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アートアクアリウム美術館(東京) [雑談]

アートアクアリウムに行ってきた。
期間限定のイベントとして、これまでも各地で何度も開催されてきたものが、常設となったらしい。
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もともとイルミネーションとかプロジェクションマッピングとか、そういうものにまるで関心がなく、見ても“ふーん”以上の感想を抱かないオレからすると、アートアクアリウムはまったく“刺さらない”もの。
おまけに、金魚もあまり好きじゃないとくれば、まさに行く理由がなく、期間限定イベントの時代から、1度も足を運んだことがなかった。

それが、ちょっと見に行ってみようかな? となったのは、昨今、話題になっていたから。
SNSから火が付き、それに追随してTVでも取り上げられていたそうだが、とにかく中の金魚が酷い状態らしいのだ。
実際、Twitterで多く流れてきた写真は、金魚好きの人なら間違いなく気分を悪くしそうなほどの悲惨なもの。
とは言え、行こうと思ったのは、阿鼻叫喚の地獄絵図を見たかったからじゃない。
本当にそんなに酷い状態でやっているのか、という部分も気にはなったが、それ以上に、どんな人たちが、どんな風に楽しんでいるのかを見てみたくなったのだ。

期間限定とは言え、これまで何度も開催されていて、それを常設にするというからには、ある程度以上の集客が見込めるからなのだろうし、2300円という決して安いとは言えない観覧料が必要で、それを支払ってまで見に来るお客はどんな楽しみ方をしているのか。
自分のよく知る世界のフリをした見知らぬ世界。そう考えるとちょっとワクワクする!?

入館するといきなり、このイベントの作り手である木村某氏の言葉……
どうやら、自己顕示欲の強めな人らしく、会場各所に実績アピール的な表示があり、それがちょっと鼻につく感じ。
まぁ、この人のイベントなのだろうし、好きにすればいいんだけど、見に来ている人たちはその人自体には興味や関心ないんじゃないかなぁ?

それはともかく、2300円もするだけあって、まぁまぁな水槽数。ここでは“水槽”ではなく“作品”だそうだが…
そのすべてに金魚(一部、錦鯉)がひしめいていて、魚の数もそれなりに、というか水量に対してかなり多め。
会場は全体が“和”テイストで統一されているが、詫び寂びというよりは、もっと毒々しい雰囲気。キルビルに出てくる日本、みたいな印象。
館内はかなり暗く、水槽(中身じゃなくて水槽そのもの)が照明の効果もあってしっかりよく見えるようになっているが、その照明はどぎつい色で、かつ目まぐるしく変化する。
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“作品”だけに水槽はしっかり見える反面、金魚の色はよく分からない。白と黒の金魚なのかと思って見ていたら、照明の色が変わった途端、赤と白の金魚だったことに気づく、みたいな具合。行く前から分かっていたことだけど、金魚そのものの綺麗さとか可愛さを紹介するための“展示”が目的ではないことを実感する。そういう意味では“普通の水族館”として楽しむ施設ではない。
なお、中を泳ぐ金魚たちに、Twitterで盛り上がっていたみたいな悲惨な状態のものは見当たらなかった。入れ替えた? のだろうね。
各水槽は水が溢れるようになっていたり、上が開いていたりなど、水そのものが人と近い。
あれだけの数の金魚が泳ぐ水だけに、臭いが気になるところだが、会場は線香みたいな匂いが充満していて、よほど水に鼻でも近づけない限り、いわゆる金魚水の臭いは感じなかった。
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こうした色とりどりの水槽にはどこか見覚えがあった。
記憶を辿ると、アクアテラス錦が丘を思い出した。
もしかしたら、ここの作り手の弟子とか関係者? そう思うくらいによく似ていた。アクアテラスが目指したものはこれだったんだろうな。
他にも、どこぞのクラゲ水槽を連想させるような水槽もあったりして、どちらが先かは知らないけれど、水族館へも影響を及ぼしている? そんな風に思うものもいくつか。

来ているお客は、普通の水族館みたいに小さな子連れファミリーもいたが、圧倒的に女性、それも比較的若めな年齢層の人が多い模様。
そんな人たちは、水槽を近くで見るより先に、スマートフォンを向けるのが流儀らしい。その後、水槽をバックに自撮り、みたいな光景をそこかしこで見掛けた。
観覧者から“綺麗~!!”という声が聞こえることは何度もあったし、イルミネーションとか電飾とか好きな人なら、普通に楽しめるのだろうと思う。
魚好きや金魚好き、飼育を趣味にする人と、そうでない人との感じ方の差みたいなものも顕著で、大きめの丼みたいな水槽? に入った琉金を見て、オレは“これ、ずっとここに入れておくのかな?”と、まずは気になったが、同じ水槽を眺めていたカップルは“可愛い”“こういうの好き”と好評な様子。
そういうのも、違った文化に触れてるような感覚だった。
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先にも書いたように、水槽の数は多い。しかし、水槽の形や大きさこそ違えど、賑やかな光に照らされた中に金魚が入っている、という点ではどれも同じ。
中に入っている金魚は、全部に違った品種が入っている訳でないことも、形の違う同じものを見続けてる感につながっているような印象だった。
そのため、入館して3つめのフロアあたりで、もういいや、な気分になり、出口に向かってしまった。
なお、一度出口まで来てしまうと、基本的に“もう1周”はできないそうだ。
ちなみに、観覧時間30分弱。感覚的には1分100円な感じ? そう考えると高いなぁ!! と思うけど、知らない世界を覗き見るための費用だと思えばまぁ、納得。
分かってはいたことだけど、オレには“合わない”世界であることを再認識した。
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とは言え、それはオレの問題。水族館好きなら漏れなく否定的な印象を抱くという訳でもないのだろうし、もし、何かしらの興味を引かれたなら、行ってみるのも悪くないのかも。
それが“いいもの”とは限らないけれど、何かしらの発見はあると思うから。
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コメント 2

Kazu

私もイルミネーション的なものに関心がないため、行く機会はないかもしれませんが、お魚と水槽の一体の作品(?)として展示して、一種のお祭り的なイベントとして成り立っているのかもしれませんね。「合わない」ものでも「発見」はあるかもというのは、深い言葉だと思いました。
by Kazu (2020-10-16 18:54) 

ミストラル

>kazuさん

不思議な世界でした。
リピーターになる人はいないんじゃないか? と思ったのですが、ずっと続いていることを考えると、意外とそういう人もいるのかも知れません。

何しろ、見知らぬ世界ですから、行くと何かしらの発見があるのではないかと思います。
by ミストラル (2020-10-16 19:21) 

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