足を止めた理由のひとつがベロ。
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北海道などに産するカジカの仲間。ちょっと変わった名前だが、属名(Bero elegans)に由来するもの。
その名前もさることながら、おっ!? 何か綺麗だぞ!! と。
体色は住環境に合わせて個体差があるようで、画像検索してみたりしても、展示されていた個体とは違ったものが多く出てくる。
展示個体はグリーンにピンクの模様を散りばめたような体色をしていて綺麗だった。
海藻の中にでもいたのだろうか?

ベロの並びにいたスミツキメダマウオも気になった1匹だ。
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ベロと同じく北海道などに生息する小型の底生魚。
大きめの胸鰭で底床の上で上体を起こすような態勢て定位していて、時々、条数の多い長い背鰭を動かすくらいであまり動き回らない。
長い背鰭がスネークヘッドを連想させるように感じたからなのか、馴染みのない魚にも関わらず既視感が。
しばらく眺めていると、魚もキョロっと大きめの眼で見上げてくる。
そんな様子を見ていて気が付いた。パイクシクリッドだ!! って。
パイクシクリッドにしてはやや顔が短いが、雰囲気や動き方にそれらしさを感じさせるし、底棲性と言われるタイプにとりわけよく似ている。
個人的に馴染みのある魚に似ているものを感じたからなのだろう。しばらく見ていただけなのに、よく知ってる魚みたいな気になった。初めて見たかも知れない魚だというのにね(笑)

最後の1匹はカタボシアカメバル。
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見たことがあるような、でも、多分、アクアマリン以外では見たことがない魚。
これまでもアクアマリンでは何回か見たような記憶があるが、調べてみると比較的新しく記載された種類らしい。
カニの水槽に何個体かいて、それが見やすい位置を泳いでくれていたので撮ってみたのだけど、水族館では珍しい魚なのだろうと思う。

調べてみようと検索するも、全然ヒットしない。アクアマリンが名付けた仮名なのか?
なんて思ったものの、理由は単純。ずっと「アカボシカタメバル」だと思っていたから(汗)
そのお陰で、その名前がしっかり頭に刻まれることになりました。
皆さんもお間違えの無いよう…… って、お前に言われたくないって話ですな。
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11年ぶりの再登場!! バショウカジキ@アクアマリンふくしま [海の魚]

10月12日、アクアマリンふくしまでバショウカジキが展示された。
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アクアマリンでのカジキ展示は2度めだが、11年前に初展示を成功させて以降、他にカジキ展示を実現させた園館はない。
今回の再展示もアクアマリンならではの快挙と言っていい。

展示が発表されて以降、オレ周辺の各種SNSはカジキ一色。
その一方でオレはというと、そんな盛り上がりっぷりに反して、自分でも不思議なくらいに気分が乗らず、駆け付ける気が起きなかった。11年前は慌ててすっ飛んで行ったというのに……
そんなところに聞こえてきたのが、吻が折れてしまったというニュース。
カジキ目当てに集まった水槽前を埋め尽くす人たちの画像もSNSで見掛けたが、そうした多くのライバルたちと闘える気もしなかったし、気持ちがラクになったというのが実は正直なところだった。
とは言え、行かないと行かないで“やらなきゃいけないことをやってない”みたいな気分になったりしていたのだけれど。

カジキの吻と言えば、まさにその象徴ともいえる部分である。
吻のないカジキなんて、カジキという魚を紹介するという上では致命的な問題だ。
例えるなら、ノコギリのないノコギリエイとか鼻のないゾウみたいなもの。
しかし同時に、生きたカジキがそこにいてくれるということはとんでもなく凄いこと。例え吻がなくとも、そこから分かること、知ることができることは沢山あるし、そもそも生きて泳ぐ姿が見られるだけでも、きわめて貴重なことであることも間違いない。
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オレも今回の個体がきっかけで知ることができたことがいくつかあった。
そのひとつが、吻が折れる=死、ではない、ということ。
自然環境下でも吻を失ったカジキはバショウカジキに限らずいるらしく、そのまま生存、成長しているものもいるのだそうだ。
事実、アクアマリンの個体も、吻を失って以降もしっかり餌を食べているようで、その様子がアクアマリンによってSNSに動画がアップされていた。
それを見る限り、吻がなくて困っているようには見えず、むしろ、あの水槽で生きるためには邪魔となる吻がない方が都合がいいのでは? みたいにすら思えてきた。
だからと言って、もちろん自分で折った訳ではないだろうけど、これもある種の適応なのではないか? と思ったくらい。生き物の底力みたいなものを見せつけられたような気がした。

オレが見たのは、搬入されてから1か月ほど経った頃だったが、折れた吻は痛々しく見えるものの、状態はよさそう。
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搬入直後に見た知人たちによれば、その頃に比べると、今の方が体型に力強さを感じるとのこと。餌もしっかり食べているようなので、成長もしているのだろう。

水槽にもしっかり順応しているようで、どこかに体を擦ったり、ぶつけたりすることもなく、ほぼ同じコースをゆったりと、スムーズに回遊していた。
搬入されてしばらくはSNSで見掛ける画像は背びれを広げているものも多かったが、オレは見に行った日には、大きく広げることはなく、先端を少し広げる程度。
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もしかしたらそれも、それも水槽への適応度合いの高まりによるものなのかも!?
速く泳ぐ必要のない水槽で、決まったコースを回遊するなら、大きな背びれをわざわざ動かす必要はないのかも知れない。

11年前の時の飼育期間は2カ月ほど。もしかしたら今回の個体はそれを上回る期間を達成できるのでは? みたいな気もしてきた。

※12月6日 追記 展示終了したとのこと※


いろいろなことを気にしない性格なのか、アクリル前を泳いでいても、その前にいる観覧者を気にするそぶりも見せないし、自分よりも大きなエイやコシナガが近くまで来ても、避けたり、逃げたりするようなこともない。それとも、自分が格上な存在だと知っているのか!?

