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葛西臨海水族園の気になる魚 Vol.5 [海の魚]

降って沸いたアオザメの登場に盛り上がった葛西臨海水族園だけど、普段のオレにとっては、気が向いた時? などにふらりと足を運ぶ施設だったりする
ちょうど、カメラが修理から戻ってきたこともあって、その様子見も兼ねて、ふらりと。
そういえば、カメラがらみの新機材を最初に試すのも葛西であることが多い。

葛西臨海水族園で、お気に入りの水槽がジャイアントケルプの水槽だ。
特別に好きな何かがいる訳ではないけれど、自然光が入り、魚の色が綺麗に見えること、そしてその背景に本物の海藻が茂り、それらりい雰囲気なのがお気に入りの理由だ。

最近の葛西で気になっているのは、そこを泳ぐ1匹であるカリフォルニアシープヘッド。
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この水槽には2匹がいて、いずれもまだ若い個体。
なのに、写真の個体は雄相化、葛西風に言うなら、ターミナルフェイズ化している。
しかも、ご覧の通り、それが綺麗!!
このシープヘッド、コブダイと同属なので、成長したオスはコブダイの成熟雄のような姿になるのだけど、そんな状態にはほど遠いサイズながら、しっかり雄化している。
2匹のみの環境で、力関係がはっきりすれば、若くても性転換するのだろうか? とか、いつからいて、いつ体色が変化し始めたのか知らないとか、色々と気になっているのだけど、とりあえず綺麗なので葛西に行くと何カットか撮るお気に入りの1匹だ。
コブダイ的姿の大型オスはかつて、海遊館で見たことがあったけれど、色は葛西のものが断然綺麗!! あとはこのまま成長して、それらしい姿になってくれる日を楽しみにしている。

ケルプの水槽で気になるのはもう1種いて、ジャイアントケルプフィッシュという海藻の葉っぱみたいな魚。
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その名もずばり、ジャイアントケルプフィッシュだから、ジャイアントケルプの森で暮らす魚なのだろうけど、色や形はまさにケルプの葉っぱのよう。
葛西にいる個体ときたら、頑ななまでに? 水面にいて、いつ行っても見える位置にはいてくれない。
いつも水面にいるので、見上げればいることは分かる。でも、ちゃんと見えない。
ケルプの葉っぱは見えやすい位置にもあるというのに…… 他の魚がイヤなのだろうか?
いつか、ちゃんとその姿を見たい(撮りたい)気になる1匹だ。

ジャイアントつながりでもう1匹。最近、再登板となったジャイアントホークフィッシュ。
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2012年に期間限定で展示されていた世界最大のゴンべで、他魚との混泳が難しいという理由で前回は仮設の水槽で単独で展示。今回も単独での展示だ。
余談ながら、このブログでも再登板である。
日本の魚ではないし、葛西以外では海遊館で見たことがあるだけ(今でもいるのかは分からない)なので、水族館では珍しい魚なのだろうと思う。
ずっと単独で飼われているお陰で? 太り過ぎることなく綺麗な体型が維持されている。
今回の展示は、常設の水槽だから、期間限定ではないのかな?

ジャイアントホークフィッシュの再展示はTwitter、それも公式ではなく、行った人による投稿で知ったものだ。
オレのフォロワー界隈には、魚に関する変態(誉め言葉よ!!)が多くひしめいているようで、そういう人たちの発信によって、いち早く“重箱の隅”系な魚に遭遇できたり、見落とさずに済んだりする機会が得られている。ありがたい限り。
そんなTwitterで見掛けた珍魚? がヨロイウオ。
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ヘコアユに混じって展示されているらしいので、見てみた。
ヨロイウオなんて、正直、名前も知らなかった。
すぐに分かったけれど、好みのタイプではないこともあり、大きな感動が沸き起こる…… ということはなかったけれど、多分、初めて見たはず。
存在すら知らなかった魚を、生きた姿でその存在を知り、よく似たヘコアユと見比べることもできた。
これはもう、特別な体験と言っていいと思う。
オレと同じ体験をしたい人、あるいは、生きたヨロイウオが見てみたいという人は、ヘコアユが泳ぐ水槽にいるので、確認のほど。

