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浅虫水族館の気になる魚 Vol.3 淡水魚編 [淡水魚]

メインディッシュの後は美味しいデザートをもって満足感とともに終了するのがコースメニューだが、浅虫水族館の2Fの展示はまさにメインディッシュたる1Fの展示を見終えた後、その満足感をさらに高めてくれる極上デザートだ。
中でも、リニューアルされた古代魚の水槽は個人的にも大きな目的だった。展示に再登場した2種類のガーたちに誘われた、みたいな感じだろうか。

浅虫水族館で見られるのはニカラグアガーとアリゲーターガー、Atractosteus属の2種類。
ちなみにニカラグアガーというのは俗称で、トロピカルガーの1タイプでニカラグアに産するもの、と説明すればより正確だろうか。
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日本の水族館でも何か所か見られるところがあるが、「ニカラグアガー」として展示しているのは浅虫水族館だけだと思う。
ニカラグアガーは1994年に1度輸入されたきりで、今、日本国内にいるのはその時のものか、2014年に少数が流通した国内生まれの個体のみ。大変希少な存在だ。
それもあって、ニカラグアガーとしての展示は、この魚が希少な珍しいものであることを伝えてくれているようでとても好感が持てる。

同じ水槽の2匹のアリゲーターガーたちも、他魚に委縮することもなく、ガーらしいのんびりゆったりした動きを見せてくれている。
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ガー以外にはアロワナや肺魚も混泳しているが、種類が異なるアロワナたちも穏やかな性格の個体が揃っているのか、水槽の雰囲気は非常に穏やかなものだった。そのため、ガーのヒレや身体の傷みが少ない点も高ポイントだ。
アリゲーターガーというと、TVなどの影響で悪いイメージがついてしまったが、この水槽をじっくり眺めれば、そんなイメージが誤りであることを気付かせてくれるのでは、そんな風にさえ思った。
水槽の前にベンチでもあったなら、そこに座っていつまででも眺めていたい。そんな風に思うほどリラックス効果の高い水槽だとオレには感じられた。

ガーたちがいる水槽の隣も以前とはガラリとイメージを変え、大きな水草レイアウト水槽へと生まれ変わっていた。
水草を育成するための照明と、それに照らされた鮮やかな緑がまさしく目に眩しいような、とても綺麗な水槽だった。きっと、暗く長い冬がある地元の人たちにとって、まさしく癒しの水槽なのではないだろうか。
何でも、水草育成に長けたスタッフ氏がいるそうで、その人が主導して制作されたのだという。水草水槽の長期維持は大変なことも多いのだが、技術を持った人がいるお陰なのだろう。とても綺麗な状態だった。
中を泳ぐ魚は、南米産のテトラ類の他、マーブルやブラックなどのエンゼルフィッシュの改良品種が数多く入っていた。
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水槽が大きいこともあるのだろう。そんなエンゼルたちの綺麗さに大いに驚かされた。
大型のレイアウト水槽ではアルタムなどのワイルド種が入れられることはあるものの、改良品種がそういう使われ方をすることは少なく、加えて、小型水槽の人気が高い昨今、エンゼルフィッシュ自体の人気も下火らしい。
そんな状況もあり、最近、綺麗な改良エンゼルを見る機会はめっきり減っていたから、久しぶりに見る超ハイクオリティなエンゼルフィッシュたちには大いに感動させられた。
それなりのサイズの水槽でちゃんと飼えば綺麗になる。そんな超基本的なことを思い出させてくれるようだった。
遠目で見る水草水槽の綺麗さに感動した後は、水槽に近寄ってエンゼルたちの美しさにも驚いてみて欲しい。この水槽にいるほど綺麗な改良エンゼルはなかなか見られるものじゃないから!!

水草水槽や古代魚水槽の並びにある浅虫水族館有数の大型水槽。6年前には、ここにガーたちが入っていたが、現在はピラニアの水槽になっていた。

数は多く入っているが、それこそどこにでもいる種類(Pygocentrus nattereri)のみ。贅沢だが、見る分にはそれほど面白い水槽じゃないかも、と、素通りしようとした時、横目に泳ぐピラニアたちの姿が見えた。
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おっ!! ここのピラニア、やけに綺麗だぞ!! と立ち止まって見てみると、やけに色鮮やかな個体が多い。
赤の鮮やかさだけでなく、その面積も広い。産地などによっては、こうした鮮やかな個体群もいるようだが、そんな特別なものではないはず。違う種類かと思うほどの色鮮やかさに驚いたと同時に、その秘密が知りたくなった。餌? 水?
やけに綺麗に仕上がったエンゼルの例もある。やっぱり、青森は水がいいのかなぁ!?
良さそうなイメージはあるけれど……

2Fの展示は基本的に淡水魚だが、すべてが外国産という訳ではない。
地元や近隣に住まう魚もいる。
6年ぶりに見る日本の淡水魚を展示した水槽は、照明なども変わったようで、以前より見やすくなったような気がした。
そこにいたアルビノのイトウも気になる1匹となった。
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青森にイトウは自然分布していないが、養殖は行われているらしく、かなり大きな個体が2匹、展示されていた。その内の1匹がこのアルビノ個体だ。
作出されたものであること、しかも、見たことがない訳でもない。でも、この大きさ(1mくらいあった)でこの綺麗さはなかなかのものだと思う。
養殖のサケマス類は体型の崩れが激しく、イトウも例外ではないが、ここにいた個体はそれらしい体型がちゃんとキープされていて、ヒレなどの傷みも少ない。
養殖由来の個体でこれだけ綺麗ならそれだけで価値があると言ってもいい。しかも、見えやすい位置にいてくれたし。オススメの1匹です!!
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