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激レアモルミルス祭り@サンシャイン水族館 [淡水魚]

そういうイベントや祭りがある、という話ではないのだけれど……

サンシャイン水族館の2F、アフリカの川の水槽。コンゴテトラが群れ泳ぐ水槽と言えば分かりやすいだろうか。
あの水槽がとんでもないことになっているのだ。
モルミルスが大量に追加され、種類数、個体数ともに沢山いて、まさしく“祭り”状態。しかもそれらは、見るのは難しい超激レア種ばかり。少なくとも水族館では、サンシャイン水族館でしか見られないものだ。

もともとあの水槽には2~3種類のモルミルス類がいて、エレファントノーズと魚名板も出ているが、追加された種類に関しては何も出ていないし、この先も出るかなぁ?
でも、新たに展示が開始されたモルミルスたちを見てみようと思ったら、できる限りじっくり見てみて欲しいと思う。
というのも、同じ(ように)に見える魚が、実は違う種類、というのがモルミルスではとりわけ多いから。
よくよく見ていると、あれ、これとこれ、ちょっと違う、みたいに、わずかな差に気が付いたりする。わずかでも違いがあれば、恐らくそれは別種。

例えば、
追加されたモルミルスでもっとも大きな個体。
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そしてこの個体。
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広義で“ドルフィンモルミルス”と呼ばれるモルミルス属の1種で、下の画像の個体が少し小さいのだけど、パッと見では同じ種類のサイズ違いにしか見えない。
でも、この2匹、別種なのだ。

よく見ると、背ビレが立ち上がる位置や突き出た口の形、体型自体も違っているなど、結構な違いがあることに気付く。
大きく目立つ2匹なので、これは入門編。
ちなみに、画像上の種類がM.caballus、下の個体がM.longirostrisという。
どちらも珍しい魚だが、M.caballusはウルトラ激レア種らしい。らしい、としたのは、オレ自身もその価値がよく分かっていないから。

周りを泳ぐ他の種類も同様で、マルコバンみたいな顔をした丸い頭の個体たち。
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個人的にはペトロケファルス属の何かだろう、くらいのレベルでしか分からなかったのだけど、これまたよく見てみると、何種類もが含まれているようで、種違いだけでなく、属から違いものもいそうな雰囲気。
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これらの見分けはかなり高難易度だが、まずはこの個体。背中側に黒いスポットという分かりやすい特徴がある。
もちろん個体差じゃなくて、そういう種類。Petorocephalus balayiという。
ちなみに上の画像(上から3番目の画像)の個体はPetrocephalus tenuicaudaという種類。下のP.balayiとほとんど同じ形をしてるのに種類が違うのだ。
この水槽にいるペトロケファルス属はこれら2種類以外に、あと数種類はいそうな雰囲気。
もちろん、いずれもかなり珍しい種類だ。
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そしてこの個体。同じような丸頭同士で緩く群れていたので、同じ種類だと思っていたんだけど、よく見ると少し体型が違っていることに気が付いた。
パッと見は同じに見えるが、こちらは別属でCyphomyrus discorhynchusという種類。

この水槽にいるモルミルスが全部で何種類いるかは分からないが、同種だと思って見ていたよく似た2匹が別種だった、というのはほとんどの個体に当てはまりそう。
もう1回、同様のブログを書けるくらいには見てきたつもりだが、それが何という種類なのか調べるのが大変なので、ここら辺りで止めておこうと思う(笑)
気になる人はサンシャイン水族館で頑張ってみて欲しい!!