それどころか、片方の鰓に小さなコバンザメが潜り込んでいるのを許しているくらいで。まぁ、これは自分で取れないから仕方なく、かも知れないけど。
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鰓からコバンザメの尾が飛び出ているのが分かるだろうか? 時々鰓から出てきて、その周辺で動き回っているのが何度か見えた。
それにしても、どこから付いてきたんだろう? そういう魚だから仕方ないけど、何かイヤだねぇ、コバンザメって。

水槽で泳ぐバショウカジキ(の幼魚)を見ていると、魚類最速のスピードで泳ぐ、なんて言われていることが、本当だろうか? みたいに思えてくる。
巨大な背びれも含め、尾びれ以外の鰭は綺麗に収納できるようになってはいるが、マグロ類やアオザメ、ホオジロザメなど高速遊泳魚によくある尾柄部のキールがない。
尾びれは体に対して不釣り合いなくらい大きいものの、柔らかく、クネクネした感じの泳ぎ方は、まるでシルバーアロワナのようで、同じ水槽で泳ぐマグロやカツオのような力強さを感じないし、とても“最速”が想像できない気がしてしまう。
それでもやっぱり、本気出すと速いのかな!?

バショウカジキの展示(に向けた捕獲、輸送)はアクアマリン以外にも、葛西臨海水族園や沖縄美ら海水族館がチャレンジしている。
しかし、成功しているのはアクアマリンだけ。展示に向けた取り組みを紹介したパネルが寿司カウンターのところに掲示されていたけれど、それを見る限りでは特別なことをしている訳ではなさそうに見える。
しかし、実際に成功しているのがアクアマリンだけであることを考えると、やっぱり何か、特別なノウハウみたいなものがあるんだろうなぁ。
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スミクイウオと東海大学海洋科学博物館の気になる魚 Vol.2 [海の魚]

10月9日、「スミクイウオを展示しました」というニュースを目にした。
清水にある東海大の水族館、海洋科学博物館で展示が開始されたのだという。

名前くらいは聞いたことがあったけれど、それがどんな魚かはよく知らなかった。
そんな具合だから以前から憧れていた訳ではなかったし、掲載されていた写真にも今ひとつ心動かず、どうしようかなぁ? なんて思っていたその3日後、アクアマリンふくしまでバショウカジキが展示されたというニュースが。

水族館で展示される魚としてカジキは超スーパースターと言ってもいい華々しい存在。
それに引き換え、スミクイウオときたら、知名度も見た目もカジキのような華やかさはなく、珍しさでは劣らないはずなのに、いわきの水槽前のような賑わいぶりは聞こえてこない。
しかし、その珍しさを分かっている魚マニアもいるもので、そんな人が載せたと思しきTwitterには、スミクイウオの他にもあまり見られないレア魚がいくつか。
それらがオレの重い腰を上げてくれたこともあり、いわきではなく清水へと向かったのだった……

スミクイウオを見るために来たので、ひとまず他の水槽には目もくれず、それがいるキンメダイの水槽へ。
いた!! これがスミクイウオなのか!!
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確かに弱々しい感じで、難しそうな感じ。眼が大きくどことなくムツを連想させるのは同じく深場の住人だからか。
肌の質感はメヒカリのようでもある。
鱗が剥がれやすいそうで、漁獲されたものは大抵、ズル剥けになっているのが普通らしい。
そのため、鱗が残り、こうして色、柄が見える姿は貴重なようだ。
とは言えやはりその肌は弱いようで、体表には少しキズがある模様。
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水槽には全部で3匹いて、その内2匹はあまり動き回らないのに対し、1匹はよく泳ぐ。
初めて見るので、そういうものなのか、はたまた調子がいいのか悪いのか、全然分からないのだけど、とりあえず状態が悪そうにも見えなかったので、この先しばらくはこの水槽で見られそうな気がする。
でもまぁ、展示に至るまでが大変だったという魚であるからして、気になる人はなるべく早く見に行くことをオススメしておく。

スミクイウオを見に行くのに、それだけだと“弱い”と感じてたオレの背中を押してくれたのがカケハシハタ。
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これまた名前くらいは聞いたことがあったレベルの魚で、生きた姿を見るのは初めて。
高級食材の販売サイトでその姿を見て、ホウキハタじゃないの? と思ったのが最初。
そのサイトには“幻の”なんて紹介されていたが、実際、かなり高価な魚らしい。
サクラダイが群れる水槽に1匹いたが、15㎝ほどと小さく、水槽端の死角に隠れているので探すとなかなか見えない。
それでも、定期的にアクリル面まで出てきてくれるので、その姿を見ることはできたが、ハタらしさを感じさせてくれるには、少なくとも今の3倍くらいの大きさは欲しいところ。
まぁ、今は今で可愛いけどね。
この魚もスミクイウオと同じく、現時点では海洋科学博物館でしか見られないはず。
よく似た種類が多いだけに、初めて見てもありがたみは少ないかも知れないけど、かなり珍しいです!!

カケハシハタと同じくオレの背中を強く押してくれたのがクマサカフグ。
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見るからに珍しそうな感じなのに、魚名板は出ておらず、この個体がしばらく前からいるらしいのに、である。
顔つきこそちょっとマンボウ風なのに、魚体はいかにも“速く泳ぎますぜ”的な雰囲気に溢れた細長く銀ピカのマグロなどの高速遊泳魚の雰囲気。
その見た目のイメージに違わず、シイラやカンパチなど、よく泳ぐ魚と同じ水槽でビュンビュン泳ぎ回っていた。
メタリックのフグらしからぬ姿形は“すごいもの見てる”感も強く、初めて見たことも手伝って、清水まで来た満足感を大いに高めてくれた。
なお、他所の水族館で展示実績はあるらしいものの、かなりの珍種のようで、現在見られるのは、多分、ここの海洋科学博物館のみ、だけだと思う。
余談ながら、毒の有無が定かでないため、食用にはならないのだそうだ。

そしてもう1匹。これは個人的にはあまりありがたみとか、その価値が分からない類であるため、見られればいいかな、くらいのつもりでいたユウダチトラギス。
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全部の水槽を何度見回してもその姿が見えないし、魚名板もないことから、もう展示されていないのだろうと思ったのだけど、水槽正面アクリルの真下の死角に潜んでいたらしい。
同じ水槽にいたヒメジに押され、突如、その姿を現した。
どこかで見たことがあるような気がするものの、多分、これまで見たことがない種類なのだろう。
よく分かっていないながら、写真だけは残しておこうと、時々姿を現すタイミングを狙って撮影を試みるも、レンズ位置がかなり角度が付いてしまうためか、ビシッとピントが合わない。う~ん……

あまり見られない魚のようなので、気になる人は探してみて。
1匹しかいないようだけど……
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沖縄美ら海水族館の気になる魚 Vol.11 [海の魚]