最後の1匹は、ビブ。
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この魚の展示が開始されたのは夏頃のことだったと思うのだけど、何でこんな魚? と思ってしまうような、ある意味、葛西らしい珍魚だ(笑)
フランスダラとも呼ばれるらしい、タラの仲間。でも、小さくて寸詰まった体型。タラと聞いて思い浮かべる魚たちと比べると可愛らしい印象だ。

ところで、フランスでビブと言ったら、ムッシュビバンダム(ミシュランのキャラクター)のことだが、このフランスダラも何か関係があるんだろうか?
それはともかく、葛西では初展示だそうで、つまりは、日本初展示ということか!? もちろん、オレ自身は葛西以外では見たことがない。
こういう“訳の分からない”魚をしれっと展示してくれるのが葛西のいいところだよなぁ!! しかも見やすいし。
それはともかく、タラの仲間は好きなものが多い。このビブも、展示開始以来、何となく水槽を覗きに行くお気に入りがひとつとなっている。
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アオザメがやってきた!! @葛西臨海水族園 [サメ]

またひとつ“夢”が叶ってしまった。

11月20日、葛西臨海水族園にアオザメが搬入され、翌日より展示がされたからだ。
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アオザメ。個人的にもっとも見てみたかったサメのひとつであり、夢の魚。
その飼育はきわめて難しいらしく、これまでも串本、須磨、むろとなどの各施設に生きて搬入され、展示されたことはあったものの、いずれも短時間で終了。
駆け付けようにも、展示終了までの時間が短すぎて間に合ったことはなかった。
残念ながら今回も、22日朝の時点で展示終了が発表され、1日のみの展示期間となった。
つまり、水族館で生きた姿が見られるなんて、限りなく奇跡に近い。よほどの幸運に恵まれない限り、その泳ぐ姿は拝めるものではない。

少し前、葛西ではイタチザメの幼魚が搬入されており、その筋のマニアたちがTwitterのTLを賑わせて? いた。
そのイタチ仔を見に行くつもりで、21日の朝、混雑状況でも見ようと葛西臨海水族園のTwitterを見てみたら…… 何とアオザメを搬入しました、と。
動転しそうになったが、あらためて日付を確認すると、2019年11月20日とある!! 降って沸いた超ラッキーに、取る物も取り敢えず葛西へと駆け付けた。

アオザメがいるとされる回遊水槽へ。
しかし、いくら見回してもその姿が見えない。間に合わなかったか!?
落胆しかけていたら、ウェットスーツを着たスタッフ氏が入水。大きなマグロが泳ぐエリアとの仕切り部分から、何かを引き上げている。
案の定、それが目的のアオザメだった。引き上げられたアオザメは、それからゆっくりと泳ぎ始め、スマやハガツオが泳ぐエリアまで泳ぎ出てきた。

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初めて見た!! 当たり前だけど。
思っていた以上に青くなかったこともちょっとした驚きだったが、それよりも各ヒレの小ささに驚かされた。
胸鰭も背鰭も“これだけ?”と思うくらいに小さい。とりわけ、第2背鰭と臀鰭の小ささは、これ、付いてる意味あるの? と思ってしまうくらいに小さかった。
アオザメはサメの中でもっとも速く泳ぐ種類と言われているが、鋭く尖った円錐形の吻端とか、力強い筋肉で形作られた丸太のような胴体は、どこかコンコルドを連想させる。そこに小さなヒレを組み合わせた形こそ、無駄をそぎ落とした“サメにおける最速フォルム”なのだろう。
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遊泳の際の体の振りも回数が多く、鰭の揚力に頼らず、大きな尾鰭をブンブン振って泳ぎ続けるスタイルなのか!? 揚力以上に推力重視!? そんな部分もコンコルド的イメージ。燃費も悪いのだろうか? ただ、体の振り回数が多いのは、もしかすると状態の影響の可能性もあるけれど……
得られた驚きや発見の多さは、やはり生きた実物が見られたからこそだ。今回のこの展示に携わった葛西臨海水族園と、スタッフ氏にあらためて感謝したい。