モルミルスの仲間はごく一部の種類を除き、観賞魚趣味の世界でも超マニアックなグループである。
同種、近縁種を中心に混泳に難儀するものが多いうえに、飼うにもややクセがあるものが少なくない。
そのため、日本に輸入されてくる種類はごく少なく、ここに並べたような種類はどれも“よくこんなのが日本にいたなぁ!!”レベル。
とりわけ鼻(口吻突起)がない種類は、少数派で大抵の場合、超激レアだったりするのが普通。
日本国内では、先週のブログに登場したカグラザメより見る機会は少ないのではないだろうか。そういうレベルの魚たちだ。
展示されている個体たちは、それまで暮らしていた環境と異なるためか、肌荒れしれるような個体も見受けられた。すぐに死んでしまうことはないと思うが、何があるか分からないのが生きた魚である。
とてつもなく珍しい魚を見ておきたい。そう思ったなら、早めに見ておくといいかも知れない。人知れず見られなくなった個体が、実は日本に1匹だけだった、そんなこともあり得る魚たちだからね。
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超激レア深海ザメ・カグラザメ @竹島水族館 [サメ]

竹島水族館には2010年以降、少なくとも年に1回以上は足を運んでいたのだけど、コロナ禍以降、すっかりご無沙汰。
行かなくなるとさらに足が向きにくくなるものだが、そんなところにカグラザメが入ったらしいという話が聞こえてきた。
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水族館からも公式発表があり、それと前後するようにTwitterには駆け付けた人たちによる沢山のカグラザメの画像が並んだ。
つまり、オレが見たいものは簡単には見られない状況なのだろうなぁ…… 行こうかどうしようか迷っていたら、平日の混雑具合はそれほどでもないとも。
しかも、目的のカグラザメも元気にしている模様。
コロナ禍以降、以前よりもずっと重くなってしまった腰をカグラザメに押してもらい、3年ぶりの竹島水族館へ。

目的のサメはというと……
いた!! 個人的にはその姿を見るのは7年ぶり2回目。
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公式発表直後にTwitterなどで見た画像と比べると、体表のスレ感や眼の表面の傷みが進んだような感じだったけれど、それでも体の状態はとても綺麗。
搬入されたのは発表されたよりも少し前だったそうで、既に10日以上は展示されているという好成績ぶり。状態よく漁獲され、その後のケアもよかったのだろう。
まだ本格的なシーズン前だというのに、いきなりこんな大ネタ。こんなこともあるものなのかと驚かされた。
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7年前に見た個体はもっと黒っぽかったような印象があるが、竹島水族館で展示されているものは以前見たものよりも色合いが薄く、照明の影響もあるのか紫がかったような色合い。
サイズは全長で70㎝といったところ。恐らく産まれて間もないのだろう。どことなくヒョロッとしていて、顔つきにはあどけなさがある。
でも、つるんとした背中や、6対の鰓孔などカグラザメならではの特徴はきちんと見ることができる。
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基本的に着底していて、そこでジッとしているのだけど、時々泳ぎ始めると、水槽内をグルグルと泳ぎ、しばらく動くとまた着底してジッとする、みたいな行動パターン。

これがこういうものなのか、はたまた状態がいいのか悪いのか。もちろん分からないのだけど、担当のスタッフさんからすると気が気じゃないようで、泳がなくていいからジッとしてて!! と思ったりするらしい。
泳ぎ回ることで体に傷がつくかも、とか、眼を擦るかも、とか、心配しだすときりがない。
そういえば、同じような話をどこかの水族館でも聞いたなぁ…… スタッフさんの話を聞きながら、飼いにくいサメに四苦八苦していた他施設のスタッフを顔を思い浮かべたりなど。

カグラザメが水族館に搬入された例は少なく、生きた姿を見るのはかなり難しい種類、そう思っていたのだけど、展示個体を漁獲した漁師の人の話では、よく獲れるものらしく、別段珍しいものではないのだそうだ。
しかも、今回展示された個体の状態が特別いい訳ではなく、漁獲直後のケアがある程度はなされたものの、その扱いはごく普通に、というものだったとか。
海水温が下がる時期に、もっと丁寧にケアを行えば、今以上にいい状態で搬入される可能性もある!?
水族館のスタッフさんの話を聞いていると、そんな風にも思えたのだけど……

とは言え、現時点ではなかなか見られない極めて珍しい種類であることは間違いないし、もしかしたら今回の展示個体が最後の機会である可能性だってある。
展示された2匹には1日でも長く生きて欲しいが、この先、状態が悪くなってしまうことも考えられる。

例によって、だが、見たい人はなるべく早く行くことをオススメしておく。
とりあえず、この週末は大丈夫。だと思う。多分……
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