今年の美ら海水族館はいつになく空いていたので、本当にじっくりしっかり見ることができた。
いつもなら、次から次に押し寄せるお客が群がり、撮影どころか水槽を見ることすらも簡単ではないサンゴの水槽や熱帯魚の海の水槽。
今回はそこらもじっくり。熱帯魚の海の水槽をあんなにゆっくり見たのは本当に久しぶり。
水槽の前にいる時間が長くなれば、それだけそこにいる魚を見つけることができるし、それによって知らない何かに遭遇できる機会も増える。

ということで、最初の1匹はサンゴの水槽にいたハワイトラギス。
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水槽の底の方に、巣穴にしている岩の隙間から出入りしている小魚を見つけた。
色といい、大きさといい、寿司ネタのエビが泳いでいるみたいな感じ。
岩の隙間からは出てきてくれるのに、そこから離れるのはあまり好きではないようで、撮りやすい位置までは泳いできてくれない。
もっと出てきてよ~ なんて思いながらちょっと苦労してたら、後ろから「何撮ってるの?」という声。
振り返ると、知り合いの飼育スタッフ氏。
「このエビみたいな色の魚。ところでこれ何て魚?」
そんなやり取りがあった中で教えてもらったのだけど、水族館でよく見るその他のトラギス類に比べると小ぶりで10㎝くらいしかないので、あの大きな水槽では撮るのに難儀した。なのでこの程度。
写真はともかく、実物は可愛い魚でした。

お次は熱帯魚の海の水槽にいたワキグロアカフエダイ。
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美ら海水族館のブログ、“美ら海だより”に紹介されて以降、ずっと見たいと思っていた魚にようやく会えた。
最初は、オレが行った直後くらいに展示が開始され、その後、いくつかの水槽を移動。
見られるのを楽しみにしつつ沖縄に行ったら、バックヤードに下げちゃいました、と。
そんなことが2回くらいあったのだけど、今回、ようやく見られた。
最初、美ら海だよりの写真で見た時にはヒメフエダイに、その後、他の写真などで見た限りではヨコフエダイに似てるような印象だったのだけど、実物はそのどちらにも似ていなかった、と言うか、似ているけど見間違うほどではない、といった感じ。
目がクリっとしていて、もっと小さい種類のフエダイに似てるような印象を受けた。
実物を見られたからこそな体験ではあったけれど、この魚をありがたがる人は多くないかも知れないなぁ。でも、結構珍しい魚らしい。

前にも書いているけれど、オレが美ら海水族館に行ったのは6月の末。
これを書いてる時点で、すでに2カ月以上が経過している。
ここに並べた魚でも、展示されていないものもいるかも知れない。
その可能性がもっとも高いのがこのクマノミ。
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水族館生まれとして展示されていたごく小さなもの。5~6㎝くらいだっただろうか。
そこから2カ月以上が経過していることから、当然、大きくなっているはずで、展示されていた小さな水槽では窮屈になっているかも知れないからだ。
でも、このクマノミをここに登場させたのはそんな理由ではない。画像を見て、気付くことはないだろうか?
鰭が長いのだ!! 同じ水槽にいたものはどれも同じようなロンフィン。
人気が高く、飼育下繁殖が盛んに行われているカクレクマノミでは、すでに様々な品種が作出されているし、クマノミでもロングフィンタイプが流通しているようだが、飼育下繁殖だとある程度出てくるものなのかな!?

以外と言えば、深海水槽にいたカサゴにも驚かされた。
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本州に住まう者にとって、カサゴは別段珍しくもない、驚くような魚ではないが、ここは沖縄だ。
いるにはいるらしいのだが、数は少ないらしい。
沖縄にはいないのだろうと思っていたから、これが目の前を泳いでいった時には、何でいるの!! と驚いた。
水族館HPの図鑑によれば、カサゴではなくウッカリカサゴ(オレにはパッと見で両者の区別はつかないけれど)らしく、それ故、深海の水槽にいるのも納得…… なのだけど、この魚を沖縄の水族館で見るのが何とも意外で、ここに登場させた。
あの広い水槽に1匹しかいないようだが、オレが行った時はよく泳いでいたけど、奥の方でジッとしてるとまず見えなさそう。
でも、見られなくても大丈夫!! 本州住まいの人なら、近くの水族館で多分、会えるから(笑)

6月末の美ら海水族館で、オレのブログとくれば、こいつをあげない訳にはいかないだろう。再び展示が再開されたオニイトマキエイだ。
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2018年の末に展示が開始された…… と思ったら、比較的短期間で展示中止に。
調子を崩していたそうだが、幸い、死んでしまった訳ではなく、2019年の夏以降、生け簀ツアーで公開されている、なんて話も聞いていたから、久しぶりに会いに行きたいなぁ、なんて思っていたところ、満を持して、大水槽に再登場と相成った。
それにより、美ら海水族館の大水槽は、オニイトマキエイ、ナンヨウマンタ、ヒメイトマキエイというMobula属3種を同時に見られる世界屈指(唯一?)の水槽となった。凄い!!

2018年末に見た時よりも、水槽に馴染んでいるように見えるのはオレの気のせいか?
餌もよく食べているし、同居のナンヨウマンタのメスをゆる~く追尾してみたりと、元気そうな様子。
久しぶりに会えたことはもちろん、以前会った個体が元気で戻ってきてくれたこと、そしてこの先もここで会える可能性があることなど、大好きな憧れの魚だけに、やはり嬉しくて仕方がない。

行きさえすれば会える好きな魚が元気で暮らしてる。それだけで嬉しいよね。
後はその幸せが1日でも長く続いてくれることを願うのみ、だな。
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沖縄美ら海水族館の気になる深海生物 Vol.2 [海の魚]

9月である。
本来なら、遡上してくるサケやカラフトマスを見に道東へ行き、下半期の水族館は標津からスタートする、というのがここ数年の定番だ。
しかし、コロナの発症数が落ち着かない東京から人の少ない道東へ行くのも気が引ける。
という訳で今年は泣く泣く自粛。

水族館ブログは、6月の末に行った美ら海水族館の話。
でもその美ら海水族館も8月以降、ずっと閉館している。閉館期間は明日までの予定だが、果たして予定通り開館するのかなぁ!?