でも、生きて泳ぐアオザメは、それを継続して飼う難しさも見せてくれたような気がした。

かつて、美ら海水族館の前館長、内田詮三氏が「アオザメみたいな、沖合でビュンビュン泳いでいるようなタイプは、カッコはいいが、水槽では壁を認識しないので飼いにくい。」と仰っているのを聞いたことがあったが、そんな言葉が頭に蘇ってくるほどに、水槽のアオザメは壁や障害物を避けられていなかった。

眼が大きく視力も良さそうなのに、水槽の端まで行くとアクリルにぶつかったり、特に水槽内側に張り出したアクリルパネルの端の部分が鬼門だったようで、そこにぶつかり引っ掛かってしまうことが度々見られた。
そんなところが障害になるの? みたいな部分だが、アオザメを水槽で飼うなら、まず、水槽内の突起物はどんな小さなものでも無くさなくてはならないようだ。
いろいろと妄想は膨らむが、そもそもアオザメなんて、生きて輸送するのが究極に難しい部類なはずで、それをわざわざ水槽を作ってまで長期飼育にチャレンジする施設、出てくるかなぁ…… チャレンジしてくれるところがあれば嬉しいけれど。

状態がよくないのもあってか、どこかに引っ掛かったりすると、そのまま泳ぐのを止めて沈んでしまう。
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アオザメの場合、止まる=窒息だから、着底してしまうや否や、長い棒に取り付けられた網やその枠などが伸びてきて、サメの遊泳を促したり、どこかに引っ掛かってしまった際は、そこから外したりと、ケアが続けられていた。
時間の経過とともに、着底してしまうことも増えていたが、その度に誘導棒が下りてくるので、担当スタッフ氏はきっと、付ききりだったのだろうと思われる。
そのお陰で、21日の開館中はとりあえず遊泳状態を見ることができたし、しかもそれが、人口が多い東京の、行きやすい水族館に来てくれたこともラッキーだった。
オレと同じく夢が叶った人もいただろうし、少なくないサメファンが、一生に一度かも知れない幸運を掴めたのだからね。

そもそも、葛西に行くきっかけとなったイタチザメ幼魚はというと……
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元気に泳いでた。
毎年、今くらいの時期になると、全国あちこちの水族館で“イタチザメを展示しました”というニュースが聞かれるような気がするけれど、暖かい海域で産まれた幼魚が黒潮に乗って本州沿岸にやってくる、みたいなことだろうか?
今回、葛西にやってきた個体も、産まれて日が浅そうな幼魚。
既に餌も食べ始めているそうで、すぐに死んでしまうとかいうことはなさそう。
でも、長期飼育が困難な種類であることは間違いないので、今だけの可愛い姿を見ておきたい人は、なるべく早く行っておくことをオススメしておきたい。
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響灘グリーンパークの気になる魚 [淡水魚]

ここでしか見られないようなものはいない…

ひとつ前のブログでそんなことを書いたけれど、カンガルーを別にすれば、それはその通り。
でも、何となく気になった魚がいたので、久しぶりの“気になる魚”。

まず、ピラルクー。
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40㎝くらいの小さな個体が2匹いたんだけど、いると思っていなかったので、ピラルクーいるんだ!! というちょっとした驚き。
福岡県内でピラルクーを展示しているのはここだけ? みたいな気もするので、そういう意味でも貴重な? 2匹だ。
かめきちさんのブログで見た写真では、滝の裏側の水槽にはピラニアがいたはずなので、知らない間に交代したのだろう。個人的にはピラニアよりピラルクーなので、その交代は歓迎したい。
でも、今の水槽ではそれらしいサイズにまで成長することはできないから、それほど遠くない未来にティラピアの池か、パールムの池に恐らく引っ越すのだろうと思う。どうせ見るなら、その時に会いたかったなぁ。
すぐに行ける近くの人や、これから行ってみようという人は、もう少し待つといいかも知れない!?

