SSブログ

カワスイ 川崎水族館(神奈川) [水族館インプレッション]

“光・音・映像が生み出す、未体験のエンターテイメント”
“最先端の照明・音響・映像技術”

水族館の広告や公式HP、ポスター、パンフレットなどに、こういう文言が躍っているのを見ると、途端にその施設を色眼鏡で見てしまう。
どうやら、水族館からこうした言葉が発信されることに、強いアレルギーがあるようだ。

でも、仕方ない。
こういうワードの先にある“新しい展示”にガッカリし、“水族館なんか止めちゃえばいいのに!!”と思ったことがこれまで幾度もあったから……

川崎駅前の商業ビル、「川崎ルフロン」の上階にオープンした「カワスイ 川崎水族館」の公式HPにも、上記ワードが並んでいた。
IMG_3723.jpg

それを見た瞬間から「また、これ系か……」と。

オープン日まで期待の“き”の字すら抱くことなく数カ月。いざオープン日となっても、行きたくないとさえ思った……


結論から言うと、思ってたよりもずっと楽しめた。
これ以上ないほどに下がったハードルは、未知の水族館を楽しくしてくれるのだ(笑)

期待値が低過ぎたが故の反動もあったと思うが、何より、思ったほど“電飾系”でもなく、水槽も“ちゃんと楽しめるもの”だったから。
LY5A0867.jpg
とりわけ、デジタルな部分はさほどそれを意識させるようなものにはなっておらず、空間演出や水槽の背景に止められていたことには好感が持てた。
やっぱり、水族館で見たいのは、あくまで“生きた本物”であり、人工物にそれを見る邪魔はして欲しくないのである!! 

水槽の中を泳いでいるのは、ほぼ淡水魚のみ。イグアナとかカピバラ、ナマケモノなんかもいるが、基本は魚。それも観賞魚として流通しているもの。
そういう意味では“2020年の東京タワー水族館”といった感じ? 展示種のラインナップは似てる。
とは言っても館内の雰囲気は徹底的に違っていて、ところどころに設置された映像や音響などの効果で、館内の雰囲気は“イマドキ”な感じ。
LY5A0651.jpg
東京タワー水族館はデートで行くような水族館ではなかったけれど、ここならそんな用途でも過不足ないはずだ。

気になったのは、水槽が大きくないこと。
ビルの上階という立地だから、重量制限が厳しいのだろう。水に包み込まれるような感じはないし、それ以前に、中を泳ぐ魚に対して、そう遠くない未来が心配になるようなものもいくつか。どうするんだろう?
LY5A0798.jpg
例えば、ピラルクーの水槽など。施設としてはパンフレットなどにもシンボリックな存在として登場させるくらいにピラルクー推しなようなのだけど、そのピラルクーの水槽も広くなくて、今いる4匹が2mになってしまったら……
現時点ではまだ平和だけれど……

展示されている魚には、ちょっとしたこだわりを感じさせる部分もあったりして、魚好きでも楽しめると思う。
例えば、ディスカスとエンゼルが泳ぐ水槽は、どちらもワイルド種のみの構成だったり、アマゾンエリアでは“こんなのいるの!?”と、ちょっとした驚きをくれたナマズ、など。
LY5A0868.jpg
まぁ、現在(オープン時)展示されている魚たちは、今後、状況に応じて変更される可能性もあるのだろうけど……
全部で69本ある水槽で、230種類を展示しているというが、実際にそれを見て回るとなかなかのボリューム感。ビルの上階なので規模はそれほど大きくはないものの、それなりに満足感は得られるのではないだろうか。

また、“デジタル水族館”のここならではの特徴だが、水槽には魚名板がない。情報はすべて水槽下にあるQRコードをスマートフォンで読み込む設定になっている。オレは使わなかったのでどの程度の情報が取れるのかは分からないが、そのおかげで水槽の周辺はすっきりしている。
でも、いちいち面倒くさいと思う人も中にはいるだろう。そんな人は、マニアな知人にガイドを頼むといいかも知れない。

この水族館、料金体系もちょっと変わっていて、昼券、夜券でそれぞれ別料金が設定されていて、昼夜共通券は3000円となかなかの値段。
昼と夜とでは、照明や壁面に映し出されたデジタル生物が変化したりするらしいが、オレがじっくり見て回るのに掛かった時間は、2時間半くらい。
そのくらいの時間があれば、ひと通り見られると思うので、1日いなくても大丈夫じゃないかと思うけど、もしも1日いたくなっても大丈夫!!
館内には食事ができる場所が2ヵ所もあるので、遠くから遠征してきたから水族館から出たくない!! という人でも安心だ。
また、カフェには何故か、ネコカフェが併設されていたので、魚を見に来たはずが、ネコのせいで長居するハメになった、みたいな人も現れるかも知れない。
余談だが、このカフェにはピラルクー入りのカレーなんていうメニューもあった。

JR川崎駅からとても近く、改札からの所要時間はアクアパーク品川と変わらないくらいに近いし、夜10時まで営業しているから、JRを使う人なら仕事帰りなどに立ち寄って、みたいな楽しみ方もできる、都市型タイプの水族館だ。
nice!(0)  コメント(4) 

nice! 0

コメント 4

Kazu

四国、かりゆしに続き、新規水族館の紀行ありがとうございます。私も正直ここは「期待薄」でしたので、訪問してみると意外に楽しめるかもですね。しかし、かりゆしといい、魚名板を貼るのではなく、スマートフォンで読み込むのが最近の定番なのですね。たくさん種類がいる場合は、そちらの方がすべてを網羅できるという利点があるのでしょうか。

by Kazu (2020-08-23 22:21) 

ミストラル

>kazuさん

カワスイは想像以上に(と言っては何ですが…)、評判も高く、人気になっているようですね。
魚名板は… 雰囲気重視で水槽周辺をごちゃごちゃさせたくない、ということだったのでしょうけど、それについては、あまり評判がよくなさそうな印象ですね。
by ミストラル (2020-08-26 11:04) 

Kazu

遅ればせながら行ってきました。まさに新時代の東京タワー水族館で、ボリューム盛り沢山でした。1種1種を全て丁寧に見極めるのは大変であきらめましたが(笑)QRコードを読み込んでデジタル掲示板を試してみました。一つ読み込めばそれで全ての水槽の情報が出るのでその点は助かりましたが、ここにはこんなものがいるのか!と思ってから観るのに慣れているせいか、違和感満載でした(笑)
by Kazu (2020-11-16 19:51) 

ミストラル

>kazuさん

楽しめましたか? だと良いのですけど。

QRコードはひとつ読み込めばOKなんですね!!
水槽ごとに読み込まないといけないの? なんて思っていたので、それよりはマシですが、やっぱり、面倒なことには変わりなさそうですね。
by ミストラル (2020-11-19 15:25) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。