ここ数年、激アツの美ら海水族館深海エリア。
行く度に見たことない何かに遭遇できるし、それらの多くは“知らない魚”であることも多く、刺激的な出会いに事欠かない。
水族館HPの「美ら海生き物図鑑」を確認し、見るべきターゲットを確認しつつ、深海コーナーへ。
今回は、ひとつ前のブログでも書いた通り、水族館がとんでもなく空いていたので、いつも以上にじっくりしっかり見ることができたのがラッキーだった。

見逃せない対象はいろいろいるのだけど、今回、もっとも見逃すべきではない1匹はソコモンガラだろう。
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この展示個体も国内3例目だという、かなりの稀種。
その珍しさを物語るかのように、Facebookや公式アプリなどでも“展示しました”と度々案内されていた。
ムラサメモンガラの仲間だそうだが、この仲間では唯一深場に生息する種類とのこと。
その珍しさ以前に、そもそも存在すら知らなかった魚だが、ムラサメモンガラに近い種類であることだけは、その姿形やせわしない泳ぎ方を見ているだけでも分った。
見た目にも動きにも既視感があり、実物を見られた感動は正直、強くなかったけれど、貴重な魚である。
頑張って撮りましたよ。一瞬たりとも止まってくれないので苦労したけど、だからこそ、空いていたのがホントにありがたかった。

頑張って撮るべき相手は、同じ水槽にいた新入りのハタの仲間2種類もそう。
1種類めはハナハタ。
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名前は知っていたけど、生きた姿を見るのは初めて。
鮮やかなオレンジ色の体色が綺麗なユカタハタの仲間。
もっと赤い魚を想像していたのだけど、実物はかなり華やかなオレンジ色の魚。
引っ込み思案ながら、それなりに見える位置を泳いでくれたので、その姿をきちんと見ることができたのがよかった。
一方、もう1種、同じ水槽にいたアカハタモドキも目的の1匹ではあったのだけど、岩の隙間にしっかり収まっていて、まったく泳いでくれない。
そこにいること、そしてその姿形は何となく分かったけれど、アカハタとどう違っているのかまではついぞ分からず終い。
写真も撮れなかったし。という訳で次はいつになるか分からないけど、次回の宿題。

お次はソコモンガラやハナハタと同じ水槽にいたオニイシモチ。
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勝手な思い込みというかなのだけど、テンジクダイ科の魚って、比較的浅い海域で群れてる、みたいなイメージ。
それが、深い場所にいる種類がいる? というのがちょっとした驚きだった。
水槽を泳ぐ姿を見つけた時、あれ!? 何でこんなところにテンジクダイ類がいるの? と。
テンジクダイ類としては大型種だそうだが、展示されていたものは15㎝くらいだろうか。自分より大きな魚の中では、控えめな感じ。
もっと個体数がいれば、テンジクダイ類らしく群れたりする? のかな!?

今回、深海エリアで見てみたかった前回からの宿題がハナアマダイだ。
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昨年行った時、オレが行った直後くらいに搬入された珍魚で、実物はおろか、名前すら知らなかった魚だった。
写真で見る限りは、白いアマダイという感じ。さて、実物は……
ものすごい引っ込み思案なのか、岩に顔を突っ込んだまま出て来やしない。
何度も水槽前に足を運んだが、顔が見えたのはこの写真を撮った時だけ。
顔が見えただけまだマシだが、結局、全身を見せてくれることはなかった。これもまた次回持越しの宿題かな?

最後の1匹は、前回訪問時に公開された激レア珍魚、オニキホウボウの水槽に新たに搬入されたウスハナフエダイ。
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その名もズバリ、薄い色をしたハナフエダイで、これまで同種として扱われていたものが、今年になって別種であると確認され、あらためて別種となったのだそうだ。
沖縄周辺でしか発見されていないそうで、そういう意味ではなかなかの珍魚であり、美ら海水族館ならではの魚と言えるだろう。
しかしながら、見た目はまさにハナフエダイで、しかもこれまで見知ったハナフエダイよりも少し地味めだったりするものだから、“珍しいものを見ている”感はやや薄い。
展示水槽に入って日が浅いのか、あまり動き回ることもなく、アクリル面から顔をそむけるように定位していることが多かったけれど、次に行く時には水槽にも馴染んでいるだろうから、泳ぎ回る姿とかを見られるのではないかと思う。
これもまた、次回の宿題、かな?
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足摺海洋館SATOUMIの気になる魚 [海の魚]

足摺海洋館と言えば、シノノメサカタザメなのである!!
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個人的にはそんなイメージを持ってた訳ではないのだけど、旧施設の開館から間もない77年から飼育を開始し、今日まで“館の目玉”として飼育を続けてきているのだそうだ。

そのシノノメサカタザメだが、長生きしない印象がある。
実際、どのくらい生きるものなのかは知らないが、シノノメを展示している水族館で、同じ個体に再会することが意外と少ないような気がするからだ。
定期的に行く年パス保有とか近くなどの施設はともかく、次の訪問まで年単位の時間が空くと、“前来た時はいたんだけどなぁ”みたいな経験を何度もしている。
2006年以降にシノノメサカタザメを展示していたことのある施設では、恐らく、そのすべてを見ていると思うのだけど、その施設に再訪した時、同じ個体がいない、あるいはシノノメサカタザメ自体がいなくなっていた、なんてことがよくあった。

だから、シノノメサカタザメはあまり長生きしない魚なのではないか、という結論に至ったのだけど、中には長く生きている個体もいて、新・足摺海洋館の竜串湾大水槽にいる個体もそんな1匹。
06年に搬入された個体だそうで、今年で14年め。オレが旧・足摺海洋館に行ったのは10年なので、10年ぶりの再会。
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10年前の時。

10年もの時間を経て、シノノメの同じ個体に遭遇できることなんてなかなかなさそうなこと。
これはやはり、シノノメの飼育、展示に力を注いできたという足摺海洋館ならでは、なのかな?

新しい水族館最大の水槽の主役として、元気そうな姿を見せてくれていた。
また会う機会が来るかな!?


竜串湾大水槽では、大きさもあって圧倒的にシノノメサカタザメの主役感が強いのだけど、そんな中でも強い存在感でオレの目を引き付けたのがサザナミヤッコ。
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サザナミヤッコ自体は珍しい魚ではないし、水族館でもよく見掛けるけど、こんなに大きな個体は初めて見た!! とにかく立派だった。
しかも、その仕上がり具合も素晴らしく、今さらながら、こんなに綺麗な魚だったのか!! と、大きさだけでなく綺麗さでも驚かされることに。
このクオリティなら、同じ水槽にマクロスとかフレンチなどの海外産大型ヤッコがいたとしても見劣りすることがなさそう。
サザナミヤッコを大いに見直した!!