ピラルクーがいる水槽の並びの水槽にいたテッポウウオも気になった。
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テッポウウオとして展示されていたこの種類、Toxotes blythii。
観賞魚の世界ではゼブラアーチャーとして流通するミャンマー産の種類。水族館などでは初めて見た。
口から水を飛ばすから鉄砲魚、という意味ではこの種類でももちろん間違いじゃない。
でも、普通、テッポウウオというと、黒いスポットが並ぶT. jaculatrixが一般的。
その“一般的なテッポウウオ”に比べてゼブラ(T.blythiiのことね)が格段に珍しい、という訳でもないのだけど、日本の水族館ではなかなか見ない魚なので、テッポウウオでこれ展示する!? みたいな驚きがあったのだ。
でも、このゼブラは、よく見るテッポウウオより淡水への適応度が高いようで、普通の水でより飼いやすい傾向にあるようだ。
そういう意味では、今後、水族館でよく見る種類になっていくかも!?

大きめの魚がひしめく、アクリルが取り付けてある2つの池。
それらの池には、魚名板こそ出ていないが小さなシクリッドが沢山いる。主にマラウィ湖産のゴールデンゼブラのようだ。
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色々なサイズがいるので、どうやら勝手に殖えているらしい。
ゴールデンゼブラなどこの手のシクリッドは、現地の言葉で“ムブナ”と呼ばれる沿岸域に生息する小型種で、主に藻類を食べる、みたいな解説がなされるグループ。古くから観賞魚としても一般的な種類。
大昔、ウチにもいたことがあるけれど、こういう解説を読む度に、ホントに藻類なんて食うのか? みたいに思ってた。
だって、水槽ではコケなんて見向きもしないし、そもそもコケに興味を示す場面すら見たことがなかったから。

それが、だ。
響灘グリーンパークの池で、コケを食べるゴールデンゼブラを初めて見た!!
それも、多くの個体が底床に生えているコケを盛んに、かなり一生懸命についばんでいる。
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“こいつら、ホントにコケ食うんだ!!”

本当だったんだ!! みたいな驚き。
生息地でもこんな風にして食ってるんだろうな、と、遠いマラウィ湖を想像できそうなシーンに、ちょっとした感動さえ覚えたくらい。
まさか、ゴールデンゼブラで感動しようとは思わなかったが、響灘グリーンパークで見たものの中で一番感動したのは、多分このコケ食いシーンだ。

池ではゴールデンゼブラ以外にティラピア(ここにいるのはナイルティラピアとかじゃなくてHeterotilapia buttikoferi)も勝手に殖えているらしく、サイズの異なる小さい個体はちらほらと。
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小さい個体はバンド模様が鮮やかで綺麗。ずっとこれなら可愛いのに(笑)

それにしても、同じ池に何でも食うレッドテールキャットがいるというのに、こういう小さいシクリッドたちはどうして食い尽くされないんだろうか?
水槽で同じことしようとすると、間違いなく餌になってしまうと思うのだけど……
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響灘グリーンパーク(福岡) [相当施設インプレ]

以前、開催させてもらった水族館イベントの打ち合わせ、というか、条件を満たした水族館をリストアップしていた時のこと。昨年か、一昨年だったかの話だ。

基準を満たしているかも知れない、と、要確認リストの中に名前があがった施設のひとつが「響灘グリーンパーク」。
その後、条件を満たしていないことが確認され、水族館としてリストに載ることはなくなったものの、当確線上の際どいところにある施設であることは間違いないのだろう。
機会があれば行ってみよう…… 個人的にはその時はそれで終わった。

