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遡上ビワマス@琵琶湖博物館 [淡水魚]

秋になると、遡上してきたサケやカラフトマスを見に行くことが個人的な恒例行事…… なのだけど、今年はコロナ禍ということもあり自粛することにした。
それでもその時期になれば、標津や留辺蘂、千歳あたりから、SNSを介して遡上サケの画像が次々と流れてくる。
それらをリアルタイムで見られるのはとてもありがたい反面、行きたかった、行けばよかったかも、みたいな気持ちがより強化されるのもまた事実で、今シーズン、オレのサケ成分は大いに不足していた。
そんなところに、琵琶湖博物館の知り合い学芸員氏がビワマス遡上個体の画像をSNSにアップしているのを見てしまった。
サケ成分絶賛渇望中のオレが、婚姻色に染まったビワマスの美しい姿を見てしまえば“北海道ほど遠くないからいいかな?”みたいな気持ちになってしまうというもの。
加えて、GoToキャンペーンで想像以上の格安で行けることも後押しとなり、琵琶湖博物館まで行ってきた。
こんな時期だったので、件の学芸員氏には連絡もしていなかったのだけど、入館時に早々に遭遇。予約チェックをする当番だったそうで、行くなり嬉しい偶然に見舞われた。
氏、曰く、「いいオスが入ったばかりですよ」とのことで、他の展示を後回しにして、ビワマスがいる水槽へと向かった。

いた!! よく見えるところに大きなオスの姿が。
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体も大きく、繁殖期のオスとしてはなかなかのイケメンと言っていい立派な個体だ。
しかし、色が薄い。いい個体ってこれ? SNSで見たものに比べると、ずいぶん地味な感じだけれど……
なんて思っていたら、水槽の端の目立たないところに、美しい婚姻色を発した個体が。
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これか!! 確かに綺麗な個体だ。

ビワマスは遠い昔にヤマメやアマゴと共通の祖先からいち早く分岐し、海水適応性を捨て、琵琶湖固有の種として現在に至っているそうだが、サクラマスを連想させる体色(婚姻色)は、両者の関連性を感じさせてくれる。
サクラマスよりはサツキマスにより近いらしいのだけど、関東の人間のオレからすると、サツキマスもビワマスと同じくらい馴染みが薄く、婚姻色に染まったものは見たことがない。遡上サツキマスと比較すれば、もっと似ているものなのかも知れない。

でも、この綺麗なオス、色こそ綺麗なものの、もう1匹のオスに比べると体が小さい。
その体格差もあってか、上記のオスから追い回されたりするので、委縮してしまっている様子。
ここに産卵前のメスがいたとしても、モテなさそう……
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一方、大きなオスの方はというと、見た目だけでなく、やる気もあるらしい。
綺麗な方のオスを追い払うだけでなく、メスに対しても寄り添ったりと、繁殖期のオスらしい行動を見せ続ける。
ただ、水槽に入っているメスはすでに産卵を終えてしまったらしく、もはや死を待つだけの状態。
体色は褪せ、体も薄くペナペナ。まだ水流に抗うだけの体力は残されているようだったが、水槽の上流側から動くことはなく、いることが確認できただけ。
当然、オスからのアプローチにも反応はしない。

オレが行ったのはもう2週間近く前のことだが、その時点では新たなメスの搬入も予定されているとのことだったので、もしかすると、産卵シーンが見られたというラッキーな人もいたかも知れない?
あのオスのやる気があれば、すぐに産卵まで漕ぎ着けそうな気がする。

なお、オレが行った時にいたのは色は薄いが大きくイケメンなオス、婚姻色の綺麗な小さいオス、そしてメスの3匹が遡上個体として展示されていたものの内訳だ。
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ビワマスなんて、サケやカラフトマスよりもさらに地域性の強い、琵琶湖でしか見られない“特別な存在”だ。
その遡上個体を見られたお陰で、今シーズン、圧倒的に足りていなかった“サケ成分”を得ることができて、ひとまず満足しつつシーズンを終えられそうだ。
これを見られたのは本当にラッキーだったけど、サケやカラフトマスも見たかったなぁ、やっぱり……

余談ながら、琵琶湖博物館も3年ぶりだったのだけど、ちょうど全館リニューアルを終えたばかりというタイミング。博物館としても、水族館としても最高だった。
9月以降、アクアトト、なかがわ水遊園に続けて今回の琵琶湖博物館と、国内3トップの淡水魚水族館を回ったのだけど、奇しくも各施設6回目の訪問だった。
6回ずつ3ベストを見て回ってあらためて思ったのは、日本最高の淡水魚水族館は琵琶湖博物館かも!? と。

遡上ビワマスが見られたからという理由だけでなく、展示内容、その見せ方、そしてその見やすさ、見にくさなど、そしてそこから得られる満足感など、どこを取っても総合力では他2館を上回ってるような気がしたからだ。

惜しむらくは、いずれの施設もウチから簡単に行けるほど近くないことだが、岐阜と滋賀は隣接している。
ということは、岐阜か滋賀に住んでいれば、琵琶博とアクアトトには行きやすくなるかも知れない。

引っ越すか!?
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