新生・足摺海洋館最大の水槽が竜串湾大水槽なのだけど、旧施設の大水槽にいた魚たちがそこに引き継がれていないということは、以前のブログに書いた通り。
大水槽とは別に、沖合という水槽あるので、旧大水槽の魚たちはそこにいるのだろう。そう思ってた。
しかし、残念ながら、沖合の水槽にもそれらの姿はなく……

代わりにいた魚のひとつがゴマサバ。
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新生・足摺海洋館では食にまつわる展示も行われていたけれど、土佐清水のゴマサバといえば、“清水サバ”というブランド食材として売り出し中の地元の名産品だ。
鮮度を維持するため1匹ずつ丁寧に漁獲されているそうだが、展示されている群れはどの個体もキズひとつない綺麗な魚体で、そんな仕事ぶりを連想させてくれる。
頭上のオーバーハングした部分でグルグルと泳いでいるので、腹側しか見えないのだけど、とりあえず美味しそう(笑)
そもそも、水族館でサバというと、見掛けるのはマサバが多く、ゴマサバは少数派。
綺麗なゴマサバという点でも、価値ある展示と言える!? かも。

最後の1匹は、同じく沖合の水槽にいたセンネンダイ。
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そこそこのサイズだけど、フルサイズ級ではなく、まだ若い個体。
色も形も綺麗だったけど、だからと言って特別な1匹、というほどではない。
では何故?
沖合の水槽の中心、見えやすい位置をゆっくり、左右往来。
まるで、オレを見ろ!! 撮れ!! と言わんばかりに。
あまりに存在感が強いので、水槽の前を通り掛かる度にパチリ。
おかげで、この個体1匹しかいないというのに、やたらとセンネンダイの写真が(笑)
という訳でここに。
足摺海洋館 SATOUMIに行くと、こやつの強い存在感にやられて、あなたも写真を撮ってしまうはず!?
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ドバイ水族館(アンダーウォーターズー)の気になる魚 [海の魚]

ドバイ水族館で見たものの中で一番驚いたのは、アンダーウォーターズーの入り口の水槽にいたイトマキエイだ。
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それがいたこと自体ももちろん、8匹以上はいた個体数の多さ、そしてそれらがそれほど大きくない水槽にいたことにも驚いた。
こんな水槽で飼えるんだ!! って。
水槽はハーフトンネル状になっていて、幅は10mくらい。奥行は5mくらいありそうだが、トンネルがあるので遊泳面積は実質、その半分くらい。一番広い水槽中腹あたりで3mくらいだろうか。トンネルの上は人の膝くらいの水深。
体盤幅1m少々と、大きな個体ではないけれど、各ヒレには擦った傷も見られ、やはり水槽の広さが足りないことが見て取れたが、そんな中で当のエイたちはグルグル回っていたり、個体同士で追いかけあったりしていた。
イトマキエイというと、これまで見てきた種類はいずれも、通常時はゆったりと泳いでいるような印象だが、ここにいたものはせわしなく泳ぎ回っていて、その大きさも相まって、ウシバナトビエイを見ているかのようだった。



この水槽が見えた瞬間、イトマキエイがいる!! と驚いたのだけど、2017年にここに来たという知人が“イトマキエイがいた”とSNSにあげていたのを思い出した。少なくとも3年はここで展示されているらしい。

そこで気になるのはその種類。とりあえずヒメイトマキエイではないことは分かった。
3年前に知人が見たものがそのまま展示されているとしたら、見たことないけど大型化するらしいM.mobularではないのだろうし、イトマキエイ(M.japanica)でもなさそうだ。
サイズと生息地からM.kuhliiかな!? なんて思っているのだけど、果たして…… !?
見た目で分かる特徴は、顔の横、目の後ろが銀色に光っていたくらい。餌の食べ方はマンタなどと同じ、その場でグルグル回転しながらだった。

このイトマキエイの正体は…!?

※2021年3月17日追記
このイトマキエイの正体はMobula hypostoma。
Youtube動画を見た人が気になって? 調べてくれたらしく、コメントを寄せてくれました。

大西洋産の種類だが、マイアミからイギリスを経由してドバイに運ばれたものらしい。
そんな遠くから!! と驚くと同時に、そんな長時間輸送を耐えられたことにも驚かされる。
どうやって運んだんだろう?

なお、M.hypostomaはレッサ-デビルレイと呼ばれる通り、Mobula属ではかなりの小型種。
Fishbaseによれば120㎝とあるから、展示されているものでほぼ成体と言っていい大きさなのだろうと思う。
コメントを寄せてくれた方、どうもありがとうございました。


イトマキエイが泳ぐトンネル水槽には、イトマキエイ以外にもこれまた日本では珍しいウチワシュモクザメがかなりの数いて、他にもイヌザメがいたりと、小型板鰓類がメイン。
しかし、そんな中をウロチョロしているアジみたいな魚の群れ。
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パッと見、アジかと思ったのだけど、あらためて見てみるとアジじゃない。それどころか、見たことのない魚。しかも、何の仲間なのかすぐに分からない。
でも、その正体は案外簡単に分かった。ボーグ(Boops boops)というらしい。
こんな形しているのに、タイ科!! 飼われ魚なのでふっくらしていてアジみたいだが、本当はもっとほっそりしていて、写真で見る限り、タカサゴみたいな感じ。
地中海とか大西洋とか、日本人には馴染みの薄いエリアに生息しているそうだが、オレがこの魚の正体が分かったのも、葛西臨海水族園の地中海水槽に似た魚がいたのを思い出したから。
ヒントとなったサレマもタイ科。タイの仲間も奥が深そう。ドバイ遠征でより興味が深まった気がしている。

無料で見られる水槽は、大水槽とイトマキエイとボーグのいる水槽、そしてアンダーウォーターズーのお土産ショップを取り囲むように配置された出口の水槽の3つ。
出口の水槽は奥行きがない薄い作り。まさに壁として機能しているのだけど、そこにもちゃんと? 魚がいる。
そこにいたのはアジ1種。でも、見たことがない種類。
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さて、種類は何だろうか?
マブタシマアジ属の何かかと思ったが、体の途中で湾曲する稜鱗を見ると違いそう。
テルメアジ? それともマテアジ? これまたどちらも見たことがないので何ともだが……

大きさは12~13㎝ほど。15㎝はないくらい。幼魚と言っていいサイズ感。
薄暗い水槽だから、色らしい色はなく、銀色1色。肩口に黒いスポット。
このアジの正体、分かる人、いるかな?