でも、そんな機会は不意に訪れた。

9月からJALがエアバスA350の運航を開始した。
マニアというほどではないけれど、実は飛行機、それも旅客機が好きだったりするオレ。
最初の就航路線は羽田→福岡のみ。
さしあたり福岡に用はなかったけれど、新しい飛行機に乗ってみたい!!
そういえば水環境館ってリニューアルしたんだっけ? と、無理やりに近い形で福岡に用事を作り出し、A350で福岡へ向けて飛び立った。
ちなみに、水環境館や響灘グリーンパークがある北九州市に飛行機で行くなら、最寄りは圧倒的に北九州空港である。
でも、今回は仕方ない。いつもとは違い、水族館は“ついで”だったから……

水環境館を後に(その話はまたいずれ)して、小倉駅から博多方面へ向かう在来線へ。
途中駅で乗り換え、響灘グリーンパークの最寄り駅へ。
そこからバスで…… と思ったら、バスで行けるのは休日のみらしく、仕方なくタクシーで。思い立ってフラッと訪れる訪問者にはあまり優しくないらしい。

目的地の到着し、ゲートをくぐると、そこは広々とした公園。
あれっ!? オレは水族館(相当施設)に来たはずじゃ…… と不安になりかけたが、遠くに大きなガラス温室があるのが目に入った。
そのガラス温室こそが、響灘グリーンパークの水族館的施設、「熱帯生態園」だった。
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入り口で別途入館料を支払い、温室内へ。
中は様々な熱帯植物が生い茂る、よくある熱帯植物園のそれ。
“普通に熱帯植物園じゃーん!!”と思いかけた頃、大きな池が現れた。
そこまで行く前にもカワウソがいたり、トカゲやカエルが展示された水槽が並んでいたりはしていたけれど、水族館好きとしてはやはり、水を見ると安心するのだ(笑)
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池は橋(観覧通路)を挟んだ両側にあって、向かって右手側の池にはコロソマやティラピアなどの魚がひしめいている。反対側の池はスイレンなんかが展示されていて、魚は少なめな模様。
池では餌やりもできるので、魚たちは人影に群がってくる。
また、池の周辺は鳥とかカメとか、それらしい? 面々が展示されていて、さらに、温室内にはチョウ(オオゴマダラ)が放し飼いになっていて、その辺をひらひら飛んでいたりするのだけど、オオゴマダラ以外にも数種類の鳥、ウォータードラゴンも放し飼いになっているらしい。鳥はともかく、ウォータードラゴンなんてあそこで探し出せる気がしなかったけれど……
探し出してみようとすれば、かなり長い時間を楽しめそう? だ。

池の先を進むと滝があって、その裏側に水族館的な水槽が3つ。
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そこにいたのはテッポウウオ、スッポンモドキ、ピラルクー。その水槽の反対側にも小さなケージがいくつか並んでいて、トカゲとかカエルなんかが展示されていた。
驚くような何かがいる訳ではないんだけど、少しずついろんなものがいて、確かにただの熱帯植物園ではない印象。
植物園の温室内に魚を展示した池…… 順路に現れる小さな水槽など、どことなくエルどらんどに似てる気がした。
ただ、温室内の植物はこちらが全然上。魚はエルどらんどの方が種類数もはるかに多く、個体クオリティはこちらよりも高いけれど、池の中の見やすさという点ではこちらに軍配かな?

温室を一周し、出口の手前まで来ると、先ほどのティラピアが沢山いた池にアクリルパネルが取り付けられた大きな水槽が登場する。
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さらにその向かい側に、大きなレッドテールキャットやパールムなどの大型ナマズが泳ぐアクリルパネルが付いた池がもうひとつ。
明るい温室の中で、池の中はコケなどで黒っぽい。つまり、アクリルへの映り込みが激しくて、日の向きのよっては中はとても見にくくなる。
でもまぁ、そこまで必死になって見なきゃならないようなものがいる訳でもなく、その焦りのなさがまた、のんびり見る気にさせてくれるので、勝手に殖えていると思しき小さなシクリッドたちの営みを眺めているのが楽しかった。

池水槽から出口の間にはカピバラもいて、産まれて間もないのだろう。オレが行った時(9月の中頃)は小さなカピバラも沢山いた。
帰ろうとするオレのところに、その内の1頭が近寄ってきて、盛んに何かを囁いてくる。
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カピバラってこんな風に鳴く(囁く)のね!! というのが発見ではあったのだけど、カピバラ好きではないオレに向かって、あの個体は何を訴えていたんだろう?