賑やかなところで、ひと際地味な水槽のせいか、目を止める人は少なかったが、最後の最後に、こんな意外な魚が置いてあるとは!! 油断できないな(笑)

アンダーウォーターズーの(入館しないと見られない)水槽からも、見たことない魚をいくつか。
先週も書いたように、アンダーウォーターズーでは世界の海の水槽展示があって、その中にはカリブ海の水槽もある。
ペルシャ湾の近くでカリブ海? カリブ海産の魚は、日本でもUAEでも外国の魚。外国で、さらに外国から来た魚を見るというのは何だか変な感じだが、見たことない魚に遭遇できた。
ところで、UAEと日本なら、どちらがカリブ海に近いんだろうか?

お初のカリブ海産魚、その1、ロングスパインスクレイルフィッシュ(Holocentrus rufus)。
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一部が長く伸長した背ビレを持ったイットウダイ科の1種。
日本の水族館では見たことがないと思うのだけど、特徴的なヒレを持っていたこともあり、すぐに正体が判明した。
カリブ海では普通種らしい。
1匹しかいなかったが、カリブ海地域の水族館に行けば、それこそ普通に見られるんだろうな。

同じ水槽にいたミッドナイトパロットも確実に初めましてな1種だったけれど、それ以上にショックだったのが、どうやらイタヤラ(ゴリアテグルーパー)を見ていたらしいこと。
このブログを書くのに、あらためて撮った写真を漁っていたら、あれ!?、これは……
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長らく見てみたかった憧れの魚のひとつでもあり、ようやく遭遇できたはずなのに…… 不覚にも“ちゃんと”見てなかった(涙)

イタヤラは大西洋におけるタマカイのニッチを占めるカウンターパート種。同じく巨大化し、姿形もよく似ている。
水槽にいたのはあまり大きくない個体だった。そのため、“あぁ、ここにもハムールがいるのね”と真面目に見なかったのだ。
ちなみにハムールとは、現地で人気(食用で)のチャイロマルハタのことで、ここに来る前、シャルジャ水族館で山ほど見たので、そのくらいのサイズのハタ=チャイロマルハタだと思い込んでた。今改めて(写真を)見ると、ハムールにしてはデカいのに、何で気付かなかったんだろう、と。

写真が残っていたのはせめてもの幸いだが、憧れの魚を初めて見たというのに、何の記憶もない。
畜生!! これもドバイの水族館に魚名板がないせいだ!! と他人のせいにしつつ(汗)、もし、次にどこかでイタヤラに遭遇できたらなら、今この瞬間の悔しさも込めて、しっかり見てきたいと決意を新たにしたのでありました……

という訳で、ドバイ10部作、これにて終了!! 長い間お付き合い、ありがとうございました。
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シャルジャ水族館の気になる魚 [海の魚]

シャルジャ水族館で展示されている魚は、目の前に広がるペルシャ湾産のものが中心。
ロストチェンバー水族館にいた魚も地元率が高かったけれど、ここのものはほぼすべてが地元産ではないかと思われる。
そのため、日本では見ない魚も多く、初めて見る魚も少なくなかった。
ひとつ前のブログにも書いた通り、大水槽が全体の8割を占めるような水族館だったが、大水槽以外の水槽にも“おっ!?”と思わせてくれるような魚がおり、満足な魚名板もないことから、遠くから行ってる身としては、油断できない水族館だった(笑)

シャルジャ水族館でもっとも会いたかった魚が、大水槽にいたオオフエフキだ。
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ネット検索して得られた少ない情報の中で、いるのが分かっていた魚。
画像で見ていた時には「キツネフエフキもいるのね」くらいに思っていたが、顔がいくぶん短いような気が。でも、それは気のせいではなく、別の種類だったというワケ。
キツネフエフキによく似ているので、初めて見たのに“初めて見た感”は薄かったけれど、日本の水族館では展示されていないし、実際に見てみると、キツネフエフキというより、ハマフエフキを引き延ばした、みたいな感じで、両者の見分け方である目の下のラインを見るまでもなく、ちゃんと違う魚であることが分かる。

見にくい部分も多い大水槽の中でも、見えやすい位置にいてくれて、かつビュンビュン動き回ることをしないので、じっくり見られてありがたかった。
地元の魚ということでシャルジャ水族館には結構沢山いたが、何故かロストチェンバー水族館ではその姿を見なかった。

大水槽にはオオフエフキの他にも、現地でハムールと呼ばれ、もっとも美味しい魚として人気があるらしいチャイロマルハタとか、大きなシノノメサカタザメとか、1m超の魚も結構な数がいる。
しかし、ここで餌食べられるの? みたいな心配をしたくなる小さな魚もいる。
そんな心配? したくなるもののひとつがチョウチョウウオの仲間。
トンネルの頭上から、ひらひらと花びらが落ちてくるように目の前に現れたコーヒー色のチョウチョウウオ。
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黄色とか鮮やかな体色のものが多いチョウチョウウオの中にあって、何とも渋い色合い。
地元産のブラックスポッテッドバタフライ(Chaetodon nigropunctatus)だ。
チョウチョウウオなので、日本へも観賞魚として入ってくることもあるのかも知れないが、日本にもいるのだろうか? オレは見た記憶がないのだけれど……
これも、オレにとっては初めましての魚だったかも知れず、今頃になってありがたみを感じてる(笑)

大水槽で見た“初めまして”な魚の中で、見られてもっとも嬉しかったのはコガネアジだったかも知れない。
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名前はもちろん、どんな色、形の魚なのか、ということまでは知っていたのに、実物を見たことがなかった魚にようやく会えた。
実物は真っ黄色というより、黄色を帯びた体に、黄色いスポットがまばらに並ぶ、みたいな体色。
だけど…… 見えない!!
大きくて見えにくい場所が多い水槽の中で、死角を選んで泳いでる? みたいな位置ばかりを泳ぐ。
水槽の上からだといくらかその姿を見つけやすかったものの、大きな水槽の中に2匹しかおらず、すぐに見失ってしまう。
下の方に行ったと思えば、慌ててトンネルまで戻るものの、戻った頃に姿はなく、仕方なく下で待っても姿を見せず……
という訳で苦労した割に撮れた写真は証拠写真レベル。
大水槽で感じたもどかしさは、ほぼこの魚のせい。どこかで再会できると良いのだけれど……

大水槽以外の魚もいくつか。
入館後、横から見える最初の水槽にいるヨスジシマイサキ。
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シマイサキであることはすぐに分かった。でも、体高がやや低く、縦縞模様の間に細かな柄が入っていて、日本で見るものと違うことも分かった。同時に、初めて見た魚であることも。
それにしても不思議なのが、地味な印象もあるこれらの魚だけの水槽を最初に? 何故?地元では馴染み深い魚なのだろうか。ドバイのスーパーの鮮魚コーナーでは、これらの魚の姿は見掛けなかったけれど……
ちなみにこのヨスジシマイサキ、この水族館では数少ない魚名板による掲示があった魚でもあった。
同じ水槽にはコトヒキもいたが、“日本にいるものとは違うかも!?”と、頑張って撮影したが、帰ってから落ち着いて写真を確認してみると、こちらはどうやら日本にいるものと変わらなかったようだ(笑)

最後の1匹はサンゴ礁? 風水槽にいたタイワンタマガシラ。
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この水槽にはオトメベラがいたり、クマノミがいたり、ダブルバーシーブリームの小さな個体がいたりと、色々な魚が泳いでいるのだけど、そんなダブルバーに混じって、ちょっとカラーパターンの異なる魚が。
手のひらくらいの大きさで、最初は「ダブルバーもこのくらいの大きさだとこんな色をしてるのか?」なんて思った。一緒に泳いでるし。
しかし、よく見てみると顔が全然違う。もちろん、形も違う。
別の魚であることは分かったが、さて、こいつは誰だ? と思いつつ、UAEで撮った魚の正体を調べていた時のこと。
ロストチェンバー水族館で撮ったアラビアンモノクルブリームの正体を調べるべく、タマガシラの仲間を色々漁っていたら、「あっ!!」
和名にタイワンとあるように、日本近海にもいるようなのだけど、数は少ないらしい。
見た記憶もなかったし……
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ロストチェンバー水族館の気になる魚 Vol.2 [海の魚]

ロストチェンバー水族館の大水槽では、見てみたかったダブルーバーシーブリームを最初に見つけて喜んでいたのも束の間、続々と現れる見たことのない魚たちに嬉しい悲鳴をあげてた。

ペルシャ湾は、タイやフエダイだけでなく、イサキの仲間も多いらしい。
アヤコショウダイとかムスジコショウダイとか、日本の水族館でも見られる種類も沢山いたが、もっとも数多くいたのはブラックスポッテッドグラント(Plectorhinchus gaterinus)だった。
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コショウダイの仲間なのはすぐに分かる。でも、こんな鮮やかなヒョウ柄(チーター柄か?)のものは見たことがない!!
こういう分かりやすい見たことない種類の存在は最高!! ダブルバーシーブリームに続いて大喜びさせてくれた魚だ。綺麗だしね。
ペルシャ湾ではとりわけ多い魚なのか、大水槽以外にもサイズの違う個体が沢山いた。

ブラックスポッテッドグラントに喜びながら、その姿を写真に収めようとあたふたしていたら、目の前に違うコショウダイが姿を現した。
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ブラックスポットとは違い、よく言えば迷彩柄だが、悪く言えば汚らしい柄の魚。
もちろん、見るのは初めてだから、それがコショウダイの仲間であることくらいしか分からない。
これも何匹もいたので、こういう柄の種類がいるんだな、と日本に帰ってからの宿題となった訳だが、どうやらソーディッドラバーリップ(Plectorhinchus sordidus)という種類らしい。
同じような色合いの、柄無し個体もいて、それが同種なのかは定かではないんだけど、柄無しは皆、小さくて、この汚ら… じゃない、迷彩柄の個体は大きいものばかりだったので、成長し、大型化するとこういう柄に変化するのかも。
ブラックスポットほどではないけれど、柄無まで含めると、それなりの個体数がいて、やはり数が多い魚のひとつのようだ。
コショウダイとかコロダイとか、その手の魚は他にもいろいろいたようで、これはあれと同じだろうと見落としたものも多くいそうな雰囲気。やっぱり再訪が必要か!?

暖かい海の魚と言えば、鮮やかな色の魚… とりわけ青や緑の体色を持ったブダイの仲間はイメージにピッタリな存在と言えるだろう。
ペルシャ湾にもそんな南国的雰囲気のブダイがいるらしい。
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数は多くなかったけれど、見たことないブダイ類。日本にはいない種類らしく、日本に産する種類に同様のカラーパターンを持つものは見当たらなかった。
どうやら、ガルフパロットフィッシュ(Scarus persicus)という紅海やペルシャ湾などに生息する種類のようだ。
葛西で言うところのターミナルフェイズ(雄相)だが、鮮やかさはそれほどでもないような……!? 機嫌でも悪かったのだろうか。
ただ、こやつもそれなりにサイズがあり、巨大な水槽の中でも埋没してしまわないくらいには目立っていた。

ここまで登場させた魚たちは、いずれも水槽内で目立っていた魚。
ガルフパロットはそうでもなかったけど……
ここから先は、偶然見つけた魚。だから写真もとりあえずな証拠写真的なクオリティ。

大水槽の綺麗さと、行き交う魚たちを眺めつつ浸っていたら、遠くにこれまた見たことない魚の姿。そういう意味で、ロストチェンバー水族館の大水槽はぼんやり眺める暇を与えてくれない。
何だありゃ? 〇×タマガシラ? でも、あんな柄のやつは見たことないぞ。というのがコレ。
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調べてみると、アラビアンモノクルブリーム(Scolopsis ghanam)らしい。
タマガシラの仲間にしてはそれなりのサイズだったが、この個体も20~25㎝くらいだっただろうか。
そこそこの時間を待ってみたけれど、アクリルの近くまで来てくれることはなく、透明度の高い水槽でもこの程度しか撮れなかった。
タマガシラらしく、狭い範囲で少し泳いでは止まり、みたいな動き方をしていたが、性質は強くないのか、自分より小さいニザダイ類に追い散らされて結局どこかに消えてしまった。
しっかり撮りたいけれど、ドバイまでもう1度行ったとしても、こいつはよほど運がないと難しそう。

最後の1種類も同じく不鮮明な画像した残せなかったオオクチイケガツオ。
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遠く水面付近にイケガツオの姿を発見し、イケガツオもいるんだなぁ、なんて思っていたら、体側のスポット模様が大きく、数が少ない。
ん!? あんな柄のイケガツオ、いるのか!? と思いつつ気にしていたら、次に見掛けた時、ようやくその顔が見えた。
何あれ!! オレの知ってるイケガツオじゃない!!