温室内にかなり長い時間いたのだけど、閉園時間も近づき、そろそろ出ようかと外に出てみると、「カンガルーひろば」なるカンガルーが放し飼いになったエリアがあるとのこと。
このカンガルー園の話も聞いたことがあったのだけど「ここだったの!!」ということで、そちらにも行ってみた。
日本ではここでしか見られない珍しい種類もいるそうで、確かに初めて見る、見るからに珍しそうなワラビーがいたりして、思わぬ驚きも得られた。

期待値の低さが幸いしたのか、施設を後にした時の満足感は想像以上だったのが自分でも意外だったほど。
でもまぁ、カンガルー目的でもない限り、ここでしか見られないものがある訳ではないので、水族館巡らー的には何かのついで、くらいでちょうどいいのかも知れない。
公共交通機関で行くには不便なこともあるし。
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日本の水族館で会えるイルカ・鯨類 [鯨類]

「日本で飼育されてる鯨類は16種436頭」

10月5日に開催された中村元さんのイベント、超水族館ナイトで、ゲストで来られていた日本鯨類研究協議会(JACRE)代表幹事、石橋氏(海響館館長)によって公表されたもの。
その数字がいつのものか確認し忘れたので、個体の死亡や出産などによって、多少の差があるかも知れない。

でも実は、現在(2019年10月)、日本の水族館や相当施設で見られるイルカ、鯨類は17種類いる。
石橋館長の発表があった時にはネズミイルカを忘れていて、うんうん16種類ね、なんて思っていたんだけど、イベントから戻ってもう1度カウントしたら17種いた。

その内訳は、

・バンドウイルカ
・カマイルカ
・ミナミバンドウイルカ ※美ら海水族館だけ
・スジイルカ ※太地くじら博物館だけ
・マダライルカ
・ハセイルカ ※うみたまごの2頭のみ
・シワハイルカ ※美ら海水族館、太地くじら博物館だけ
・シャチ ※鴨川シーワールド、名古屋港水族館だけ
・オキゴンドウ
・コビレゴンドウ ※太地くじら博物館、マリンワールド海の中道だけ
・ハナゴンドウ
・ユメゴンドウ ※美ら海水族館の1頭のみ
・カズハゴンドウ ※太地くじら博物館だけ
・ネズミイルカ ※おたる水族館だけ
・スナメリ
・イロワケイルカ ※仙台うみの杜水族館、鳥羽水族館だけ
・シロイルカ

69種類がいるとされているハクジラ類の内、その1/4に相当する種類数を見ることができるのだから、これは凄いとしか言えないよね。
イルカウォッチングなど自然下で比較的簡単に見られる種類は限られてしまうし、それだっていつ行っても見られるとは限らない。
そういう意味でも、なかなか見られない珍しいイルカに簡単に会えるというのは、本当にありがたいことだと思う。

イルカ好きの人というと、種類よりも、個体に関心がある人が多い印象だが、いろいろな種類のイルカに会ってみたいオレみたいな人に向けて? 飼育種類数の多い順ランキングで締めたいと思う。

一番はやはり、太地くじらの博物館だ。
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全国最多、9種類(バンドウイルカ、カマイルカ、スジイルカ、マダライルカ、シワハイルカ、オキゴンドウ、コビレゴンドウ、ハナゴンドウ、カズハゴンドウ)の鯨類を見ることができる。