短く、より凶悪な? 感じ。見たことない種類であることが分かった。
しかし、あの大きな水槽の中に2匹しかおらず、しかも常に水面付近にいて、下の方へは降りてこない。
それどころか、すぐにその姿を見失ってしまう。水槽が大きいだけに探すと見つからず、上階の窓のところに行こうとしたら、宿泊者のみとのこと。
諦めかけた頃、ダイバーが入ってきて、魚に餌を与え始めた。
魚の数が多いので、ダイバーの周辺は黒い竜巻のような状態になるのだけど、その竜巻の外周部分に目的のイケガツオが!!
この日、もっとも下まで来た瞬間だった。慌ててカメラを構えるも、これまた証拠写真レベル。
とは言え、こいつも写真に収めるのはかなり難しそう。アトランティスに宿泊すれば何とかなるのかなぁ?
でも、高いんだよなぁ……

それでも、そんなことを真面目に考えたくなるくらい、魚好きのオレには楽しい水族館だった。
こんなの書いてると、また行きたくなってきちゃうなぁ……
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ロストチェンバー水族館の気になる魚 Vol.1 [海の魚]

今にして思えば、ドバイ行きの最初のきっかけは、以前やらせてもらった水族館ブロガーイベントの打ち合わせの時、めnちがロストチェンバー水族館に行った時の画像を見せてくれたことだったのかも知れない。
そこに写っていたのは、見たことのない魚の姿。その時見た画像が、オレをドバイまで引き寄せたと言ってもいい。

その魚というのがダブル(トゥー)バーシーブリーム(Acanthopagrus bifasciatus)。
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独特な色、柄のタイ科クロダイ属の魚。
日本へは観賞魚として入ってくることもあるらしいが、オレは見たことがない。日本の水族館で飼育しているところはないのではないだろうか。
地元、ペルシャ湾を象徴する魚のひとつで、大小さまざまなサイズが沢山いた。
最初、ひと目見た時は、あっ!! あの魚!! と感動の対面だった訳だが、あまりの個体数の多さと、次から次へと現れる未知の魚の前に、かなり早い段階で、キミ、もういいや、になってた(笑)
でも、ロストチェンバー水族館で見るこの魚は、本当に綺麗だった。

ペルシャ湾にはタイやその近縁種が多いのか、複数種類の見たことないタイ科の魚を見ることができた。
中でもダブルバー以上に驚いたのがキングソルジャーブリーム(Argyrops spinifer)と思われる大型タイ。
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キリッ!! カメラ目線いただきました(笑)

著しく体高が高く、頭部から背中にかけてが著しく突出するというインパクトある見た目。
最初にその姿を見た時、あまりに特異な見た目に、奇形? と思ったくらいだ。
それが何匹もいるので、奇形の疑いは晴れたが、そのサイズの大きさといい、インパクト強いルックスといい、これまたものすごくカッコいい魚だと思った。

タイに近いところで、お次はフエフキダイ科。
アマミフエフキ? だろうか??
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フエフキダイと言えば、沖縄の魚として高い知名度を持つハマフエフキ(たまん)が有名だが、この魚が目の前を横切った時、咄嗟に“赤いたまんがいた!!”と叫んだ(心の中でよ)。
でも、たまんにしては体高が低く、何より体が赤い。これまで数多くのたまんを見てきたが、こんなに赤い個体は見たことがない。
そこで、アマミフエフキだろうという結論に至ったのだけど、アマミフエフキなら生きた姿を見た覚えがないし(覚えてないだけかもだけど)、何より、こんなに大きな個体は見たことがなく、強く印象に残ったのでここに並べる。

タイ、フエフキダイときたので、お次はフエダイ科。
ロストチェンバー水族館の大水槽、種類数もさることながら、個体数も多く、そして水槽も大きいから、違う窓を覗くと“こんなのもいたの!!”となることが多かった。

大きな群れを作って泳いでいたチカメタカサゴ(Pinjalo pinjalo)もまさにそれ。
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大きな群れ、しかも1匹1匹が大きいにも関わらず、その存在に気付かない(目の前の魚に集中し過ぎていたところもあるけれど)ことも、この水槽の巨大さならではだが、アクバー提督(@スターウォーズ)みたいな顔をしたこの魚も、初めて見たものだ。
日本に戻って調べると、和名があったが、日本にもいるの? 日本の水族館で出会った記憶はないのだけれど……
それ以前に、和名にある“タカサゴ”に違和感だ。タカサゴって言ったら、大きくても30㎝くらいの小魚のイメージ。しかしこの魚ときたら、70㎝はあろうかという巨体だったから。
まぁ、強いて言えば、ユメウメイロ(タカサゴ属)の老成個体にはちょっと似た感じあったけれど……
泳いでいたものは、中には赤っぽいものもいたが、ほとんどは黒っぽいグレー。でも、その大きさといい、顔つきといい、これまた強いインパクトを残した魚だった。

インパクトという点では、ストリークドスパインフット(Siganus javus)もたまらない。
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こいつはアイゴの仲間。もちろん、見たのは初めて。
黒っぽい体に、虫食い状の白い模様が密に入る色柄が、大きな水槽の中でも目を引いた。
独特な体色は綺麗だと思ったし、しかもこいつも結構大きい。50~60㎝くらいがアベレージサイズ。そんなのがゴロゴロいる…… のだけど、なかなかアクリルの近くに来てくれず、写真を撮るのには苦労した。

こんな感じで、見たことがない魚がゴロゴロしてる。
しかも、ひと目で見たことがないことが分かる、分かりやすい特徴、大きさを持った魚たち。
これはハァハァしない訳はないってもんだよね。
おまけにこうして、知らなかった魚たちの正体を探すという宿題も楽しめたから、ロストチェンバー水族館の大水槽はホント、大きな収穫が得られた。
なお、魚の同定は主にFishBaseを使った絵合わせによるもの。外してはないと思うけれど、正しい手順の同定ではないので、正確性はあくまで“その程度”。

水槽の透明度の高さに、遠く離れた魚にもピントが合うだろうと、構わず撮りまくってたが、やはり遠くにいる魚にばっちりピントは合わず、残念な写真も多数……
もう1度、撮りに行きたいなぁ……

という訳で、見たことない魚シリーズは来週も続きます!!
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