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鯨博物館で会える種類の内、スジイルカ、カズハゴンドウはここでしか見られない。他にもアルビノバンドウイルカとかリューシスティック(白化個体)のハナゴンドウとか、やはりここでしか会えない珍しい個体もいる。
そうした珍しい種類、個体だけでなく、各種個体数も多く、そういう意味でもイルカが目的なら国内最高の施設だと思っている。
少々(かなり)行きにくいのが難点だが、それを補って余りある満足感が得られる。

2番目に多くの種類が見られるのは、沖縄美ら海水族館で6種類(バンドウイルカ、ミナミバンドウイルカ、シワハイルカ、マダライルカ、オキゴンドウ、ユメゴンドウ)。
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ジンベエザメの泳ぐ大水槽の印象が強いかもだが、鯨類もスゴイのだ!!
中でもミナミバンドウとユメゴンドウはここだけ。先にも書いたように太地でシワハイルカに会えなかったので、現在(19年10月)見られるのは美ら海だけだ。
ミナミバンドウイルカはイルカウォッチングなどで遭遇機会の多い種類だが、飼育下では唯一ここだけ。ユメゴンドウは野生でもなかなか見られないらしい大変珍しい種類だ。

3位以降は4種類を見られる施設。4種類見られる施設は鴨川シーワールド、八景島シーパラダイス、南知多ビーチランド、名古屋港水族館、アドベンチャーワールド、うみたまご、マリンワールド海の中道の7施設。
個人的には鴨川シーワールドとうみたまごを3位としたい。
は鴨川シーワールドの4種類(シャチ、バンドウイルカ、カマイルカ、シロイルカ)。
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海獣と言えば鴨川!! のイメージ通り? 現在のラインナップはメジャー路線な印象だが、かつてはマイナー種の飼育を手掛けていたり、最近ではシロイルカの繁殖にも成功した。
鴨川でしか見られない種類はいないものの、日本でシャチといえば鴨川、というイメージも強く、それを目当てに出掛けるという人も多いのではないだろうか。

同率3位のうみたまご。
その理由は、そこでしか見られないハセイルカがいるから。
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ハセイルカはかつて鴨川にもいたことがあったが、うみたまごにいる個体(はるか)はとにかく可愛い!! 現在飼育下にあるハセイルカはうみたまごの2頭だけなので、とても珍しいのだけど、そんなことがどうでもよくなるくらいはるかは可愛い。
同じく可愛い系のマダライルカも同じプールにいるが、はるかの前ではその可愛さも霞んで見える気がするくらいだ。

八景島は昨年までは6種類の鯨類がいたので、それらが健在なら種類数2位タイだった訳だが、残念ながら現在はメジャーな4種(バンドウイルカ、カマイルカ、オキゴンドウ、シロイルカ)のみ。
4種類に会える施設では、バンドウイルカ/カマイルカ/シロイルカ/オキゴンドウ率が高いが、海の中道には現在日本で2ヵ所でしか会えないコビレゴンドウやスナメリが珍しいところ。また、名古屋港水族館のラインナップは鴨川シーワールドとほぼ被っているが、巨大なプールを水中から見られるのは名古屋港ならではだ。

以降、3種類を飼育する施設へと続くのだけど、キリがないので4種飼育施設まで。

イルカ、鯨類の飼育には賛否、というか否定が優勢となりつつある昨今。
個人的には、こうした鯨類に会えること、会えたことに幸せを感じているし、ありがたいと思っているけれど、それでも、飼育下のイルカがこんなに沢山必要だとは思っていないし、それが今後も増え続けることには否定的な考えを持っていたりもする。

この先、イルカ、鯨類の飼育はどんどん困難になっていくことは間違いない。
今いる個体がいなくなったら、もう見られなくなる、なんて種類もいるし、それが近づきつつある種類もいる。
もし、会いたい種類、個体がいるのなら、1日も早く会いに行くことをお勧めしておきたい。
今を逃すと、この先はない可能性もあるから……
タグ:水族館
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